(7)「医学生からの感想文」のページ(パート1)

◆このホームページを読んだ山形大学医学部の医学生からの感想文を掲載しています。


(平成10年9月29日)

◆S.N.

喘息はメジャーな疾患であり、世間の健康に対する関心が高くなっていることを思えば、質問ももっともっと増えていく気がする。インターネットで健康相談を行っている所ができてきたが、回答がとても追いつかないという状況にけっこうなるらしい。テレビや雑誌でも病気に関する情報があふれているが、そうした中で正しい情報を提供することもこれからの医者に求められる重要な仕事の1つとなるであろうと思う。

◆M.N.

僕自身はインターネットを行っていないので、その利点が良くわからなかったが、喘息の患者さんとっては相互に情報が伝えられるので好ましいのではないかと思う。

◆D.N.

喘息というと、私の妹も小さい頃ひどく、苦しそうに咳込んでいるのを思い出します。このようなホームページはそれぞれの患者さんが持つちょっとした疑問、相談に答えられるものとして有用であろう。もしかしたら外来などではいいにくいこともあるかもしれないので、そういう点でも非常に有効であろう。また、喘息に対する正しい知識を広く一般の人が知ることもこれからの治療に役立つものになると思う。

◆H.H.

私の身近にも小児に発症した喘息の方がいるが、22歳になった今でも、発作を繰り返している。大学の講義で喘息へのステロイド治療の意義を学んだため、その方へステロイドの重要さ、副作用、薬理作用について説明したが、どうしても理解が浅いようである。すぐに即効性のβ刺激剤や気管支拡張剤に走ってしまう。やはり、ステロイドの正しい知識を医者も患者も持つことが大切であると感じた。

◆N.H.

喘息患者の方々から寄せられた寄稿集をじっくり読ませていただくと、その内容は、大きく分けて3つの中のいずれかに含まれているものが多いことに気が付きました。それは、(1)喘息と生活、仕事の関係に関したもの、(2)疾患としての喘息やその治療に関する疑問、(3)喘息に携わる医師や主治医、看護婦に対する疑問、不満の3つです。現在の状態に大変満足されて寄稿した方もいらっしゃるが、現在の貧困な喘息医療への鋭い指摘ととらえられる深刻な内容の寄稿が少なくなかった点が非常に気にかかりました。特に、(3)の点についてはこれから医師になる者として非常に学ぶべきものが多い貴重な内容のものでありました。「発作の時はカリン入りの飴でもなめていろ」と主治医からいわれた61歳主婦の方の例や「この病院ではこのままだと死んでしまうようだ」と夫が見るに見かねてこぼされた71歳主婦の方の例など医療の本質に関わる深刻な事態が生じていることには非常に残念でなりません。ここには少なからず「患者は医師の言うことを聞き、しっかり守ってさえいればいいのだ」という発想が背景にあり、それを破ろうとする者には容赦なく「悪い患者」というレッテルが貼られる現代医療の遅れた体質が今だに残っているためではないかと思われてなりません。これは、患者さんの側のみならず医療従事者側にも今だに誤解があるという遅れた喘息医療の現状を引き起こしている恐れさえ十分にあり得、誤解に輪をかけて主治医への不信が重なり問題をさらに大きくしているように思います。患者さんの誤解についても医師がきちんと正しいことを患者さんに説明していない、説明したつもりになっている状況があるためではないかと思われます。医師が誤解したままでいることは問題外の大問題でありますが、患者さんが誤解されたまま過ごされ状態が良くならない→医師が叱責する→医師への不信が深まる→状態の悪化という悪循環が引き続かれている事態にもっと医師は注目すべきではないでしょうか。私は内科の臨床実習で、難治性気管支喘息の55歳男性の方を受け持たせていただきましたが、その方は喘息に関してかなりの知識をもっておられました。「喘息は生活、特に仕事と密接に関わってくるので興味をもたないではいられないのですよ」と苦笑されながらおっしゃっていたことが鮮明に思い出されます。つまり、喘息はその方も人生に深く関わってしまう社会的疾患であるということを学び得ました。

◆T.H.

身の回りに喘息で悩んでいる患者さんもいないし、実際に患者さんの話を直接うかがうことが出来ないのでとても勉強になりました。成人なされた患者さんはもちろんのこと、喘息の子供を抱える家族に対して我々医療人はもちろんのこと、教育関係者やその他の全ての人々の理解と支援の必要性を強く感じた。ステロイドの処方や日常生活など理解が正しければ生まれてこない誤った考えや偏見を正したいと思う。

◆M.M.

患者の声が自分の開いている時間にすぐに読めるホームページに感動しました。自分も将来ホームページをつくって、患者とのコミュニケーションを深められたらと思っています。

◆N.M.

喘息の患者さんたちが普段感じているさまざまな事にふれられる貴重なホームページだと思います。意見交換の重要性に、またパソコンで気軽に参加できる点も素晴しいと思います。その他の慢性疾患の患者さんについても、いろいろなホームページができたら、医師としても病院以外でも患者さんの心の一端にふれることができるし、患者さんも心強いものとなると思います。

◆S.M.

今まで身近に喘息の患者さんがいなかったので、気管支喘息の患者さんや患者の家族の人の生の声がたくさん出ていたことはとても新たな発見があった。ステロイド吸入などの有効な治療法があるにもかかわらず、ステロイドを使いたくない医者や知識のなさから、重症の発作で苦しい状態が改善されないということがあると知り、もっと正しい知識を持たなければと思った。こういうホームページがあると、患者さんにとっても医者にとっても、役立つ貴重な情報が得られてよいと思った。

◆N.M.

喘息というよく聞く疾患が、こんなにも人のQOL(生活の質)を下げてしまうことにまず驚いた。学校や仕事にも行けず気分も沈む。医者の言うことは時には患者さんを深く傷つけ、しかも有効な治療は行われない。しかし、山形大に来て吸入ステロイド剤によりどの患者さんも生まれ変わったように状態が良くなり、精神的にも明るくいきいきと変わっていく様子が文章から読み取れた。又、自己でpeak flow meterをつけ、自己で管理することにより客観的な数値で状態を知ることが出来、患者さんの自立にもつながっているように思われた。先生自身も喘息であったとのこと。だから余計にその苦しみがわかるのでしょうね。もっと広く社会に喘息の正しい治療法が広がって、苦しみが少しでも減ってゆかねばならないと思いました。

◆K.M.

喘息の患者さんが運動してはいけないとか、精神病ではないかと言われたりしている現状を知ってすごく驚いた。まだまだ喘息について誤解されている部分が多いのだなあと感じた。喘息には吸入ステロイド薬が抜群の効果を発揮することを知った。また、ピークフロー値測定により、自分の今の状態を知り、自分でコントロールをしていくことがとても大切であることも学んだ。

◆H.N.

印象に残った文章は色々あったが、中でも最も強い印象を受けたものは、30代にして初めてステロイド治療を行い劇的に発作が改善した女性のものだった。その人は、それまで気管支拡張剤と去痰剤のみで治療され、何度も発作を繰り返していた。その時の主治医が“ステロイド反対論者”であったため、その様な治療が続けられていたのだが、彼女が当時の主治医に対し、「患者は一人一人違う人間なのだからそれぞれの人に合った治療法をさがし、実際に治療することが大切であり、自分の(ステロイド反対という)考えに縛られると患者にとって最善の治療法を見逃すこともある」という事を目にして、気が引き締まる思いがした。医師とは自分の信念を持って治療をすべきだと思うが、その信念が偏ったものとならない様にしなければならない。患者さんから教えられる事はたくさんあるのだという事を、このホームページを通して実感した。

◆Y.N.

昨日、あまり気の進まない気持ちで家からホームページを見ました。しかし、最初の例を見るなり読み入ってしまいました。こんな医療があってもいいのか?と思うと同時に、先生の医者としての態度に尊敬の意を感じました。(決してお世辞ではありません)幸いに私は喘息の発作はまだ体験したことはありませんが、私の妹は小児喘息で十数回入院しています。ここのホームページにあったRTC療法のみの治療であったと思います。そのような妹にこの治療をしてあげられたらなあ、と思いました。私は将来の進路として小児科も考えているのですが、もし、自分が小児科医になったとしたら(先生はこのホームページで小児科医を責める気はない、とおっしゃっていますが)、広い視野をもって、患者さんに一番良い治療を探す努力を惜しんではならないと感じると同時に、自分はそのような医者になれるのかという不安を感じました。今日感想を書くためにちょっと見るつもりでしたが、患者さんの受けた仕打ち等を読んで泣けそうでした。これだけ多くの悩みを少しでも解決しようという気持ちが医者には必要と感じ、自分にそれができるかという不安が残りました。

◆J.M.

喘息に対する多くの誤解が一般の人だけではなく、医師側にも今だに存在するという事実を知り大変驚いた。“気の病”、“精神病”などと言われる患者さんの不幸さに何だか日本での話ではないようにさえ感じた。喘息とは気道内の慢性炎症性疾患である、と講義で学び記憶してきた私にとっては、時代の変化と医療現場の進歩に関心を持たないことの恐ろしさを感ぜずにはいられなかった。

◆K.N.

喘息の治療にあたって、その患者のおかれている生活環境、喘息に対する考え方、知識等の背景を十分に把握した上で、その患者において最善と思われる治療が必要であるということを改めて感じました。また、喘息の患者がどんなにこの疾患に苦しんでいるかが、Home pageをみて身にしみて感じました。また、ステロイドがこの疾患にどんなに効くのかについてもよく理解することができました。ステロイド使用にあたっては、ステロイドの副作用、有効性についてよく患者にインフォームド・コンセントを行い、その処方にあたっては医師としての十分な知識と経験が必要なのだと思いました。

◆Y.T.

自分も幼少時に小児喘息に罹患し、5年近く通院した経験がある。今、思い出してみて当時自分がどの様な治療を受けていたかは知る由もないが、発作時の苦しい思いや体育の時間など運動を中止され、「何で自分だけ…」と悔しい思いをしたことは鮮明に記憶に残っている。患者さん以外にこの苦しさを理解してもらうことはなかなか困難なだけに、このようなインターネット上で喘息患者のネットワークが広がってゆくことは、元一患者としても大変心強いことだろうと思います。

◆D.T.

気管支喘息をはじめアレルギー疾患に悩む人はかなり多いだろう予想はしていました。自分もその一人で、医学を学ぶまでの小・中学生の時は、親も含めて悩みを相談する人もなく困っていたことを覚えています。インターネットで体験記を広く、いろんな人に見てもらうことは大切なことだと思いました。同じように悩む人達にとって心強い相談者になりえる存在であると感じました。

◆T.T.

喘息の患者さんの実際の声を聞き、患者さん一人一人の症状にかなりの差があることを知った。また一般の方々に誤解されていることも多いことが分かった。特にステロイド吸入に関しては、ステロイドの副作用ばかり強調されているが、実際には副作用はほとんどなく極めて安全な薬であるということを、まだ(私も含めて)多くの方は理解されていないように感じた。そのような誤解をなくすべく医師は説明する必要があると感じた。患者さんは何時起こるか分からない発作に対し心配されている方も多いことを知り、そのような心因的な面に関しても、サポートする必要が医師に求められていると感じた。


(平成10年7月27日)

◆Y.T.

寄稿集を読んで、医師の責任とはとても重く、患者の生活すべてを変えてしまうだけの力があることを改めて実感した。薬には必ず効果と副作用があるので、副作用の面が強く言われると恐い薬というイメージが定着してしまうのかもしれない。そこで医師が副作用に注意して、患者の生活がよくなるように考えていかなければならないと思う。病気の原因を考え、理論的に治療法を考える医師が増えれば、喘息の正しい治療法がもっと広がり、寄稿集で読んだようなことが過去の話になるのではないかと思う。

◆K.T.

患者の声を聞き、治療に生かしていく臨床医を自分も目指したい。

◆M.T.

まず最初に驚いたことは、このようにインターネットなどを用いて全国規模で喘息患者さんとのネットワークがあり、それを運用しているということです。ここにあった人の数を見ればいかに喘息の患者さんの中には大変な生活をしている人もいるということがわかりました。私も呼吸機能検査などで呼気がスムーズにできない状態を作ってもらいましたが、その苦しさを実感できたと思っています。このようなネットワークをこれからも継続していってほしいと思います。私もつい最近覚えたパソコンの知識を用いて利用していきたいと思っています。

◆T.T.

寄稿集に関して、喘息は難しい疾患だと思った。あまりにも有名で、患者数が多いだけに、マスコミなどの情報の氾濫し、その中で本当の治療法、正確な情報を提供できることが必要である。

◆T.T.

インターネットを利用した学習も画期的だった。いかに多くの人々が病気や治療に対して強い関心を持っているかを知ることができた。世間一般にインターネットを通して、病気に関する情報を提供し、また疑問、質問に対応することもまた医療であることを体感した。

◆W.N.

喘息というものとは無縁にこれまで過ごしてきたんですけど、患者さんは発作時でなくても肉体的にも精神的にもつらい目にあって大変だなと思いました。吸入ステロイドは飲み薬に比べ副作用が少なく、それにたよって生きている人はかけがえのない存在であり、まさに生きるか死ぬかがかかっているんだと改めて驚きました。

◆N.N.

近い友人をかつて喘息死で亡くしているので、大変興味深かった。患者とその家族への正しい病気の知識を教育すること、またそれの社会への普及の大切さを実感した。また、20〜30回入院することもまれではないそうである。吸入ステロイドが有効であるとのこと、この普及と周囲の支え、これがいかに大切であるかを感じた。

◆S.F.

喘息の治療法が先生によってこんなにちがうとは思っていなかった。ステロイドは十分理解して適切に使用すれば副作用もなく元気になれる薬だということが良くわかったし、患者さん方もきちんと説明を受けていればステロイド投与を拒むこともないのだなあとつくづく感じた。小児喘息の子の寄稿集は印象的だった。この子が入院していたような施設が今もあるのかと驚いた。やはり子供には好きなものを食べさせて元気に遊ばせてあげられるようにしてあげたい。


(平成10年7月9日)

◆Y.S.

初日にほとんどを読むことができた。喘息について、これほどまでに生々しい告白を知ることが出来るとは思っていなかった。その時にとったメモが家にあるためその時に得られた知識は少々おぼろげであるが、一番強く感じたこと、それは「喘息は軽快させ、維持することができる!」という点である。本人にしか分からない苦しみをこの寄稿集によって知り、かつ自分が扱うことになったらこの点を思い起こし、先生に指導を賜わりたいと思う。

◆S.S.

喘息患者であったため、痛感するのだが、こうしたホームページで喘息という疾患について周囲の理解を促すというのは非常に良い方法だと思う。昔、小学校のときに同級生が喘息でほとんど学校にこれず、医師の診断書を持ってきたら、担任が「この先生は本当にいるの」と言った。子供ながら、とんでもない教師だと思ったが、世間の理解というのはその程度なのかもしれない。今はすっかり回復し(呼吸機能も人並み以上になった)、縁があって医師になれるところまで来た。何らかの形で喘息に対して貢献できたらよいと思う。

◆M.S.

呼吸機能検査の実習で、喘息に似た状態をつくり、階段を昇り降りしましたが、常にあのような息苦しさの中で生活している患者さんがいるのを知り、その大変さを知ることができました。

コメント:彼はバスケット部の私の後輩でスポーツマンです。呼吸機能の実習で、口に抵抗を付けたマウスピースをくわえ、一秒量65%程度の抵抗をつけて、階段を登り降りしてもらいました。これは、安静呼吸だとさほど苦しくないのですが、運動すると一発で苦しくなります。彼より少しひ弱な学生さんに、抵抗をつけないマウスピースをくわえてもらって、一緒に階段を登り降りしてもらいましたが、彼の方はスイスイで何回登っても大丈夫でした。「昔はスポーツマンで体力があったのに、喘息になってからめっきり体力がなくなった」という話をよく聞きます。これは明らかに間違いです。気管支が炎症を起こして細くなっているから当たり前なのです。彼の場合、苦しければマウスピースをはずせばそれで楽になりますが、喘息の患者さんは炎症が取れない限り楽になることはできません。しかし、うまく気管支炎症が取れれば、健康人以上の体力に戻れることは間違いないことなのです。

◆S.N.

先生のホームページをみるまでは、私もやはり、ステロイドという薬についてはそれのもつ副作用のイメージの方が効能よりもあまりにも強く、自分がもし医師だとしたら使用するのに抵抗があったように思います。しかし、喘息で苦しむ患者さんには、吸入ステロイドという副作用をほとんど気にしないで行える投与法があるのだから、苦しんでいる患者さんに多くの医師が積極的にステロイドを投与してほしいと感じました。自分の誤った思い込みによる認識を自覚できた好い機会でした。2週間どうもありがとうございました。


(平成10年6月16日)

H.S.

喘息患者さんの声を読むと、どうも医師には、当たりはずれがあるようです。不幸にして「はずれ」に出会ってしまった患者さんの悲惨さ、その後正しい治療に出会った時の悔しさは、想像するに難くありません。喘息ではありませんが、私も似たような経験で部活を断念していた時期がありました。正直言って、今でもその時のことを考えると悔し涙が出てきます。
自分は将来「あたり」の医師で在りたいと思いますが、細分化された現代の医療現場において、オールマイティーであることは、非常に難しいことではないかと思います。実際には自分の専門分野では「あたり」で在ることを望めても、それ以外では「はずれではない」程度で在るしかないでしょう。一時、本気でブラックジャックになりたいと思った私には残念なことですが、せめて、不幸な患者さんだけは少なくしたいと思います。
最後に、「禁煙したくなる肺」を壁に貼っての禁煙を、たった今より始めたいと思います。


(平成10年6月4日)

K.K.

私はこの寄稿集を読んで、私の今までの喘息に対する認識の甘さ、そして喘息の人の苦しみを実感しました。教科書で得られる知識は喘息のごく一般的なことでしかありません。実際、個々の患者さんによって病状は異なり、また生活環境も違います。喘息の患者さんの中には喘息のことを本当によく勉強している人もいます。そういったことも全て考えながら全ての患者さんが病気と闘っていけるようにサポートして行くことが大切だとか感じました。何気ない医者の一言や態度がどれだけ患者さんを傷つけているか、もっと考えていかなければならないと思います。医療において大切なのは医者と患者との信頼関係だと思います。しかし、実際には医者の一方的な行動により、誤った治療を受け、この信頼関係が崩れているものが数多くあることを知らされました。ステロイドに対する考え方も個人個人で違うとは思いますが、それを医者個人の考えだけで行うのでなく、きちんと患者さんに説明し、患者さんの理解を深め、共に病気と向かい合っていくことが大切だと思いました。


(平成10年5月30日)

H.K.

自分の周囲に気管支喘息の人がいなかったため、喘息持ちの人の気持ちが、今まで良く分からなかった。常に発作のことが気持ちのどこかにあり、患者さんそれぞれに、医師に直接言えないような事など、様々な事で思い悩んでいることを知った。また、実際に、ステロイドがとても良く効くことが、患者さんの声を通して良く分かった。その意味で寄稿集を読むことは、学生の私には喘息について考える良い機会だった。

将来、初期診療で喘息の患者さんを診ることがあると思う。その時に、喘息についての正しい知識、豊富な情報を患者さんに提供し、喘息の重症化を予防できるようにしたい。


(平成10年5月25日)

S.K.

私自身喘息ではなく、また周囲にも喘息の人はそういなかったので、患者さん自身の体験、考えに触れたのはほとんど初めてでした。印象的だったことは、患者さん、あるいはご家族の方が喘息のことを本当によく勉強しており、また自分の体の状態を冷静に分析していることです。また、医師のひと言の重みも改めて痛感しました。私はあと一年足らずで医師になる身ですが、言葉というものには本当に気をつけようと思いました。それには患者さんの気持ちを察してあげられる心、思いやりが必要です。教科書で得られる知識は体のことに関してだけ、しかも平均的なものに過ぎません。それぞれの患者さんによって病状には個性があり、また性格やものの感じ方、生活環境も異なってきます。そういったことをふまえて、患者さんがいい状態で病気と向き合えるようなサポートのできる医師になろうと思いました。

Y.K.

喘息という病気は僕にとって身近な疾患だった。なぜなら僕の祖祖母は気管支喘息で山形大学附属病院に入院していたからだ。祖祖母の主治医だったのが諏訪部先生だった。だから諏訪部先生とは以前に会ったことがあった。日頃から咳がひどく、見ていて見ている方が息苦しくなってしまう程だった。見舞いによく行った。今から5年前に気管支喘息で亡くなった。気管支喘息の患者さんから寄せられた体験記のホームページを見た。実体験を元に書かれているのでとても分かりやすく伝わってくるものがあった。もっと早く祖祖母が生きている間にこれを見て、勉強していたらもっと祖祖母の事を分かってあげれたのではないかと思う。気管支喘息の治療というものをもっと多くの人に知ってもらうためにも、より多くの人にこのホームページを見てもらいたい。

コメント:5年前、彼の言うように私は彼のおばちゃんを受け持っていました。入院のきっかけは、喘息発作ではなく、肺炎でした。ご高齢でもあり、また他の合併症などもあって、治療の甲斐なく他界されました。非常に貴高い立派なおばあちゃんでした。その際、山形大学医学部に入学したばかりで見舞いに来た彼を家族の方から紹介されたのを今でも覚えたいます。月日の経つのは早いもので、その彼がもう臨床実習に廻ってきました。天国のおばあちゃんのためにも、立派な医師になって下さい。


(平成10年5月19日)

S.O.

今回だけでなく、患者さんの意見を聞くといつも感じることは、医師として責任を果たすことの難しさと医師は単なる職業の一種ではないということである。喘息で苦しんでいる患者さんにはステロイドが著効するということを理解してさえいれば患者さんの苦痛をやわらげることはできるのだが、このことを知らなかったり、またはステロイド使用に理解を示さないでステロイドを使用しないことは医師として問題であると思うが、後者に対しては私なりに意見がある(前者、つまり知らなかったということも重大なことだが)。ステロイド使用に反対の小児科医をはじめとする医師は、副作用や患者さんに一生喘息とつき合っていくことを強く認識させてしまうこと、ピークフローを付けることのわずらわしさ等の理由により反対しているようだが、とくにきわだった副作用もなく、これが一番大事だと思うのだが患者さんはステロイド使用に好意的であり、著効していると認めており、ある意味でインフォームドコンセントにつながっていると思うので、反対者ももう一度喘息で苦しむ患者さんの立場になって考えてみるべきだと思った。

えらそうなことを書いてきたが、最後に主治医のコメントを読んで思ったことだが、医学は地道で大きなことも小さなことも積み重ねで、一人の患者に対してある期間だけでなく、最後まで責任を果たしているのだと思った。病院で医師が患者と向き合っている時だけが医療ではないのだと思った。そして立派な医師になるということは非常に難しいことなのだとあらためて思った。


(平成10年5月7日)

H.O.

喘息の寄稿集を読んで、世の中には喘息で苦しんでいる人がたくさんいることを知った。私たちは喘息という病気にしか目が行かないことが多いが、喘息患者にとっては普段の何気ない生活の中にも刺激となるものがたくさんあることを知った。と同時に喘息にかかったことのない人が喘息患者の気持ちを理解することのむずかしさを知った。

K.U.

私は、喘息のホームページを読んで、患者さんがあんなにつらい思いをしていることを初めて知りました。“喘息”という病気は私が小学校の頃から知っていたものなのに、そのつらさは知りませんでした。あまりにもなじみのあるものだっただけに、その真のつらさはわからなかった、知ろうとしなかったのだと思います。今回の実習でこのホームページを読めたことは私にとって大きなプラスとなりました。どんなによくある病気でも、その人にとってはそれが苦しみの全てで、他の人と比較してその苦しみを判断してはいけないのだと再認識しました自分が医者となって、何年も経ち、患者さんを診ることが日常となっても、そのことを忘れず、ひとりひとりに接していきたいです。それと、このホームページを通して、ひとりでも多くの患者さんの苦しみが少しでもやわらぐことを願っています。

I.U.

この寄稿集を読んで、私の喘息に対する知識の無さを実感しました。私もステロイドと聞くと、副作用が大きい危険なものだと感じていました。実際、アトピー性皮膚炎の友人がステロイドを使いつつも、なるべくなら使わないほうがいいからと、ステロイドを使うことを極力避けていたということもあり、使っている人が経験上言っていることだから間違いないと決めつけていました。ですからステロイドをうまく使っている方々の手紙を読むと、今までの考え方は偏見以外の何者でもないとわかりました。私のような偏見を持っている医師が数多くいるということにも驚きを隠せません。

また、なにげない医師の一言や、患者さんを前にしたひそひそ話が、どれだけ患者さんを不安にし、傷つけているか、考えなければいけないと思います。各科を廻り、実習をしている学生のみでさえも、これは言い過ぎだとか、患者さんの気持ちを全く考えていないのではないかと思うこともありました。いちばん大切なのは、医師と患者の信頼関係なのに、現実には押しつけの医療が行われていることも多いように感じます。

お手紙を拝見していると、動けなかったり、手に物を握ることもできないといった重症の方が多いことに驚いています。そういった方々は、毎日の生活の中でどれだけ不自由な思いをされているか、想像もできません。私も数年前、冬の間だけでしたが、苦しい思いをしたことがあります。夜、寒くなると普通に呼吸をするときにヒューヒューと音がし、息苦しくてたまりませんでした。布団から顔を出しているとせき込んだりして寝れないので、布団を頭からかぶって寝たりしていました。寒さや冷たさに刺激されるようで、冷たい飲み物でも同様のことがおこりました。私の場合、治療することなく自然に治ってしまいましたし、お手紙を寄せている方々に比べたら軽症でしたから、もっとひどい発作の方々はどれほど苦しかったことでしょう。またそうでないにしても、普通の生活を送れずこんなことをしたら発作が起きそうだと、心配をしながら生活をしていくということは、精神的にも負担が大きいと思います。

そういったすべてのことを解決できるのがステロイドだったとしたら、むやみやたらに怖がるのではなく、その副作用も十分理解した上で、ステロイドとつきあっていくことは有意義なことだと思います。そのためには、患者さんに信頼されるような医師が不可欠であり、私も患者さんの気持ちを考えられる医師にならなければいけないと思っています。

◆T.O.

この寄稿集をみていかに多くの患者さんが喘息発作で苦しんでいること、喘息や喘息発作に対しての治療方針が医師ごとに異なっていること、喘息に対して正しい知識を持っている医師が少ないことを知った。特にこの寄稿集に出てくる医師の患者に対する対応にはショックを受けた。実際にこのような医師が世の中にたくさんいるんだと改めて実感した。呼吸器を専攻する医師でなくとも喘息に対する正しい知識・治療について知らなくてはならないし、病んでいる人に対しては、自分の発する言葉に対し特に責任をもって応対すべきだと思う。


(平成10年4月20日)

C.A.

私は身近な人に喘息の人がいなかったのであまり喘息に対するイメージはありませんでした。

この寄稿集を読んでこんなに喘息で悩んでいる人がいるのだと初めて知りました。

喘息についてはあくまでも教科書レベルのものしか知りませんでした。喘息が治ったと思って勝手に薬を中断してしまい、喘息がひどくなってから再び病院に来る、というパターンを多くの人がたどっているということを知りました。もっともっと患者教育なるものを徹底しなければ、永久に誤解され続けて、喘息で悩む人の苦労が報われなくなってしまう、と実感しました。

D.I.

喘息の患者さんはとても多くて、しかも慢性に症状がで続けているわけではないので入院するほでではないけれど、ときどきひどくなるという方は随分いるようなので、このホームページはそういう方にとっては特に心強い存在になるのではと思いました。働いているし、昼間はあまり症状がないのだが、夜になると救急車で運ばれてくるといった人もいると聞いたことがありますが、そんな方にとってもこのページは助けになるのではと思います。

実は先日、夜中に友人から電話がかかってっきて、突然発作になったから来てくれといわれたことがあります。喘息の診断を過去にくだされれていた方で、風邪を引いているのにも関わらず、徹夜で麻雀をしたあとで寒い夜を歩いていたら呼吸困難になったとかで、病院に行けと申し上げましたが、その方も喘息のホームページを読んでいれば、そういうことにもならなかったし、発作時ももっと適切な対応ができたかと思います。

もっとインターネットが普及していけば、このホームページはさらに大きな存在になると思うのですが…。日本でももっと安くインターネット簡単に手にはいるといいのと思います。

A.I.

HPをみて驚きの連続でした。ひどい話は枚挙に暇がありませんが…。

凄く勉強になったのは『煙草のにおい、草花の咲くにおい、煮物のにおい等全てのにおいに対して、咳、痰も出ずに呼吸困難が起こる女性』のお話です。私も、寄稿集を読んでいる間、ずうっと『精神的なものだろう』と思っていました。しかし、それが難治性の喘息だったとは…。難しいといって諦めず、病態を探り続ける必要性を感じました。

私も、山形に来て1年目、咳に苦しめられました。冬に運動をすると、1〜2時間咳が続くのです。教養部まで20〜30分自転車を漕いでいくと、必ず咳が止まらなくなり、吐きそうになってトイレにかけこんでいました。病院にいって、検査をしたものの異常はなく、運動は続けたかったので、気管支拡調剤とステロイドをもらいました。しかし、ステロイドに対する恐怖感から結局使わずじまいでした。咳の方は、山形の寒さになれたのか、2年めからは、気にならなくなりました。しかし、咳が出やすいのには変わりなく、ステロイドに対する理解を深めなければなりませんね。

とても、勉強になりました。

T.I.

僕が、まず感じたことは、「どうして喘息の患者さんに対して、あんなひどい治療が行われてしまったのだろう」ということです。治療法の確立した疾患については、治療マニュアルを作り、それを見れば、専門医でなくてもある程度の治療ができるようにしなければならないと思うのです。そしてそれに反する治療には、保険適応を外すべきだと思います。そうすれば、患者さんが、どこの病院にかかっても、一定水準の医療が受けられると思うのです。患者さんは「どこの病院にいったら高い水準の医療が受けられるか」などということはわからないわけですから。大きい病院なら高度な医療とは限らないわけですし。

ステロイドを安易に使用することは、確かにこわいかもしれません。しかし、治療に自信がなければ専門医に任せればよいと思うのです。問題なのは、自分の専門外のことについて、いいかげんな治療で、何日も患者さんを自分の元においておくことだと思います。

この話は、痛みのひどい患者さんにモルヒネを使うことと似ていると思いました。モルヒネも、「麻薬を使うと廃人になる」という誤解から、積極的に使われずに患者さんに痛みを我慢させてきたらしいのです。私は、医療の根本は、「患者さんの苦痛を取り除いてあげること」だと思うのです。「病気を治すために痛みを我慢しなければならない」とか、「喘息を治すために、喘息の苦しい咳を我慢せよ」というのはナンセンスだと思います。医師のプライドが邪魔をして自分の患者さんを他の医師に頼みにくくしているとしたら、これも、「こういう状態になったらすぐ専門医に紹介しなければならない」というような「決まり」が必要なのではないでしょうか。

さきほども述べたように、大切なことは、患者さんが最初どこの病院にかかっても、同水準の医療を受けられるようにすることだと思います。これは、医療制度の問題であって、医師一人一人で解決することは難しいのかもしれませんが、少なくとも僕は、患者さんに、苦痛のない、最高の医療を受けさせてあげたいと思うのです。そのためには、自分の能力の限界を認めて、他の専門医を紹介できる医師こそ優秀な医師だと思うのです。

また、患者さんの寄稿を読んで、患者さんが医師の言った一言一言に一喜一憂している様子がよくわかりました。医師にとっては、何百何千といる自分の患者さんの一人なのですが、患者さんにとっては、たった一人の医師なわけですから。あらためて、患者さんとのコミュニケーションの大切さを痛感しました。

医師が、忙しかったり、疲れていると、どうしても不機嫌になってしまい、いじわるなことや、時には患者さんをひどく傷つけることを言ってしまうことも医学生の僕には、容易に想像できるのですが、医師の一言が、患者さんに一生の心の傷を付けてしまうかもしれないことを、改めて認識しました。

M.I.

私には80才になる祖父がいます。同居という訳ではないですが、家から歩いて5分もかからない所に住んでいて、小さい頃は毎日のように遊んでもらいました。祖父や動物園やプールなど、そう近くもないところにしょっちゅう私を連れていってくれたものでした。

その祖父が気管支喘息であることを知ったのは、ずっと後になってからでした。今考えるとちょこちょこ歩き回る孫と遠出するのが辛いときもあったのではないかと思うのですが、幼い私は少しも気付きませんでした。大きくなってから、夜救急車で運ばれていたことや、発作時の詳しい状況を祖父に聞いたりし、発作が起こったときなどは大変な状況なのに、病院へ行ってもまた再発してしまうという感じで、何とかならないのだろうかともどかしいような、祈るような気持ちでした。

そんなある日、祖父の家を訪ねると、とても家の中の雰囲気が明るいなと気付いた時がありました。祖父も祖母もすごく嬉しそうで、それまで祖父の口から辛いというのを私はあまり聞いたことが無かったのですが、楽になって嬉しいという言葉は今までに何度聞いたか分かりません。それだけ喘息で苦しい思いをしてきたということでしょう。

その時はただ漠然と、祖父にあった治療法がやっと見つかったんだなと思っていたのですが、患者さん方からの寄稿集を読んでいて、どんな治療法からどんな治療法へ変わったのか、その時の状況や気持ちの変化はどんなものだったかが実に良く分かりました。より多くの患者さんが、一日でも早く喘息の苦しみや発作の恐怖から解放され、嬉しい顔ができるようにと願わずにはいられません。気管支喘息に対する誤解が解消し、不当に差別されることが無くなるには何ができるのかを考えていきたいと思います。

T.A.

「気管支喘息ほど臨床の場で誤解されている病気はない」という先生の言葉を聞き、興味を持って寄稿集を読ませていただきました。確かに近年、気管支喘息の概念は大きく変わり、それに伴って対処法も著しく変化したようです。また、ステロイドは特定の疾患に対する効果は劇的ですが、多彩な副作用を持つため「諸刃の剣」であると言われており、慎重に使用するよう教えられています。しかし、これ程まで気管支喘息が誤解されているということは全く予想できませんでした。また、私は気管支喘息の患者さんと接したことがなかったため、これまで気管支喘息がどういう病状で、日常生活でどのくらい患者さんが苦労しているかをイメージできませんでした。しかし今回寄稿集を通し、それらをリアルに感じることができました。今後、気管支喘息の患者さんに接する上で、大変プラスになる経験ができたと思います。

寄稿集の中に「一つだけの治療方法にこだわらず、他の治療方法ではどうかと検討してほしい」という意見がありましたが、全くその通りだと思います。気管支喘息に限らず、患者さんによって異なる治療方法を的確に判断できるように、学生時代の知識だけにとらわれず、医師になってからも、日々進歩する医学を学んでいく必要性を強く感じました。また、患者さんの医師に対する生の声を聞くことで「知識だけではなく、人間味のある医師を目指して患者さんと接していきたい」と改めて心に思いました。

A.I.

喘鳴患者さんの体験談を拝見させていただいて、ステロイドの有効性に改めて驚きました。ステロイドについては、有効性および副作用について様々な論議がされていますが、総合的に判断すると適切な使用下では非常に効果的な薬剤だと思います。小児科の実習でも喘鳴の患者さんを担当しましたが、ステロイドの投与により学校を休まなくなる程回復していました。発作をなくすことを目的とせず、患者さんが健常者と全く同じ生活を送ることができるように、学生だけでなく、先生方にも喘鳴の正しい治療について勉強してもらいたいと思います。

Y.A.

「喘息」とは、なんと聞き慣れた病名だろうか。私が小学生のときのクラスには、2、3人の「喘息」持ちの子がいたし、この間、小児科の関連病院実習で外来を見学したら、待合室には、「喘息」の患者がごった返していた。幸いにも、私自身は、「喘息」を(今までのところ)患ってはいない。しかし、私の妹が、アトピー性皮膚炎を患っていたことを考えると、子供の時に罹っていても特に不思議ではなかったはずだ。

寄稿集に目を通してみて、医学生として最も気にかかったところは、やはりステロイド療法についてであった。ステロイド療法についての生の意見を聞くと、その有効性に改めて驚いてしまう。今まで受けてきた医学教育を振り返ってみると、全般的には、どちらかというとステロイドの有効性よりは、その副作用の方が強調されてきたような気がするからだ。

いずれにしろ、ステロイドの副作用を盲目的に恐れ、ステロイドを毛嫌いするような偏見は、「喘息」の患者さんにとっては、極めて危険であると胆に銘じた。年間、6000人もの気管支喘息の患者さんが亡くなられているのだから…。

Y.I.

今回この寄稿集を読ませて頂いて、気管支喘息の患者さんの中にはこれほどの多大な苦しみを経験なさっている方がいらっしゃるということを初めて知りました。医師を志している人間としては、勉強不足で大変恥ずかしいことでありますが、寄稿集で訴えられている患者さんの苦しみの原因の大半が医師側にあることを知り、恥ずかしさが増すと同時に患者さんに対して申し訳なくなってしまいました。ここの患者さんに最も適した治療方法を臨機応変に選択することが医師の役割であると考えます。それゆえ、この寄稿集に登場したある医師のように、どの患者さんに対しても対症療法のみで対処し、たとえその患者さんがいかなる状況に追い込まれていたとしても治療方針を検討しようとはしない姿勢は、本来の医師のあるべき姿ではないような気がしました。1年後には自分自身も実際に医療に携わることとなりますが、一つの考えに固持せず、あらゆる角度から一人の患者さんに対して対応し、最良の医療を提供できる医師になりたいです。


(平成10年3月21日)

◆S.Y.

この寄稿集を読むまで喘息の知識といえば、喘息の病態や治療薬などの教科書的な知識しか持っていませんでした。さらに、喘息は運動すれば治るとか大人になれば治るというような誤った知識を持っていました。医学生である僕ですら、このような 一般でいわれているような話を多少なりとも信じていたのですから、医療に携わっていない一般の人達がこのような話しをうのみにしてしまうのも無理はないと思います。やはり、自分が病気になったときに一番大切なことは、その病気をよく知ることだと思います。そうすることによって、自分の状態を理解し、また、どのようにしたら病状がよくなるのか(または、これ以上悪くならないか)を知ることができると思うし、間違ったこと(例えば、喘息におけるフローリングにしろということや猫のいる家には遊びにいくな等)をしなくてもよくなると思います。寄稿集を読んでみると、あまりにも患者さんのことを考えない無理な要求をされたり、痛みや苦痛を我慢しろ等ということを言われたということが書かれていますが、こういうことを少なくするためにも、自分の病気のことをよく知り、疑問に思ったことは主治医に質問して、自分自身で納得した上での治療を受ければよいと思います。


(平成10年3月19日)

◆G.Y.

充実したWebSiteで感心しました。将来的に自分もHomePageを作ってみたいと思います。

◆T.Y.

気管支喘息の患者さんが小児の場合は、本人が注意するだけでなく家族や周りの人も注意が必要だということを寄稿集を見て思った。また、ステロイドの使用に関して症状の程度にもよるが常に、治療の選択肢の1つとして考慮しておかなければならないと思った。

◆T.Y.

気管支喘息=アレルギー、アレルギー=難治疾患、というイメージをもっています。とにかくステロイド剤が有効なことはある程度知っていましたが、実際の患者さん達の声を聞くと、「ステロイド剤は救いの神」のように受け取られていると思います。劇的な治療効果、生活の質の向上、その他色々な点でステロイド治療の長所が全面にでていますが、ステロイドに関してまだまだ知られていないことがたくさんあると思います。だから、私たちは更なる研究をし、よりよい治療をするための努力をしていかなければならないと思います。

◆Y.M.『いまでも稀にでてきます』

喘息と自分は15年以上の仲である。自分が成長するのと共に、発作は出なくなり、現在のところ症状の出ることはほとんどない。それでも10歳〜15歳の頃は季節の変わり目になると(特に春から夏にかけてがひどかった)夜中にゼーゼー眠りにくかったことをおぼえている。ひどい時は明け方までほとんど眠れない事があった。

当時は(といってもたかだか10年位だけど)病院でくれる薬は飲み薬だった。今晩はゼーゼーが来そうだぞ、とおもったときは、オレンジ色の錠剤と白い錠剤を1錠ずつ飲んでおき、予防していたのを記憶している。発作がおきるまえは何かしら前兆を感じることが多い。

最近では、旅行先でとまった部屋にはいったとたん、悪寒のような感覚を感じ、思ったとおりその晩に出てきやがった。薬を持ってきてなかったのでひさしぶりの『眠れない夜』をすごすはめになった。以来旅行先でもくすりを持ち歩くことにしている。β2選択的気管支拡張薬のおかげで症状が出てしまっても直ぐに軽快させることが出来るようになった。飲み薬を飲んで効果が出てくるのをじっと30分位待つことも今はなくなった。症状が出ないとき、自分は喘息を軽くみている。人口10万人につき5人が毎年『喘息死』するそうだ。それに軽い発作を放置しておくと、気道の炎症が固定化されてしまい慢性化してしまう。喘息持ちの人が旅行するときは、歯ブラシやドライヤーと一緒に吸入薬をもっていくことをすすめます。喘息で『眠れない夜』をすごしたのでは旅行続ける気にならないと思う。

コメント:喘息は人口の3〜5%を占めると言われております。山形大学医学部の学生数は1学年100人前後ですから、1学年平均3〜5人の学生さんが喘息を患っていることになります。彼もその一人でした。肺機能検査の実習を行っている私にとって喘息を経験した学生さんがいることは(言葉は悪いですが)格好の“教材”になります。一見何ともなさそうな彼の一秒率は、70%を下回っていました。他の学生さんは皆スーパーノーマルなので、彼が記録した異常値に対しては一瞬どよめきさえあったように思います。さらには、彼はいつも使っているベロテックを一吸入してからもう一度ベロテック肺機能を行ってくれました。そしたら何と85%近くまで値が上したのです。1秒間に吐き出せる量が750mlも改善したのです。これも2番目の驚きであったようでした。一見健康そうに見える彼でも、このように気管支が細くなっていたことは、同じ実習班の学生さんにとっては一生忘れられない記憶となったのではないかと思います。当直の際などに飛び込んできた喘息の患者さんにどのように接したらいいかを教えてくれたと期待しています。

◆M.Y.

寄稿集を読んで思ったことは、(1)誤った治療を受けた患者さんのQOL(Quality of Life、生活の質)はとても悲惨なものであるということ。(2)適切な治療を施していない医療機関があり、全ての患者さんがしっかりとフォローされるようにならないのだろうか、ということでした。また、喘息に悩む患者さんの多くが喘息の病態を良くする根本的治療と喘息を悪化させない補助療法とを混同されて治療され、全くコントロールされずにいたのがピークフローメーターの記録とステロイド点滴による適切な治療により、みるみる症状が改善されていくのが分かりました。

私自身は喘息ではないもののアトピー性皮膚炎を患っており、季節や環境、体調によって病状が悪化したり完治してしまったかのように見えることもあります。しかし、私は、アトピーは完治する病気ではなく一生つきあって行かなければならないものと考えています。だからといって悲観しているわけではなく、日常のケアで病気を表面化させずにおくことは可能で、有意義で楽しいQOLにすることができます。

喘息もアトピー性皮膚炎と同様だと思います。ながいめでこまめに管理しながら、患者さんのQOLを守ることが重要だと思うのです。ピークフローメーターの記録と吸入ステロイドによる治療法はその一助となるのだと確信しました。

◆Y.Y.

実際に、喘息の方からお話を聞いたことがなかったので、驚くことが多かった。発作を、苦しくても我慢しろとか、気のもちようと医師にいわれてしまう方が多いらしく、苦しいから助けを求めるのに、なんてひどいことを言うのだろうと憤りを感じた。患者さんの多くが、吸入ステロイドや、ピークフローメーターでの自己管理は大切なものだとおっしゃっています。私は、ステロイドというと、副作用が強いものであり、恐いものというイメージがありましたが、使い方さえよければ、患者さんのQOL改善できることを知りました。


(平成10年3月9日)

◆S.Y.

喘息持ちの従兄弟が何人もいるので、喘息についての偏見はない積もりでいます。患者さ寄稿集にもありましたが、確かに学校では喘息の患児に運動、特に水泳をやらせなかったりしていますが、従兄弟たちを見ている限り、スイミングスクールに通い出してから、体力も付き、発作が起こらなくなっていました。確かに過激な運動は、発作を誘発する原因にもあるようですが、運動が出来ない、やらせてもらえないという心理的ストレスも喘息の悪化や、長期化に関わっているというような気もしました。また、医者に行ったら喘息ではなくて心理的なものと言われたというお話しも出ていましたが、喘息そのものが心理的要因を多分に含んでいるものであると認識しています。従兄弟たちも、一番下の兄弟が入院している間、わが家で面倒を見ていたのですが、夜になって、寂しくなって泣く度に発作を起こすということを繰り返していたのを覚えています。

インターネットを通じて患者さんとコミュニケーションがとれるこのようなホームページが自分の大学の先生が作っていると知って、大学医療に対する不審感も少しだけ和らぎました。