◆かきくけこ◆
◆カンジダ症→カンジダという真菌(カビ)による感染症。
・喘息関連では、吸入ステロイドの咽頭粘膜への刺激によって起こることが問題。
・吸入ステロイド吸入後に十分なうがいを行えばほとんどは防止できるが、場合によっては、抗真菌剤(ファンギゾンシロップなど)を使用する場合がある。
・ベコタイドやアルデシンなどの吸入ステロイド(ベクロメタゾン)ではスペーサーを使用することで防止できる。
→「ガイド」「薬の副作用」「口腔内カンジダ症」
◆感染型(性)喘息→アトピー型喘息に対峙する喘息の亜型。
・気管支喘息は、原因別に大きくアトピー型、感染型、混合型に分けられ、感染型喘息は、特にアレルギー検査では何も異常が出ないのに、風邪などがきっかけで起こる喘息でこの名がある。
・アトピー型は小児に多いのに対して、感染型は成人発症喘息に多い。
・原因は、細菌ばかりでなく、風邪などのウイルスも原因として重要。
→「ガイド」「喘息の診断」「感染型喘息」
◆気管支炎症→気管支に起きる炎症。
・喘息は、好酸球やリンパ球を主体とする気管支粘膜の慢性アレルギー性炎症が病態の本質だと考えられるようになった。
→「知識」「5. 喘息発症のメカニズム」
◆気管支拡張剤→喘息発作の主体である気管支痙攣を取り発作を鎮める薬剤。
・β刺激剤、キサンチン製剤、抗コリン剤などがある。
・発作時の気管支拡張剤のみの治療では、喘息の本質である気管支炎症は抑制できないので、吸入ステロイドなどの抗炎症剤を使用することが望ましい。
◆キサンチン製剤→気管支拡張剤のひとつ。
・テオドール、スロービッド、テオロングなどがある。
◆吸入ステロイド→吸入のステロイド剤で主に喘息治療に用いられる。
・点滴や経口のステロイド剤と違って、全身性副作用がなく、慢性投与に向いている。
・ベクロメタゾン(アルデシン、ベコタイド、タナウス)、フルチカゾン(フルタイド)などが現在日本で用いられている。ブデソニド(パルミコート)も近々発売される。
→「特集・吸入療法」参照。
◆吸入療法
・内服薬と異なり喘息治療の主体は気管支に薬剤を作用させることが中心となる。
・β刺激剤、抗コリン剤、吸入ステロイドの他に、インタールなどのネブライザー吸入も該当する。
◆吸入指導
・服薬指導の一環で喘息治療の中心となる吸入療法の意義や正しい操作法を指導すること。
・医師の他に薬剤師や看護婦などが担当することがある。
◆ケタス→抗アレルギー剤。
・一般名:イブジラスト。
◆ケナコルト→持続性の筋肉注射用ステロイド剤。
・一般名:トリアムシノロンアセトニド。
・1回の注射で約1ヶ月の発作抑制作用があるとされる。
・全身性ステロイドなので、連用によって副作用が起きやすい。
・吸入ステロイドが普及した最近ではあまり用いられなくなっている。
◆減感作療法→原因となるアレルゲン(の一部)を定期的に注射することでアレルギー反応を抑制する治療法。
・1週間以内の急速減(脱)感作療法と半年を要する通常の減(脱)感作療法とがある。
・一部の施設で試みられているが効果に関してはまだ一定の見解がない。
◆抗アレルギー剤→アレルギーを抑制する薬剤。
・喘息がアレルギーにより引き起こされるという理念に基づき開発された薬剤。
・喘息が慢性気管支炎症に基づいて起こるとの概念が広がってからは、吸入ステロイドが治療の主体となり、その臨床効果には疑問を唱える声がある。
・しかし、アトピーやアレルギー性鼻炎合併例では使用される場合がある。
・日本で使われることが多いが欧米では高価なのであまり一般的ではない。
◆抗炎症剤→喘息の基本病態である気管支炎症を抑える薬剤。
・吸入ステロイド、インタールなどがある。
・オノンなどのロイコトリエン拮抗剤もこの抗炎症剤に含められる場合がある。
◆交感神経刺激剤→β刺激薬と同義語。
・神経には、運動神経、知覚神経、自律神経の3つがあり、自律神経は意志に無関係に生命維持に重要な機能を調節している。自律神経には交感神経と副交感神経(迷走神経)とがあり、気管支平滑筋に対しては、交感神経が収縮抑制、副交感神経が収縮亢進に働く。交感神経刺激剤とは、この作用を模して作られた薬剤である。
・交感神経にはα作用とβ作用とがあり、β(刺激)作用は気管支平滑筋の弛緩に働くのでこの名前がある。
◆声嗄れ→吸入ステロイドの代表的副作用のひとつ。
・吸入ステロイドの声帯への直接の刺激とステロイドの副作用としての筋症(ミオパチー)とが原因と考えられている。
・フルタイドの使用機会が多くなってこの副作用がクローズアップされている。
・吸入ステロイド療法中に声嗄れが起きた場合は一度耳鼻科を受診すべきである。
→「特集・フルタイド」参照。
◆呼吸機能検査→呼吸器系の機能検査。
・簡易的な検査としては、スパイログラム(ゆっくり吸ったり吐いたりする)検査とフローボリューム(一気に呼出する)検査とがある。
・フローボリューム検査を行えば、努力肺活量(肺容積)と一秒率(気道狭窄の程度)とが同時に測定できる。
・検査の数値の他に呼出曲線のパターンも各種呼吸器疾患の鑑別に重要になる。
→「知識」「1. 喘息のことが良くわかるミニ・ツアー」
→詳しい検査内容については「こちら」参照(PFセンターより)。