◆対症療法→発作、喘鳴、咳などの症状に対処する治療法。
・喘息治療においては、発作止めの頓用ばかりを継続する治療法がこれに相当する。
・あくまで一時凌ぎの対処法であり、そのままの状態を継続することは好ましくなく、病状は悪化して治りにくくなることが多い。
・原因となるアレルゲンや根底にある気管支炎症を除去することがより根本的な治療になると考えられる。
◆タナウス→吸入ステロイド。
・一般名:プロピオン酸ベクロメタゾン。
・アルデシンやベコタイドと同じ。
→「特集・吸入療法」参照。
◆ダニ→喘息やアトピーなどの原因(アレルゲン)として重要。
・アレルギー検査(IgE検査) で、アレルゲンかどうかの判別ができる。
・ダニは死骸もアレルゲンになるので、駆除するだけでは不完全で、こまめに掃除をすることが重要である。
◆タバコ
・喘息発作を誘発する刺激因子として重要。
・吸入ステロイドなどを行っていても禁煙していては気管支の炎症を刺激するので、治療阻害因子となる。
・喘息治療においては禁煙は鉄則。
・慢性の重喫煙歴は、喘息と鑑別を要する慢性閉塞性肺疾患(COPD=慢性肺気腫や慢性気管支炎)の原因となる。
→「ガイド」「喘息の雑学」「タバコと喘息」
→「診療日記」
056:タバコが止めたくなる写真。(平成10年4月9日)
061:非喫煙者が得をする生命保険登場。(平成10年5月27日)
107:現代はタバコがあまりにも入手しやすい!(平成12年3月3日)
111:慢性閉塞性肺疾患患者の実態。〜意外に知られていないタバコ被害〜(平成12年7月2日)
◆テオドール→徐放性キサンチン製剤(気管支拡張剤)。
・一般名:テオフィリン。
◆テオロング→徐放性キサンチン製剤(気管支拡張剤)。
・一般名:テオフィリン。
◆デカドロン→強力な全身性ステロイド剤。
・デキサメタゾン。
◆タザノール→抗アレルギー剤。
◆鍛錬療法→身体を鍛えて喘息を治そうと言う療法。
・乾布摩擦、水泳、縄跳び、冷水浴などがある。
・喘息は心の病、体力がないから喘息が起きる、などという前近代的な思想が根底にある。
・成長期にある小児喘息を(吸入)ステロイドなしで治したいとう思想がある。
・喘息の根底には気管支炎症があって、炎症が軽減・除去されれば喘息児は見違えるように元気になることから、この治療法には多くの疑問を投げかけられている。
・発作が頻発している時期の鍛錬は危険であり、鍛錬を行うとすれば発作が治まっている時期に行うべきである。
→「ガイド」「喘息の雑学」「喘息の誤解」
→「特集・小児喘息」
→「診療日記」
096:小児喘息と鍛錬療法。(平成11年8月11日)
109:小児喘息時代のカルテを読んで知った衝撃的な診療内容!(平成12年4月10日)
◆定量噴霧式吸入器
・MDI= metered dose inhalerの略。
・薬剤の入ったボンベから1押しで一定量の薬剤が噴霧される吸入容器。
・ベロテックなどのβ刺激剤、ベコタイドなどの吸入ステロイド、テルシガンなどの抗コリン剤がこの容器を用いて吸入される。
◆ディスクヘラー→フルタイド(粉末)の入っているディスクを吸入するための補助器具。
◆テルシガン→吸入抗コリン剤。
・一般名:臭化オキシトロピウム。
・アトロベント、フルブロンと同系統薬剤。
・気管支喘息よりもタバコによる慢性閉塞性肺疾患(COPD、慢性肺気腫、慢性気管支炎)に用いられることが多い。
◆転地療法
・大気汚染や空気の悪い地域から空気のきれいな土地へ移住して喘息をよくしようという療法。
・転地による環境改善の喘息に与える影響は大きいが、発作を繰り返すひどい時期には、やはり発作を鎮め根底にある気管支炎症を除去しなければ、転地という大出費の割には、大きな成果を期待することは難しい。
◆ドメナン→抗アレルギー剤。
◆トリルダン→抗アレルギー剤。
・一般名:テルフェナジン。
◆糖尿病→喘息治療薬のひとつ全身性ステロイドの長期連用によって起こる代表的副作用のひとつ。
◆努力肺活量(FVC)→Forced Vital Capacityの略。
・呼吸機能検査でできるだけ吸い込んだ状態からできるだけ一気に勢いよく吐き出したときの肺活量。
・ゆっくり吸ったり吐いたりするスパイログラムで得られる肺活量に対して、この名前がある。
・フローボリュームカーブ検査から得られる値で、一秒率を算定するときの分母になる。
・慢性肺気腫では、ゆっくり吸ったり吐いたりするスパイログラムによる肺活量は正常だが、努力呼出時には気管支が虚脱し閉塞してしまうので、努力肺活量が極端に低くなり、大きな違いが生じる。
→この索引の「呼吸機能検査」へ。