(18)アスピリン喘息って何ですか?
【002】40歳男性(配達自営業)から
<質問>
アスピリン喘息という言葉をよく聞きますが、普通の喘息とどう違うのですか?
<応答>
気管支喘息増悪の要因に風邪があることはご承知のことと思います。喘息のある方がこのように風邪で熱が出たりしたときに、消炎鎮痛剤であるアスピリンを服用することはよくあるのですが、その際アスピリンを服用したことが原因で喘息発作が起きることをこのように呼びます。
しかし、最近はアスピリンに限らず他の消炎鎮痛剤でも、服用によって喘息発作がひどくなることから、アスピリン喘息という用語は薬剤によって増悪する喘息全般のことを総称することが多いようです。
なぜアスピリンで喘息が悪化するかは色々な説がありますが、代表的なものには、アスピリン投与によってロイコトリエンなどの気道収縮物質が産生されるようになることが原因とされているようですが、まだ定説はないようです。
従って、安全な消炎鎮痛剤というものは存在していないと考えた方がいいかもしれません。ただ、ある薬剤で過去に明らかに喘息が悪化した既往があれば、その薬剤はしっかり覚えておき、新しく医者にかかる場合は、喘息であること、過去に○○という薬剤で発作がひどくなったことなどを告げて、同じような過ちを犯さないように気をつけるしか現在のところ予防手段はありません。
また、過去に服用した消炎鎮痛剤の中で自分には安全であったものを記憶しておくべきでしょう。医者にかかったとき、「△△という消炎剤をお願いします。」とお願いすることも大切です。