(1)妊娠3カ月の妻の喘息について。
【012】25歳男性から
<質問>
教えて下さい。
私の妻なんですが、私と付き合い出した2年前ほどから喘息の発作らしいものが出始めました。
今年10月に結婚し、今妊娠3ヶ月なんですが、それまでは病院から頂いてた薬を朝、昼、夜、寝る前に服用してました。その頃は発作も押さえられ、普通にしておりましたが、ここ一週間ほど体調が非常に悪く、先日も朝から発作がひどく早朝、病院に連れて行きました。
今頂いている薬は、吸入式の物と朝と寝る前服用とのことで2種類頂いています。(薬の名前は無知な物で良く分かりません)
このまま体調が悪化すると、母子ともに大変なことになる気がしてとても不安を抱いております。実際今のところ、どうしたらいいかわからず、病院もこのままでいいのか不安でしょうがありません。
本当に喘息についての知識がたらず、困っております。何を聞けばいいのかわからないくらいどうしたら良いのか悩んでおります。もし、専門医で良い方がいらっしゃったら紹介して頂きたいですし、先生から何かアドバイスを頂ければ、とても光栄です。何でもいいです、これから私は妻に何をしてやればいいのか、何か簡単なことでも教えて頂期待と思います。どうかよろしくお願いします。
<応答>
メールいただきました。
ひどく奥様のことがご心配のようですが、あなたががしっかりしなければ、奥様も不安になります。まず、どっしりと構えて下さい。
コメントの前に、いくつか情報を頂きたいと思います。
>>私の妻なんですが、私と付き合い出した2年前ほどから喘息の発作らしいものが出始めました。
(1)小児喘息の既往はありますか?
(2)親・兄弟に喘息の方はいますか?
(3)本人は、アトピーや花粉症などを合併していますか?
(4)何でもいいですからこれまでに大きな病気をしたことがありますか?
(5)奥様は現在仕事をされていますか?されていればどんな関係ですか?
(6)家に中でペットを飼っていませんか?
(7)環境的に埃やダニは多いですか?
(8)奥様はタバコを吸いますか?また、ご主人は吸いますか?
(9)最初に喘息になったとき風邪をこじらせたというエピソードはありましたか?
>>ことし10月に結婚し、今妊娠3ヶ月なんですが、それまでは病院から頂いてた薬を朝、昼、夜、寝る前に服用してました。
この飲み方だと、恐らくテオドールという気管支拡張剤かそのたぐいだと思います。包み紙に何か字が書いていませんか?また、錠剤か、カプセルか、顆粒か、あるいは丸いか楕円形か、など何でも良いですから、分かるだけの情報をお聞かせ下さい。
>>その頃は発作も押さえられ、普通にしておりましたが、ここ一週間ほど体調が非常に悪く、先日も朝から発作がひどく早朝、病院に連れて行きました。
妊娠3カ月当たりは長い妊娠の期間で最も重要です。使用薬剤は厳選しなくては行けません。以下にも述べますが、専門病院へ行くことをお薦めします。できれば、産婦人科と呼吸器科のある総合病院が良いでしょう。
喘息とその治療が妊娠に及ぼす影響に関しては、このホームページの「質問と応答」のコーナーにいくつかのQ&Aが載っていますので、是非読んで下さい。
基本的には、発作の時は母体第一主義で行くべきです。胎児への薬の副作用を恐れて不十分な治療をすると、喘息自体で低酸素など胎児への影響が起こり得ます。母体が良い状態にあることがすなわち胎児には最も良い状態を確保することになります。
>>今頂いている薬は、吸入式の物と朝と寝る前服用とのことで2種類頂いています。(薬の名前は無知な物で良く分かりません)
吸入のキャップの色を教えて下さい。青ですか?レンジ色ですか?茶色ですか?その他ですか?分からなければ、スプレー容器からボンベ部分を抜き出し、書いてある情報をなんでも教えて下さい。ベロテック、サルタノール、メプチン、アルデシン、ベコタイドなどと書いていませんか?
また、どのように吸入するように言われましたか?回数や方法など。
もし、レンジ色か茶色ならそれは発作の予防薬です。苦しいときに使用しても効果はありません。でも、もし頂いたスプレーが、レンジ色か茶色なら、このホームページの「特集・吸入療法」を熟読し、もし何も指示されていなければ、1回に4吸入を1日2回行って下さい。
>>このまま体調が悪化すると、母子ともに大変なことになる気がしてとても不安を抱いております。
先ほども申し上げましたが、お母さん優先で考えて下さい。
>>実際今のところ、どうしたらいいかわからず、病院もこのままでいいのか不安でしょうがありません。
現在通っている病院の状況(開業か病院か?専門は一般内科か呼吸器専門家?)をできるだけ教えて下さい。個人名は出しても出さなくて結構です。
>>本当に喘息についての知識がたらず、困っております。何を聞けばいいのかわからないくらいどうしたら良いのか悩んでおります。
最初から喘息に詳しい方なんてどこにもいません。これからでも間に合います。奥様と一緒に正しい喘息の知識を勉強して下さい。喘息は勉強すればするほどコントロールがつきやすくなる病気です。このホームページは恐らくお役に立てるでしょう。
>>もし、専門医で良い方がいらっしゃったら紹介して頂きたいですし…。
場合によっては、私の知りうるネットワークを駆使して専門病院を探してみますが、とりあえず近辺の病院を当たってみて下さい。
>>先生から何かアドバイスを頂ければ、とても光栄です。何でもいいです、これから私は妻に何をしてやればいいのか、何か簡単なことでも教えて頂期待と思います。どうかよろしくお願いします。
(1)とにかく苦しいのを絶対我慢させてはいけません。救急時の病院受診は発作がひどくなる前に早めにすることがまず大事です。
(2)そして、苦しいのが治まったら、次にすることは吸入ステロイドで発作を予防することです。
(3)そして、喘息のことを一生懸命勉強して下さい。
(4)私の質問に対して情報を下さい。今回は、とりあえずおおざっぱにしか答えませんでしたが、次の情報が入りましたら、またすぐメールします。
以上です。では、お大事に。
<追加メール1>
早速のお返事ありがとうございました。
早速ですがメールの質問のお答えをさせて頂きます。
>>(6)家に中でペットを飼っていませんか?
家にはハムスターと猫が居ります。猫は妻が小さい時から飼っていたペットですが、ハムスターは私が以前飼っていた物でちょうど喘息ぎみになりだした頃妻とであってます。
>>(7)環境的に埃やダニは多いですか?
埃、ダニともに多いと思います。家に物が多くゴチャゴチャしており、掃除も行届いてないと思います。あまり布団も干しておりませんでしたので、おそらくダニも多いと思います。
>>(8)奥様はタバコを吸いますか?また、ご主人は吸いますか?
妻は妊娠するまで吸っておりました。私は今でも吸っておりますが、家ではあまり吸わなくなりました。
次に薬ですが、妊娠初期(確かめたところ1ヶ月から2ヶ月ぐらいだそうです)の頃の服用していた薬です。
朝食後…テオドール、スピロベント
夕食後…ブロニカ、スピロベント
寝る前…テオドール
そして、今頂いてる薬です。
朝食後…テオドール、スピロベント
夕食後…スピロベント
寝る前…テオドール
吸入式…ベロテック
ベロテックについて注意されたことは、発作が起きた時使用する事と、使い過ぎに注意とゆうことで、具体的な指示は受けてないそうです。
現在は、大きな病院の一般内科にかかっております。以前、家に居りました時、深夜発作がおき、緊急病院になっていたその病院でみて頂いたのがきっかけです。
おおまかに先生の質問についてまとめてみました。まだ不備な点があるようでしたらどうかまたお知らせ下さい。また、吸入ステロイドは妊娠中でも可能なのでしょうか?もし可能でしたらどうしたら良いのかお教え下さい。
どうぞよろしくお願いいたします。
<追加応答1>
(1)環境・その他について:
現在の状況はやはり喘息に関しての環境は非常に好ましくないと思います。ペットは人に譲るとかできればいいと思いますが、どうしても可哀想なときは良くなるまでの一定期間だけでも他人に預かってもらうとか、家の中の遮蔽された一定部位においておいてマスクなどで厳重に隔離して面倒を見るとか、色々方法があります。
布団干しや掃除機がけは極力行って下さい。ダニやハウスダストを完全に除くことは無理でも減らすことができれば悪化防止にはつながるでしょう。
(2)現在の内服薬について:
「テオドール」と「スピロベント」は気管支拡張剤です。「ブロニカ」は、喘息予防薬です。妊娠との関係で言えば、前2者は古い薬剤ですので安全性は確立されている部類の薬剤ですが、ブロニカは発売されてまだ2年足らずの新しい薬です。妊娠にに対する安全性はまだ分かっておりません。
(3)吸入薬について:
ベロテックは、気管支拡張剤(発作止め)で、社会的に使いすぎが喘息死を招くとして問題視された薬剤です。しかし、発作のひどくなる前に適正に使用されれば、非常に有効な薬剤です。妊娠に対する悪影響はあまりないと思います。
(4)吸入ステロイドと妊娠:
現在の薬剤で喘息がコントロールできていれば、吸入ステロイドをあえて使うこともないわけですが、現在の治療内容でも、発作を繰り返しているとすれば、母子ともに危険な状態にあるわけですから、なんとかこの状態からの打開を図らなければなりません。私の経験では、吸入ステロイド以外に、いくら内服薬を変更しても打開策にはならないと思います。経口ステロイドの適応もありますが、長く使用するわけには行きません。
吸入ステロイドは、妊娠に対してまったく安全かと聞かれれば、100%安全とは言えないと思います。しかし、母子ともに危険が迫っているような状態では、使わざるを得ないでしょう。というより、もっと積極的にいえば、現在では、妊婦さんは吸入ステロイドだけで喘息をコントロールするような流れになっています。それは、全身への影響、従って胎児への影響も少ないからです。
私は、早めに吸入ステロイドを導入することをお勧めします。
(5)病院について:
現在の病院には一般内科の他に呼吸器内科はありませんか?なくてもまず、担当の先生に、吸入ステロイドを使いたいのですがと相談してみてはどうでしょうか?少し乱暴な言い方ですが、“吸入ステロイドに関して積極的でない(内科の)先生は、喘息治療専門ではない”と私は考えています。できれば、大きな総合病院に行かれた方がよいでしょう。
他への転院を希望される場合は、色々電話で調べてみていただけませんか?そして、いくつか候補の病院を選び、「喘息治療に吸入ステロイドがあるという話を聞いたのですが、そちらでは使っていますか?」と聞いてみては如何ですか?「何ですか、それは?」などとの返事が来たら、少なくともそこはやめた方がいいでしょう。
もし、運良く吸入ステロイドが手に入ったら、まず、スペーサーを購入するかあるいは配布してもらい、ぜひこのホームページの「特集・吸入療法」を読んで下さい。吸入ステロイドを処方された病院でどのような吸入指導を受けるかは分かりませんが、悲しいかな、吸入指導はまだ日本で正しく広がっていないという状況にあります。これが、吸入ステロイドがいい薬でありながら、正しく吸入されず効果が得られないがために、正当な評価が得られていない大きな原因になっているのです。
では、奥様と赤ちゃんの健康をお祈りします。
<追加メール2>
お返事頂きましてありがとうございました。
大変申し訳ないですが、もう一つお聞きしたいことがあります。よろしかったらお返事下さい。実は、夜中に発作?がひどく眠れない状態がここんところ続いていると思ったら、どうも風邪を併発しているようです。何か特別な注意点等ありましたら、お教え頂ければと思いメールを出してしまいました。何かと御多忙な事と思われますが、もしよろしかったら、ご返事頂ければさいわいです。
追伸:病院の方へ何軒か電話してみましたが、どれも実際に伺わないと治療方法などについてはお教えできませんとのことでした。そのうち何軒かは、今かかってるところで何とかしてもらいなさいとの話でした。お医者さんにも先生のように私のような者の御質問に丁寧にお答え頂ける親切な方や、そっけなく断られる方など色々いるようですので、今後の病院選びは慎重に行いたいと思います。
<追加応答2>
>>夜中に発作?がひどく眠れない状態がここんところ続いていると思ったら、どうも風邪を併発しているようです。何か特別な注意点等ありましたら、お教え頂ければと思いメールを出してしまいました。
風邪が喘息発作を誘発し、喘息発作が風邪の治りを妨げます。従って、両方の治療を十分しなくてはなりません。感冒薬は3、4日の短期投与なら胎児への影響は少ないでしょう。ただ、市販薬ではなく、かかりつけの医師に相談してみて下さい。
>>追伸:病院の方へ何軒か電話してみましたが、どれも実際に伺わないと治療方法などについてはお教えできませんとのことでした。そのうち何軒かは、今かかってるところで何とかしてもらいなさいとの話でした。お医者さんにも先生のように私のような者の御質問に丁寧にお答え頂ける親切な方や、そっけなく断られる方など色々いるようですので、今後の病院選びは慎重に行いたいと思います。
吸入ステロイドがあるかどうかだけでも教えてくれないのですか?ひどいですね。世の中の風邪は冷たく感じますね。でも、そんな医者ばかりではないですから、明るく行きましょう。
それでは。
<追加メール3>
いつもご親切にありがとうございます。
本日、家の妻がいつもの病院に行き、発作が出てるということで、点滴を受けたそうです。名前はハルトマンB3という物らしいです。それと、吸入ステロイドの件を話して使わせてもらうよう頼んだところ、すでにベロテックに含まれているから意味が無いようなことを言われたそうです。どうなんでしょうか、このお医者さんが言われていることは正しいのでしょうか?それとも移った方がいいでしょうか?
ところで、実家の近くに家を探して引っ越そうかと思います。そこには呼吸器科と産婦人科が併設されている病院があるようです。やはり今度一度そのようなところへいってみようかと思っております。
<追加応答3>
>>本日、家の妻がいつもの病院に行き、発作が出てるということで、点滴を受けたそうです。名前はハルトマンB3という物らしいです。それと、吸入ステロイドの件を話して使わせてもらうよう頼んだところ、すでにベロテックに含まれているから意味が無いようなことを言われたそうです。どうなんでしょうか、このお医者さんが言われていることは正しいのでしょうか?それとも移った方がいいでしょうか?
ハルトマンB3は薬剤の入っている点滴の名前で、中味はおそらくネオフィリンとかステロイドのはずです。
この先生は、いつも診ていただいている先生ですか?指定時間以外あるいは救急などでいつもと別の先生に診てもらってこのことを言われたとすれば、もう一度担当の先生に頼んでみるのも一策です。
しかし、担当の先生からそのように言われたのなら、残念ながらこの先生の言われていることは正しくありません。「ベロテック」は発作を止めるだけの薬剤ですから、吸入ステロイドは含まれていません。同業者としましては、非常に残念なことですが、奥様と赤ちゃんのためにも、他の専門医へ移った方がよいでしょう。
ただ、今後のことを考えて、引っ越しなどの理由で、できれば紹介状を書いてもらった方がいいですね。書いてもらえなければ、現在の薬がなくなる前にそれらを持参して新しい病院へ行って下さい。
>>ところで、実家の近くに家を探して引っ越そうかと思います。そこには呼吸器科と産婦人科が併設されている病院があるようです。やはり今度一度そのようなところへいってみようかと思っております。
呼吸器科と産婦人科が併設されていれば、理想的であると思います。やはり一度専門病院を受けた方がいいと思います。
では、お大事に。
【012】25歳男性から
<追加メール4>
お忙しいところ申し訳ございませんが、最近の経過を報告がてらアドバイスを頂ければ幸いです。
先生のアドバイスに従って、先日呼吸器内科の先生と産婦人科が併設されているA総合病院に行って参りました。
というのも、先日こちらでは雪が降り、ちょっと前から風邪をひいてた妻が、朝方急に発作を起こし、救急車を呼び医者に連れて行ったという、ちょっとした出来事がありました。
昨年末、やはり風邪から喘息の発作をおこし、医者に行き点滴をしてもらったら急激に良くなり、その後ずっと発作も出ておりませんでした。ところが今回は、同じように点滴をしたのですが、全然良くならず、その夜に悲鳴をあげ、息ができないと私に訴えていました。そこで、昨日、A総合病院に連れて行きました。
その日の朝は、夜中発作が起き、横に寝れない状態でしたので、朝から大至急そこのA総合病院に運び込み、手当をしてもらいました。そこでの治療もやはり点滴3つと、吸入、注射をして頂きました。今後、そこの病院の先生が診て下さるとの事でしたが、ちょっとした不安はあります。
それは、
第一にその治療後自宅に連れてきましたが、朝の状態とほとんど大差が無いこと。
第二に、くれた飲み薬の量。かなりの種類頂きました。ですが、以前と大差も無く、妊婦に果たしてどれほど影響があるのか、詳しいことはまだはっきりわからないこと。
第三に、吸入ステロイドの導入について話て頂けなかったこと。
などです。
今後、このような状態が続くと、母体も生まれてくる子供も心配で仕事も手につかず、自分の無力さに情けなくなります。どうして良いか正直わかりませんし、それを考える時間さえ無いような気がします。即刻何とかしなければならないと思うのですが、気が焦るだけで、どうして良いのか、正直言って情けないです。
とりあえず、今度の先生に吸入ステロイドとピークフローを付けて状態を管理したい旨伝えたいと思いますが、そうしたほうがよろしいでしょうか? 一番恐いのは、医者がその事で心証を悪くする事です。できればそれは避けたいと思います。何かいい方法がありましたらよろしくお願いします。
<追加応答4>
お久しぶりです。
昨年、引っ越すかもしれないとのメールを頂いて以来、メールがなかったので、引っ越しその他でお忙しかったのかと思っていましたが、引っ越しはしていなかったのですね。
>>その前の年末、やはり風邪から喘息の発作をおこし、医者に行き点滴をしてもらったら急激に良くなり、その後ずっと発作も出ておりませんでした。
ここが一番の問題であったと思います。喘息は、一見良くなったように見えても、気道に炎症が残っていると風邪を引くと、この度のように発作が起きてしまいます。ましてや、奥様は大切な妊娠の最中ですから、発作のないときにこそ一生懸命吸入ステロイドなどの予防の治療をしなければならないのです。それで、出産まで一度も発作が起きないようにしなければならないのです。
>>第一にその治療後自宅に連れてきましたが、朝の状態とほとんど大差が無いこと。
治療は発作止めだけですから、喘息の状態が思わしくないのは当たり前ですね。私は、奥様も赤ちゃんも大切なら、一定期間の入院をお勧めします。入院で徹底的に喘息をコントロールしないと、母子ともに危険な状態になると思います。自宅にいていつ発作が起きるかしれないという状態では、あなた自身、仕事に身が入らないでしょう。ただ、奥様が仕事を持っているとすれば少し話しは違いますが…。
>>第二に、くれた飲み薬の量。かなりの種類頂きました。ですが、以前と大差も無く、妊婦に果たしてどれほど影響があるのか、詳しいことはまだはっきりわからないこと。
はっきり、先生に「以前飲んでいた薬とあまり変わらないようなのですが、また発作は起きませんか? おなかの赤ちゃんには大丈夫ですか?」と聞いてみて下さい。最も大切なのは奥さんと赤ちゃんの命です。医者の立場ではありません。恐れてはいけません。無医村ではないのですから、医者なんて他にごろごろいるでしょう。
>>第三に、吸入ステロイドの導入について話して頂けなかったこと。
最近は、家庭向けの医学書が普及しています。「それを読んだら吸入ステロイドやピークフローメーターが紹介してあったが、女房にはどうでしょうか?」と聞いてみて下さい。その答えによって、今後その先生にずっとお世話になるか、早めに他の医者にかかるかの判断をしてみてはどうですか?
>>一番恐いのは、医者がその事で心証を悪くする事です。できればそれは避けたいと思います。
これは、もうどうすべきかおわかりでしょう。
とにかく、発作がないからというだけでは喘息が安定していることにはなりませんので、早めに吸入ステロイドとピークフローメーターを導入すべきと思います。
では、お大事に。
<追加メール5>
早速のご返事ありがとうございました。
実は昨日のことなんですが、上司からB大学附属病院に知り合いの先生がいるから紹介してあげると言われました。この病院について何か知っていたら教えて下さい。
ただ、今のところのA総合病院にまだかかったばかりなので、様子を見てからとは思っておりますが…。
<追加応答5>
>>上司からB大学附属病院に知り合いの先生がいるから紹介してあげると言われました。この病院について何か知っていたら教えて下さい。
B大学附属病院には、日本の喘息治療にかけては、5本の指に入るくらい超有名な先生がおります。喘息に関する医学書や一般向け教育書などには、ほとんどといっていいほど登場してくる先生です。
>>ただ、今のところのA総合病院にまだかかったばかりなので、様子を見てからとは思っておりますが…。
どちらがいいかは、難しい問題です。確かにB大学附属病院で、その先生が奥様を診察してくれれば、間違ったことはまず起きないでしょう。ただ、このクラスの先生ともなりますと、しょっちゅう、学会や研究会、その他の出張などで、いつも診てくれるとは限りません。おそらく、待ち時間も長いでしょうし、ひとつひとつの検査の度に病院通いをしなくてはならないかと思います。
また、現在かかったばかりのA総合病院の先生が、吸入ステロイドやピークフローメーターを導入してくれるかもまだ分かっていないのであれば、偉い先生がいるというだけですぐB大学附属病院へ移るのは、賢明ではないような気がします。
まず、次の受診で、前回のメールの内容を担当医にぶつけてみてからでいいのではないでしょうか? 恐らくB大学附属病院よりはA総合病院の方が便利なのでしょうから…。
ただ、職場の偉い上司からの紹介だとすれば、断り続けるのも問題があるかとは思いますね。それにしても、理解のあるいい上司ですね。なかなか、喘息患者(あなた自身は喘息ではありませんが)にとって、こういう上司はそうそういないのですよ。
では。
【012】25歳男性から
<追加メール6>
お世話になっております。この頃の近況報告をさせて頂きます。
やはり運動等をするとまだ発作が起きるようですが、今のところ大きな発作もなく落ち着いております。今現在は母子ともに順調なようです。子供もお腹の中で動き始め、私も妻もなんとなく一安心といったところです。今移った病院の先生に吸入ステロイドの話をしたようです。実際にはまだ使用しておりませんが、今は薬も減ってきていし、何とかコントロールできているから使用を見合わせているようです。
今後も何かありましたらよろしくお願いします。
<追加応答6>
お久しぶりです。とりあえず落ちついておられるようで何よりです。
現在の病院は、例の上司から紹介された病院ですか?
いずれにしても、早く良くして、元気な赤ちゃんを生んで下さい。
<追加メール7>
今の病院は上司から紹介された病院ではなく、近くの呼吸器科と産婦人科のある病院です。
昨日うちの女房が、今かかっている病院の喘息患者の講習会に出席してきたようです。
前々日に、診察に行ったところ、吸入ステロイドを使うように処方されたようでスペンサーの使い方や、ピークフローの薦め、喘息の基礎知識等を説明されたようです。その講習会には、患者も多数いたようですが、それより、薬品会社の関係者やその病院の看護婦さんや医師の先生方の方が多かったようで、熱心に受講されていたようです。うちの女房はスペンサーを4つ(1つ2個パック)もらってきて喜んでいました。私もそこまで熱心に喘息に取り組んでいるところなら大丈夫かなとちょっと一安心です。うちの女房が諏訪部先生に報告しておいて!!と言っておりましたのでお忙しいとは思いましたが、御一報入れさして頂きます。
では、またよろしくお願いします。
<追加応答7>
>>昨日うちの女房が、今かかっている病院の喘息患者の講習会に出席してきたようです。
→良かったですね。いろいろと勉強されたのですね。
>>前々日に、診察に行ったところ、吸入ステロイドを使うように処方されたようでスペーサーの使い方や、ピークフローの薦め、喘息の基礎知識等を説明されたようです。
→これは、良かったです。さっそく頑張って吸って下さい。
>>うちの女房はスペーサーを4つ(1つ2個パック)もらってきて喜んでいました。
→これで壊れても大丈夫ですね。
>>私もそこまで熱心に喘息に取り組んでいるところなら大丈夫かなとちょっと一安心です。
→私もそう思います。良い病院のようですね。
【012】25歳男性から
<追加メール8>
御無沙汰いたしております。以前、先生に貴重な御意見を頂いたおかげで、このたび無事子供が生まれました。妊娠初期は飲み薬などによって抑えていていたので、多少の心配もありましたが、その後先生のアドバイスにより吸入ステロイドに変更してからは、発作も出ず、分娩中も特に問題無く出産する事ができました。本当にありがとうございました。また、多くの喘息患者の方で子供が怖くて作れずにいる方にも、喘息のコンディションがよければ大体問題無く出産できるのではないかということを伝えてあげたいと思います。先生のホームページには助けを求めて困っている方が何度となく訪れていると思います。これからもこのホームページをできるだけ続けていただければ、いろいろな人の悩みや不安を解消できると思います。これからの先生の更なる御活躍をお祈りいたします。また何かありましたら宜しくお願いいたします。
追伸:
うちの嫁さんも先生によろしくと言っておりました。
<追加応答8>
お子さん誕生、おめでとうございます。
その後しばらくメールがなく、「そろそろのはずでは?」と思っておりましたが、とうとう生まれましたね。男の子でしたか? 女の子でしたか?
とにかくこの種の知らせは、最も嬉しいですね。そして、今後、妊娠と出産で不安に思われている喘息の方にどれだけ明るい希望になるか知れません。
このホームページを立ちあげて1年以上を経過しますが、その成熟過程とともにはぐくまれそして誕生した貴重な命であると思います。私も感慨深いものを感じずにはおれません。
本当のおめでとうございました。
奥様にくれぐれも宜しくお伝え下さい。