(1)発作がでると「根性がないからだ」と言われた。
【015】25歳男性から
<質問>
初めまして。
私は、2歳の頃より喘息とつきあうようになり、小・中・高校生と発作がでたときだけ病院で吸入を受けるという治療だけでやってきました。この頃は、病院に行かずとも時間さえたてば発作が治まっていました。
発作がでれば「根性がないからだ」などと言われ、発作がないときは「大人になれば治る」と言われていたため、部活動に精を出す毎日でした。
高校3年終わり頃からベロテックエアゾルとアルデシンを使用するようになりましたが、アルデシンの方は1週間ほど使用してなにも起こらなかった(笑)のでやめてしまいました。ベロテックエアゾルは、ここ2年1週間に1本の割合できました(笑)。
20歳を過ぎた頃から「どうせ治らない」と思い喫煙を始めました(1日1箱ぐらい)。
前年暮れ、とうとう軽い喘息が出たんですが、いつもより軽いからと喫煙を続けていましたら、のどの付け根あたりが急に痛みとてもひどい発作になり救急車で運ばれ1週間の入院になってしまいました。
その時、病院で喘息で死ぬことがあるを教わりました。その後も、ニフティー・サーブのすこやか村・喘息館、Zensoku Web、このホームページなどでいろいろな現実を知り、今更ながらに死の恐怖におびえています。
入院した際の担当医に主治医になってもらい下記の治療を続けています。
ユニフィル錠200 mg 1錠(朝・晩)
ムコソルバン錠 1錠(朝・晩)
オノン錠 2カプセル(朝・晩)
ベコタイド(100) 1日4回4吸入(合計16パフ)
※ボルマチックソフト使用
アイロミール 発作時
今現在は、ベコタイドのおかげか発作らしい発作はなくなりました。ただ息苦しさがありアイロミールを使用すると楽になります。発作なのかな(笑)?
以上、だらだらと書いてしまいましたがこんな感じです。今後もこのホームページ(実は毎日更新チェックしています(笑))などでいろいろ勉強していきたいと思っていますが、何かアドバイスがあったらお願いします。
<応答>
はじめまして。
毎日のホームページ更新のチェックありがとうございます。
高校時代の数々の“暴言”は誠に遺憾ですね。身体を鍛えるために、部活動に専念したのですね。
アルデシンが最初はあまり効かなかったというのは、他の方に参考になりますね。また、そのためにコントロールが良くなく、ベロテックを週に1本の割で使うはめになったのでしょう。
アイロミールは、サルタノールと同じですが、代替フロンを使用している新しい気管支拡張剤です。1本で、なぜか200回まで使用できるという、不思議な発作止めです。ベロテックの不適正使用が問題になっている昨今、よく厚生省がこんなに使用回数が多いものを認可したものだと不思議です。それなら、ベコタイドを1本で200回噴射できるものを作って欲しかったと思います。
ベコタイドで発作らしい発作がなくなったようですが、これはアルデシンから変更して良くなったのではなく、スペーサー使用などの吸入操作の見直し、あるいは吸入回数の増加などが効を奏したのでしょう。
発作が起きなくなったようですから、私の考える第1段階効果が出たと言うところでしょうか?(→「診療日記」021:吸入ステロイドには3段階の効果?(平成9年9月17日)参照)しかし、まだときどき息苦しさがあり、アイロミールのお世話になっているようですから、まだまだもっと良くなるかもしれませんね。
ベコタイド1日16吸入と言えば相当量ですから、吸入方法をもう一度見直すともっと良くなるかもしれません。「特集・吸入療法」を何度も読んで下さいね。
最後に、これほど喘息治療に関心がおありのようですので、ぜひピークフローメーターをつけてみませんか?
では、また近況などをお知らせ下さい。
(2)ステロイドの倍量吸入でピークフロー値が670にアップ!
【015】25歳男性から
<追加メール2−1>
いつもお世話になっています。
>>アルデシンが最初はあまり効かなかったというのは、他の方に参考になりますね。
アルデシンについてですが、あのころはまだ喘息自体が軽かったようで、季節的(梅雨と秋)であったり、走ったときにしか発作がなかったり、いまいち何をしているのかよくわかっていませんでした。今では通年性(笑)です。たばこをやめればいいのかな?
ピークフローメータですが、入院途中からつけるようになりました。すこやか村・喘息館のデータベースにある「ピークフロー管理グラフ」を使いコンピュータ上でも管理しています。なお使用しているピークフローメーターは、ヘルススキャン社のパーソナルベスト(フルレンジ)です。身長は167 cmです。
では。
<追加メール2−2>
いつもお世話になっています。
以前お送りしましたメールにて、ベコタイド100インヘラーの吸入量を1日16パフとお話をしましたが、実は退院直後は1日4回3パフ(合計12パフ)でした。
退院後1週間は、これでピークフローが上昇したんですが、その後下降の一途をたどりこのとき主治医より1日16パフを指導されました。がピークフローの値はあんまり上昇するというか下がらなくなっただけでした。
そこでホームページなどで増悪時は倍増がいいみたいな事が書いてあったので、1日4回6パフ(合計24パフ)に増やしたところ見る見るうちにピークフローの値が上昇しました。
12パフの頃:270〜400
24パフの頃:370〜600(最高670)
吸入の方法が悪いのかと思い、先生のホームページにあります「吸入療法チェックリスト」でチェックしてみましたが、僕自身は及第点がもらえるかと思っています。主治医に話したところ「よくなっているんだったらそれでいい」と言われました。笑顔付きで(笑)(そういわれると何も言えない私が悪いんでしょう(笑))
やはりこれは吸入方法が悪いのでしょうか? それとも喘息が重症化しているのでしょうか? 自分自身が軽症だった頃の知識(発作の経験)しかなくちょっと不安です。
では、ご指導のほどよろしくお願いします。
<追加応答2>
メールありがとうございます。
>>退院後1週間は、これでピークフローが上昇したんですが、その後下降の一途をたどりこのとき主治医より1日16パフを指導されました。が、ピークフローの値はあんまり上昇するというか下がらなくなっただけでした。
→とにかく低下しないと言うのは良いことですね。効果の現れだと思います。
>>そこでホームページなどで増悪時は倍増がいいみたいな事が書いてあったので、1日4回6パフ(合計24パフ)に増やしたところ見る見るうちにピークフローの値が上昇しました。
→これはベコタイド100ですよね。量は心配していないですが、この量を維持できるベコタイドの本数をよく処方してくれますね。山形は一ヶ月4本が保健適応上の限度で、1日6パフが限度です。
670は良い値ですね。しかしそれだけ吹ける方が、270というのは発作に近い状態であると思います。朝と夕のばらつきがなくなることも、コントロールがついてきた証しです。
>>やはりこれは吸入方法が悪いのでしょうか? それとも喘息が重症化しているのでしょうか? 自分自身が軽症だった頃の知識(発作の経験)しかなくちょっと不安です。
→これくらいピークフロー値が出せるのなら、吸入方法が悪いとは思えません。また、重症化しても喘息はコントロール可能です。
(3)吸入ステロイドの処方本数は都道府県によって異なるのですか?
【015】25歳男性から
<追加メール3>
いつもお世話になっています。
本日、たまたま予約診療日だったため下記のご返事の件を主治医にぶつけてみましたところ「関係ないよ」と言われました。(笑)
>>これはベコタイド100ですよね。量は心配していないですが、この量を維持できるベコタイドの本数をよく処方してくれますね。山形は1ヶ月4本が保健適応上の限度で、1日6パフが限度です。
保険適応上と言いますと全国一律だとは思うのですが、先月は5本いただくこともできました。
ただ 別の開業医の先生の所に通院していたときに、ベロテックを大量に使用していたのですが、その時は1月4本しか出せないと言われたことがあります。
市や県が違うだけ変わる物なのでしょうか?
<追加応答3>
ベコタイドが保険適応なのは、全国どこでも一律ですが、処方本数に対する制限などは地方自治体によって異なるのです。
例えば、私がある患者さんにベコタイドを1カ月5本処方したとします。仮にベコタイドが1本1,000円としますと、5本で5,000円です。国保だと3割負担ですから窓口では1,500円を払います。そしてその残りの7割の3,500円分を国保に請求します。俗にいうレセプトというやつです。そしてそれが適正かを審査するのは、各自治体の選ばれた医師なのです。その医師が、これは多すぎるので3本までと判断すると、3本分の2,100円までしかお金を支払ってくれないので、1,400円分は病院の赤字になってしまうのです。3本か5本かは、自治体の経済状態によっても異なります。山形では、厳しくて月4本を越えると削られてしまうのです。
従って、担当先生のおっしゃるとおり、ベコタイドの量は気にしなくていいのです。量が多いと危険だから保健適応ではないというわけではありません。
では。
【015】25歳男性から
<追加メール4>
いつもお世話になっています。
実は2月上旬から風邪をひいたらしくとても調子が悪いです。発作(喘鳴や咳)はないんですが、最初は黄色い痰がたくさん出ました。切れはよかったです。
ただ 息苦しさというか息を吸うのがおっくうになり肩で息をするような感じになります。これが喘息なのかどうかわからなく困っています。このときピークフローは300〜450ぐらいある。
情けない話なのですが下記2点でわからず、精神的に参ってしまい外に出るのもおっくうになってしまいました。
<1>息を吸うのに意識しないとできないような気がする。
<2>一気にひどい発作が出て動けなくなってしまうのではないかと考えてしまう。(そのまんま死んじゃうのかと考える)
それから、入院した際に会社は辞めました。外にあまり出ていないせいか、体力的にも発作に耐えられないのではないかといろいろあり、ますます悪循環です。
「Zensoku Web」のようにピークフローの表を自分も作ってみました。もしよろしければ見ていただけると幸いです。
<追加応答4>
お久しぶりです。
>>実は2月上旬から風邪をひいたらしくとても調子が悪いです。発作(喘鳴や咳)はないんですが、最初は黄色い痰がたくさん出ました。切れはよかったです。
→今年のインフルエンザは本当に喘息の方を悩ませていますね。吸入ステロイドはなさっているのですよね。でも、痰が多いときは、吸入ステロイドが気管支に到達しなくなり、効きが悪くなります。風邪薬を服用することも必要ですが、やはり痰が多いときは、経口ステロイドが必要になりますね。
>>ただ 息苦しさというか息を吸うのがおっくうになり肩で息をするような感じになります。これが喘息なのかどうかわからなく困っています。このとき300〜450ぐらいある。
→気管支や肺に病気がないときは、呼吸は意識しなくてもできますが、気管支が細くなっていたりすると、1呼吸1呼吸が大変ですから、どうしても意識するようになります。おそらく、300〜450は、あなたの若さからすると、イエローゾーンではないかと思います。発作はないが、気管支が細くなっている状態です。風邪を引いているので、痰が多いこともその原因でしょう。
>><1>息を吸うのに意識しないとできないような気がする。
→これは、上の理由によると思われます。
>><2>一気にひどい発作が出て動けなくなってしまうのではないかと考えてしまう。(そのまんま死んじゃうのかと考える)
→いい状態にないとどうしても弱気になってしまいがちですね。ピークフロー値さえ高く維持できていれば、一気に大きな発作がおきて、死んでしまうなどということはありません。一刻も早く、今の状態から脱却しピークフロー値を元の600前後まで引き上げることです。主治医の先生と良く相談して下さい。
>>入院した際に会社は辞めました。外にあまり出ていないせいか、体力的にも発作に耐えられないのではないかといろいろあり、ますます悪循環です。
→入院はいつの話しですか? また、会社を辞めたのは、喘息とか繰り返す発作とかが理由ですか? 会社の不理解があるとすると残念でなりません。
>>Zensoku Webのようにピークフローの表を自分も作ってみました。もしよろしければ見ていただけると幸いです。
→これは、非常に参考になりますね。(註:読者の方にはお見せできなくて残念ですがお許し下さい)ただ値が、やはり低めで推移していますから、一度高くあげれると良いですね。ピークフロー値が上昇すれば、吸入ステロイドはますます効果を発揮します。
記録をぜひ続けて下さい。それから、できればお願いなのですが、朝と夕を色分けしていますが、我々医師は、朝と夕のギャップを見たいので、できれば、グラフは一つとし、朝→夕→朝→夕→朝と一本のグラフにしていただけないでしょうか? これだと、朝だけ値が悪いときなど、デコボコしてくる(モーニング・ディップ)のがよくわかり参考になるのです。
では、頑張って風邪を早く治して下さい。
【015】25歳男性から
<追加メール5>
いつもお世話になっております。
ご無沙汰しておりました。
早速ですが、前回いただいたメールを参考にして、主治医にお願いし経口ステロイドを使用してのピークフロー値大幅アップに挑戦しました。
結果は惨敗です(#^.^#)。
ピークフローは全然あがりませんでした。
20日〜22日 プレドニン 朝・晩 2錠ずつ(計4錠)
23日〜25日 朝 2錠
で行いました。
この間、とても精神的に不安定になり、夜間外来に2回も行ってしまいました。
自覚症状としてそれとわかる呼吸困難らしいものはなかったのですが、脱力感を伴い、喘鳴が出現し右胸部中央(1月にとったレントゲン写真で白く濁って写っていた場所あたり)に熱も持ち、体温が38度に一気に上がったためアイロミールを使用しましたが喘鳴が止まらず、恐慌状態になってしまいました。
1回目はたまたま主治医が当直医でした。聴診器で胸の音を聞いて「そんなに悪い音ではないよ」とのことでした。主治医の先生だったこともあり胸部痛や熱についていろいろ話したのですが、明快なお答えはありませんでした。なにが「そんなに」なのか知りたかった(#^.^#)。
先日、受診日だったため右胸部の熱と鈍痛、息切れがありましたので、その件について伺ったところ「肺の音は悪くない」で終わらされたあげく、経口ステロイドを使用してもピークフローがあがらなかった件については何も答えてもらえず、夜間外来を受診したことはプレドニンの副作用(精神状態の不安定化)ということで終わらせられました。
経口ステロイドを使用して、ピークフローがあがらないのは精神的不安定さという理由以外に何もないのでしょうか?
乱文・乱筆で申し訳ありませんが、よろしくご指導願います。
PS:会社は自分で辞めました。喘息についてもう少し勉強したかったためです。自分でコントロールしていくものだと言うことがわかり、まだ若いうちにその方法を覚えたいと思います。
<追加応答5>
経口ステロイドに挑戦したのですね。今回は効果が出るよりも、副作用が出てしまったのですね。残念です。
通常は、ステロイドを服用するときはなるべく安静にしていないと良い効果が得られないものですが、服用前の状態(ピークフロー値など)や服用中の安静の程度はどうでしたか?
しかし、今回はそういう問題ではなくて、プレドニンが合わなかったという感じですね。これまで、ステロイドの点滴(ソルコーテフ、ハイドロコートン、サクシゾンなど)は受けたことはあるのですよね? そちらは大丈夫でしたか? そちらが大丈夫であれば、今度は調子が悪いときは、プレドニンの経口ではなくこれらの点滴をしなければなりませんね。喘息にステロイドが効果があるのは紛れもない事実ですから、あとは自分に合うステロイドを使うということでしょうね。まだあきらめないで下さいね。
>>この間、とても精神的に不安定になり夜間外来に2回も行ってしまいました。
ステロイドの精神症状でしょうか? 通常、このくらいの量と期間では精神症状が出ることは少ないのですが、こればかりは人によってそれぞれです。喘息の状態が悪かったことはないのですよね。
>>自覚症状としてそれとわかる呼吸困難らしいものはなかったのですが、脱力感を伴い、喘鳴が出現し右胸部中央(1月にとったレントゲン写真で白く濁って写っていた場所あたり)に熱も持ち、体温が38度に一気に上がったためアイロミールを使用しましたが喘鳴が止まらず、恐慌状態になってしまいました。
私には、どうももともと喘息の状態自体が良くなかったことと、プレドニンの副作用が同時に来てしまったという感じを受けます。プレドニンで筋力が低下したり、精神症状を来すことはありませすが、熱が出たり、喘鳴が起きたりすることは考えにくいと思います。ただし、絶対にないかというとそれは断言できませんが…。
>>1回目はたまたま主治医が当直医でした。聴診器で胸の音を聞いて「そんなに悪い音ではないよ」とのことでした。主治医の先生だったこともあり胸部痛や熱についていろいろ話したのですが、明快なお答えはありませんでした。なにが「そんなに」なのか知りたかった(#^.^#)。
ひどい発作の音がしなかったということでしょう。もう一つ考えられるのは、過換気症候群です。精神的不安から、呼吸が早くなり血液のpHバランスが崩れてしまう病気です。これだと喘息発作ではないので、呼吸が苦しくなる割には、呼吸音はきれいです。その際、呼吸回数がはーはーと早くなっていませんでしたか? また手足や唇がしびれたりしませんでしたか? その際動脈の採血をすると診断できるのですが…。今度同じ様なことが起きたら、主治医にまた聞いてみて下さいね。
>>26日に受診日だったため右胸部の熱と鈍痛、息切れがありましたので、その件について伺ったところ「肺の音は悪くない」で終わらされたあげく、経口ステロイドを使用してもピークフローがあがらなかった件については何も答えてもらえず、夜間外来を受診したことはプレドニンの副作用(精神状態の不安定化)ということで終わらせられました。経口ステロイドを使用して、ピークフローがあがらないのは精神的不安定さという理由以外に何もないのでしょうか?
基本的にしっかり安静が保てて、ステロイドの副作用がなければ、ピークフロー値は必ず上がります。もしそうでなければ、喘息以外の病気(ほとんどはステロイドの効かない慢性気管支炎ですが、これはタバコや環境汚染が原因です)があるかもしれないことも念頭に置かなければなりません。
>>会社は自分で辞めました。喘息についてもう少し勉強したかったためです。自分でコントロールしていくものだと言うことがわかり、まだ若いうちにその方法を覚えたいと思います。
差し出がましいようですが、生活(費)の方は大丈夫ですか? 例えば、仕事を持たないでいるとアルバイトとか、時間が不規則な仕事をしていることはありませんか? それも喘息治療の妨げにはなり得ますので、一応お聞きしました。
プレドニンはステロイドの一つでしかありません。これで悲観的になることはありません。
あきらめないで頑張って下さいね。
では。
(6)慢性または急性気管支炎によってピークフロー値が下がることはありますか?
【015】25歳男性から
<追加メール6>
いつもお世話になっています。
経口ステロイド療法の始める前のピークフロー値は400±50ぐらいでした。仕事を辞め、お金もある程度は貯まっていますので、ほとんど家にいるため安静はとれていたと思います。
その後なんですが、まず第一に喘息の発作がなくなりました。肩で息をしたり、のどの下部の鎖骨と鎖骨の間がへこんだりもしません。
ただピークフロー値があまり良くないせいか安静時でも喘鳴がしたり、何となくだるかったりしますが息苦しさはありません(これも喘息発作なのでしょうか?)。100 m走ったりもできます(ただ運動不足(この5ヶ月で10 kgやせました)のせいか息が上がります)。
自分なりに原因を考えたのですが、まだ煙草をやめきっていないため気管支炎が存在していると考え、薬によって治りかけた気管支の炎症が煙草によって刺激され、そのせいで熱がでたのかと思っています。
そこで質問ですが、慢性または急性気管支炎によってピークフローが下がる、または上昇しないということはあるのでしょうか?
よろしくご指導をお願いします
P.S:現在、Windows用のピークフロー記入プログラムを制作しています。医師に見ていただけるようにグラフを出力できるようにしようかと考えています。グラフはいつも見ていただいてる書式で制作していますが、これ以外に医師から見てこの項目があったらいいなという部分があればお教えいただきたいのです。よろしくお願いします。
<追加応答6>
お久しぶりです。
あなたのピークフロー値はときどきチェックしています。AICHANのもそうですが、毎日のように喘息の方のピークフロー値がこちらでチェックできるシステムは、新しい喘息管理の一面を見せてくれていますね。最近は、個人のホームページが簡単につくれますから、このようなシステムが確立されると、外来での喘息管理が非常にやり安くなりますね。
ピークフロー値に関して希望は、
@再新月を一番上に示していただきたいこと。
Aあまり色々な項目をつけると日々更新が面倒になるので、備考欄などに、風邪を引いたとか、仕事が忙しい、発作止めを吸った、風邪薬を飲んだ、とか何でもいいですからコメントを書いてもらうといいと思います。従来の喘息日誌のように、大発作、中発作、小発作、など書いても仕方のないことだと思います。ピークフロー測定は発作にならないように行うものですから、発作が起きてしまったらやることはひとつ(病院受診)ですから、意味がありませんね。
以上です。簡単で、長く継続できることが大切であると思います。期待していますので、頑張って下さい。
>>経口ステロイド療法の始める前のピークフロー値は400±50ぐらいでした。仕事を辞め、お金もある程度は貯まっていますのでほとんど家にいるため安静はとれていたと思います。
今回は、プレドニンの効果が出なかったというより、急性の副作用の方が主に出てしまったという感じですね。家で安静が保持できるなら、吸入ステロイドを思い切って増加(これまでの2倍程度)してみるのもいいかもしれません。
>>その後なんですが、まず第一に喘息の発作がなくなりました。肩で息をしたり、のどの下部の鎖骨と鎖骨の間がへこんだりもしません。ただピークフローが余りよくないせいか、安静時でも喘鳴がしたり、何となくだるかったりしますが息ぐるしさはありません(これも喘息発作なのでしょうか)。100m走ったりもできます(ただ運動不足(この5ヶ月で10 kgやせました)のせいか息が上がります)。
安静時で喘鳴があるなら、100m走って息が上がるのは、やはり気管支炎症が残っているせいかも知れません。
それにしても、5カ月で10 kgというのは尋常ではないですね。
>>自分なりに原因を考えたのですが、まだ煙草をやめきっていないため気管支炎が存在していると考え、薬によって治りかけた気管支の炎症が煙草によって刺激され、そのせいで熱がでたのかと思っています。
タバコが原因で気管支炎が起き、それが原因で熱が出るということはあまりないと思います。熱が出るとすれば、やはり全身性の炎症ですから、化膿性咽頭炎、肺炎やウイルス感染の時などですね。慢性にしても急性にしても気管支炎だけでは普通は熱は出ないものなのです。
考えられるのは、喘息自体による気道炎症が、喫煙のために吸入ステロイドだけでは治り難くなっているところに、ウイルスや細菌などが侵入してきて、感染を起こしてしまう、というストーリーです。一にも二にも、気道炎症を鎮め気管支を丈夫にし(=ピークフロー値が上昇すること)、感染に対して抵抗力を付けることでしょう。
>>慢性又は急性気管支炎によってピークフローが下がる、または上昇しないということはあるのでしょうか?
これはよくあることです。ここで慢性気管支炎という言葉は、このホームページでも述べていますが、ほとんどタバコによる慢性刺激によって起こる気管支の炎症と考えて下さい。しかし、これは、通常30〜40年もタバコを吸い続けた60から70歳くらいの高齢者に見られます。あなたくらいだといくらヘビースモーカーであっても、典型的な慢性気管支炎にはなりえません。
喘息も慢性気管支炎の一種ですが、いわゆるタバコによる慢性気管支炎とは我々は区別します。それは、原因も違うし、発作というきわめて特徴的な現象が起こりますし、またある程度なら吸入ステロイドで良くすることができるからです。
急性気管支炎は、急性のウイルスや細菌感染などで起こる気管支の炎症で、いわゆる風邪で出る咳や痰と考えて下さい。急性という意味はかならずいつかは治るということです。逆に慢性という意味は治らないという意味もあります。
しかし、喘息の慢性気管支炎症が存在していると、急性気管支炎が起こりやすいということはよくありますね。健康な皮膚なら、多少バイ菌に触れても体内に侵入することはないでしょうが、傷でぐじゅぐじゅしていると、バイ菌は侵入し安くなり、その部位を化膿させて、傷の治癒を遅らせてしまいます。ですから、喘息に風邪を引くと、急性気管支炎の像が加わって痰が多くなり吸入ステロイドが効かなくなって、喘息が悪化するということが、よく見られるのですね。この結果当然、ピークフロー値は低下してしまいます。この場合、どちらの治療も平行して行わないと、喘息は良くなりません。
せっかく時間があるようですので、もう一度喘息治療を見つめ直してみるのは如何でしょうか?
では、頑張って下さい。
PS:蛇足ですが、部屋の中の掃除とか布団の手入れなど、ダニ対策も平行して行って下さいね。