(1)私も本格的に治療すべきでしょうか?
【019】30代半ばの女性より
<質問>
はじめまして。
子どもが3人(3姉妹)いるのですが、二女がゼンソクです。現在6才でもうすぐ1年生です。今年はまだ入院していません。
二女がおなかにいるときに、どうしてもセキがとまらなくなって3週間の入院をしていました。そして2年後、三女のときも1週間の入院。
そのときはあんまり深く考えなかったのですが、あとになってみると、あれはゼンソクだったのかな、と思いました。点滴も、ゼンソクの治療時に使うものです、という説明だったし…。
それから約4年半後、朝から気温が下がった去年の11月、出勤してイキナリ息苦しくなりました。息もなんだかしづらいし、息を吐くときにゼーゼーと音がして、もしかして、と思って職場近くの小児科にいくと、やはりゼンソク、という診断でした。それも「小児からのゼンソクだよ」ということで、いままで心の中で必死に否定していたことがやっぱり本当だったんだ、とショックで、でも納得してしまいました。
二女は5才半で急に毎晩発作をおこすようになりました。発症したのが3才1ヶ月です。それまでは、季節で違いますが、秋や冬に月に2回ぐらいの小発作でした。それが5才半で毎晩中発作がでるようになり、毎晩、救急外来へクルマを走らせる毎日が続きました。三女も重症のアトピーで、夜中はかゆがって半分眠りながら血がフトンにつくまでかいています。二女を連れて家に帰ると、今度は三女のアトピーにつきあって、カラダをさすったり軟膏をつけたりしていました。
子どもは昼寝ができるからいいですが、私は勤めがあるのでそうもいかず、自分でもよくカラダがもったなあ、と感心します。しかし、1番がんばったのは、当時8才の長女です。私が家を空けるときは、三女をお風呂に入れて軟膏をつけたり、フトンを敷いたり、と大活躍でした。現在は二女はだいぶ症状が落ち着いて、中発作も週に1回あるかないかで、これならダイジョウブかな、と安心していた矢先、先生のエッセイ(?)を拝見して、これからなんだ、と思い直しました。
話が全然ちがう方向に行ってしまいましたが、私自身もゼンソクの治療をやっぱりしたほうがいいのでしょうか? 子どものことで結構手一杯で、自分のことを考える余裕がありませんでしたが、これからはやっぱり自分のこともちゃんとやったほうがいいだろうと思いました。
職場の近くの小児科に行ったときは、錠剤を何錠かもらってのみましたが、カラダか震えて止まらなくなったので、今のところ、特に服用はしていません。発作は、たまにですが、小発作がでます。特に、朝方冷え込んだら、絶対的に出勤後に苦しくなります。配置替えがあって、どうもデスクの周りの環境が悪くなって、ストレスなんかも関係あるのかなあ、なんて考えています。治療を受けるとなると、呼吸器内科の先生に診ていただいたほうがいいのでしょうか? 子どものことは考えても自分のことには疎くなってしまいます。
なんか質問があんまりはっきりとしてないんですが、よろしくお願いします。
<応答>
メールありがとうございます。
>>ちょっと自分自身のことをいいですか? 子どもが3人(3姉妹)いるのですが、二女がゼンソクです。現在6才で、もうすぐ1年生です。今年はまだ入院していません。で、二女がおなかにいるときに、どうしてもセキがとまらなくなって3週間の入院をしていました。そして2年後、三女のときも1週間の入院。そのときはあんまり深く考えなかったのですが、あとになってみると、あれはゼンソクだったのかな、と思いました。点滴も、ゼンソクの治療時に使うものです、という説明だったし…。
→大変な経験をされたものですね。しかも仕事をされているのですね。明らかに喘息ですね。入院中は喘息と診断されなかったのでしょうか?
>>それから約4年半後、朝から気温が下がった去年の11月、出勤してイキナリ息苦しくなりました。息もなんだかしづらいし、息を吐くときにゼーゼーと音がして、もしかして、と思って職場近くの小児科にいくと、やはりゼンソク、という診断でした。それも「小児からのゼンソクだよ」ということで、いままで心の中で必死に否定していたことがやっぱり本当だったんだ、とショックで、でも納得してしまいました。
→喘息かもしれないといろいろと悩んでいる方が、はっきり喘息と診断させるとすっきりしたという方が結構多いですね(→「寄稿集(20)」参照)。
>>二女は5才半で急に毎晩発作をおこすようになりました。発症したのが3才1ヶ月です。それまでは、季節で違いますが、秋や冬に月に2回ぐらいの小発作でした。それが5才半で毎晩中発作がでるようになり、毎晩、救急外来へクルマを走らせる毎日が続きました。三女も重症のアトピーで、夜中はかゆがって半分眠りながら血がフトンにつくまでかいています。二女を連れて家に帰ると、今度は三女のアトピーにつきあって、カラダをさすったり軟膏をつけたりしていました。
→まさにアレルギー一家ですね。でも、きっと良くなりますから頑張って下さいね。
>>子どもは昼寝ができるからいいですが、私は勤めがあるのでそうもいかず、自分でもよくカラダがもったなあ、と感心します。しかし、1番がんばったのは、当時8才の長女です。私が家を空けるときは、三女をお風呂に入れて軟膏をつけたり、フトンを敷いたり、と大活躍でした。現在は二女はだいぶ症状が落ち着いて、中発作も週に1回あるかないかで、これならダイジョウブかな、と安心していた矢先、先生のエッセイ(?)を拝見して、これからなんだ、と思い直しました。
→ご長女がまだ8歳なのにそんなに面倒見が良いのですか? 偉いですね。
週に1回程度の中発作というのは、それまでの経過から見れば、良い方なのかもしれませんが、お気の毒ですが、まだまだと考えた方がいいですね。吸入ステロイドに関しては私のエッセイにも書いてあるように、小児には賛否両論があるとは思いますが、積極的に使用する小児科の先生も結構おりますので、一度ご相談されては如何かと思います。6歳だと吸入は十分可能です。
>>話が全然ちがう方向に行ってしまいましたが、私自身のことを質問していいでしょうか? ゼンソクの治療は、やっぱりしたほうがいいのでしょうか? 子どものことで結構手一杯で、自分のことを考える余裕がありませんでしたが、これからはやっぱり自分のこともちゃんとやったほうがいいだろうと思いました。
→そのとおりですね。飛行機に乗ったとき、スチュワーデスの方から酸素マスクの案内がありますよね。その時、「小さいお子さんがいらっしゃるときは、まず親が酸素マスクをして下さい。そして、その後でお子さんにつけて上げて下さい。」と言いますが、それは、子どもを先にしている間に親が酸素不足で倒れてしまうと、子どもも危なくなるからだと思います。お子さんをしっかり治してあげたいと思えば、まずお母さんが健康でなければなりません。これは我々医師も同じで、酒の臭いのぷんぷんしている医者から「酒を控えて下さい」と言われたり、ヤニだらけの歯の医者から「タバコは健康に良くないですね」と言われるのにも似ています。お母さんがまず喘息をしっかり克服してこそ、子どもが喘息を克服できるようになるのではないでしょうか?
>>職場の近くの小児科に行ったときは、錠剤を何錠かもらってのみましたが、カラダか震えて止まらなくなったので、今のところ、特に服用はしていません。発作は、たまにですが、小発作がでます。特に、朝方冷え込んだら、絶対的に出勤後に苦しくなります。配置替えがあって、どうもデスクの周りの環境が悪くなって、ストレスなんかも関係あるのかなあ、なんて考えています。治療を受けるとなると、呼吸器内科の先生に診ていただいたほうがいいのでしょうか? 子どものことは考えても、自分のことには疎くなってしまいます。
→呼吸器科の先生ならベストですが、喘息をうまく治してくれない呼吸器科の先生もたまにおりますし、専門でなくても喘息に通じている先生もおります。吸入ステロイドを指導してくれるかどうかが、判断の根拠になると思います。
良い先生に巡り会えると良いですね。
では。
(2)吸入ステロイドで口の中に毛が生えることなんてありませんか?
【019】30代半ばの女性より
<追加メール1>
先日メールをいただいてから、お返事しなくっちゃ、とは思っていたのですが、子どもがカゼ気味だったりとかで、仕事を休んでいました。申し訳ありません。
長女が学校を休んでいたのですが、幸いインフルエンザではなくて、大事には至らなくてすみました。よかったよかった。今のところ二女、三女にはうつっていないようです。が、なんだか私がカラダがダルい日々が続いています。熱はないのですが…。カラダがきつくてオリンピックもあんまりハマって見られないし、困ったものです。
二女のゼンソクは良くも悪くもなくて、こんなものかな、というカンジです。もうすぐ卒園なので、あと1ヶ月はなんとか入院ナシでもちこたえてほしいとは願っています。私自身のほうは、ここのところ暖かい日が続いているためか、発作はでていません。今は子どもの用事に追われているので、もう少ししたら、自分の治療も考えていこうと思っています。…って、本当はこんなんじゃダメなんでしょうが。 わかっているんだけど…。
で、このホームページを拝見しました。自分のことが載っているとは、正直、オドロキです。読み返していくうちに、いろんなことをすっかり忘れていたことに気がつきました。
二女は大発作を何回かおこし、救急車のお世話になったこと、病院に向かう途中で呼吸が止まったこと、その他いろいろと忘れていたことがありました。性格が楽天家なもので、辛かったこともつい忘れていました。一昨年は1ヶ月半で4回、去年は1−3月でで5回の入院をしましたが、年長さんになってからは入院もせずに家での吸入でなんとかがんばっています。入院すると、長女や三女のことをいろいろと考えなくてはならないので、症状が落ち着いてくれて、本当に助かっています。
二女は最初、近所の開業医にお世話になっていましたが、去年のお正月に休日外来センターで点滴をしている最中にも大発作がおこり、当番医であった大学病院のお医者さんに「こんな重症の子どもは大学病院か市民病院に行きなさい」と言われたのですが、土曜日が休みの病院にはとても通院できず、現在は入院施設がある病院に通っています。
実は、半年ほど前に、「もう少ししたら、ステロイドを持たせましょうか?」と言われたことはあるのですが、ステロイドというと、その当時の私には何だか恐いイメージがあったので、つい「考えさせてください」と答えてしまいました。今度通院するときにステロイドのことをたずねてみようと思います。
二女と三女は、アトピー性皮膚炎の治療で、皮膚科に通っています。なるべくステロイド軟膏を使用したくなかったので、強酸性水を用いた治療を行なっている病院を選びました。他の患者さんはどうだかわかりませんが、うちの子どもたちには効果大です。三女のケロイドのような肌も、なんとか他人から避けられる程度からは脱しました。
が、やはり強酸性水では限度があるので、炎症がひどいところはやはりステロイドの登場となるのですが、ステロイド軟膏をつけたあとは、毛深くなっています。子どものうぶ毛がそこだけが剛毛になっているのです(ちと大げさですが)。二女がもし、ステロイドの吸入を使用するとしたら、全身が毛深くなったりはしないのでしょうか? もしかして、口とか喉のまわりとか? 色が白いので、毛深くなると余計に目立ってしまいます。
なんだかぜーんぜん脈絡のないメールになってしまって、ほんとうにごめんなさい。ゼンソクで辛い思いをしたことを、なぜか今ごろなつかしく思っています。
<追加応答1>
お子さんが風邪だったんですね。大変でしたね。もう大丈夫ですか?
>>私自身のほうは、ここのところ暖かい日が続いているためか、発作はでていません。今は子どもの用事に追われているので、もう少ししたら、自分の治療も考えていこうと思っています。…って、本当はこんなんじゃダメなんでしょうが。わかっているんだけど…。
日常忙しいとなかなか治療に専念するのは無理かもしれませんが、そういうときは、少しでも時間があったら休むとか、気を楽に持って気持ちの上だけでも治療しているんだという気持ちになることですね。それでも随分違いますよ。
>>性格が楽天家なもので、辛かったこともつい忘れていました。
これは喘息治療にとっては好ましい性格ですね。
>>実は、半年ほど前に、「もう少ししたら、ステロイドを持たせましょうか」と言われたことはあるのですが、ステロイドというと、その当時の私には何だか恐いイメージがあったので、つい「考えさせてください」と答えてしまいました。今度通院するときにステロイドのことをたずねてみようと思います。
私も、診察室で「吸入ステロイド」と話をしただけで、次から来なくなる喘息児のお母さんを結構経験しています。誰しも最初は受け入れられないものです。
>>二女がもし、ステロイドの吸入を使用するとしたら、全身が毛深くなったりはしないのでしょうか。もしかして、口とか喉のまわりとか?
これは、まず心配しなくてよいと思います。ただし、正しい吸入操作とうがいが前提です。仮に不適切でも毛が生えることはないです。