(1)体育の授業で嫌な思いをしました。
【021】18歳の女性より
<質問>
こんにちは。
私は、喘息で嫌な思いをしたことは、やっぱり授業の体育でした。先生にとっては、苦しさを知らないから言える。確かにやればできるけども、それでやってしまうと、夜や後々に響くんですよね。
私は、結局病院の診断書をもらっても、点数はひかれていかれました。学校の体育の先生は、もうちょっと喘息のことを理解してほしいなと思います。(単なるグチですけどね…)
私はピークフロー値という言葉自体は知っていますが、実際にやっていないのでどんなものなのかは知らないのです。
<応答>
メールありがとうございます。
喘息は、発作がないと普通に見えるのですが、気管支が細くなっていますから、他の方と同じように体育をやったのでは大変ですね。
長野オリンピックで金メダルをとった清水選手が喘息であると話題になっていますが、「清水選手を見てみろ! 喘息でも金メダルが取れるんだぞ! だからお前も頑張れ!」なんて言う人が出てこないことを祈ります。確かに励みにはなるけど、健康な人から言われたくないよね。
「喘息の常識・非常識」の問題を学校の先生の教員採用試験には必須項目にして欲しいですね。
周囲に負けず、頑張って下さいね。ピークフローメーターもぜひ吹いてみて下さい。
では。
【021】18歳の女性より
<追加メール1>
こんにちは。
すっかりご無沙汰してしまいました。時間がなく、なかなかインターネットを繋げることができませんでした。
私の家は、4月に○○から△△の方へ、引っ越してきました。新しい病院では、ピークフローメーターを使用しています。私の家は、母、姉、そして私の3人が喘息を持っています。3人で、ピークフローをやっているのですが、母は、どうしても平均値までいかないと、200ちょっとしかいかないと言っています。何か、コツみたいなものはないでしょうか?
病院の先生に相談したら、“そのうち慣れますよ”と言われたらしいのですが、本当に慣れるだけしか、方法はないのですか?
お忙しい中すいませんが、なにか方法があるのでしたら、教えてください。
<追加応答1>
お久しぶりですね。引っ越ししたんですね。新天地はどうですか?
お母さまも喘息なのですよね。だとしますと、ピークフロー値が200というのは、喘息が芳しくない(ゼイゼイなど症状があるのに治療をしていない)から、ピークフロー値が吹けないのではないでしょうか? まったく発作がない場合でも、喘息持ちの方は気管支に炎症が存在していることがあります。この場合、発作止めを吸入して10分位して、もう一度ピークフロー値を測定してみる方法があります。300や400と値が上昇するようなら、まだまだ治療の余地があるということでね。あまり値が変わらなければ、200という値は、お母さんの固有の値ということになりますので、症状がなければあまり気にしなくても良いですね。
吹き方のコツは、最初の一吹きを精一杯することです。口脇や鼻から空気が漏れないことなどがコツですが、吹き方で値が変わるのはさほど問題ではありません。
ところで、あなたはどの位吹けたのですか?
<追加メール2>
さっそくのメールありがとうございました。
私は、初めは□□に住んでいたのですが、○○に転勤となり、今度は△△、ということで、引っ越してきました。□□に住んでいた頃は、風邪から喘息につながり、それが肺炎となって、よく入院していたので、気候が私にはあってないんじゃないかって思っていました。(実際、○○に行ってからは1度も入院してないんです)だから、今回の引っ越しも不安だったんですが、そんな不安をよそに、引っ越して2-3週間ぐらいで発作の方も落ち着きました。
ピークフローの方、丁寧に説明していただき、ありがとうございました。母と一緒に頑張ってみようと思います。私のピークフロー値はだいたい300〜350ぐらいなんですが、たまに400以上吹けることがあります(ほんとうにたまになんですが…)。ただ、ピークフロー値は、だいたい3回ぐらい吹いて、一番いい値を値とすると喘息日記などに書いてあるのですが、3回ぐらい吹くと息苦しくなってしまうのですが何故でしょうか? それはみんな息苦しくなるものなのですか?
まだまだ、喘息についてわからないことがあると思うので、これからもよろしくお願いします。
<追加応答2>
>>3回ぐらい吹くと息苦しくなってしまうのですが、何故でしょうか? それは、みんな息苦しくなるものなのですか?
→吸入操作自体や、ピークフローを吹いたときに、咳や発作がおきたり、息苦しくなったりするのは、ただひとつ気管支炎症が残っているということです。発作はなくとも、気管支炎症が不完全に残っているよい証拠になります。吸入ステロイドは吸っていますか? 吸入ステロイドをするかどうかは、主治医の先生とよく話し合って下さい。吸入ステロイドを行っているのに、そのようなことがあるとすれば、吸入操作が不適切である可能性があります。私のホームページの「特集・吸入療法」を熟読して下さい。気管支の炎症が取れてくると、そのようなことは一切なくなります。
>>まだまだ、喘息についてわからないことがあるとおもうので、これからもよろしくお願いします。
色々勉強して下さい。
では。
<追加メール3>
こんにちわ。
新しい地に引っ越してきて、当然病院も変わるんですが、どうしても私は、その病院には行くことができないのです。母と姉は行きました。ちゃんと、アレルギー科の病院なのですが、どんなに発作を起こして行っても診察はしないらしいのです。それに、いざというときの頓服もくれないので、遠出するときにすごく不安です。それに、“入院したときのために大きい病院へ行ってもらった方が…”とも言うらしいのです。確かに、そうかも知れませんが、そんな風に言うことはないと思います。そんな、頻繁に大きい発作を起こすわけでもないのに…。
私は、この間の土曜日〜月曜日にかけて、○○に行って来ました。その時に、今までかかっていた病院に行って、頓服をもらいました。今は、頓服が手元にあるので、安心です。頓服がどんなに強いかは、知っています。でも、遠出するときには手元にないとすっごく不安なんです。はっきりいって、今のままでは、不安でこっちの病院に通うことはできないんです。
これは、単に私の考えが甘いだけなのでしょうか?
それでは。
<追加応答3>
明らかに、その病院はおかしいですね。「アレルギー科」は内科ですよね。たまに、皮膚科、耳鼻科、眼科でもアレルギー科を唱えることはありますので…。内科だとしたら言語道断ですね。時間外や夜間に発作で受診されたくないから、そんなことを言っているのかもしれませんね。
△△だったら、呼吸器内科の先生はたくさんいるはずです。通える範囲で、いい先生を捜してみて下さい。
また、頓服薬がないと不安になるのは当然です。しかし、頓服薬が不用になるような根本的な予防策を平行して講じることが必要です。吸入ステロイドがそのひとつです。まだ使っていなかったですよね。吸入ステロイドを処方してくれる先生が見つかるといいですね。
では。
【021】18歳の女性より
<追加メール4>
こんにちは。今日、「寄稿集」が届きました。
まだ初めのほうしか読んでないのですが、同じような事を受けたりした人がいるんだなと思ったりもしました。夜には、姉も寄稿集を読んですごく感心していました。私も、吸入のやり方一つでピークフロー値が200か600まであがるのには驚きました。母も今ではピークフローが400近くまで出せるようになりました。ありがとうございました。
「寄稿集」がたくさんの人に読まれることによって、喘息という病気が少しは理解してもらえるのではと思いました。私も長年、喘息と共に過ごしていますが、まだまだ知らないことが多いようです。喘息ということで、いろいろな体験を私もしてきたけど、私以上に大変な体験をした人もいるんだなと思い、少しでも発作が起きるのをなくしていきたいなと思いました。
これからも、質問させてもらうことがあるかもしれませんが、宜しくお願いします。
<追加応答4>
お久しぶりです。
お母さんの400もさることながら、あなたも600ですか? うーむ、これもすごいですね。若さもあるのだとは思いますが…。
ピークフロー値があまり上昇しなくて悩んでいる方にも希望を与えてくれるメールではないかと思います。今後も頑張って下さいね。喘息管理は、良くなってからこそが勝負ですからね。
(4)ベネトリンの使用限度量はどのくらいですか?
【021】18歳の女性より
<追加質問5>
お久しぶりです。すっかりご無沙汰してしまいました。
季節はすっかり夏から冬に変わってしまいましたね。
私もこっちへ移って半年以上たつので気候にも慣れてはきました。ただ、今まで10年近くやっていた減感作をやめてしまったので、発作は起こしやすくなってしまっています。
今、私の家では病院の方からベネトリンを貰っています。そこで一つ聞きたいのですが、発作の大きさによっても違うでしょうが、ベネトリンはどれぐらいまで入れてよいのですか? 私はベネトリンを使うときは、“インタール”1本と“ベネトリン”を0.15 ml〜2 ml入れてしまうのですが…、やはり、家でやるときは2 mlまでに抑えておいて、それでおさまらなかったら病院へ行く。という手段をとった方がいいのでしょうか?
先月からアルバイトを始めました。いろんな所でずっと、断られ続けていたのですが、“喘息”って言っても、“無理しない程度に”って言われ、OKしてくれました。何度か、面接を受けてていっそうのこと、喘息であることを隠そうかとも思いましたが、いざっていうときに知らなかったでは困るでしょうし…もうアルバイトをはじめて1ヶ月になります。はじめは不安だったのですが、今では全然大丈夫です。
“喘息”がどんなモノであるかもう少しみんなに知って欲しいと思いました。
最後にここのところ少し体調悪くて、ピークフローをやると少し苦しくなるので、やってないのですが、やったほうがいいのでしょうか?
<追加応答5>
本当のお久しぶりですね。
>>今まで10年近くやっていた減感作をやめてしまったので、発作は起こしやすくなってしまっています。
→以前のメールを読み返してみたのですが、確か減感作を行っていたことは初めて聞いたと思います。減感作を中止して発作を起こしやすいという判断だと、これまではその効果が出ていたということですよね? 効かないなら勧めませんが、効いていたなら継続はできないのですか?
>>今、私の家では病院の方からベネトリンを貰っています。そこで一つ聞きたいのですが、発作の大きさによっても違うでしょうが、ベネトリンはどれぐらいまで入れてよいのですか? 私はベネトリンを使うときは、“インタール”1本と“ベネトリン”を0.15 ml〜2 ml入れてしまうのですが…、やはり、家でやるときは2 mlまでに抑えておいて、それでおさまらなかったら病院へ行く。という手段をとった方がいいのでしょうか?
→1回の量や1日の最大量は、処方した病院の先生によく聞いて下さいね。ただし、エアゾルなどがうまく吸入できない小児ならまだベネトリンのネブライザーを行いますが、最近は大人ではほとんど用いられなくなりました。その点ももう一度相談してみて下さい。
“いつもと違う発作”は病院受診が原則です。
その前に吸入ステロイドなどで予防が大事ですが、まだ導入していないのですか?
>>先月からアルバイトを始めました。いろんな所でずっと、断られ続けていたのですが、“喘息”って言っても、“無理しない程度に”って言われ、OKしてくれました。何度か、面接を受けてていっそうのこと、喘息であることを隠そうかとも思いましたが、いざっていうときに知らなかったでは困るでしょうし…もうアルバイトをはじめて1ヶ月になります。はじめは不安だったのですが、今では全然大丈夫です。“喘息”がどんなモノであるかもう少しみんなに知って欲しいと思いました。
→そうですね。
>>最後にここのところ少し体調悪くて、ピークフローをやると少し苦しくなるので、やってないのですが、やったほうがいいのでしょうか?
→調子の悪い当座は無理にピークフローを吹かなくてもいいと思います。苦しいときは、無理してピークフローを吹かず、症状がなくなってからこそ(その症状が悪くならないようにするために)ピークフローを付けるべきです。
では。