(1)甲状腺の病気と喘息について。
【024】38歳の女性の方より
<質問>
私は甲状腺機能亢進症と診断されているのですが、甲状腺機能亢進症があると、喘息のコントロールがつきにくいと言う事を何かで読んだような気がします。そのような事があるのでしょうか?
<応答>
甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症そのものは、喘息とはさほど関係ないと思います。例えば、甲状腺機能亢進症になると喘息の合併が多いとか、過剰の甲状腺ホルモンが喘息を悪くするとか、いう報告はありません。ただし、甲状腺機能亢進症の治療として使われることのあるベータ遮断剤という薬は、気管支拡張剤の効果を阻害するので、喘息を合併している方には使いにくいという側面があるかもしれませんね。また、甲状腺機能亢進症では、手のふるえなどの症状が起きますが、喘息治療薬であるベータ刺激薬やテオドールなどはそれらを増悪させてしまいますので、喘息治療も十分に出来なくなるということもあり得ますね。
ただし、喘息が吸入ステロイドのみでコントロールできるようになれば、これらの問題点は関係なくなりますので、吸入ステロイドを効かせることを第一に考えるべきでしょう。