(4)プレドニンは減量すべきですか?
【044-a】34歳女性の方から
<追加メール5>
いつもお世話になっております。調子が良いと足が遠のき、調子が悪いと厚かましくメールさせていただきお恥ずかしいのですが、アドバイスをお願いしたいのです。
現在の薬:
プレドニン 1錠(7/16 6錠から減量)
ベコタイド100 12パフ(プレドニン1錠になり再開)
デパス0.5 2錠 頭痛予防、プレドニンで不眠のため
アルタット 2錠
プレドニンは今回で3回目の内服(11ヶ月の間で)。やっと切れたと思えば調子が悪くなりまた内服を繰り返しています。2〜3ヶ月飲んで2ヶ月休みまた内服という感じでしょうか。今回は自分自身もイエローゾーンと自覚して、自分の方から申し出ての内服でした。そのこと自体は成長だなあ…などと感慨に耽ったりしているのですが、この後からがご相談申し上げたいことなのです。
プレドニン2錠までは調子よく暮らしておりました。1錠になり喜んだのもつかの間、朝夕の息苦しさを感じています。苦しいというほどではありませんが、明らかに息苦しく、この状態でベコタイドを使っても効果が上がりにくいだろうなあ、と思うほどです。今のところベロテックを吸入してその後ベコタイドを使っているのですが、そのせいかどうか頑固な頭痛が続いています。(ソランタールではほとんど効きません)
このような状況でプレドニンの減量を急いで良いものなのか? 今までの経過を考えれば1.5錠とか2錠とかを継続して内服した方が良いのだろうか?
主治医にもご相談申し上げたところ「う〜〜ん。それが問題なんだよねえ…」とおっしゃり、具体的なことはお聞きできませんでした。主治医は消化器がご専門、何でも話せて尊敬できる方ではありますが、喘息の治療に関しては???と感じることも正直なところございます。(でも大好きなのですよ)
プレドニン、ベコタイドともゆとりはあります。
ちなみにPF値は、
普段 380程度
現在 昼 310程度、朝・夜 250前後
ごちゃごちゃになってしまいましたが、今私が自分のためにできることは何でしょうか?
とりとめのない内容をどうぞお許し下さい。
<追加応答5>
お返事遅くなりました。
>>このような状況でプレドニンの減量を急いで良いものなのか? 今までの経過を考えれば1.5錠とか2錠とかを継続して内服した方が良いのだろうか?
→プレドニンに限らず、基本的に薬剤を減量して症状が悪化するなら減量はまだ早いと言うことになります。2錠に戻すべきでしょうね。
これまでのメールを読み返してみたのですが、これまでテオドールなどは服用したことはありますか? 副作用が出ましたか? もし、まだなら今のような不安定な時期はテオドールは服用しておいた方が良いと思います。私もテオドールなどは長く飲む薬ではないと思いますが、不安定な時期はお世話になった方が良いですね。ベロテックの回数も減ってくれるかもしれません。今度の受診で相談してみては如何ですか?
プレドニンを6錠飲めば皆ピークフローが上がってくるかというと、それは一概に言えません。あなたは、お子さんのお世話や家事などでお忙しいですから、なかなか安静が保てませんね。ましてや今夏休みでしょうし。プレドニン2錠を続けることは今は仕方ないこととしても、それをだらだら続けるのはやはり得策ではありません。プレドニンに余裕があるなら、気道の炎症を効率的に除去するために、やはり安静を保てる時間を見つけるか、家族の協力を得て積極的に作って行かなくてはなりませんね。気管支炎症が取れてくれば、吸入ステロイドがそれを維持してくれるようになりますから、2錠から1錠へ減らしたくらいでは、喘息はすぐには悪化はしないものです。
今はそれが無理なら、ベコタイドに余裕があるようですので、最大限(例えば1日24吸入とか)に増加して見るべきです。主治医とよく相談してみて下さい。
>>普段 380程度。現在 昼間 310程度 朝・夜 250前後。
→とりあえずは380まで戻すことに全力を注いで下さい。しかし、それでも本当はまだイエローゾーンであることを自覚することです。イエローゾーンに戻ってからが本当は勝負ですね。
頑張って下さい。
<追加メール6>
【044-a】34歳女性の方から
いつもありがとうございます。
>>プレドニンに限らず、基本的に薬剤を減量して症状が悪化するなら、減量はまだ早いと言うことになります。2錠に戻すべきでしょうね。
→重ねて質問させて下さい。2錠にするなら朝だけ2錠でしょうか? それとも2度に分けて内服でしょうか?
>>これまでのメールを読み返してみたのですが、これまでテオドールなどは服用したことはありますか? 副作用が出ましたか? もし、まだなら今のような不安定な時期はテオドールは服用しておいた方が良いと思います。
→以前テオドール、スロービットを使っていましたが、血圧が220-110、脈拍150になり(血中濃度は低いのに)10日間ほど入院いたしました。それ以後、使ったことがありません。少ない量を内服したいと申し出たこともあるのですが、「危険を冒して使うことはできない。外出先で点滴が必要になったときも、そのことを必ず申し出るように」とのことでした。
>>プレドニンを6錠飲めば皆ピークフローが上がってくるかというと、それは一概に言えません。あなたは、お子さんのお世話や家事などでお忙しいですから、なかなか安静が保てませんね。ましてや今夏休みでしょうし。プレドニン2錠を続けることは今は仕方ないこととしても、それをだらだら続けるのはやはり得策ではありません。プレドニンに余裕があるなら、気道の炎症を効率的に除去するために、やはり安静を保てる時間を見つけるか、家族の協力を得て積極的に作って行かなくてはなりません。…略…今はそれが無理なら、ベコタイドに余裕があるようですので、最大限(例えば1日24吸入とか)に増加して見るべきです。主治医と良く相談してみて下さい。
→24吸入ですか。ため息が出そうですが、16吸入には増やしてみます。吸入操作が面倒なのですよ…。フルチカゾンの発売が待ち遠しいです。
>>まだイエローゾーンであることを自覚することです。イエローゾーンに戻ってからが本当は勝負ですね。
→重ね重ねありがとうございます。確かに夏休みはネックなのです。忙しくなりますし、夜エアコンをつけて寝るのも非常に悪い。それにもまして、今は親族のおつきあい等々、正直かなりのストレスなのだと思います。心配事もありました。プレドニンをたくさん飲むこと自体がストレスになったりもするのだから微妙です。
おそるおそる家族でキャンプに出かけると少々睡眠が足りていなくてもとても調子が良くなったりしますからね。いずれにしても気管支に炎症が残っているから調子が悪くなるのです。
PF380でもイエローゾーンですか? ちょっとショックでしたね…。しかし家族はよく協力してくれます。喘息を言い訳にさぼりたくはないけれど、さぼるのと安静を保つのは別のこと。そこを肝に銘じて生活しようと思います。
<追加応答6>
>>2錠にするなら朝だけ2錠でしょうか? それとも2度に分けて内服でしょうか?
→これはまず主治医に相談して下さいね。一般的には色々な報告があり定まっていないというのが実情です。朝、午後3時頃、就寝前に投与する方法などがあります。また、副作用の問題もあり個人によっても異なります。もしこれまでの投与法で症状がコントロールされているのであれば、それを継続するべきですね。
私個人としては、2回に分けるより1回にまとめた方が効果が小出しにならずに良いと思います。また、日中調子の悪い方は朝1回の投与、夜間調子の悪い方は就寝前1回の投与が良いでしょう。
>>以前テオドール、スロービットを使っていましたが、血圧が220-110、脈拍150になり(血中濃度は低いのに)10日間ほど入院いたしました。
→そうでしたか。となるとステロイド(経口にしろ吸入にしろ)を上手く使って行かなければならず、治療は難しい方ですね。しかし、諦めてはいけません。「寄稿集(02)」の方もテオドールなどは使えませんでした。
>>24吸入ですか。ため息が出そうですが、16吸入には増やしてみます。吸入操作が面倒なのですよ…。フルチカゾンの発売が待ち遠しいです。
→24吸入はあくまで例えです。Zensoku WebのAICHANもこれだけの量で頑張って良い状態を維持しています。彼は経口ステロイドがあわないので、吸入ステロイドしかありませんから、これひとつにかけているのです。あなたもテオドールなどがあわず、経口ステロイドも長期的には使えないとすれば、やはり吸入ステロイドを増量するしかないでしょうね。操作は面倒でしょうが、これもフルチカゾンが発売されるまでのつなぎだとは思います。
>>PF380でもイエローゾーンですか? ちょっとショックでしたね…。
→申し訳ありません。あえて衝撃的なことを言わせていただきました。ショックを受けた方が無理しなくなると考えたからです。380位で良いと判断しそこで普通の生活を送るよりも、このくらいではまだまだなんだと認識することが喘息を悪化させないコツです。また、あなたは必ず500近く、いや500以上ふけるはずだと確信しているからこう申し上げています。
焦らないで頑張って下さいね。
では。
(6)1日も早くステロイドを切るためになにができるでしょうか?
【044-a】34歳女性の方から
<追加メール7>
ご無沙汰しております。HPを拝見しながら、お忙しそうなのに申し訳ないと思いながら、困った時の諏訪部先生頼み。お手すきの時にお答えいただければうれしゅうございます。
ここのところ1年吸入ステロイドとあわせ、短期の内服ステロイドを何度も繰り返し使ってきました。今回は比較的長期になってしまい7月末より6錠から1錠を随時増減しながらの内服です。1日2錠なら全く問題は起こらないのですが、1錠に減量するとその3日後くらいから調子が悪くなり息切れや睡眠障害が起こります。かねてから「これはまずいな…。副腎がさぼっているのでは??」と思っていたところ、主治医より2錠くらいまでなら重たい副作用はない、との説明をうけました。それでは軽い副作用は??との私の質問に対して以下のようなやりとりがあり、私はステロイド依存性患者になっていると認識しました。
医師「軽い副作用としては、顔が丸くなったり、ホルモンを自分で作り出せなくなる、と言うようなことがあります」
私 「今の私の状況はすでにその状況ではありませんか? 2錠なら大丈夫、1錠だと悪い、そういう状況は大変恐ろしいことではありませんか?」
医師「…(笑みを浮かべる)」
私 「そう理解して良いのですか?」
医師「だからといって、一生そうだと言うわけではありませんからね」
私 「早寝早起きくらいしかホルモンがでるのを助ける方法はありませんか?」
医師「う〜〜ん。そうすれば快復するというものでもないし、難しいねえ…」
このようなやりとりでした。どう考えても取り越し苦労ではないように思うのですが…、仮に私の理解の仕方で正しかったとして、1日も早くステロイドを切るためになにができるでしょう?
以前にお話しましたがテオドールなどの薬は使えません。現在は実験的にスピロペントを1錠だけ就寝前に使っています。やはり吸入ステロイドしかないのでしょうか? 現在は苦しくて仕方ないと言う状態ではありませんが、朝夕のPFは200〜250。調子のよいときで300と言うところ。プレドニン2錠内服です。
主治医と私の会話、活字になると冷たい感じがしますけれど、実際はとても和やかで楽しい雰囲気でお話しているのですよ…。とても大好きで信頼しています。お薬の量などもずいぶん任せてくださいますし、こちらはとても良い関係だと感じています。
<追加応答7>
ご無沙汰しております。
返事遅くなってしまいました。
>>1日2錠なら全く問題は起こらないのですが1錠に減量するとその3日後くらいから調子が悪くなり息切れや睡眠障害が起こります。かねてから「これはまずいな…。副腎がさぼっているのでは??」と思っていたところ、主治医より2錠くらいまでなら重たい副作用はない、との説明をうけました。
→「調子が悪くなる」というのは当然喘息の状態の悪化ですね。喘息は何ともないのに、身体がだるくなるとか、風邪を引きやすい、などということがあるなら副腎がさぼっている可能性がありますね。
しかし、「喘息の悪化」と副作用の「副腎皮質機能低下」は分けて考えなければなりません。後者は、血液検査でわかります。
私の考えでは、プレドニン2錠なら維持できる喘息の“良い”状態が、1錠にすると悪化するとしたら、それは、2錠の時に「全く問題は起こらない」とした判断に問題があると思います。つまり、2錠できっちり気管支の炎症が取れていれば、吸入ステロイドさえしっかり効かせていれば、1錠に減らしても喘息は悪化しないからです。つまり2錠でもまだまだ気管支の炎症がすっかり取れていない、すなわちまだ減量が早いことになります。逆にピークフロー値はまだまだ上がると言うことです。
ほぼ完全に気管支炎症が取れていれば、プレドニンは急に止めても喘息自体は悪化しないのが普通です。ただし、副腎が抑制を受けていると、喘息は悪化しませんが、身体がだるくなるとか、風邪を引きやすい、などの全身のステロイド不足の症状が出てきます。つまり、吸入ステロイドが気管支に正しく行き渡っていれば、全身のステロイド不足は気管支には影響しないと言うことです。逆に、吸入ステロイドは気管支にしか作用しませんので、気管支のステロイド不足には対処できますが、全身作用がありませんから、全身のステロイド不足を補ってはくれません。
ご理解いただけましたか? 喘息が良くなっても長年続けてきたステロイドを急に中止できない理由はそこにあるのです。
>>仮に私の理解の仕方で正しかったとして、1日も早くステロイドを切るためになにができるでしょう? 以前にお話しましたがテオドールなどの薬は使えません。現在は実験的にスピロペントを1錠だけ就寝前に使っています。やはり吸入ステロイドしかないのでしょうか?
→もう一度ステロイドを6錠くらいまで増加させて、気管支の炎症を十分取るか、さもなければ吸入ステロイドを極限(2000〜2400マイクロ)まで増加させることですね。これは主治医と良く相談してみて下さい。それが駄目なら、フルチカゾンが出るまで、守りの治療に徹することです。今は、無理してプレドニンを2錠から減らすことはないでしょう。
>>現在は苦しくて仕方ないと言う状態ではありませんが、朝夕のPFは200〜250。調子のよいときで300と言うところ。プレドニン2錠内服です。
→やはりプレドニン2錠でもピークフロー値は300とまだまだですから、気管支の炎症が残っているということです。難しいかもしれませんが、適宜徹底した安静を織りまぜて、プレドニンを増やすか吸入ステロイドを増やすかで、ピークフロー値を高く上げて下さい。300で良いと判断することがそもそもの失敗の原因です。
では、頑張って下さい。