(7)ホクナリン・テープについて教えて下さい。
【044-a】34歳女性の方から
<追加メール8>
今回教えていただきたいのは、6才の次男に処方されたホクナリン・テープの事です。以前お話ししたことがあると思いますが、6才の次男も喘息です。
テオドール+メプチンの内服、インタールメプチンの吸入、そして5日ほど前からアルデシン150マイクロを吸入しています。(近所の開業医・内科のF先生に懇願、小児科では絶対出して下さらないので強行手段にでました)それでもやはり明け方に苦しく睡眠不足から発作の起きやすい状態となり悪循環を繰り返しています。今は特別に悪い状態なので(お正月の環境が悪かったため)とにかく睡眠をとらせることを目的でホクナリン・テープ1 mgを処方してくださいました。「姑息的なやり方だけど、確実に吸入(アルデシン)出来ているかどうかもわかりにくいし、これかなあ?」と言うお話でした。私自身は吸入ステロイドの効果が出るまでのつなぎ、と言う風に考えているのですが、それは間違いでしょうか? またあまり耳慣れない薬ですので自分より先に子供に使わせるのも少し心配です。
余談ですが話のついでに「お母さん、フルタイドは効くか?」とF先生に尋ねられ「使い始めたばかりだけれど、吸入操作があれほど楽で、薬の量も少なく済む、どうもPF値も良いようです。」とおこたえしました。F先生は入れようか入れまいか迷っているとおっしゃるので、「是非是非お願いします。あんな良い薬はすべての喘息患者に使わせてあげて欲しい」と力説しました。F先生がおっしゃるには「吸入回数の多い重症の人はともかく、軽症の人にはあんまりメリットがないかなあ…」とのこと。反論出来ませんでした。F先生ご自身も奥様もお嬢さんも家族全員喘息だそうです。(笑)
私が入院したがらない訳の一つは次男の喘息のこともあったのです。昨年私が入院したとき次男のコントロールが出来なくなって、二人同時入院と言う事態になりました。今となっては笑い話ですが、当時は落ち込みました。今思えば次男も母不在のストレスだったのかもしれませんね。
ついつい余計なことまで書いてしまい申し訳ございません。ホクナリンテープの件よろしくお願い致します。
<追加応答8>
お子さんの喘息が大変なのですね。こんな時の共倒れは本当に辛いです。せめてまずお母さんが良くなることがお子さんのためには絶対必要です。
>>(ホクナリンテープ)私自身は吸入ステロイドの効果が出るまでのつなぎ、と言う風に考えているのですが、それは間違いでしょうか? またあまり耳慣れない薬ですので自分より先に子供に使わせるのも少し心配です。
→私のホームページでは、あまりホクナリン・テープ(持続性β刺激気管支拡張剤)については情報を流しておりませんでした。と申しますのも、私自身臨床治験に携わりませんでしたし、発売間もないのでまだ私も使ったことがありません。残念ながら、少なくとも私の患者さんは必要ないということです。ですから今後も使用経験もあまり蓄積できないと思います。
不確かな情報は流さない、自分の経験のない聞きかじりだけの情報は流さない、私が良いと考える情報だけしか流さない、というホームページ運営の自分なりの原則を置いていますので、申し訳ありませんが、恐らく今後も情報は増えないと思います。
基本的には、お子さんの場合は、私もホクナリン・テープは吸入ステロイドが効いてくるまでのつなぎで良いと思います。6歳ならアルデシンはそのうち効いてくるでしょう。しかし、今のようなピンチの状態ではとても良い薬ではないかと思います。また、2、3歳の幼い子どもで、吸入ができず発作を頻発するような患者になら適応はあると思います。また、テオフィリンのRTC療法が適応でもやはり規則的に服用できないとか、薬をいやがるなど、そんなときは、ペタンと貼ればいいだけですからとても楽ですね。
しかし、基本的には、気管支の炎症は取れませんから、炎症を取る治療を並行し、ホクナリン・テープがいらなくなる状態へもって行くことが大切です。問題は、主治医先生がそういう認識をしてくれるかどうかですが、アルデシンが効いてくるようになっても無理に貼れと言うことはないでしょう。
では、お大事に。