(1)ひどくなる前とはいったいどんなときですか？

【044-b】8歳の喘息の娘さんを持つ男性より

＜質問＞

はじめまして、私は小児喘息を煩っている8才(小学3年)の娘の父親です。

先日は、「寄稿集」ありがとうございました。特に同じ位の年令のお子さんの相談内容を拝見するとまだ、我が子のほうが軽症で正しい治療を続けると必ず治せるという思いと、早めに治しておかないといけないという事を感じました。実は先生のホームページを拝見するまでは、小児喘息は高学年位になると自然に治癒するという認識を持っていました。

さて、娘の喘息の相談をさせていただきたいのですが、赤ちゃんの頃から医師から小児喘息と診断されていました。一度喘息がひどくなって入院したこともあります。

現在も年に数回(10回位)、特に最近のような梅雨時、台風が近づいた時等天候の悪い時(気圧が低い時)発作が起きるようです。年に1〜2度位学校を休まなければならない時があります。通常は、朝方悪くても学校に行く頃には大分良くなります。１年前にステロイド(ベコタイド)の吸入を与えられました。インスパイアイースという吸入補助器を使用しています。その時に指示された内容は「炎症を押さえる薬ですので発作がひどくなった時は使えませんので、ひどくなる前に使用して下さい」という指示でした。

しかし、“ひどくなる前”という状況がよく分からないので娘から苦しいという訴えがあった時に吸入しています。それでもいっこうにかわらない場合、名称は分かりませんが粉薬を与えております(ひどい時に使用する薬)。

以上のように現状では、悪くなった時に押さえるというだけで喘息を治すという積極的なことはしておりません。

その他、アレルギー性鼻炎(いつも鼻が詰まっています)、アトピー性皮膚炎(卵を食べない限り皮膚炎にはなりません)もあります。また最近これらの病気に“クロレラ”が良いと言う話を聞き3ケ月ほど飲ませていますが特に変わりはないようです。

是非、先生の指導のもと治癒できればと思っております。宜しくお願いします。

なお、ピークフローメーターをどのように購入できるか教えていただけると有り難いのですが…。

＜応答＞

初めまして。

娘さんは、すでに吸入ステロイドを導入されているのですね。

＞＞「炎症を押さえる薬ですので発作がひどくなった時は使えませんのでひどくなる前に使用して下さい」とい指示でした。しかし，“ひどくなる前”という状況がよく分からないので娘から苦しいという訴えがあった時に吸入しています。

→確かに、いつがひどくなる前なのかは症状から推測するのは難しいですね。やはり、ピークフローメーターの必要があると思いますし、娘さんはすでに年齢的にピークフローメーターが吹けると思います。

＞＞最近これらの病気に“クロレラ”が良いと言う話を聞き３ケ月ほど飲ませていますが特に変わりはないようです。

→最近の健康食品ブームのやつですね。こうした宣伝は、効いた方ばかりを紹介していますし、また喘息に関して言えば、効いたとは言っても単に発作の回数が減ったというだけのことが多いですね。“ピークフロー値を有意に上昇させない治療は効果があるとは言えない”−これが私の喘息治療における信念です。

＞＞ピークフローメーターをどのように購入できるか教えていただけると有り難いのですが…。

まず、担当の先生に聞いてみて下さい。そこの病院や医療器材メーカーが扱っていると思いますので、聞いてくれるでしょう。仮に担当の先生が、“そんなのいらないよ”と言ったからといっても気にすることはありません。自分で購入し娘さんの喘息のバロメーターにしてみるべきです。病院の売店や調剤薬局などに問い合わせてみて下さい。どうしても、購入不能の場合は、メーカー名を直接お教えしますので、ご連絡下さい。

では、お大事に。

＜追加メール1＞

早速、御返事ありがとうございました。

今日、病院に行き担当医師にピークフローメーターについて相談しました。先生は、使用については大賛成で使用方法についてビデオを使って説明して下さって、今後データに基づいて治療していくことになりました。早速、購入し今日からフロー値を付けていきます。

御助言ありがとうございました。

＜追加応答1＞

ピークフローメーター良かったですね。何でも相談してみるものですね。

私も、すべての患者さんにピークフローメーターを記録して欲しいとは思っていても、患者さんによっては、「はたしてこの方が継続的に記録してくれるかな？」と考えると、ピークフローメーターを勧めるのを躊躇してしまうことがよくあります。そんなとき、患者さんの方から「ピークフローメーターをつけてみたいのですが…」と言われれば、それこそこっちのものという感じです。「そんなのいらないよ」なんて医者はあまりいないかも知れませんね。失礼しました。

これで、いつが「悪くなる前か」がわかるようになると思います。