(3)ばらつくピークフロー値はどれを採用すればいいのですか?

【075】25歳女性(大学院修士課程)の方から

<追加メール1-1>

今日、ピークフローを色々と計ってみたところ、かーなり深い深呼吸をして、「こいつはうまくいった!!」…っていう時は400から410、普通に深い深呼吸をして、計った場合は300から350という結果が出るのですが、どちらの値を中心に考えればよいのでしょうか?

<追加応答1>

良い先生が見つかって良かったですね。

新しい先生の元、しっかり喘息治療頑張って下さいね。

>>今日、ピークフローを色々と計ってみたところ、かーなり深い深呼吸をして、「こいつはうまくいった!!」…っていう時は400から410、普通に深い深呼吸をして、計った場合は300から350という結果が出るのですが、どちらの値を中心に考えればよいのでしょうか?

気管支の炎症が不完全に残っているうちは値がばらつきます。従って、参考程度と考えて下さい。しかし、炎症が取れているとそういったばらつきは自然となくなります。今はとにかく吸入ステロイドをしっかり吸って症状を取ることですね。

指導教授の話とても興味深く読ませていただきました。

時間があったら、また聞かせて下さいね。

では、また。


(4)息苦しさが97%位減りました。

【075】25歳女性(大学院修士課程)の方から

<追加メール2>

こんにちは。

あれから、吸入ステロイドを1日3回、1回3パフ使用しておりますが、使用した当日からわりと調子が良くて、(こんなに早く効果が出るなんて、プラシーボ(疑似薬効果)だろうか?)と思ってしまったほどです。4日目の今日も、ちょっとずつ良くなってきていて、まだ多少せきは残っていたり、たまに息苦しくはなるものの、以前に比べて断然楽になりました。また、苦しくなる頻度も97%位減りました。夜もゆっくり眠れるようになりつつあります。嬉しい限り。

今行っている病院は、「ぜんそくの患者会」や、「ぜんそく教室」を行っている病院なので、今度参加してどのようなことをやっていたか、お知らせしますね。

<追加応答2>

>>あれから、吸入ステロイドを1日3回、1回3パフ使用しておりますが、使用した当日からわりと調子が良くて、(こんなに早く効果が出るなんて、プラシーボ(疑似薬効果)だろうか?)と思ってしまったほどです。4日目の今日も、ちょっとずつ良くなってきていて、まだ多少せきは残っていたり、たまに息苦しくはなるものの、以前に比べて断然楽になりました。また、苦しくなる頻度も97%位減りました。夜もゆっくり眠れるようになりつつあります。嬉しい限り。

→良かったですね。吸入ステロイドでそこまで良くなったとしたら、喘息は間違いないですね。治療的診断と言います。

<追加メール2-1>

こんにちは。

あれからも吸入ステロイドの治療は続いていて、今は夜間覚醒も減り、日中はほぼ制限無く生活できるようになりました。ピークフローは360から410の間を行ったり来たりです。また、耳鼻科のほうも受診して、副鼻空炎や鼻炎などの慢性疾患がないか検査している最中です。

前回、病院に行ったときに、肺機能検査を行ったところ、肺活量が3,800 ml、一秒量が3,090 mlで、異常はなかったようです。(肺活量は128%で多いみたい)。

肺活量から見ると、もうちょっとピークフローも上がるのかな、という気がしていますので、吸入ステロイドや去痰剤、気管支拡張剤を使った治療を続けていきたいと思っています。

では、本当に大変お世話になりました。

先生もお体に気をつけてくださいね。


(5)カラオケに友人と行くことができて本当に嬉しかったです

【075】25歳女性(大学院修士課程)の方から

<追加メール3>

こんにちは。

今日は、また経過報告です。

ベクロメタゾンでの治療を始めて3週間くらいたちますが、以前の状態が嘘のように調子が良くなってきています。ピークフローも、390から450の間を行ったり来たりするようになりました(最高は470、でもサルタノールの後でした)。

今日は、午後にぜんそくの患者会へ行ってみました。皆さん、やはり吸入ステロイドを使用して良くなった方たちばかりでした。過去に何度も入院したような方たちもいました。

また、今日は、ぜんそくの調子が悪くなってから一度も行けなかった、カラオケに友人と行くことができて本当に嬉しかったです。歌が大好きだったのですが、ちょっと前までは咳がひどくてとてもじゃないけれども歌えなかったのですが、今日は多少苦しいときもあったけれども、普通に楽しめました。月並みですが、「健康で、生活を楽しめること」がどんなに素敵なことか実感しました。

それにしても、話は変わりますが、ぜんそくの診断基準と言うか、「軽症」、「中等症」、「重症」の診断基準、全然良くわからないというか、ぜんそく患者の実態に全く即していませんね。私の場合、発作らしい発作(ぜんめい)がほとんどなくて、咳ばかりでしたが、日常生活はほとんど制限されていました。一時期は、5秒と黙っていられない、(すぐに咳が出てしまう)、夜寝ようとして横になると5時間くらい連続して咳込んでしまう…というのが毎日のように続いていました。でも、きっとこの診断基準によると軽症に分類されてしまうのでしょうかね? 何だかとっても不思議です。

とりあえずは、軽いうちに様々な勉強をして、良くなる技術を身につけられたことは財産ですね。ピークフローなどの値は安定していますが、まだのどを痰がからむ感じは取れないので、これからしばらくは吸入ステロイドの治療を続けていきたいと思っています。

では、本当に色々とありがとうございました。

<追加応答3>

こんにちは。

お元気そうで何よりですね。

>>前回、病院に行ったときに、肺機能検査を行ったところ、肺活量が3,800 ml、一秒量が3,090 mlで、異常はなかったようです。(肺活量は128%で多いみたい)。

→すごいですね。これらの値から、1秒率=3,090/3,800*100=81.3%となります。70%以下で気管支に閉塞があることになりますので、大きく正常を上回っていますね。しかし、喘息のごく初期には、この値は正常にでることはしばしばあります。また、たとえ81.3%でも、気管支拡張剤を吸入した後に90%近くまで上昇する場合は、喘息としての特徴を有していることを示しており、まだまだよくなる可能性を秘めていますね。

>>肺活量から見ると、もうちょっとピークフローも上がるのかな、という気がしていますので、吸入ステロイドや去痰剤、気管支拡張剤を使った治療を続けていきたいと思っています。

→厳密には、肺活量(肺の容積)とピークフロー値(気管支の太さ)は違うものを見ています。しかし、同じ気管支の太さを持っているなら、肺活量の大きなヒト、また呼吸筋力の強いヒト(吹奏楽をやっていたとか、ボディービルで鍛えている方など)はより大きな値が出せます。

>>ベクロメタゾンでの治療を始めて3週間くらいたちますが、以前の状態が嘘のように調子が良くなってきています。ピークフローも、390から450の間を行ったり来たりするようになりました(最高は470、でもサルタノールの後でした)。

→470ですか? いいですね。たとえサルタノール後であっても、それは少なくとも気管支炎症が取れると、サルタノールなしでもいつかはその値が吹けるようになることを示します。私の経験では、そういう方は必ず550から600は吹けるようになります。頑張って下さいね。

>>また、今日は、ぜんそくの調子が悪くなってから一度も行けなかった、カラオケに友人と行くことができて、本当に嬉しかったです。歌が大好きだったのですが、ちょっと前までは咳がひどくてとてもじゃないけれども歌えなかったのですが、今日は多少苦しいときもあったけれども、普通に楽しめました。月並みですが、「健康で、生活を楽しめること」がどんなに素敵なことか実感しました。

→喘息の方は、調子が悪いとカラオケで苦しくて歌えないという方が結構多いようです。歌は上手なのに苦手という方もいるのではないでしょうか? でも、あなたは、お上手そうですね。レパートリーも多いのではないですか? 

>>それにしても、話は変わりますが、ぜんそくの診断基準と言うか、「軽症」、「中等症」、「重症」の診断基準、全然良くわからないというか、ぜんそく患者の実態に全く即していませんね。私の場合、発作らしい発作(ぜんめい)がほとんどなくて、咳ばかりでしたが、日常生活はほとんど制限されていました。一時期は、5秒と黙っていられない、(すぐに咳が出てしまう)、夜寝ようとして横になると5時間くらい連続して咳込んでしまう…というのが毎日のように続いていました。でも、きっとこの診断基準によると軽症に分類されてしまうのでしょうかね? 何だか、とっても不思議です。

→まったくですね。この分類はあくまで医者サイドの見方です。患者さんの存在がありません。「喘息=発作」という前近代的な分類法です。咳が毎日のように続くと言うことは、大変なことなのに非常に軽く扱われていますね。

>>とりあえずは、軽いうちに様々な勉強をして、良くなる技術を身につけられたことは財産ですね。ピークフローなどの値は安定していますが、まだのどを痰がからむ感じは取れないので、これからしばらくは吸入ステロイドの治療を続けていきたいと思っています。

→はい。まず、完全に症状を取って下さい。そうなるとピークフロー値はもっともっと上がってきます。実は、それからこそが真の自己管理の始まりなのです。

頑張って下さいね。

では。


(6)「薬を減らすのが不安です」と言える主治医を持てたことがとても嬉しかったです。

【075】25歳女性(大学院修士課程)の方から

こんにちは。
幸いなことに(?)、御無沙汰しています。

>>470ですか? いいですね。たとえサルタノール後であっても、それは少なくとも気管支炎症が取れると、サルタノールなしでもいつかはその値が吹けるようになることを示します。私の経験では、そういう方は必ず550から600は吹けるようになります。頑張って下さいね。

→この間、自己最高記録の500が出ました。最近ではピークフローが400を下回ることが無くなり、450前後を行き来しています。(サルタノールなしで)。470が出ることも珍しくなくなりました。

夕方くらいになると少し痰がからむ感じはありますが、日常生活には全く支障は無くなり、快適な毎日を過ごしています。ありがとうございます。

>>喘息の方は、調子が悪いとカラオケで苦しくて歌えないという方が結構多いようです。歌は上手なのに苦手という方もいるのではないでしょうか? 

→そうなんですよね。一時期は、ちょっと歌ったらすぐ咳込んでしまって、ほとんど歌えなかったりしました。また、カラオケに行くことを想像しただけでも苦しくなってしまう位でした。

>>でも、あなたは、お上手そうですね。レパートリーもが多いのではないですか? 

→昔合唱部だったので。先日は、さっそく最近はやっている曲をレンタルしてきて、また来るべきカラオケの日を待っております。

>>まったくですね。この分類は、あくまで医者サイドの見方です。患者さんの存在がありません。「喘息=発作」という前近代的な分類法です。咳が毎日のように続くと言うことは、大変なことなのに非常に軽く扱われていますね。

→そうですよね。本当に苦しかったです。(ああ、過去形で言える日が来て良かった…)

でも良くなった今でも、咳をしている人を見ると苦しさがわかるのでつらくなってしまいます。

>>まず、完全に症状を取って下さい。そうなるとピークフロー値はもっともっと上がってきます。実は、それからこそが、真の自己管理の始まりなのです。

→確かにそうですね。症状が無くなるにつれて、ついついぜんそく日誌も、ピークフローメーターも、吸入ステロイドも、おざなりになりがちです。(経口薬も)。

ただ、健康があってこその日常生活ですし、前ほど力を入れられなくても、最低限できる限りの健康管理はやっていきたいなと思っています。最近では、できるだけ外食を控えて自炊をし、体に良さそうなものを食べるようにしています。確かに吸入ステロイドはとても良く炎症を抑えてくれる薬ですが、それだけに頼ってはならない、自己の免疫力というか、炎症を起きづらく、治りやすくする基礎体力をつけることも、合わせて重要ではないかと思っています(だからといって、吸入ステロイドの治療を止めるわけではないので安心してください)。

今日も診察に行きましたが、主治医がぜんそく日誌を見て、ピークフローが安定しているので薬を減らしても良いよ、とのことでした。でもまだ吸入ステロイドを減らすのは不安です、と言ったら「そうですか」と応じてくれました。話し合って、テオスローとムコソレートを減らすことにしました。

私としては、薬を減らすことを不安に思ったときに「不安です」と言える主治医を持てたことがとても嬉しかったです

主治医との信頼関係ができていないと、どうしてもお医者さんをわずらわせたくなくて、「指示に従う」という形になりがちですからね。

また、その病院が主催している「ぜんそく教室」にも行ってきました。ほぼ知っている内容だったのでちょっと退屈でしたが、お医者さんが何人かいらっしゃって、患者さんの質問に直接答えていただけたので、非常に有意義でした。

私も、ピークフローの基準値の見直しについて相談できました(今は、410を基準にしているが、グリーンゾーンであるはずの360位でも咳や痰の症状が出るので、もうちょっと高い値に基準値を定めて対応したほうが良いのでは? という質問に、“基準値は個人差があるから、360でも症状が出るのなら主治医と相談して基準値を変更しても良いのでは?”とのことでした。)

そのように元気にやっていますので、ご安心下さい。

いつか、「ぜんそく患者の心理状態と適切な援助に関して」みたいな研究でもしてみたいな、と思う今日このごろです。先日行われた家庭裁判所主催の非行少年にたいするキャンプでも、ぜんそく持ちの少年が何人かいたみたいです(少年7人中、3、4名)。(私は大学1年のころより、家裁で試験観察の少年に関わるボランティアをやっているのです)。つらい発作をわかってもらえないとか、命にかかわる発作がいつ起きるかわからない状態が常に続いていることが、全く問題行動と関連していないとは言えない気もします(だからといってぜんそくが心身症というわけではなくて、問題をより複雑にしている要因の中のひとつなのでは、ということですが)

まあ、とりあえずは、今現在行っている修士論文を仕上げなくては!

ということで、本当にどうもありがとうございました。先生からのメールが私にとってはとても心の支えになりました(もちろん、実際の治療にも役立っていました)。

お体に気をつけて下さい。

<追加応答>

こんにちは。

お久しぶりです。

>>この間、自己最高記録の500が出ました。最近ではピークフローが400を下回ることが無くなり、450前後を行き来しています。(サルタノールなしで)。470が出ることも珍しくなくなりました。

→これはすばらしいですね。でももっともっと上を目指して下さいね。

>>先日行われた家庭裁判所主催の非行少年にたいするキャンプでも、ぜんそく持ちの少年が何人かいたみたいですし(少年7人中、3、4名)。

→これは悲しいですが、喘息児が非行に走ることはあるかもしれませんね。小児喘息の割合からしても7人中3、4人というのは非常に多い割合ですね。もちろん家庭環境もあると思うのですが、そこに病気が介在すると状況はより複雑になります。治療の妨げにもなります。

喘息を経験したあなたの立場で研究したら面白いかもしれませんね。

>>まあ、とりあえずは、今現在行っている修士論文を仕上げなくては!

→卒業第一ですね。頑張って下さい。