(1)運動をすると咳が止まらなくなりますがただの運動不足でしょうか?
【078】27歳女性(主婦)の方から
<質問>
はじめまして。HP見ました。
私は27才の主婦です。
インターネットの検索エンジンにて「喘息」で、このHPがヒットしました。
いろいろ拝見しましてたいした話ではないのですが(笑)、御相談したくメールさせて頂いております。
先日風邪で咳がひどく痰もひどかったんですが、1年程前に同じ症状があり近所の内科で診てもらったんですが、その時に胸部レントゲンを撮り「喘息の気があるね」と言われました。その時にお薬頂いたのですが飲むと気分が悪くなったりしたので、あまり飲まないうちに治ってしまいました。そして今回また病院に行ってみたんですが、先生からは、「ああ、君は喘息だったね」と言われてびっくりしました。喘息と診断するのは症状からだけなのでしょうか? 先日行った時は症状説明して聴診器あてただけですよ!? 検査とかしなくてもいいのでしょうか? 一応、前回の薬が合わなかったというお話をして違うお薬を頂いたのですが、2日間飲んでますが、あまり苦しさとか変わりません。咳も止まらないし。(頂いたお薬:ベガ錠)
喘息の気があると言われてそのまま軽視したのがいけなかったのでしょうか? 風邪とか走ったりしなければなんともないのですが、やはりこれも喘息なのでしょうか? ちょっとした運動(階段とか駆け上るとか)をすると咳が止まらなくなり、胸が苦しくなります。なんだか息をいくら吸っても入っていかないような苦しさがあります。ただの運動不足? これは220才ごろからです。
長くなりましたが、喘息ということならばなんとかしたいのですが。喘息だよって言われてもいまいち自覚が…。
すいません(^^;とりとめなくて。
<応答>
初めまして。
>>先日風邪で咳がひどく痰もひどかったんですが、1年程前に同じ症状があり近所の内科で診てもらったんですが、その時に胸部レントゲンを撮り「喘息の気があるね」と言われました。…略…。そして今回また病院に行ってみたんですが、先生からは、「ああ、君は喘息だったね」と言われてびっくりしました。喘息と診断するのは症状からだけなのでしょうか? 先日行った時は症状説明して聴診器あてただけですよ!? 検査とかしなくてもいいのでしょうか?
→この先生は、症状、聴診、胸のレントゲンなどから喘息を診断したのだと思います。しいて言えば、肺活量の検査をしてくれれば理想ですが、喘息専門でないとなかなかそこまでは調べてくれないかもしれませんね。恐らく最初の聴診で、特徴的な音(→「診療日記080:喘息発作の音(平成10年11月22日)」)が聞かれたので喘息と診断したのでしょう。また、あなたが喘息であったこともカルテに書いておいたので覚えていたのでしょう。この先生の言動はあまり深く考えない方がいいかもしれませんね。
喘息の診断で最も大切なのは症状ですが、その他の検査は、喘息を確かめたり、他の病気を除外したりするために行います。最終的には色々な検査で総合的に診断が下されます。詳しくは、このホームページの「知識・喘息のことが良くわかるミニ・ツアー」を読んでみて下さい。
>>一応、前回の薬が合わなかったというお話をして違うお薬を頂いたのですが、2日間飲んでますが、あまり苦しさとか変わりません。咳も止まらないし。(頂いたお薬:ベガ錠)
→ベガだけですか? また、前回頂いた薬は何でしたか? 症状から判断すると、テオドールとかユニフィル、あるいはメプチンやブロンコリンなど気管支を広げる薬剤ですね。それらがあわないからと言って、ベガのみを処方するのはやはり不足していると思います。ぜひ、吸入ステロイドを導入してもらって下さい。それを受け入れてくれないとすれば、少なくとも内科に関する限り、喘息に明るい先生とは言い難いですね。
>>喘息の気があると言われてそのまま軽視したのがいけなかったのでしょうか?
→喘息の気があると言われただけで、まじめに治療に取り組む方は、身内によほどの喘息でもいない限り非常に少ないと思います。今からでもしっかり治療をすれば決して遅くはありません。
>>風邪とか走ったりしなければなんともないのですがやはりこれも喘息なのでしょうか? ちょっとした運動(階段とか駆け上るとか)をすると咳が止まらなくなり、胸が苦しくなります。なんだか息をいくら吸っても入っていかないような苦しさがあります。
→その他のデータを見なければはっきり断言はできませんが、これらの症状は喘息としても説明できますね。すなわち発作がなくても気管支に炎症が残っていると、そのような症状がよくみられます。
>>ただの運動不足? これは20才ごろからです。
→20歳台であれば、いくら運動不足でもそんな症状は普通は起こりません。立派に気管支に炎症が残っている証拠だと思います。吸入ステロイドなどで良くなればわかることです。その前に一度専門の病院を受診してみて下さい。
>>長くなりましたが、喘息ということならばなんとかしたいのですが。喘息だよって言われてもいまいち自覚が…。
→そのつもりでいた方がショックは少ないでしょう。しかし、まじめに取り組めば喘息はショックを受けるほどの病気ではありません。
では。
【078】27歳女性(主婦)の方から
<追加メール>
今回の喘息はなんとか良くなったんですが、以前とはまったく変わってしまいました。安静にしてての苦しいのは無くなったんですが、ゆっくり階段上るのでも苦しくなりますし、仕事中とかに急に咳が止まらなくなったり…。
今までは風邪等、体調を崩さなければと走るぐらいの運動をしなければなんともなかったのですが…。
ところでまた質問です。今こうやって椅子に座りパソコン打ってますが状態はフツーそのものです。苦しくもありません。この状態で病院に行ってもいいのでしょうか?
できれば、内科でも喘息って言われたのもありますし、通勤、仕事中など多少ではありますが支障があります。ぜひ相談させて頂いて、効く(笑)お薬頂きたいのですが…。
現状としては喘息症状がずーっとっていうわけではないので、調べようがないような。(笑)でもまた急に苦しくなった時にすぐ病院に行くことができればいいのですが、仕事もしてますし。こういう場合はどーしたものでしょうか?
<追加応答>
>>今こうやって椅子に座りパソコン打ってますが状態はフツーそのものです。苦しくもありません。この状態で病院に行ってもいいのでしょうか? できれば、内科でも喘息って言われたのもありますし、通勤、仕事中など多少ではありますが支障があります。ぜひ相談させて頂いて、効く(笑)お薬頂きたいのですが…。
→たしかに、これだけの症状だと、喘息専門家でないと、詳しい検査をしたり、投薬をしてくれる先生は少ないかもしれませんね。病院を選ぶとすれば、最初はやはり呼吸器専門家のいる大きな病院が良いでしょうね。その際、これまでの治療経過の他に、今は発作がないが、(なるべく大げさに)しょっちゅう風邪を引いて発作を起こしやすいし、発作がないときでも通勤や仕事中など支障があること、をはっきり述べ、できればレントゲン、血液、肺活量の検査をして欲しいこと、そして症状を和らげる吸入薬を処方して欲しいこと、など具体的に希望を述べてみて下さい。ピークフローメーターも希望してみるとよいですね。何でそんなに詳しいのか?と聞かれたら、知人に喘息で同じ様な症状があって、検査や吸入ステロイドで非常に良くなった人がいるとでも述べてみて下さい。
>>また急に苦しくなった時にすぐ病院に行くことができればいいのですが、仕事もしてますし。こういう場合はどーしたものでしょうか?
→これが喘息患者さん共通の悩みですね。ですから、普段から自己コントロールを付けておかねばなりません。吸入ステロイドの他に、発作止めを携帯しておくこと、普段からピークフローメーターを記録して自分の状態を客観的に把握しておくことですね。
では。
【078】27歳女性(主婦)の方から
<追加メール2>
お久しぶりです。
先生にメールを出したあと、専門のお医者さまにかかろうか〜、悩んで病院にすぐには行かなかったのですが(汗)、去年の暮れから慢性的に苦しさが続くもので、とりあえずいままで行ってた病院に行き、先生とお話してきました。肺のレントゲンと心電図と血液検査と尿検査ののちお薬頂いてきたのですが。
・スロービット
・スピロペント
・ムコソルバン錠
・ストメリンD
そこで質問なんですが、ストメリンDという吸入薬はどういうお薬なんでしょうか? ネット上の喘息関連ページではあまりみかけない名前なのですが…。このお薬について病院の先生から心臓に負担をかける薬なので使用に注意するようにといわれました。もしものために家族にも話しておきなさいとまで言われてちょっと恐いですね。思いっきり脅されました(苦笑)。
まぁ、乱用する気もないですし、心配はしてませんがちょっと気になったもので。
<追加応答2>
お久しぶりです。
>>ストメリンDという吸入薬はどういうお薬なんでしょうか?
→ストメリンDについては、色々な質問の中で触れているのですが、この薬が話題の中心でないので、「ガイド」をたどっても、確かに分かりませんね。新しくこの薬について設けました。参考になるか分かりませんが、「特集・ベロテック」の「薬害オンブズパースンとのやり取り」の「浜六郎医師への意見1」の中で、ベロテックと比較するところで述べております。
ストメリンDは、気管支拡張作用のある硫酸イソプロテレノール、全身性ステロイドであるデキサメタゾン、気管支収縮を予防し痰を減らす作用のある臭化メチルアトロピンの3種類の混合吸入薬です。喘息治療に必要な薬剤がすべて入っているという点では理想的ですが(1)硫酸イソプロテレノールはベロテック(フェノテロール)よりも気管支拡張作用が強力な反面心臓刺激作用も強いこと、(2)デキサメタゾンは全身性で最近のベクロメタゾンやフルチカゾンと異なり連用によって副作用が出ること、などが問題となっており、使いすぎると、先生がおっしゃるような「心臓に負担をかける」ことになるわけです。
>>乱用する気もないですし、心配はしてませんがちょっと気になったもので。
→何も知らなければ効き目が良いので乱用してしまいがちです。しかし、その効果の良さと反面の副作用を知っていれば乱用することはないですね。
では。