(1)歌い手なのに喘息と診断されショックでした。

【082】?歳女性(音楽関係)の方から

<質問>

9月に風邪をひいたのをきっかけに喘息と診断されました。でも、正直言ってまだ信じられないのです。はじめは、風邪だと診断されました。微熱と咳が2週間も続き、とても体がきつかったです。通っていた内科では、咳の出る原因を調べることに重点をおいて、熱が出るのは気にしなくていい、ということでしたが、微熱がその後も続き、(合計して3週間)つらくてしかたがなかったので、別の病院で点滴を打ってもらいました。熱は下がり、それに伴って咳も楽になりました。約3週間、咳が出ていたということになりますから、声帯のことが心配になり、(申し遅れましたが、私は歌をうたうことを仕事にしています)かかりつけで、歌い手という立場を理解して治療してくださる耳鼻科へ行き、声帯を診てもらいました。おかげさまで、そちらの方は大丈夫でした。

今は、その病院で診てもらっていますが、それでもなお、喘息ということが信じられないのです。薬は、オノンと麦門冬湯を飲んでいます。咳は、起床して少したつとでますが、水を飲んだり、何か口に入れるとすぐにおさまります。朝から咳がでる、ということは喘息と診断される前から、たまにありましたし、咳だけの喘息ってあるのですか? 今では前とかわらず、歌っています。ちなみに、喘息と診断された病院では、大豆とハウスダストにアレルギー反応が出ている、といわれました。豆腐や納豆を食べてもなんともありません…。すごくほこりっぽい所や、排気ガスを吸うと、たしかに、咳は出ますが…。こういう症状でも喘息というのか、教えてください。また、これから悪化することはあるのでしょうか? どういうことに気をつけて生活していったらいいのでしょうか。もしかしたら、一生このままですか。喘息持ちの歌い手だなんて…。

お忙しいところ、大変だと思いますが、よろしくお願いします。

<応答>

はじめまして。

私は音楽はとんと苦手な方ですので、この職業にはとても気高い神秘的な印象を抱きます。歌手が喘息というのは、それはショックですね。

>>9月に風邪をひいたのをきっかけに喘息と診断されました。でも、正直言って、まだ信じられないのです。はじめは、風邪だと診断されました。微熱と咳が2週間も続き、とても体がきつかったです。通っていた内科では、咳の出る原因を調べることに重点をおいて…。

→ということはきちんと検査をして喘息と診断されたのですね? どのような検査をされましたか? 今度その結果と併せてわかる範囲でお聞かせ下さい。

>>咳だけの喘息ってあるのですか? 今では前とかわらず歌っています。

→あります。検査で喘息と診断され、症状が咳だけなら、りっぱな咳喘息ですね。この点に関しては、このホームページの「ガイド」から「咳について」をたどって下さい。

まだ軽い方だとは思いますが、喘息とショックを受けないで、何かあったら早めに対処すれば何とかなるという気構えでいた方が大怪我しなくて済みます。

>>大豆とハウスダストにアレルギー反応が出ている、といわれました。豆腐や納豆を食べてもなんともありません…。すごくほこりっぽい所や、排気ガスを吸うと、たしかに、咳は出ますが…。

→程度にもよりますが、軽ければそれらを吸ったり食べたりしても何も起きないことはよくあります。これは、あくまで全身のアレルギーの指標ですから、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎・結膜炎などとも関係があり、必ずしも喘息の重症度とは関係しないことがあります。ただハウスダストやダニはできるだけ減らす努力は行うべきですね。

>>こういう症状でも喘息というのか、教えてください。また、これから悪化することはあるのでしょうか? どういうことに気をつけて生活していったらいいのでしょうか? もしかしたら、一生このままですか。

→恐らくごく初期の段階なのでしょう。今の状態から、どういう健康管理をして行くかが今後の状態を左右します。少しくらいの咳だからと言って仕事で無理をしたり、風邪を拗らせたり、そのような積み重ねが今後の病状に大きく影響しますので、生活上の徹底した管理が必要です。ましてや仕事で呼吸が重要な位置を占めるならなおさらですね。

もし、どうしても今後悪くなりたくないと言うなら、今のうちからピークフローの管理始めてみては如何ですか? 症状がひどくないのに何もそこまで…とお考えになるかもしれませんが、実は症状の軽いうちにこそピークフローメーターによる管理は重要なのです。ピークフロー値さえ今以上に下がらなければ、少なくとも仕事に支障を来すようなひどい喘息には進展しないと思います。

>>喘息持ちの歌い手だなんて…。

→気持ちはよくわかりますが、喘息だから歌手ができないと言うことはありません。その印象があるとすれば、喘息を誤解されています。喘息でも良い状態を維持できれば、普通の人間より良い声が出せる可能性だってあります。現実を直視して、それに対して最善の方法を取ることをお勧めします。

では、こんなところで。


(2)プロポリスと喘息薬は合いますか?

【082】?歳女性(音楽関係)の方から

<追加メール1-1>

先日はお返事ありがとうございました。お陰様で、少しずつですが、この症状について受け止めることが出来るようになり、前向きに考えられるようになりました。強いショックを受けたのは確かですが、もともと、風邪をひきやすかった体質だったことを思えば、以前よりも体調に気をつけるようになった、ということで、今回発病したのは悪いことではなかったのではないか、と考えることにしました。

さて、喘息だと診断されたのは、風邪をひいて2週間たったころです。咳がなかなか止まらず、内科のお医者さまが、私の咳の様子を見て(聞いて)もしかして、と思われたようです。検査は、肺のレントゲンをとって、血液のアレルギー検査をしたのみです。肺はとてもきれいだったようです。血液検査では、前にもお知らせしました通り、大豆とハウスダストにアレルギー反応がでました。その時の咳は、胸の奥から出てくるような咳で、渇いたような音、犬が低い音で吠えるような咳だったと思います。咳をすると時々胸が痛くなりました。2年程前、今回の症状と同じように、咳と微熱が2週間も続き、肺炎にかかったことがありましたので、てっきり今回も肺炎かと思っていたのですが…。喘息の検査というのは他にもあるのでしょうか? また、今回の私のように血液と肺の検査だけでも分かるものなのでしょうか? ちなみに、聴診器をあてたときの音は特にひどい音がしてたわけではないようです。ピークフローについては、かかりつけの耳鼻科のお医者さまと相談してみようと思います。自己管理していくという点で、やってみようという気持ちがありますので、話してみようと思っています。

もうひとつ質問があるのですが、喘息の薬(私の場合はオノン)とサプリメント(私が飲んでいるのはプロポリス)の併用は大丈夫なのでしょうか…。喉が痛い時などにプロポリスののど飴を口にすると驚くほど良くなったので、プロポリスに関しては信頼して服用しているのですが…。特に何か危険ということがありましたら、ぜひ教えてください。

もうすぐリサイタルホールで本番が2つあります。1つは、とても大事な本番で、ちょうど意気込んでいる時に発病してしまったので、ショックは本当に大きかったです。でも、本番は大丈夫です。

これから寒さも本格的になってまいります、どうぞご自愛ください。

<追加応答1>

>>さて、喘息だと診断されたのは、風邪をひいて2週間たったころです。咳がなかなか止まらず、内科のお医者さまが、私の咳の様子を見て(聞いて)もしかして、と思われたようです。検査は、肺のレントゲンをとって、血液のアレルギー検査をしたのみです。肺はとてもきれいだったようです。血液検査では、前にもお知らせしました通り、大豆とハウスダストにアレルギー反応がでました。その時の咳は、胸の奥から出てくるような咳で、渇いたような音、犬が低い音で吠えるような咳だったと思います。咳をすると時々胸が痛くなりました。…略…喘息の検査というのは他にもあるのでしょうか? また、今回の私のように血液と肺の検査だけでも分かるものなのでしょうか? ちなみに、聴診器をあてたときの音は特にひどい音がしてたわけではないようです。

肺活量の検査は行わなかったのですね。喘鳴や咳があって、特徴的な聴診の音が聞こえれば、喘息は診断できますが、肺活量検査では、特徴的な所見が取れます。もし行っていたら、今度教えて下さい。喘息の場合、胸のレントゲン写真は異常がないことがほとんどです。アレルギーの内容は、そのすべてが喘息の原因かどうかわかりませんので、気をつけるに越したことはありませんが、あまり神経質にならないことも大切ですね。

>>ピークフローについては、かかりつけの耳鼻科のお医者さまと相談してみようと思います。自己管理していくという点で、やってみようという気持ちがありますので、話してみようと思っています。

→もし必要ないと言われても、自分で行う姿勢があっても良いと思います。薬局などで注文してくれるかもしれませんし、また、どうしても駄目なときは、ご連絡下さい。メーカーを直接お教えいたします。

>>もうひとつ質問があるのですが、喘息の薬(私の場合はオノン)とサプリメント(私が飲んでいるのはプロポリス)の併用は大丈夫なのでしょうか…。喉が痛い時などにプロポリスののど飴を口にすると驚くほど良くなったので、プロポリスに関しては信頼して服用しているのですが…。特に何か危険ということがありましたら、ぜひ教えてください。

→「養命酒はどうか? 喘息薬との組合せはどうか?」のたぐいの質問をよく受けますが、これは、手元に確かなデータがないのでお答えできません。私は、いつも「身体に良いと思うならば、またそれまで特に副作用がないならば、続けて構わないのではないですか?」と答えております。

>>もうすぐリサイタルホールで本番が2つあります。1つはとても大事な本番で、ちょうど意気込んでいる時に発病してしまったので、ショックは本当に大きかったです。でも、本番は大丈夫です。

→頑張って下さい。山形で歌う機会があったらぜひ聞きに行きたいと思います。

では。


<追加メール1-2>

先日はメールありがとうございました。お陰様で普通の人と変わらない生活を送っています。先日の本番も無事終わりました。また次のがひかえているので、ゆっくりはしてられませんが、今はちょっとほっとしているところです。

喘息の検査は前にお伝えしたものばかりです。肺活量の検査はしませんでした。ピークフローについては、耳鼻科のお医者さんも理解してくれまして、準備しているところです。いまでも、オノンと漢方は飲んでいます。埃が舞っている所でも咳は出なくなりました。1日に1、2度何かの拍子に咳がひとつ、ふたつ出る程度です。起床してから出ていた咳もいつのまにか出なくなりました。本当にうれしいです。もう二度とこんな思いはしたくない…!と思っています。そのためにも、しっかり自己管理していきたいです。

また分からないことなど出てくると思います。お世話になるかと思いますが、よろしくお願いします。本当にありがとうございました。ピークフローが手元にきましたら、相談も兼ねて、ご連絡いたします。


(3)リサイタルの直前まで咳き込んでましたが本番はうまく行きました。

【082】?歳女性(音楽関係)の方から

<追加メール2>

お久しぶりです。

昨日、ピークフローが手に入りました。夕べ計ってみると400でした。今朝は380。私は、?歳、身長が153センチなので、中に入っていた説明書の基準からすると(420位だったかな)少ないです。

実は、昨年、本番前に風邪をひきまして、案の定、咳が出て困りました。本番もごほごほやっていたんですが、歌には何の支障もありませんでした。無事終了。録音したテープを聞いてみましたが、風邪ひいてるとは思えない声でした。咳は3週間位でおさまりました。今は痰がからんで歌い辛いです。咳はでません。今でもオノンと麦門冬湯は飲んでいます。今のところ、咳が出るのは風邪をひいた後長引く、という感じなので、もしこれが、風邪もひいていないのに咳が出る、とかピークフローを吹くのが異常に弱くなったりしたら、ちゃんと検査をしようと考えています。

ところで、12月の本番の録音テープ、お送りしてもいいでしょうか? まだまだ発展途上で、お聞き苦しいかと思いましたが、聞いてほしくなりました。では、今年もよろしくお願い申し上げます。

<追加応答2>

>>昨日、ピークフローが手に入りました。夕べ計ってみると400でした。今朝は380。

→ピークフローメーターを入手したのですね。できれば、機種の名前を今度教えてください。

>>私は、?歳で身長が153センチなので、中に入っていた説明書の基準からすると(420位だったかな)少ないです。

→まずまずですね。ただし、喘息の方、ましてやあなたのように歌を歌っていらっしゃる方は、肺活量が平均より大きいことがあるので、もう少し様子を見てください。

>>実は、12月、本番前に風邪をひきまして、案の定、咳が出て困りました。本番もごほごほやっていたんですが、歌には何の支障もありませんでした。

→風邪だけの咳かも知れませんし、あるいは喘息の咳で本番という(交感神経)緊張で気管支の痙攣が押さえられたせいかもしれません。

>>もしこれが、風邪もひいていないのに咳が出る、とかピークフローを吹くのが異常に弱くなったりしたら、ちゃんと検査をしようと考えています。

→是非そうしてください。

>>12月の本番の録音テープ、お送りしてもいいでしょうか?

→是非聞かせてください。お願いいたします。

楽しみにしております。

では。

<追加応答2-1>

本日、テープ届きました。ありがとうございました。

驚きました。すばらしいの一言です。音楽が分からない私でもすばらしいと思いました。それにしても本当にあの本番前に咳をしていたのですか? 信じられないですね。

では、興奮冷めやらぬ内に…。まずはお礼まで。