(1)咳だけが続いています。

【084】4歳の娘さんのお母さんより

<質問>

はじめまして。いつもホームページを拝見しています。

4歳の娘なのですが、はっきり喘息とは言われていないのですが、ずっと咳が止まらず、現在の治療で良いのか不安な日々を過ごしています。何かアドバイスがいただければ、と思いメールを書かせていただきました。

今年の8月に風邪をひいてから咳が止まりません。現在、咳は朝起きてから始まり、お昼近くに止まります。午後から夜にかけては、ほとんどありません。呼吸は正常だと思われます。咳をする直前からヒュルヒュル聞こえてきますが、咳が一段落すると音はなくなります。この繰り返しです。

私(母)は子供の頃、気管支喘息をやっており、現在でも風邪をこじらすと咳が2〜3ヶ月とまりません。娘は6ヶ月の時、気管支炎をしており、6ヶ月の時、1歳半頃と2度アレルギー検査をしました。卵白3クラス、卵黄2クラス、ダニ、ハウスダストはマイナスでした。アトピー性皮膚炎はなく、その後検査は受けていません。

かかりつけの小児科の先生からは体質的な咳じゃないかと思う、と言われています。乾布摩擦やお風呂にはいったときの水浴びで体を鍛えることと、室内や布団のダニの除去に対する努力を指導されています。現在は朝夕、テオドールの服用と、朝昼晩、フストレス細粒を服用しています。咳込みのひどい時はナルコチン散を服用します。

以下、これまでの経過です。

8/4 風邪:
・症状は咳だけでした。診察では喉がはれているということで、10日間ほど抗生物質と抗アレルギー薬、風邪薬、咳止めをシロップにして服用しました。

8/24:
・咳が止まらず再び受診。風邪のなごりがあるのと、長引いた風邪の為にアレルギーが誘発されたのでしょう、とのことでテオドールを処方されます。その後、ずっと続いていた咳も止まりましたが、9月初めまで服用しました。

9/22 風邪:
・発熱し、この晩から、夜中に咳き込んで起きてしまうようになりました。 風邪ということで、シロップの風邪薬を処方されます。

9/26:
・やはり咳が残ってしまったのでテオドールを追加されます。30日から明け方(4時頃)にも咳き込んでしまうようになりました。

10/3 風邪:
・前日夜40度近くまで熱が上がり、3日間ほど38度前後の熱が続きました。このあとも咳だけが残り、ずっとテオドールを服用してますが、22時過ぎと4時頃の咳き込みが続きました。

10/24:
・テオドールが効かないようだから、ということで抗生物質と咳止めを服用しました。22時頃の咳き込みがなくなり、明け方だけになりましたが、咳き込みがひどくなったようです。

10/27 喉頭炎:
・炎症が気管支までいっているが、熱もないし、夜も寝られるようだから入院しなくてもよいでしょう、と言われ、ステロイドを追加されました。ただし、夜中に呼吸が苦しそう(肩で息をする)だったら、救急病院に行くようにと言われました。次の日から2週間程、自宅療養しました。これまでは、咳だけの時は幼稚園に行かせていました。

11/2:
・結局、咳だけが残りました。就寝中の咳き込みはなくなり、朝、目覚めてから咳き込むようになりました。午前中いっぱい続き、午後にはおさまります。咳が止まらないと声帯のむくみがとれないので、朝起きてすぐナルコチン散を服用するようにしました。

11/14:
・またテオドールを服用するようになりました。

以上。

<応答>

はじめまして。

>>今年の8月に風邪をひいてから咳が止まりません。現在、咳は朝起きてから始まり、お昼近くに止まります。午後から夜にかけては、ほとんどありません。呼吸は正常だと思われます。咳をする直前からヒュルヒュル聞こえてきますが、咳が一段落すると音はなくなります。この繰り返しです。

→8月からですと、大分期間が長いですね。風邪を引いたときのみヒュルヒュルが聞こえるなら、診断は喘息様気管支炎で良いと思いますが、毎日のように咳が止まらなければ、喘息の可能性がありますね。はっきり喘息と言われないのは、「がっかりさせたくない」という子持ちと、「もう少し様子を見たい」という気持ちの結果かもしれません。しかし、テオドールが処方されていますから、治療は喘息と同じですね。

>>私(母)は子供の頃、気管支喘息をやっており、現在でも風邪をこじらすと咳が2〜3ヶ月とまりません。娘は6ヶ月の時、気管支炎をしており、6ヶ月の時、1歳半頃と2度アレルギー検査をしました。卵白3クラス、卵黄2クラス、ダニ、ハウスダストはマイナスでした。アトピー性皮膚炎はなく、その後検査は受けていません。

→これまで喘息様気管支炎を患ってきたということですね。今回は、その期間が長いですね。診断が喘息様気管支炎であろうと喘息であろうと本人に起きている症状には変わりないわけですから、まず咳を止めてあげる治療を優先すべきだと思います。

>>かかりつけの小児科の先生からは体質的な咳じゃないかと思う、と言われています。乾布摩擦やお風呂にはいったときの水浴びで体を鍛えることと、室内や布団のダニの除去に対する努力を指導されています。

→「室内や布団のダニの除去に対する努力」はぜひ行うべきでしょうが、「お風呂にはいったときの水浴びで体を鍛えること」ははっきり私は反対です。まず症状を取って上げて、その上で体を鍛えるべきだと思います。しかし、この辺は小児科の先生と考えが異なるところです。色々な意見を聞いて、ご両親が判断して下さい。

>>現在は朝夕、テオドールの服用と、朝昼晩、フストレス細粒を服用しています。咳込みのひどい時はナルコチン散を服用します。

→テオドールで咳が十分に取れないなら、インタール(抗炎症薬)やベネトリン(気管支拡張薬)の定期的吸入を行うのが一般的かと思います。しかし、これは吸入ネブライザーを購入しなければなりません。吸入ステロイドも試しても良いかと思いますが、十分な吸入が行えるか疑問です。また、もうすぐ、ホクナリン・テープといって、皮膚に貼る持続性の気管支拡張剤が発売されます。十分な吸入ができない場合は使ってもらうべきですね。

咳の止め方は色々あり、主治医によって考えが異なりますが、「咳がよくならないのだ」ということはしつこく主治医に伝えるべきですね。咳を止める処方をするのは医師の責任ですから、止まらなければ、次の手段をとってもらうべきです。それに対して、「このまま様子を見ましょう」とか、「もう少し我慢させて下さい」などと対応するようなら、早めに医者を代えた方が良いですね。

>>10/27 喉頭炎:
・炎症が気管支までいっているが、熱もないし、夜も寝られるようだから入院しなくてもよいでしょう、と言われ、ステロイドを追加されました。

→これは、吸入ステロイドですか? 種類は何ですか? 吸入指導は受けましたか? 吸入ステロイドはただ吸っただけでは効果は得られません。

お子さんの場合、診断の意味での肺活量の検査は十分できませんから、とりあえず、咳を最小限に治めながら、環境整備を心がけるべきだと思います。もう少し大きくなれば検査や吸入が十分できるようになるでしょう。

あまり、的を射ない応答で申し訳ありません。

では、お大事に。

<追加メール1>

メール受取りました。

こんなに早くお返事をいただけるなんて、感激です。本当にありがとうございました。

>>これは、吸入ステロイドですか? 種類は何ですか? 吸入指導は受けましたか? 吸入ステロイドはただ吸っただけでは効果は得られません。

→喉頭炎の時に処方されたステロイドは頓服です。朝・夕3日間、服用しました。

先週末は、ほとんど咳き込むこともなかったこともあり、週初めに受診した時には毎日、咳があるのではないようなので、と同じ薬(テオドール、フストレス細粒)が処方されました。…が、昨夜は久々に夜中に咳き込んでしまい、一進一退です。

気候が安定すればよくなるのでしょうか…。

今回のことで、喘息についてずいぶん勉強しましたし、得ることも多かったです。

また、ご相談させていただくことがあると思います。これからもよろしくお願いします。


<追加メール2>

◆3周年特別感想【025】から

(平成12年7月6日)

質問と応答」の【084】で紹介されています4歳の娘の母です。

娘も今月6歳になります。早いもので、あれから2年近く経つのですね。久々にホームページを開いてみたら、近況報告を募集していらっしゃるので、早速、メールを書いています。

娘の咳はあれから一向に止まる気配がなく、99年3月からインタールの吸入を始めました。朝、寝る前に吸入、夕方にテオドールの服用。咳がひどい時は、朝もテオドールを服用しています。5月には県の小児慢性特定疾患の気管支喘息として認定されました。

体力がついてきたのもあるのでしょうか…。インタール吸入とテオドールの服用を始めてから1年3ヶ月あまりたちますが、まず、あまり風邪をひかなくなりました。そこから誘発される咳が減ったということです。そして夜中の咳がなくなりました。現在は、気候の不安定な時期、体調不良のときに朝、夕と少し咳き込むこともあるのですが、薬で改善されているように思います。

かかりつけのお医者様は、将来的に、インタール吸入のみにしてゆきたいとおっしゃっていますが、体調の良い時にテオドールの服用を止めてみたのですが、3日もしないうちに、朝、夕の咳がでてしまいます。

ところで、ピークフローなのですが、これは薬局で手に入るものなのですか? 高価なものなのでしょうか? ピークフロー値をつけてみようかと思うのですが…。

話は変わりますが、この6月で2歳になった息子が、6ヶ月の時に気管支炎にかかり、それ以来、風邪をひくと喘鳴が聞こえ、咳が残るようになりました。この春、気管支喘息に認定され、毎晩、テオドールを服用しています。息子の方は、テオドールがとてもよく効き、薬を飲むと咳は止まります。

近況はこんなところでしょうか…。

また、ご相談させていただくことがあると思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。