(1)重症そうな母の喘息に内服薬だけで大丈夫でしょうか?

【108】60歳の喘息の母を持つ女性から

<質問>

初めてメールをします。

喘息のホームページを拝見させていただきました。

現在、私の母が喘息とのみ診断されて薬(テオドール錠、ムコソルバン錠、メプチン・ミニ錠)を頂いています。が、副作用かなにかの関係で、少し手が震えるようで…あまり効果が無いようです。痰も出にくく、また、数日前に大腸ポリープを摘出した関係で、あまり咳をしたがらず、毎日ゼイゼイ言ったり、ヒューヒュー言っています。また、咳もそんなにすると喉から血がでるのでは?と心配になるくらいしていますし、少し話をすると咳き込み、話が続かず、とにかく歩くだけで息がしづらいと言っています。なった本人にしかわからない苦しみですが、このままこの薬を飲みつづけて果たして結果的に喘息が改善するのかなぁ〜と周囲は疑心暗鬼状態です。また、吸引式のステロイドは病状が悪化した方でないともらえないと言い張り…、大変困っています。どうか、この薬で良いのか? また果たして母の病状は少しでも改善するのか? 教えてください。

・年齢:60歳
・性別:女性
・職業:無職(去年の11/22まで病院勤務。症状が出だした頃、職場環境が変わりました)
・身長(体重は不用):156 cm位
・小児喘息の有無:無し
・初めて喘息と診断された時期:11/24頃、会社を退職するにあたり検査を受ける。
・およその治療経過:昨年の3〜4月頃に職場環境が変わり、その頃から変な咳(熱は無いのですが、咳だけ続く状態)が始まり現在に至っています。 
・喫煙の有無あるいは喫煙歴:無し
・ペットなどの特殊な環境の有無:無し
・吸入ステロイド使用の有無:無し
・使用しているスペーサーの種類:
・ピークフローメーター記録の有無及びその機種:

以上、よろしければメールにてお返事頂けましたら幸いです。

<応答>

初めまして。

お母さまが喘息なのですね。

>>私の母が喘息とのみ診断されて薬(テオドール錠、ムコソルバン錠、メプチン・ミニ錠)を頂いています。が、副作用かなにかの関係で、少し手が震えるようで…あまり効果が無いようです。

→手の震えは、テオドールとメプチン・ミニで起こる一般的な副作用です。両方とも気管支を広げる薬です。手の震えは、特にメプチン・ミニである可能性が強いですね。

>>少し話をすると咳き込み、話が続かず、とにかく歩くだけで息がしづらいと言っています。なった本人にしかわからない苦しみですが、このままこの薬を飲みつづけて果たして結果的に喘息が改善するのかなぁ〜と周囲は疑心暗鬼状態です。

→相当重症な印象を受けますね。上記の薬剤が無効であれば、早めに次の手を打って欲しいですね。我慢することなく、先生に訴えてみて下さい。遠慮はいけません。

>>吸引式のステロイドは病状が悪化した方でないともらえないと言い張り…、大変困っています。どうか、この薬で良いのか? 教えてください。

→これはお母さまが担当の先生から言われたことですか? 勝手にそう思い込んでいるわけではないですよね。

お母さまが本当に喘息であれば相当重症ですね。従って、吸入ステロイドは適応があると思います。ましてや一般的な治療薬があわないとあればなおさらです。

ただし、私にはまだお母さまが本当に喘息なのかという疑問もあります。60歳という高齢発症が少し気になります。タバコは吸ったことはないとのことですが、他の肺疾患や心臓が悪いとかないですよね。専門でない先生は、ヒューヒュー、ゼーゼーしただけで、よく検査をしないまま喘息と診断してしまうことがしばしばあるからです。しっかり検査(肺活量など)してもらって診断されたかどうか後で教えて下さい。

現在のように状態が悪い場合、吸入はしばしば刺激になります。点滴などでしっかり発作を鎮めてから、吸入ステロイドを始めるのが宜しいでしょう。その辺も相談すべきですね。

>>果たして母の病状は少しでも改善するのか? 教えてください。

→まず、しっかり診断してもらうことですね。もし主治医が呼吸器専門でなければ、近くに呼吸器科のあるなるべく大きな病院が良いと思います。

>>職業:無職(去年の11/22まで病院勤務)

→看護婦さんではないですよね? 喘息の発症も昨年暮れですね? 経過が短いこともまだ喘息かどうか疑問が残りますね。仮に喘息としても経過が短いのでしっかりと治療をすれば、重症化しないで済むと思います。

では、こんなところで。

もう少し詳しい状況など分かれば、またメールいたします。


<追加メール1>

早速メールを頂きましてありがとうございます。

思い切って先生にご相談させて頂いて良かったと思っています。何点かお返事をしないと思い、再度メールを差し上げました。

>>手の震えは、テオドールとメプチン・ミニで起こる一般的な副作用です。両方とも気管支を広げる薬です。手の震えは、特にメプチン・ミニである可能性が強いですね。

→お薬をはじめに頂いたときに「まれにそのような症状がでる方がいます」と説明はして頂いていたみたいです。今先生のメールの話を母にしたところ、若干良いような(少し楽)気分らしく、ただ上記薬を飲んでからおよび大腸ポリープが発見して(たまたまS字結腸のところで1.5 cmのポリープです。細胞検査の結果は5段階評価の3だったらしく、○○病院で摘出しました。もうすぐ結果がわかります)以来食生活というか、食事の好みがすごく変化しているようです。(食欲不振等)

>>相当重症な印象を受けますね。上記の薬剤が無効であれば、早めに次の手を打って欲しいですね。我慢することなく、先生に訴えてみて下さい。遠慮はいけません。

→はい。先生の言うように周囲は「重症? 他の病気なのでは?」と疑いたくなり、正直5分間も話を続けることが不可能な状態(極端かも知れませんが)です。また、喉の鎖骨と鎖骨の間のくぼみがすごく「かゆい」と昨年の咳が出始めた頃から言っています。ただ、上記にも書いたように「幾らか楽になった方だ」といわれれば、本人にしかわからないのでなんとも言えないのが現状です。

>>これはお母さまが担当の先生から言われたことですか? 勝手にそう思い込んでいるわけではないですよね。

→母が勝手に思い込んでいるだけだと思います。担当の先生は飲み薬しか処方せず、「環境の変化やストレスからなっているのでは?」と言われただけ見たいです。ただ、昔から母の体質的にアレルギー性鼻炎(軽い症状)や発疹・ゴムや締め付けるものを体に身につけたりするとその後がみみず腫れのようになり、かゆみ止め(軟膏・飲み薬)と高血圧の薬はここ数年のんでいます。

>>お母さまが本当に喘息であれば相当重症ですね。従って、吸入ステロイドは適応があると思います。ましてや一般的な治療薬があわないとあればなおさらです。ただし、私にはまだ本当に喘息なのかという疑問もあります。60歳という高齢発症が少し気になります。タバコは吸ったことはないとのことですが、他の肺疾患や心臓が悪いとかないですよね。専門でない先生は、ヒューヒュー、ゼーゼーしただけで、よく検査をしないまま喘息と診断してしまうことがしばしばあるからです。しっかり検査(肺活量など)してもらって診断されたかどうか後で教えて下さい。

→病院は内科に行ったと思います。咳が止まらないのと高血圧の関係と定年退職する関係で病院に行くと言っていましたから…。高血圧は、下が100は超えてて…(だんだんこう書いてくると、すごく病人みたいに思えてきますが)病院の先生は「どうも無ければ、気にすることはない。薬(血圧を下げるくすり)も飲まなくていい」と、言われたそうです。咳の方は胸のレントゲンをしたそうで、「きれいな肺だ」といわれたそうです。

先生もお忙しいのにこのようにご相談して申し訳ありません。私も喘息のみなら別に、と思うのでしょうが、あまりにもここ数ヶ月で母の体調が変化し、食生活や精神的になんとなく元気が無い母を見るのが大変つらくて…。なんとかならないものかと思っていました。そのとき、ホームページを拝見し、ご相談差し上げた次第です。

もし先生がお時間が空いているときでかまいませんのでお返事頂ければ幸いです。では、失礼致します。

<追加応答1>

詳しいメールありがとうございました。

>>担当の先生は飲み薬しか処方せず、「環境の変化やストレスからなっているのでは?」と言われただけ見たいです。…略…かゆみ止め(軟膏・飲み薬)と高血圧の薬はここ数年のんでいます。

→一つ確認したいことは、高血圧の薬は数年前から同じものを服用していますか? 最近、別の種類に変わったということはありませんか? 高血圧の薬のある種(ACE阻害剤)には、服用すると咳がでるという副作用が有名です。中止するとピタと止まることがあります。

>>咳の方は胸のレントゲンをしたそうで、「きれいな肺だ」といわれたそうです。

→喘息の場合は、よほどひどくならないとレントゲンでは異常が認められません。「きれいな肺だ」ということは、喘息以外の肺の病気である可能性は少ないですね。とすると、やはり喘息でしょうね。「環境の変化やストレス」など原因検索はもちろん大切ですが、起きている症状をまずやわらげることが大切です。その次に発作予防に移らなければなりません。

いろいろお悩みがあるとは思いますが、主治医へ症状を伝えることは大切なことです。そして症状が良くならなければ必ずその旨を報告し、それに対し適切な説明をしてくれるか、次の検査・処置を取ってくれるかどうか、あるいは専門医を紹介してくれるか、それらが医者の見切りをつけるかどうかの判断になると思います。

とにかく、いろいろ考えないで行動を起こしてみてください。

では、お大事に。