(1)臍帯埋没療法を行っていますが…。
【110】26歳男性の方から
<質問>
初めまして。
喘息は、1歳のころからの付き合いで、どんなに仲の良い友達よりも付き合いが永く、本当にいやなパートナーであります。
まず現在の状態ですが、今現在発作が出ております。最近は、調子も良く元気に過ごしていたのですが、やはりこの病気、気は抜けませんね。仕事から帰ってきて、ちょっとウトウトしほんの2、3時間寝ただけでおかしくなってしまいました。今まで、数々の仕事をやってきました。(いつもこれからと言うときにやめさせられてきました)出来れば今の仕事を続けたいので入院も出来ず、家でおとなしくしている所です。
これまでの経過ですが、私の記憶のハッキリしている、小学生以降か(長過ぎですか?)
小学生の頃は、入院するほどの発作は起こらなかったのですが、やはり欠席日数はかなり多かったです。この頃の治療としては、
(1)インターフェロン?(プラスチックのアダプターに粉入りカプセルを付けて吸引するやつ)
(2)体質改善の注射(週一回)
(3)定期通院(内服薬)
(4)針
とやはり内服薬を服用していました。
中学生になり、体力も付いて来ている筈ですが、状況は悪くなる一方。入院こそ3年の冬までしませんでしたが、欠席日数も百日を越えるようになり、精神的にも良くありませんでした。この頃の治療は上記の(1)、(2)、(3)を継続していたと思います。アルデシン吸入もこのころ?
高校時代は、入院の回数が激増し、年に、2、3回は入院していました。それまで通っていた病院が小児科だったので、市立の病院に通い始めました。そこでは、入院の回数も少なくないという事で、プレドニンを服用していました。そこの病院以外の治療は特にしていませんでした。
18歳のときにひどい発作が起き、挿管。
19歳から22歳まで一度も入院なし(軽い発作は有り)。
それから現在までは、やはり年3、4回の入院を繰り返しています。治療内容ですが、
朝
テオドール200mgx1
ムコダイン(KP-256)x1
スピロペントx2
セルベックス50mgx1
ベコタイド100x4
昼
テオドール200mgx1
ムコダイン(KP-256)x1
セルベックス50mgx1
夜
テオドール200mgx1
ムコダイン(KP-256)x1
スピロペントx2
セルベックス50mgx1
ベコタイド100x4
+サルタノールを4週で2本
と、これらの薬を服用しながら、2ヶ月に1回の受診を受けています。それと平行し、臍帯埋没もやっています。(2、3ヶ月に1回)こちらの方をやり始めてから、足にあった皮膚炎も落ち着きました。
入院の期間は挿管したとき以外は、7日から14日です。退院後2週間位プレドニン服用。
以上が私の喘息歴であります。
これからも、何かのお役に立てればと思います。
<応答>
病歴を拝見しました。
色々な治療を体験されたのですね。私もこれまでたくさんの治療を経験した方からメールを頂きましたが、体質改善注射、針、臍帯埋没まで行ってきたというのは初めてです。これらの多くは、いわゆる民間療法です(体質改善は別)。私は、これらで良くなっているのであれば、何もケチを付ける気は毛頭ありません。しかし、何もこのような特殊な(高額な)治療をしなくても、一部の重症な喘息の方を除いて多くの方は、保険の範囲で喘息は十分良くすることができることだけは、申し上げておきたいと思います。また、吸入ステロイドを行っているのに良くならないからと、民間療法に走るのは早すぎると思うのです。
>>インターフェロン?(プラスチックのアダプターに粉入りカプセルを付けて吸引するやつ)
→これはインタールですね。小児科では良く使用される発作予防薬です。
>>中学生になり、体力も付いて来ている筈ですが、状況は悪くなる一方。入院こそ3年の冬までしませんでしたが、欠席日数も百日を越えるようになり、精神的にも良くありませんでした。(…略…)アルデシン吸入もこのころ?
→12、3年くらい前ですと、吸入ステロイドはまだ黎明期で半信半疑の使用でしかなかったかと思います。従って明らかな効果も見いだされていませんでした。
>>18歳のときにひどい発作が起き、挿管。
→これは問題ですね。過去に挿管されるような重度の発作を起こした方は、統計的に喘息死する確率が高いと言われています。従って、今後は徹底した自己管理が必要になります。
>>現在までは、やはり年3、4回の入院を繰り返しています。治療内容ですが、朝ベコタイド100x4、夜ベコタイド100x4(…略…)サルタノールを4週で2本と、これらの薬を服用しながら、2ヶ月に1回の受診を受けています。
→担当医は小児科医ですか? 喘息専門医ですか? 2カ月に1度の診察は主治医の指示ですか? それとも仕事で忙しいとか、通院が不便とかあなたの都合からですか? もちろん2カ月の診察の間には薬だけということになっているのだとは思いますが…。
私は、今の状態での2カ月に1度の診察は長すぎると思います。2カ月に1度の受診はもっともっと安定してからにすべきです。吸入ステロイドは1日8吸入ですが、吸入方法は正しいですか? ぜひ「特集・吸入療法」でもう一度チェックしてみて下さい。それから、あなたのような方はピークフローメーターはぜひ導入すべきです。民間療法などで喘息の症状は大分良くなったとしてもたまたま良いだけで、しばらくして風邪を引くと発作を起こしてしまうことはよくあります。民間療法で良くなってもピークフロー値がが全然良くなっていないということはよくあることだからです。
>>それと平行し、臍帯埋没もやっています。(2、3ヶ月に1回)こちらの方をやり始めてから、足にあった皮膚炎も落ち着きました。
→初めてからどのくらいなのですか? 皮膚炎に効果があったのは良かったですが、喘息の方はまだ効果が現れていないと言うことですね? ちなみに費用は1回どのくらいするのですか? 差し支えなければお教え下さい。また、臍帯埋没の後に筋肉注射をされませんか? 聞いた話ですが、だとすればそれは持続性のステロイド(ケナコルト)らしいのです。臍帯埋没でしばらく効果があるのはその影響であると聞いたことがあります。臍帯埋没が今後も長く続けなければならないとすると、継続的にステロイドを投与されなくてはならないので、これは問題だと思います。
現在の治療を変更しなくても、吸入療法を見直すだけで良くなった方がたくさんおります。どうか、ホームページをじっくり読んで改善のヒントをつかんで下さいね。良くなったら、その時今後の治療法について方針変更すればよいのではないでしょうか?
では。