(1)息子のピークフロー値回診をしていただきたいのですが…?

【111】小学2年の喘息の男児のお父さんから

<質問>

初めまして。

ホームページを見ていたところ、ピークフローの値を診ていただけるとのことですが、私ではなく小学2年の息子ですが診ていただけるのでしょうか? 

ホームページを見て全国には同じ様な悩みを持っている方がいるので、これからもがんばっていこうと思いました。よろしくお願いいたします。

<応答>

はじめまして。

ピークフロー値の件は可能です。できれば、その前にお子さんの詳しい病歴や治療歴をお教え願えますか? 時間があるときで結構です。宜しくお願いいたします。

その後、ホームページアドレスとパスワードをお教えします。

では。

<追加メール>

こんばんは。

さて本題に入りますが、子どもの病歴と現在の状況について下記のようになっておりますので、宜しくお願いいたします。

・今月の誕生日で8才(小学2年)になる男の子です。

・病歴

平成8年に大きな発作で地元の開業医(かかりつけの医師ではない)にかかったが、症状が改善せずに救急病院へ行き点滴等をして夜中に帰宅した。2〜3日前にかかりつけの医院で喘息に似た症状が出ているという事で、喘息の薬と似たような薬を処方してもらっていたが発作が出てしまった。それまではよく風邪を引きその医院には通院していた。その後、県立ガンセンターの小児科喘息外来を紹介していただき現在通院中です。

ガンセンターで最初に処方された薬が、デオドール240 mg、ホクナリン、ペリアクチンを朝と寝る前。ピークフローは、発作時50〜120、元気なとき130〜150

平成9年5月連休に妻の実家(猫がいる)で発作が発生すぐに帰宅した。3日後に症状が軽くなる。

その後12月まではピークフローが140〜160で安定していた。12月に風邪を引き完治後1週間で喘息発作(1週間続いた)になりベコタイド(1日2回)が追加される。

平成10年4月よりザジデンが追加された。

9月始めより体調が崩れ始め(ピークフロー120〜150)行ったり来たりの状態が3週間ほど続き、37.6度の熱を出し発作が始まり入院となる。1週間後に退院(ピークフロー180〜200)。退院後1週間ぐらいの時学校で体育の授業でかなりハードな事をやってしまい、その日の夜より発作が出始め3日間再度入院。

2回目の退院より薬が増えて、ネプライザー、インタール、デオドール、ホクナリン、ザジデン、ベコタイド、メイアクト、プレド二ンを1ヶ月服用した。ピークフロー110〜170。

12月中旬より学校の体育も軽いものなら出来るようになってきた。

今日(1月22日)現在

 薬 ・デオドール ・ホクナリン ・ザジデン 朝・夜 
 吸入・インタール(朝・夜) ・ベコタイド(1日4回)
 それ以外に
   ・リンデロン:発作が出て吸入後1時間たっても発作が治まらないときに使用。
   ・エリスロ:ピークフローが140以下になったら使用。

が処方されています。

今日のピークフローは210でした。

以上が発作が始まってから現在までの経過です。私の子どもは喘息が治るかどうか不安ですが、治るよう手助けをしていきたいのでこれからも宜しくお願いいたします。

<追加応答>

詳しいメールありがとうございます。

>>今月の誕生日で8才(小学2年)になる男の子です。

→8歳ですと、親御さんがきちんと指導すれば、吸入ステロイドもうまく吸え、ピークフローメーター管理もできるようになるでしょうね。

>>ピークフローは、発作時50〜120、元気なとき130〜150。

→これはまだまだ低いと思います。私が診ている4歳のお子さん(「寄稿集(22)・4歳男児」)でも200は吹けます。それから、発作の時は無理に吹かせない方がよいかと思います。苦しいわけですから、吹くことでかえって発作を増悪させかねません。発作予防にピークフロー値を記録しているわけですから、発作が起きてしまったらピークフロー値が低下するのは当たり前ですから、吹かせる意味はありません。

>>平成9年5月連休に妻の実家(猫がいる)で発作が発生すぐに帰宅した。3日後に症状が軽くなる。その後12月まではピークフローが140〜160で安定していた。12月に風邪を引き完治後1週間で喘息発作(1週間続いた)になりベコタイド(1日2回)が追加される。

→140〜160で安定している判断が正しくないから、色々な刺激で発作が起き、風邪もまだ引きやすいのだと思います。140〜160ではまだまだ気管支に炎症が残っていると判断しなければなりません。

>>平成10年4月よりザジデンが追加された。

→吸入ステロイドを使っても良くならないときに考えるのは、薬剤の増量ではなくて、吸入操作の見直しであるというのが私の考えです。お子さんには難しいかもしれませんが、ご両親が、「特集・吸入療法」でよく吸入操作をよく理解され、お子さんの吸い方をチェックされることをお勧めします。

>>現在、ベコタイド1日4回。

→コタイドは50でしょうか? 50を1日4回だとまだまだ少ないですね。リンデロンまで頂いているのですから、吸入ステロイドをもっと増やすか、最近出たばかりのフルタイドを処方してもらう方がいいと思います。ピークフロー値はまあまだ上がるはずです。

最後にピークフロー値回診の件ですが、これは、毎日のようにピークフロー値を登録するシステムです。前回頂いたメールは昨年ですよね。あれからほぼ1カ月が過ぎています。お父さまのお仕事の事情などもあるのでしょうけれど、日々の登録は大変ではありませんか? もし、今回のような1カ月に1度くらいのメールですと、メールによるやり取りの方が負担にならないと思いますが、如何でしょうか? 可能なときはまたメールを下さい。アドレスとパスワードをお知らせします。

では。

<追加メール2>

早速のご返事有り難うございます。

>>140〜160で安定している判断が正しくないから、色々な刺激で発作が起き、風邪もまだ引きやすいのだと思います。140〜160ではまだまだ気管支に炎症が残っていると判断しなければなりません。

→私も勉強不足で子どもに負担を掛けているようです。

>>吸入ステロイドを使っても良くならないときに考えるのは、薬剤の増量ではなくて、吸入操作の見直しであるというのが私の考えです。お子さんには難しいかもしれませんが、ご両親が、「特集・吸入療法」でよく吸入操作をよく理解され、お子さんの吸い方をチェックされることをお勧めします。

→吸入操作についてですが私の妻(母親)がもう少し理解してくれると子どももっと楽になると思うのですが薬を吸っていれば良いと考えているようなのでホームページを参考にしてもう一度吸入操作を見直してみます。

>>ベコタイドは50でしょうか? 50を1日4回だとまだまだ少ないですね。リンデロンまで頂いているのですから、吸入ステロイドをもっと増やすか、最近出たばかりのフルタイドを処方してもらう方がいいと思います。ピークフロー値はまあまだ上がるはずです。

→この件に関しては、私の情報不足で申し訳ありませんでした。ベコタイドは50です。やり方についてですがうちの子の場合は、スペーサーの中へ2回噴霧、3回息を吸うと言うやり方を主治医より指導されております。

>>最後にピークフロー値回診の件ですが、これは、毎日のようにピークフロー値を登録するシステムです。前回頂いたメールは昨年ですよね。あれからほぼ1カ月が過ぎています。お父さまのお仕事の事情などもあるのでしょうけれど、日々の登録は大変ではありませんか? もし、今回のような1カ月に1度くらいのメールですと、メールによるやり取りの方が負担にならないと思いますが、如何でしょうか? 可能なときはまたメールを下さい。アドレスとパスワードをお知らせします。

→ピークフローの数値ですが、家の子の場合最大でも220位なので、それが普通のことかと思っていました。出来れば一般的な数値をお教えいただけるとありがたいのですが?

私もメールでのやり取りが無難のような気がします。

今後とも宜しくお願いいたします。

それでは

<追加応答2>

>>ピークフローの数値ですが、うちの子の場合最大でも220位なので、それが普通のことかと思っていました。出来れば一般的な数値をお教えいただけるとありがたいのですが?

→基準値はピークフローメーターに添付の紙に書いてありませんでしたか? だいたいの基準値というのはありますが、機種によって値が異なりますし、小さなお子さんの場合正確な基準値を求めることは難しいようです。

ホームページの至るところで述べておりますが、喘息のお子さんの場合、一般的な値が参考にならないことが多いのです。標準値を維持していてもときどき発作を起こす場合は、もっと高い値が吹けないと安定しないと言うことです。喘息の方は、呼吸筋力が強くなっていますから気管支が炎症で多少細くなっていても標準値くらい簡単に出せることが多いのです。従って、基準値より低ければなおさら、基準値をクリアしていてもまだ不完全ということがよくあります。

逆に値はそれほど上がらなくても症状がないなら当面は様子を見るという手もあります。しかし、ときどき発作を起こすなら、やはり目標ピークフロー値の見直しが必要です。

>>私もメールでのやり取りが無難のような気がします。

→了解しました。


(2)本人はピークフローが180位でも苦しいと感じないようです。

【111】小学2年の喘息の男児のお父さんから

<追加メール3>

お久しぶりです。

先月のメール以来、ホームページの吸入のやり方を実行しておりますが、2月21日現在下記のような状態となっております。尚、薬は、

 ・デオドール・ザジデン・ホクナリンは朝・夕の2回
 ・ベコタイド50をスペーサーの中へ2回噴霧し、3回吸入を1回(1吸入?)として朝・放課後すぐ家に帰る前・夕の3回
 ・インタール吸入を朝・夕2回を行っております。
 ・点鼻薬フルナールを朝・寝る前の2回(去年の入院後から鼻づまりが増えた為薬を処方してもらった)

ピークフローは、

      朝     夕

1/25  220    230
1/26  200    220
1/27  220    210
1/28  200
1/29  210    210
1/30  220    220
1/31        200
2/1   200    200
2/2   200    200
2/3   100    150
 病院受診(メイアクト・ペリアクチン0.6 ml・アスベル0.6 ml)が1日3回4日分出される
2/4   120
2/5   150    170
2/6   130(200)
2/7   150    150
2/8   180
2/9   180(170)
2/10  190
2/11  180    190
2/12  185    200
2/13  190    180
2/14  210    190
2/15  180
2/16  170
2/17  180    210
2/18  200    200
2/19  170
2/20  180    200

以上のような状況となっております。

1月27日に姉が風邪を引きその約1週間後風邪を引いたみたいですが、大きな発作もなく今日まで来ております。本人はピークフローが180位でも苦しいと感じないのか体育(今は縄跳び)をやってしまうのでどのようなものかと思います。本人には『苦しさを感じたらすぐに止めるよう』言ってあります。

今の時期私もなのですがせがれも杉花粉アレルギーです。今後の注意点などありましたら教えていただけるとありがたいのですが?

最後に相談なのですが、ベコタイドのやり方を変えてみたいのですが…? 現在のやり方スペーサーの中へ2回噴霧し3回吸い込むを1回噴霧1回吸い込むを2回連続でと言う方法に変更出来るかどうか、薬の量はあまり変わらないと思うのですがいかがなものでしょうか?

それでは又、メールいたします。

<追加応答3>

>>1月27日に姉が風邪を引きその約1週間後風邪を引いたみたいですが、大きな発作もなく今日まで来ております。本人はピークフローが180位でも苦しいと感じないのか体育(今は縄跳び)をやってしまうのでどのようなものかと思います。本人には『苦しさを感じたらすぐに止めるよう』言ってあります。

→ピークフロー値の推移を見ますと、風邪を引いてピークフロー値が下がりましたが、ひどい発作にいたらなかったようで、これはひとえにピークフローを吹いていたからだと思います。もし、ピークフローを記録していなければ、風邪を引いても症状がないからと放っておいたでしょうから、発作を起こしていたかもしれませんね。

>>最後に相談なのですが、ベコタイドのやり方を変えてみたいのですが…? 現在のやり方スペーサーの中へ2回噴霧し3回吸い込むを1回噴霧1回吸い込むを2回連続でと言う方法に変更出来るかどうか、薬の量はあまり変わらないと思うのですがいかがなものでしょうか?

→これはぜひ変更してみて下さい。今までのやり方、つまり1回に2噴射しそれを3回に分けて吸うのは、特に2回目や3回目は意味はないと私は考えております。何故なら、1回1回10秒かけて吸い、10秒息をこらえていたら、3回目が終わるまでにスペーサー内の薬剤はほとんどなくなるか、沈着してしまうでしょう。あるいは、この方法だと、早く3回吸わなくてはならないと焦ってしまい、最初の吸入すら意味がなくなってしまうことがあります。従って、1回に1噴射し、ゆっくり1回(で良いと思います)吸入し、息をこらえ、うがいをする。それをもう一度繰り返す。この方がどれほど効果的かしれません。特にゆっくり吸わせること(特に吸い始めをゆっくり)に全力を傾けて下さい。

とりあえずは、この方法に変えて、ピークフロー値がどう推移するか見守ってみて下さい。値はそんなに上がらなくても発作がなく元気なら、とりあえずそのまま様子を見て良いと思います。さほど効果がないようならもう少し吸入回数を増やすべきだと思います。

では。