(1)私の喘息は気圧の変化で悪化します

【116】38歳男性の方から

<質問>

はじめまして。

気管支拡張剤のアロテックをやりずぎて、救急で点滴を行ってもらいました。家に帰ってからインターネットでこのホームページをみつけました。

私は3才から喘息とつきあっています。(私の父親も喘息です)私は入院したことは無いのですが、皆さんの意見を読んでいるうちに これはやばい! と思う様になりました。なぜなら、去年の8月にバリに旅行してから ずっと体調が良くないのです。バリの気候(高温多湿)が良くなかったのでしょうか。

今は、風邪もひいて最悪の状態です。私の喘息の要因の1つは、絶対に低気圧です。というのは、20才の頃の蔵王スキー場での事です。たしかロープウェイだと思いますが、頂上にいくにしたがって喘鳴がひどくなるのです。頂上では息も絶え絶えの状態でした。どうしようもないので、なんとか下までスキーで降りたところなんと喘鳴がきれいに止まっているではありませんか。これまでも、台風の前にはきまって喘息がでそうになります。

わたしの症状が皆さんとくらべてどのくらいのものか、わからず困っています

私が3才から12才まではメジヘラを使用していました。この時分は1日4回までと医者に言われてきました。よくやりすぎて、ネオフィリン静脈注射をうちに病院に通ったものです。それからストメリンをつかうようになり、大分楽になりました。ベロテック、アロテックも使用したことがありますが、使いすぎによる副作用は ストメリンよりベロテック、アロテックのほうがきついと思います。先生の言うようにストメリンにはステロイド剤が含まれているからかも知れませんね。

大事なのは、自分の体調にもっと敏感になろう と言うことです。少しでも喘鳴らしきものが聞こえたならば すぐに対処すべきです。この時にベロテックを使用するより、ストメリンのほうが良いと思います。

深呼吸をして、息を限界まで吐いたときに咳がでなければ体調は最良です。後は、腹式呼吸のときは体調は順調です。


<応答>

初めまして。

メール拝見しました。

>>気管支拡張剤のアロテックをやりずぎて、救急で点滴を行ってもらいました。

→これまでは主に気管支拡張剤だけの治療でしたか? 予防の吸入ステロイドは使ったことはありませんか? もし、まだであれば、ぜひ導入をお勧めします。

>>私の喘息の要因の1つは、絶対に低気圧です。

→「ガイド」から「喘息の雑学」、「気圧と喘息」をたどってみて下さい。関連したことが書かれています。気管支の炎症が治まれば、気圧変化に影響を受けなくなります。

>>わたしの症状が皆さんとくらべてどのくらいのものか、わからず困っています。

→気管支拡張剤の多用という情報から判断しますと、普段のコントロールがあまり良くないのではないかという印象を受けます。客観的な判断は何よりもピークフローメーターの導入です。しかし、気管支拡張剤を多用している状態では、PF値は変動が大きいものです。ぜひ吸入ステロイドを導入して、PF値を高くかつ安定させることをお勧めします。

>>私が3才から12才まではメジヘラを使用していました。この時分は1日4回までと医者に言われてきました。よくやりすぎて、ネオフィリン静脈注射をうちに病院に通ったものです。それからストメリンをつかうようになり、大分楽になりました。ベロテック、アロテックも使用したことがありますが、使いすぎによる副作用は ストメリンよりベロテック、アロテックのほうがきついと思います。先生の言うようにストメリンにはステロイド剤が含まれているからかも知れませんね。

→これまで使われてきた気管支拡張剤はいずれも歴史的に古いものばかりですね。これらは、気管支拡張作用も強力ですが心刺激作用も強力です。最近は、より気管支選択的で作用持続の長いもの(サルタノール、メプチンなど)が中心です。さらには、最近の喘息の理想的な管理状態は、吸入ステロイドを導入することで、これら気管支拡張剤が不要になることです。こうなると生活の質が格段に良くなります。

>>大事なのは、自分の体調にもっと敏感になろう と言うことです。少しでも喘鳴らしきものが聞こえたならば すぐに対処すべきです。この時にベロテックを使用するより、ストメリンのほうが良いと思います。

→はい。でも、やはり客観的な指標を持つべきです。客観的な判断ができれば、過敏になりすぎたり、過小評価したりすることも避けられます。

>>深呼吸をして、息を限界まで吐いたときに咳がでなければ体調は最良です。後は、腹式呼吸のときは体調は順調です。

→これらはあくまで主観的な評価ですね。ピークフローメーターを導入すれば、インターネットを介したアドバイスもある程度可能になります。症状だけからのアドバイスは時に危険を伴うことがあります。例えば、本人は「苦しくない」と言っても。それは呼吸困難に対して鈍感になっているだけで、本当はぎりぎりの危険な状態であることもあります。

では。