(1)明け方の呼吸困難が精神的なものと診断されています。

【118】70歳の喘息のお母さんを持つ娘さんから

<質問>

○○市に在住する者です。

わらにもすがる想いでインターネットを検索しました。

今年の1月初めに実家の母が風邪をこじらせていると聞きました。丈夫な母なので気にとめていなかったのですが1月の終わりに実家に寄ったところ重病人のように寝込んでいました。父に聞くと夜中や明け方に呼吸ができなくなって何度も苦しむとのことでした。近所の内科に通っているのですが「精神的なもの」「レントゲンを撮ってもきれいだから肺炎じゃない」「寝てれば治る」と言われたそうです。

ついに2月の初めに救急車で夜中に運ばれました。ここでも「精神的なもの」と言われ「点滴に通うように」言われたそうです。救急車で運ばれた病院が遠いので毎日タクシーで通っているようです。今では「点滴に行くのもシンドイ」と寝たままになっています。私の実家は女3人姉妹で3人とも嫁いでおり、それぞれ仕事を持っているのでなかなか実家に行けません。私は比較的近くに住んでいるので仕事の合間を縫って病院へ送ることはしています。(点滴に時間がかかるので待っていられない)夜中に発作を起こすのと慣れない家事を肩代わりしている父も体力の限界になってきたようです。せめて確実に良い方へ向かう治療をしていただける病院を紹介していただきたいと思いメールしました。

母は70才、身長160センチです。

よろしくお願いいたします。

<応答>

メール拝見しました。

お母さまの病名ですが、限られた情報なので、推測するしかないのですが、

 (1)元来健康で風邪を拗らせて発症したこと。
 (2)朝方の呼吸困難が主症状。
 (3)レントゲンで異常がないこと。
 (4)精神的なもので点滴すれば治ると言われているが一向に良くならない。
 (5)比較的高齢発症であること。

などが判断材料になります。

呼吸困難を来す疾患には色々ありますが、(3)から心不全、肺炎、肺梗塞、気胸などは除外できると思います。レントゲンに異常がない呼吸困難としては、残るは喘息か、過換気症候群かというところですが、精神的なものという判断だとすれば、過換気症候群か、一部古い考え方の医師なら喘息という判断でもおかしくないような気がします。点滴をしているという情報からおそらく喘息と判断しているような気がします。過換気症候群なら、それほど長い点滴はしないし、ましてや何日にも渡って点滴を続けることは考えにくいです。また、高齢発症で、風邪を拗らせてからということを考えれば、過換気症候群は益々考えにくいですね。

従って、これらの情報からは喘息が考えやすいと思います。唯一精神的なものが原因と言われたことが気にかかりますが、古い考えの医師ならそう言われてもおかしくないでしょう。また、喘息なら喘鳴が聞かれることが多いのですが、喘息とはっきり言われなかったとすれば、明らかな喘鳴は聞かれなかったのでしょう。しかし、喘鳴が聞かれない喘息はありますので、それだけで喘息でないとは診断できません。ましてや明け方に苦しくなるとすれば、受診時は何も音が聞こえないことは考えられます。

点滴は中味が何なのかが気になります。喘息として点滴しても中味が気管支拡張剤だけなら一向に良くならないことは考えられます。

以上から、まずよく検査をして、診断を確定させることです。また、今かかっている病院での診断名をはっきり聞くこと、点滴をすれば治るたのに一向によくならないが、いつまで今の状態が続くのか、しっかり聞くべきです。それで一蹴されたり、納得が行く説明をしてくれなかったら、早めに病院をかえるべきでしょう。

おそらく今回の情報は、お母さまやお父さまからの間接情報なので、かなり歪められていると思います。従って一度あなたご自身が直接先生から話を聞くことをお勧めします。

>>せめて確実に良い方へ向かう治療をしていただける病院を紹介していただきたいと思いメールしました。

→個々の病院紹介は行っておりませんが、呼吸器専門医のいる総合病院をまず受診することをお勧めします。

では、お大事に。

<追加メール1>

さっそくのメールありがとうございました。

おっしゃるとおり一度、検診に立ち会いたいと思います。

ただ、救急病院で呼吸器の専門の先生もおられないようなので△△大学病院に行ってみることも相談してみます。先生のメールを父母にも見せて話し合ってみます。

点滴の内容は気管支拡張剤だと聞いています。

本当にありがとうございました。

<追加メール1-2>

はじめまして。

私は、先日先生宛てに母の事でメールを送らせていただいた者の妹です。

我が家は、母のいる実家から徒歩数分のところで、今回の病気についても毎日経過をみてきました。救急車で病院に運ばれて、一時はどうなることかと心配しましたが、この1週間で徐々にではありますが、快方に向かっています。呼吸困難になることもここ数日はまったくなくなり、咳もおさまってきて食欲もあり、何よりも顔色がずいぶん良くなってきました。

病院の先生に、病名は何なのでしょうと聞いたところ、風邪で悪化したアレルギーによる喘息か、咽頭浮腫と思われるとのことでした。

ただ、姉のほうから説明させていただいたかどうかわかりませんが、若い頃から、急に呼吸が苦しくなるということはあったようです。数年に1回くらいだったものが、最近は年に1、2回程度はあるようで、ものを食べたり飲んだりしているときに、喉が引っかかったようになって始まることが多いと聞きました。

今通っている病院では専門外であるせいか、詳しい検査などをしていただける様子もないので、もう少し元気になってから、△△大学病院へ連れて行きたいと思っています。尚、母の家系には小児喘息など、喘息を患っているものも何人かおります。家の長男も喘息とは言われないものの、喘息予備軍だと医者に言われたことがあります。とにかく、母に関しては、一度詳しく検査をしてもらう事にします。(以前にも薦めたことがあるのですが、検査を嫌がって(怖がって)行きませんでした)

最後になりましたが、お忙しい中、丁寧なメールをいただき本当にありがとうございました。母も、先生からのメールを読んで、大きい病院へ行く決心もついたようです。

これからも、どうぞ皆さんのお力になっていただけますように、お願い申し上げます。

簡単ですが、ご報告と御礼まで…。