(1)ネブライザーの機内持ち込み時に英語でなんと説明したらいいですか?

【131】中学2年生の喘息女子と知り合いの女性の方より

<質問>

(平成11年3月23日)

はじめまして。

私は、○○県に住む者です。ホームページを検索していて先生のサイトを見つけ、失礼ながらメールで質問させていただいております。

昨年11月、私がボランティアで指導した中学2年生の女の子なのですが、今度アメリカの姉妹都市にホームステイに出かけます。先日質問を受けました。

私は喘息なので、機内に吸入器を持ち込みたいのですが、アメリカで飛行機に搭乗する時に、これは何だ? と尋ねられたら英語でどう答えたらいいの?

という質問でした。彼女にすれば切実な問題ですので、できるだけ簡単な英語で説明できるようにしたいのですが、ご専門の先生にお願いしたいと思います。

以上、お忙しい先生に勝手なお願いですが、宜しくお願い申し上げます。

<応答>

初めまして。

ホームページを運営していますと色々な質問が来て勉強になります。

>>「私は喘息なので、機内に吸入器を持ち込みたいのですが、アメリカで飛行機に搭乗する時に、これは何だ? と尋ねられたら英語でどう答えたらいいの?」

→吸入器は所持しているのをチェックされるくらいですから、ポンプ式の重たい器械なのでしょうね。日本語ではネブライザーです。しかし、機内持ち込みで電源は大丈夫なのでしょうか?

日本語では、「私は喘息で、この器械は発作がおきたときに気管支拡張剤を吸入するために必要な器械で、危険はありません」くらいで良いのではないでしょうか?

英語では、

I have an asthma. (あるいは、I am an asthma patient. あるいは、I am an asthmatic.)This machine (あるいは、nebulizer) is necessary to control my attack, because I inhale (breathe in) the bronchodilators (あるいはanti-asthmatic drugs、あるいは単にdrugs). This is not dangerous.

くらいでしょうか? いくつかのキーワードを抑えておけば、ホームステイされるくらいでしょうから、何とかなるのではないでしょうか?

また、アメリカでは喘息はポピュラーな病気ですから、器械を見ればわかってくれるのではないでしょうか?

最後に、余計なことですが、ネブライザーを使って発作止めを使用しているのは、小児科の先生が未だになされる治療法ですね。内科の方では、よほど痰の多い方以外は、ほとんど使われなくなっております。機内持ち込みなら電源の問題もありますし、噴霧式のハンドネブライザーの方がずっと携帯に便利です。

また、おそらく吸入ステロイドはまだ使っていらっしゃらないのでしょうね。ホームステイなどは一生のうちそんなにあることではありませんが、こんな時のために普段から発作を良好にコントロールしておくことは重要です。ピークフロー値を普段から記録しておけば万全です。でも、今回はあまり時間がありませんから、仕方ないですね。

では、こんなところで。

<追加メール>

早速にお返事ありがとうございました。お目にかかったこともない先生から、貴重なアドバイスを直接いただけるなんて、インターネットならでは…ですね。もちろん、何よりも、先生の温かいお心遣いに感謝しております。

本人に連絡して、先生のメールを届けてきました。ご専門の先生のアドバイス付き回答ですから自信を持って渡すことができました。本人もとても感激して、目を丸くしていました。本人は、可愛いだけでなくとても優秀な生徒さんで将来お医者さんを目指していますが、彼女ならきっといいお医者さんになれると思います。

<追加応答>

将来お医者さんですか?

ぜひ山形大学医学部を受験されて呼吸器、特に喘息専門医になられては如何ですか?

スキーもできるし、食べ物もおいしいですよ。

では。