Q:医療費が高額なのに診断もつかず症状も良くなりません。

【146】25歳女性(会社員)の方から

<質問>

(平成12年4月7日)

・年齢:25
・性別:女
・職業:会社員
・身長(体重は不用):158
・小児喘息の有無:なし
・初めて喘息と診断された時期:なし
・喫煙の有無あるいは喫煙歴:3年前の10月から一昨年の10月まで
・ペットなどの特殊な環境の有無:セキセイインコ
・吸入ステロイド使用の有無:フルタイド200×4回(朝、就寝前2回ずつ)吸入
・使用しているスペーサーの種類:インスパイヤーイース(メプチンエアー)
・ピークフローメーター記録の有無及びその機種:Vitarographピークフローメーター

・およその治療経過:

一昨年の9月終わりから、夜中〜明け方にかけて咳が止まらず、寝付けない日が続きました。昼間はなんともないのに、夜になると必ず咳き込んでしまいます。しかし、昼間があまりにも健康体だったので病院には行かず、冬の空気の乾燥のせいにしていました。

そのまま、「おかしいな?」とは思いつつ月日は経ってゆき、X'mas前に、風邪を引いてしまいました。微熱が出ていたので、病院へ行き、風邪の症状と一緒に9月の終わりからの咳の状態も訴えましたが、単純に“風邪”と診断され、風薬を貰って帰りました。

その日以来、夜はもちろん。昼間もちょっとしたきっかけで、咳が出るようになりました。会社に遅刻しそうになってちょっと走ると、ものすごい息切れと、咳が1時間以上も止まらなかったり、笑い過ぎると、咳が止まらなくなったり…。あまりに頻繁に咳き込む様になったので、家族や友達や周りの人から病院へ行くように勧められ、今度は以前と違う病院へ行く事にしました。

そこはY診療所で、色々な大学病院などから派遣で先生がみえている所でした。しかし、診療を受けに行った時は、普通の状態の時だったので、聴診器を当ててもなにも異常がみあたらず。ならばZ大学病院でちゃんと検査をして調べた方が良いとのご配慮で、紹介状を頂き、Z大学病院へ行くことになりました。

Z大学病院では、レントゲンと呼吸機能検査と血液検査をしましたが、どれもこれといって“喘息”に該当する物的証拠がみあたらず。しかも、外来だったので、毎回先生がかわってその先生毎に見解が違いました

最初の先生は“おそらく喘息性のモノ”ではないか?との見解で検査を進め薬を処方して頂きました。テオドールとレスプレンとムコダインというお薬で、テオドールは寝る前に飲む薬でした。これを飲んでから、少し夜が楽になった様な気がしました。

ですが、2回目の先生は“アレルギーもなし”“呼吸機能も異常なし”“レントゲンも異常ない”から…。喘息ではないと思うのだけれど…。とにかく薬飲んで楽になったのなら、もう少し増やそうかと、テオドールを2錠に増やして頂きました。

でも、これといって診断はされませんでした。3回目に薬を取りに行った時の先生は、「これだけ何もないのだから、もしかしたら喉がおかしいのかも知れないから今度はここではなく、耳鼻科を診療して下さい」と言われました。

何かが違う…。と思って、お薬のせいか、だいぶ楽になってきた事は確かなので、それからは母に薬だけ取ってきてもらって。調子が悪いかな(?)と思う時だけ、テオロングを飲んで、なんとなく改善へ向かい、夏になりました。

夏の間は、夜のせきはまったく出ませんでした。たまに走ったりすると咳き込んだりしましたが、春の時よりひどくなかったので、そのまま忘れて生活していました。

また9月になり、夜咳き込むようになりました。でも、「去年も同じだったから…。また春になれば治るし…」とほっておきました。明け方咳で起きるのは、去年経験済みだったので、「またかぁ…」と思いながら日々を過ごし…年も明けて、でも今年は去年ほどは酷くないかな?と思っていた矢先です。

忘れもしない3月13日(月)夜中から、ずっと咳きが止まらず。水の様な唾液みたいな痰(?)も止まらない勢いで、眠れずに朝を迎えました。あまりに咳をしすぎたせいか、フラフラな状態だったので、朝のラッシュには乗れないと思い。どうせ眠れないのだから、始発の空いている電車でと会社に向かいました。

私はいままでずっと健康優良児で、小児喘息もないし、大病もしたことがありません。でも、この時は1歩1歩前に進むことが苦痛で、「このまま会社まで行けるかな?」と思ってしまう自分に驚きました。10mぐらい歩くと座り込んで、しばらく休んでまた10mぐらい歩く…。そうやって通常1時間の通勤時間の所を2時間半かけて会社に着きました

あまりの咳に、苦しくて、会社に着いてすぐ、病院へ行きました。待合室でもひっきりなしに咳き込むので、周りの人がいやな目で見ていました…。順番はまだ後だけれど、他の人の迷惑になると行けないということで、看護婦さんに先に処置室へ入るよう言われ、そこで順番を待ちました。

咳き込んで苦しくて、症状を伝えるのもうまく行かず、その状態を見た先生は、すぐに点滴の指示を出されました。私は、生まれて始めて点滴をしました。自分がなぜ点滴などしなくてはいけないのかその時はわからなかったし。会社にも迷惑をかけるので…と思ったのですが、「とにかく点滴しましょう。ずいぶん苦しそうだ…。これをすれば、咳が止まるからね…」と言われ、それならばと受けました。

2時間ぐらいで終了したのですが、まったく咳が止まりはしませんでした。そのあとネブライザー(?)という機械で霧のお薬を喉にあてました。これが終っても完全に良くなった訳ではありませんでしたが、凄く酷い時よりかは、ずいぶん楽になりました。「ずいぶん顔色が良くなったね」と言われ、薬を処方して頂いて帰りました。テオロング、ゼオエース、粉の咳止め剤です。

そうして会社に戻りましたが、点滴をしたことを知った上司が休んだ方が良いと判断して下さり、その日は家へ戻りました。その日は、後になればなる程、楽になり、これなら明日は会社へ行けるだろうと安堵して眠りに就きました。

考えてみれば、その前の週末。土曜日から風邪を引いたらしく、微熱がありました。それが原因で、ここまで悪化してしまったのか…と驚いていました。

夜中からまた咳きが出始め、翌朝まで続きました。横になると苦しくて、お布団の上に上半身を起こして耐えていました。朝になって薬を飲みましたが、昨日よりも体が重く感じられました。このままでは会社には行けないと思い、この日ももう1日会社を休み、1日床にいました。

朝がすぎ、昼がすぎ…。一向に症状は回復しそうにありません。でも、何をしたらいいのかわからなかったのでひたすら安静にしていました。

翌日は、もう会社は休めない…。と会社へ向かいました。「一日安静にしていたんだから」と暗示をかけて、そのおかげか少し楽になった気がしました。

そうして、時々咳き込みながらもどうにか終業時間まで頑張り、家に帰りました。次の日も、同じく咳き込みながら、一日過ごしました。

ここ4日ばかり、咳き込むのが酷くて食欲がなく、体重が4kgも落ちていてビックリしました。「ダイエットより効果があるなぁ…ちょっとうれしいかな?」などと思いながらも、そう言えばこの4日間お茶以外、ほとんど食べ物を口にできなかったので当たり前と言えば当たり前で、大丈夫かしら?と我ながら少し心配しました。

金曜日にZ大学病院から“喘息”等の良い先生がみえると、月曜日に点滴を打っている時に、看護婦さんから聞いたので。周りの人には“喘息”なんじゃないの?と言われていましたが、自分ではなじみのない言葉だった為、ピンとはこなかったのですが。まだ咳きも止まっていなかったし、薬もそろそろ切れるので、再度病院を訪れました。

咳の状態は、月曜日ほど酷くなかったし、水曜・木曜と変わらないぐらいの頻度だったのですが、今回もまた、先に処置室へ案内されてしまいました。Z大学病院からみえていたA先生という先生だったのですが聴診器をあてるやいなや「すぐ点滴とネブライザーを…」と指示を出されました。でも、月曜日に比べれば幾分楽だったし、また2時間以上も会社にひまを貰うのも気が進まなかったので、「また、点滴しなければいけないのですか?」と言いました。先生は、「こんなに酷い状態では、このまま帰す訳にはいかないな…。顔色も悪いし、息をする時にゼエゼエしてるでしょ? 相当苦しいはずだよ…よく我慢していたね…」と、おっしゃられ、反論する間もなく点滴が開始されました。

月曜よりは酷くないんだけどな…。と思いながらも、点滴を受け。この日はそんなに苦しくなかったので、前より正確に一昨年の秋から春に駆けての事と、今年も秋からそうなったという症状も伝えられました。

去年はZ大学病院では“喘息”はない、と言われた話しから、A先生もZ大学病院の先生だったので、「今度病院に戻った時にカルテを見てくるから、診察券番号を教えて」と私のZ大学病院の診察券ナンバーを控え、それからお話しを続けられました。

「去年は、どんな検査をしたのか分からないけれど、今起こっている状況は間違いなく、喘息の発作の状態と言って良いと思う。この間の先生から貰った薬は良く効いた?」と言われ、咳は止まらなかったなどの症状を説明すると、「粉の咳止めは、風邪とかには効くけれど、喘息の様に強いモノには効かないはずだから、あたりまえだと思う…」「今日から、薬を変えて…。でもこれは強い薬だから、短期間に押さえてしまおうと思うのだけれど…。必ず決められた通りに飲んでね」とプレドニンとテオロングとガスター(胃薬)とアレルギーを押さえる薬(全部飲んでしまったので、名前を思い出せないのですが)を貰いました。また、メプチンエアーとインスパイヤーイースという発作の時に楽になる薬ももらいました。

そして、5日飲んで。1日休んで6日後にもう一度来て欲しいと言われ、その日は点滴終了後にレントゲン撮影をして帰りました。

それが、不思議なことにみるみる元気になり、もう完全に治ってしまったのでは?というぐらいその5日間で回復しました。

そして翌日、この日はプレドニンを飲まずに他の薬だけ飲んで過ごしたのですが。お昼頃から咳が出始め、夜、深夜、明け方と咳が酷くなりました。金曜日と同じぐらいの感じでした。その状態で病院へ行きました。

その日は前のA先生ではなく、引継ぎを受けたB先生でした。A先生は学会の関係でお休みで、Y診療所の方へ来るのもこの間が最後の日だったそうです。しかし、A先生はとても丁寧にB先生へと引継ぎをされていたようでした。レポート用紙何枚かにビッシリと、昨年のZ大学病院のカルテを見て、また血液検査とレントゲンからの情報を指示を出されてた様でした。

B先生はその事を私に「A先生からこうして去年のZ大学病院のカルテを検討したレポートを預かったよ…ちょっと胸の音聞かせて…。咳き随分止まらないね…ゼイゼイ凄く苦しそうだ…。点滴しようか?」とおっしゃったので、いくらなんでも3回とも病院へ行くたびに点滴なんて、会社に迷惑がかかるから…それに、月曜日ほど酷くないので大丈夫です。と言うと「ならネブライザーして、10分様子みてそれでも治らなかったら点滴しようか?」とおっしゃい、看護婦さんに指示を出されました。

ネブライザーをして10分待ってもまったく改善する様子がなかったので、B先生は点滴の指示を出されました。この日は病院も空いていた為か?2時間点滴をしている間、診察の合間に隣りに来て、たくさんお話しして、また私の状況も聞いてくれました。

「何度も同じ事を聞かれて、大変かもしれないけれど、もう一度最初から聴いて良いかな?」と言われ、私は一昨年の秋からの話しと、私の置かれている今の環境(一昨年の春引越しした事、マンション、自室は畳、寝具はふとんetc.)や今年の秋からこの間の金曜日までのお話しをしました。

「去年と同じ症状が出始めた時に来なくちゃ…こんなに酷くなるまでよく放っておけたなと、関心しちゃうよ…。こんなにひどい咳も“なれっこ”になっちゃったんだね…。去年は原因不明のまま診療を止めてしまったみたいだけど。今年もこう言う風になってしまったと言う事は、やはり何らかの理由があるはずだし…。だから、今回はちょっと頑張って。良くなったと思っても、勝手に診察を止めないで続けて、ある程度、この薬をこれだけ飲めばいい。ということが分かるまでは根気よく通った方が良いよ…。また来年点滴なんて嫌でしょ!?」と。

そして、今の状態がプレドニンをやめたから、こういう状態に戻ったという事も説明して頂き、プレドニンというお薬の副作用(顔が丸くなるとか…胃潰瘍になるとか)のお話しもすごく詳しく説明して頂きました。

短期間であれば副作用が出る事は殆どないから、5日飲んだのならあと1週間は飲んで大丈夫と言われ、薬も全部取り替えて、それから吸入ステロイドを始めてもらうと言われました。

薬はプレドニン、ガスター、テオドール、オノン、メプチン、ムコスタとフルタイド200×4回(朝夜2吸入)を頂きました。

B先生も「今までの状況を見ても、効く薬から見ても、また呼吸の仕方を見ても“喘息”と考えてほぼ間違えはないと思う。しかし、アレルギー等の原因はみあたらなかった。けれど、明らかに今起こしているのは“喘息”の発作だと思う。だから、先行して“喘息”の治療を開始する事にするよ。でも、ここでは設備が不十分だから。紹介状を書くので、これからはZ大学病院の方で受診する様にして欲しい…。ただ、もしかしたら最後までハッキリ“喘息”だと言う診断が出せない可能性もあるんだ。それはこの薬(プレドニン)のせいで、その効果で元凶が良くなってしまって、原因が分からない場合もあるからね…」と、知り合いのC先生と言う先生に紹介状を書いて頂いて、次の週の火曜日に昨年と同じくZ大学病院へと向かいました。去年は外来でしたが、今年は予約診療の先生でした。

「B先生から話しは聞いているんだれど…」と始まり、このC先生もとても親切に色々なお話しをして下さいました。そして「薬は(プレドニン)あと2日朝2錠飲んで止めて下さい。その他の薬はB先生のと同じ内容の物を処方しておきます。来週の火曜日に呼吸機能検査、その次の週の火曜日にもう一つ違う呼吸機能検査と診察をします。帰りにむこうと重なるかもしれないけれど、採血してレントゲン撮って帰って下さいね…。ここへは診断を付けに来たんだよね。診断が出たら、もう一度Y診療所のB先生の方で診て貰うんだよね?」と言われ、そういう約束はしていないけれど、私は会社がY診療所から1分と近い事もあるし。火曜日Z大学病院へ診療へ行く度に、会社に時間を貰うのも気が引けるので「そうです」と答えました。

この日は、また微熱(37.2℃)がでていたので、その旨を先生に伝えると、喉を診て「赤いね…風邪引いちゃったかな? ちょっと薬が多くなっちゃうけれど、風邪薬もだしとくから。これは朝昼夜5日飲んでね」と風薬も一緒に頂いて帰りました。

プレドニンを飲まなくなった翌日の夜(深夜から明け方にかけて)から毎夜咳が出て起きました。メプチンエアーを何回か吸入して(B先生から一晩に2回まで3回吸っても良くならなかったら、それ以上は吸ってはいけない。すぐ病院へ行く事!の指導を受けていたので多くても30分おきに3回以上は吸いませんでした)、幾分楽になりました。しかし、先週の火曜日からずっと、微熱は続いていました(37.0℃〜37.2℃を行ったりきたり)。

昼間も呼吸をすると胸のあたりがザワザワ震えて変な音がします。そんなに苦しくないのですが、息を吐くたびに漏れる音が恥ずかしいです…。

そうして昨日、検査の為に再びZ大学病院へ行きました。その時も息を吐くたびにガラガラしていたのでC先生が、「この間はなかったけれど、今日は喘鳴がずいぶん聞こえるね…。そうすると、今日の検査は音が入っちゃうからうまく検査できるか分からない…」と聴診器で音を聞いた後、おっしゃられました。

それでも、とりあえず検査は始まりました。PC上にグラフの様なモノが出ていて、息を吸ったり吐いたりすると赤い線が波打ちます。普通に息して…。大きく吸って…一気に吐いて…。と言われた通りにするのですが、大きく吐こうとすると咳が出てしまい。何度かチャレンジしたのですが、同じ結果に終りました。

「気にする事ないよ、失敗しても大丈夫…。そうだね…ピークフローメーターある? そっちでやろうか?」と検査の先生に問われ、今度はピークフローメーターを3回吹きました。そしてそのあと、ネブライザー?(Y診療所で吸入していたものと同じ機械でした)で吸入した後に、もう一度ピークフローメーターを3回吹きました。

「薬の後は、若干だけれど数値が上がってるんだよなぁ…」と言う事は、薬が効いてるって事だね…喘息と思ってよいのかな?

「じゃぁ、今日から売店でピークフローメーターを買って3,000円ぐらいだから。それと日記を渡すから記入してくれるかな?」と頂いた帳面は“喘息日記”でした。

この日は診療の予約はなかったのですが、先週からずっと微熱が続いている事を伝え、風邪薬がもうないので5日分処方して頂きました。

ただ、ここですごく疑問が涌きました。“喘息”という診断をはっきり受けていないのに“喘息日記”を貰って…。その診断を出す為に前回は¥10,808のお金がかかり(あまりに驚いて聞いたら、血液検査の項目が多いからとの事でした)、今回は呼吸機能の検査が中止になったので、¥800だったけれど、ピークフローメーターは¥3,800もしたし。それ以前点滴し薬が変わる度に¥4,600ぐらい毎回かかっていて…。

病院貧乏になって経済的にも苦しいです。昨年も、検査の時は¥6,000ぐらいかかっていて。それだけお金をかけても“喘息”の診断が下されず、また来週は検査と診療の予約が入っているので行くのですが…。

診断出す為だけに、そんなにお金がかかるのなら、別に診断なんか出さなくても良いので、治療だけして欲しいな…、と思う今日この頃です。

先生のHPを見ていて、私の受けている治療は喘息の人の治療と変わりないのではないかと思いこうしてMAIL致しました。

私は喘息なのでしょうか?

それならそうと、早く誰かに言って欲しいです。そうしたら、私はもう何も迷う事なく治療に専念できるし、会社にも迷惑をかけずに、近くの診療所で定期的に見て頂いて、かかる費用もだいたい分かって、計画も立てられます。

だから、教えて頂きたいのです。

私は、来週の火曜日にC先生に「Y診療所の方に戻して頂けないでしょうか?」と伝えようと思います。高額な検査料を払い続ける自信がありません。

だから、診断が出ないのならば、有効と思われる治療をして頂けるようにお願いしようと思うのですが、これは間違った考えでしょうか? 最後まで、C先生が「次からはY診療所に行って下さい」とおっしゃるまでは、Z大学病院で検査と診療を受けた方が良いのでしょうか?

私は、“喘息”だろうと、そうでなかろうと、もうどちらでも構わない…と思っています。早くこの状況から抜け出したいです。目的が見えずに進むのは、とてもシンドイです。

熱も、昨日の夜は37.8℃まで上がってしまいました。今まで37.2℃ぐらい平均だったのにとあわてて氷枕をしました。まだ今も37.3℃熱があります。この9日間ずっと微熱があるのですが、風邪なのでしょうか?

もう分からない事だらけです。

支離滅裂な長ったらしい文になってしまった事、お許し下さい…。もしお時間がございましたら、ぜひこんな八方塞の私にアドバイスを頂ければと思って、MAIL致しました。

ちなみに、昨日の夜のピークフローは210、今朝は160でした。まだ咳が出ています。ちょっとだけ苦しいです…。

何卒、宜しくお願い致します…。

<応答>

初めまして。

メール拝見しました。詳細な病状報告、とても参考になりました。

喘息の診断がつかない苛立ち、入れ替わり立ち替わりする見解の異なる医師、そして一向に良くならないのに高額な医療費の請求…、まさに現代医療や喘息診療にまつわる諸問題が浮き彫りにされているなと思いながら読ませていただきました。

まず、結論から申し上げますが、原因は不明ですが、喘息として治療して何ら問題はないと思います。そして、今後はとりあえず発作を止めること、少しぐらい楽になったからと無理をしないことを心がけて下さい。治療は色々ありますが、フルタイドを中心にこれだけは休まずに続けて下さい。ただし、苦しいうちはあまり効果が少ないので、できれば集中的にプレドニンで気管支の炎症を取ることが大切です。また微熱があるようですから、風邪薬をいつもよりも長めに服用することをお勧めします。その理由は喘息だと風邪を引きやすく、治ったと思っても気管支に炎症が残っているとまた引いてしまいます。喘息の発作(咳)と風邪はお互いに悪影響を及ぼしますから、どちらも根気よく治して行く姿勢が必要です。

今は、発作が頻発している時期ですから、PF値がかなり低いですので、値は参考になりません。メプチンの頓用回数も結構多いと思います。メプチンの回数が減ってピークフローメーターを吹いても咳込まなくなったら、PF値を記録開始して下さい。喘息の管理はその時から始まると考えて下さい。

以下、メールに対して気がついた点への私からのコメントです。

>>職業:会社員

職場は禁煙が徹底していますか? ご自身は吸っていなくても、周囲の喫煙は喘息治療の大きな阻害因子になります。上司と相談して禁煙を徹底してもらうか、喫煙場所を限定してもらうか、あるいは良くなるまではマスクをするなどの対処が欲しいですね。

>>ペットなどの特殊な環境の有無:セキセイインコ

これもできれば良くなるまでは部屋の一角に置いて、臭いや鳥のフケなどが周囲に散乱しない工夫を心がけて下さい。知り合いに一時的に預かってもらうのも手ですね。

>>Z大学病院では、レントゲンと呼吸機能検査と血液検査をしましたが、どれもこれといって“喘息”に該当する物的証拠がみあたらず。しかも、外来だったので、毎回先生がかわって、その先生毎に見解が違いました。

恐らく発症間もなかったので、喘息の典型的検査結果が出なかったのでしょうね。このようなことは結構あります。

>>夏の間は、夜のせきはまったく出ませんでした。たまに走ったりすると咳き込んだりしましたが、春の時よりひどくなかったので、そのまま忘れて生活していました。

>>また9月になり、夜咳き込むようになりました。でも、「去年も同じだったから…。また春になれば治るし…」とほっておきました。明け方咳で起きるのは、去年経験済みだったので、「またかぁ…」と思いながら日々を過ごし…年も明けて、でも今年は去年ほどは酷くないかな?と思っていた矢先です。

これは喘息のいわゆる“くすぶりの期間”なのでしょうね。症状はなくともおそらく気管支の炎症は進行していったのだと思います。

>>私はいままでずっと健康優良児で、小児喘息もないし、大病もしたことがありません。

お気持ちはよくわかります。でも喘息は身体が弱いから発症する病気ではありません。あくまで気管支に慢性の炎症が起こって発症する歴とした病気なのです。

>>でも、この時は1歩1歩前に進むことが苦痛で、「このまま会社まで行けるかな?」と思ってしまう自分に驚きました。10mぐらい歩くと座り込んで、しばらく休んでまた10mぐらい歩く…。そうやって通常1時間の通勤時間の所を2時間半かけて会社に着きました。

これは非常に危険な状態だったと思います。何もなくて良かったと思います。おそらく気管支の炎症が高度になっていて、安静にしていればそうでもなくても、運動すれば酸素が取り入れられなくなって、たちまち息が切れてしまうのです。急激な低酸素は非常に危険です。特に自分自身で気付かない点が恐ろしいところです。

>>それが、不思議なことにみるみる元気になり、もう完全に治ってしまったのでは?というぐらいその5日間で回復しました。

プレドニンが効いたので、喘息は間違いないでしょう。しかし、プレドニンで一時的に良くなっても、その後、吸入ステロイドが処方されてなかったので、バトンタッチがうまく行かなかったのでしょう。すぐに悪くなったのはそのためですね。

でも、今度はフルタイドがありますから、プレドニンで良くなった気管支炎症は、フルタイドがその状態を維持してくれるでしょう。諦めないで頑張って下さい。

>>この日は、また微熱(37.2℃)がでていたので、その旨を先生に伝えると、喉を診て「赤いね…風邪引いちゃったかな? ちょっと薬が多くなっちゃうけれど、風邪薬もだしとくから。これは朝昼夜5日飲んでね」と風薬も一緒に頂いて帰りました。

プレドニンを飲んでいると免疫能力低下して風邪を引きやすくなる…と言う医療関係者がいるかも知れません。しかし、これは間違いで、1、2週間くらいの短期間なら問題はありません。むしろ気管支に炎症を残存させておくことが、風邪を引きやすい条件を与えます。プレドニンも出し惜しみせず使うときにはしっかり使って、気管支炎症を鎮めて下さい。

たまにそれでも良くならないときがあります。それは仕事が忙しくて無理をしてしまうために、なかなか安静が保持できない場合です。このようなときは、短期間でも入院するのが手っ取り早いです。その可能性も一応頭の中に入れて置いて下さいね。また、そんなときの入院期間は、ギリギリまで我慢していた方がかえって長くなってしまいます。プレドニンで1、2週間で良くならないときは、それ以上長引かせず入院した方が良いかも知れません。

>>「じゃぁ、今日から売店でピークフローメーターを買って3,000円ぐらいだから。それと日記を渡すから記入してくれるかな?」と頂いた帳面は“喘息日記”でした。

これはもう支払ってしまったので、仕方ありませんが、実はピークフローメーターは保険の適応で、病院から貸与してもらえるはずなのです。しかし、Z大学病院で検査をし、その後Y診療所で継続して診察するなら、これは保険適応にならないかも知れません。しかし、ピークフローメーターは一生使えますし、その効果を考えたら安い買い物かも知れません。

>>病院貧乏になって、経済的にも苦しいです。

事情はよくわかります。医療費のことは正直に窓口で相談すべきですね。あるいは担当医に正直に話しても良いでしょう。フルタイドだけでコントロールできるようになれば、もっと安くなるはずです。ですから、もう少し頑張ってコントロールして行って下さいね。

>>先生のHPを見ていて、私の受けている治療は喘息の人の治療と変わりないのではないかと思いこうしてMAIL致しました。私は喘息なのでしょうか?

原因ははっきりしませんが、喘息で間違いないでしょう。咳の時の聴診所見が典型的で、ピークフローメーターの気管支拡張剤前後での変化、またレントゲンで異常がなく、プレドニンが著効している点、などがその根拠です。

>>私は、来週の火曜日にC先生に「Y診療所の方に戻して頂けないでしょうか?」と伝えようと思います。高額な検査料を払い続ける自信がありません。

伝えるべきです。医療費が高いこともぜひ相談すべきです。

>>だから、診断が出ないのならば、有効と思われる治療をして頂けるようにお願いしようと思うのですが、これは間違った考えでしょうか? 最後まで、C先生が「次からはY診療所に行って下さい」とおっしゃるまでは、Z大学病院で検査と診療を受けた方が良いのでしょうか?

喘息コントロールが安定すれば、Y診療所の方で十分だと思います。

>>私は、“喘息”だろうと、そうでなかろうと、もうどちらでも構わない…と思っています。早くこの状況から抜け出したいです。目的が見えずに進むのは、とてもシンドイです。

お気持ちはよくわかります。とにかく今の症状を鎮めることが最も大切です。

>>熱も、昨日の夜は37.8℃まで上がってしまいました。今まで37.2℃ぐらい平均だったのにとあわてて氷枕をしました。まだ今も37.3℃熱があります。この9日間ずっと微熱があるのですが、風邪なのでしょうか?

風邪だと思います。喘息が良くなれば風邪も引かなくなるでしょう。両方の治療を並行していって下さい。

>>ちなみに、昨日の夜のピークフローは210、今朝は160でした。まだ咳が出ています。ちょっとだけ苦しいです…。

苦しいときは無理して測定しないことです。症状が取れてからピークフローメーターを参考にして下さい。

以上です。

とりあえず、そのうちフルタイドが効いてくれば明るい兆しがでてくるはずです。それまで無理せず自重して下さい。

また、喘息に対する知識をつけるには、私のホームページの「知識」を読むか、「常識・非常識」のテスト問題にチャレンジするか、だと思います。

では、お大事に。