(1)せっかく入院したのに「あれ? 治ってる」って主治医から言われました。
【149】33歳女性・主婦の方から
<質問>
(平成12年4月17日)
諏訪部先生、はじめまして。
ぜひ、お話しを聞いて頂きたく、メールさせて戴きました。
諏訪部先生のホームページに出会って、なんとか自分の喘息を良くしたいという気持ちでいっぱいになりました。何かアドバイスを頂けましたら、幸いです。
(1)年齢・性別・職業・身長(体重は不用):33歳、女性、専業主婦、身長150cmです。
(2)小児喘息の有無:ありません。
(3)初めて喘息と診断された時期:2000年2月
(4)およその治療経過:
99年春より、朝(目覚めてから)咳が出るようになりました。近くの総合病院に行ったのですが、風邪と診断され、そのうち良くなりました。秋になると、また咳が出始め、今度は早朝4時頃からで、睡眠不足になりました。病院に行くと、念の為という事で、肺のレントゲンと肺活量(?)の検査をしましたが、異常なしとのことでした。薬は、テオドール錠100mg、メジコン散10%を処方されましたが、副作用が強く、とにかく気持ちが悪く、めまい、頭痛、下痢といった症状がでました。2日くらいで勝手に飲むのをやめてしまいました。
次回の診察時に、咳が治まらないと訴える私に、クラリシッド錠200g、カフコデ錠、ムコダイン錠が処方されましたが、あまり効果はありませんでした。(咳がでるのは朝だけで、診察時には普通の状態になってしまうんですよね)そのうち、だんだん酷くなってしまい、ある日、まるで肺が半分になってしまったように苦しくなりました。次の診察日に病院に行くと、喘鳴が聞こえると言われました。今なら、喘息の兆候が出るかもしれないと、再び肺活量の検査をしましたが、喘息の兆候はなかったそうです。検査の後にネブライザーと点滴を受けました。喘息なら、その点滴で劇的に良くなると言われました。しかし、喘鳴は消えず、純粋な喘息では無いかもしれないと言われました。その時点で、内科の先生から呼吸器専門の先生に変えてくれました。(この時、初めて呼吸器専門の先生がいることを知りました)呼吸器専門の先生からは、入院を勧められました。しかし、すぐには受け入れる事ができず、それから5日間、毎朝点滴をしに病院に通いました。呼吸器の先生からは、「いつまでも、引張っててもしょうがないよ」と言われ、入院することにしました。
99年11月 入院。入院当日から、点滴治療が始まりました。午後に先生が診察に来てくれた時に、「あれ? 治っている」と言われました。(治っているというのは、喘鳴がないという意味です) 次の日の午後からは、点滴での治療はなくなりました。私としては、覚悟を決めて入院したので、もっとちゃんと診て下さいという気持ちが強かったです。でも、飲み薬だけでの治療の為に入院していても仕方ないと思い、3日間で退院することにしました。退院時の先生の説明では、喘息様気管支炎ということでした。普通、子供につける病名なのですが…とおっしゃってました。弱い気管支炎が長引いて、喘息の様になってしまったのでしょう…とのことでした。繰り返すようなら、喘息ですとも言われました。退院後は、テオドールとオノンカプセルを処方されました。
退院後は、比較的、調子が良かったので、退院してから1ヶ月後に、「薬を減らしてもらえませんか?」と尋ねると、オノンカプセルを減らす事になりました。しかし、風邪をひいてしまい、咳は出ないものの、ものすごい呼吸音がしました。病院に行くと、すぐに点滴。プレドニゾロン錠を3日分、ガスター錠20mg、メプチンエアー5ml、フルタイド100、テオドール100mg、オノンカプセルが処方されました。
今年に入ってから、主治医に「私は喘息ですか?」と尋ねたところ、「だと、思います」と言われました。現在は、テオドール100mg、オノンカプセルを1日2回2錠づつ、1日1回フルタイド100ロタディスクで、コントロールしています。病院には、2ヶ月に1度通院しています。診察日以外でも、調子が悪い時には、いつでも来て下さいと言われています。前に、オノンカプセルがきれてしまった時に、調子が悪くなりました。
(5)喫煙の有無あるいは喫煙歴:1日20本を13年
止めたい、止めようと思うのですが、禁煙できないでいます。お恥ずかしい限りです…。TVで、貼るだけで禁煙できる物があると聞き、試してみたいと思っています。
(6)ペットなどの特殊な環境の有無:
98年6月よりシマリス、99年4月よりハムスターを飼っています。
98年には、何でもなかったのですが、99年になってから、シマリスは先生のラットと同じ症状が出ます。アレルギー検査で全てマイナスだったので、シマリスが原因なら、何かに反応が出るはずだと、主治医には言われました。今は、なるべく動物たちとは距離を置く様にしています。とはいえ、2DKの家なので難しいのですが…。
(7)吸入ステロイド使用の有無:フルタイド100を1日1回。
(8)使用しているスペーサーの種類:使っていません。
(9)ピークフローメーター記録の有無及びその機種:使っていません。近くの薬局に相談したところ、注文できるが取り扱った事がなく、通院している病院で購入した方が良いと言われてしまいました。今度、主治医に相談しようと思っています。
質問なのですが…。
●鼻づまりについて:
鼻詰まりに、とても悩まされています。鼻詰まりがする時は、呼吸抵抗(?)が強い様に感じるのです。主治医に相談すると、鼻に疾患があると、気管に負担が掛かる場合もあるということで、耳鼻科で診てもらいましたが、大きな所見はないとの事でした。主治医に相談すると、アルデシンを処方してくれましたが、私が不妊治療中であることもあり、「弱い薬を処方します。良くなったら、すぐに止めて下さい」と言われました。私としては、こちらが良くならないと、妊娠も躊躇してしまうのですが…(そういえば、匂いに対して、とても敏感になりました)
●フルタイドについて:
フルタイドが吸入ステロイドだと知りませんでした。(偏見は持っていません)諏訪部先生のホームページを読んでいると、とても良いお薬の様なのですが、私は、あまり効果を感じることが出来ません。吸入方法は間違っていないと思うのですが…。量が少ないのでしょうか? 禁煙できないからなのでしょうか?
●安静について:
それと、どんな時に安静にしていれば良いのでしょうか? 喘鳴がするようなら、安静は必要でしょうか? 冬には、風邪をひいて悪化してしまうのが恐くて、あまり外にも出ませんでした。
すっかり体力もなくなり、自分の体に自信がなくなってしまいました。現在は、咳は全くでませんが、大きく息を吸って、思い切り吐くと最後に軽くヒューという音がします。なんとか、薬を減らしていって、前からの趣味であるダイビングを楽しみたいと思っています。
長文で申し訳ありません。
諏訪部先生のホームページに出会えて、「良くなりたい!」という欲求が、とても強くなりました。先生の病院が通える距離でないのが、とても残念です…。アドバイス等ありましたら、どうぞ宜しくお願い致します。
それでは、失礼致します。
PS:まだ、先生のホームページを全て読んでいない状態ですので、重複している質問がありましたら、申し訳ありません。
<応答>
初めまして。
喘息の症状が出始めてまだ1年くらいですから、今後適切な治療と自己管理をすればきっと良くなるでしょう。
>>薬は、テオドール錠100mg、メジコン散10%を処方されましたが、副作用が強く、とにかく気持ちが悪く、めまい、頭痛、下痢といった症状がでました。2日くらいで勝手に飲むのをやめてしまいました。
明らかにテオドールの副作用ですね。現在も服用しているようですが、この副作用はないのですか?
>>呼吸器専門の先生からは、入院を勧められました。しかし、すぐには受け入れる事ができず、それから5日間、毎朝点滴をしに病院に通いました。呼吸器の先生からは、「いつまでも、引張っててもしょうがないよ」と言われ、入院することにしました。
>>99年11月 入院。入院当日から、点滴治療が始まりました。午後に先生が診察に来てくれた時に、「あれ? 治っている」と言われました。
若い方がそんなに簡単に入院などできないのは世の常です。恐らく入院できない事情があるとすると、専業主婦とのことですが、結構点滴を続けながらでも安静を保持できなかったのでしょうね。それが、入院安静によって主婦業の忙しさから解放されただけで良くなると言うことは、普段から結構身体を酷使しているひとつの証拠になるかも知れませんね。もちろんそれまでの点滴の効果が現れてきたこともあるのでしょうが…。
>>退院後は、比較的、調子が良かったので、退院してから1ヶ月後に、「薬を減らしてもらえませんか?」と尋ねると、オノンカプセルを減らす事になりました。しかし、風邪をひいてしまい、咳は出ないものの、ものすごい呼吸音がしました。
ここですね。「調子がいい」との判断が自覚症状だけから行われているので、まだ気管支に炎症が残っているのに、薬剤を中止・減量すると症状が悪化してしまう。一見風邪を引いたから仕方がないと思いがちですが、気管支に炎症が残っていると風邪を引く易くなるのでやはり当然の帰結であると考えられます。
やはりピークフローメーターが必要ですね。ぜひ入手して下さい。現在通院中の病院の主治医へ相談すれば無料で貸与してくれはずですよ。
>>今年に入ってから、主治医に「私は喘息ですか?」と尋ねたところ、「だと、思います」と言われました。
しっくりこない回答とお感じでしょうけれど、明かな喘息に進展してしまうと診断ははっきりしますが、今度は結構治療も大変になってきます。ですから、喘息かどうかはっきりしない今くらいのうちに良くしておくことですね。
>>喫煙の有無あるいは喫煙歴:1日20本を13年
喘息の治療はまず禁煙から始まると言っても過言ではありません。苦しいときは吸えないのは当たり前ですが、苦しくないとき吸ってしまうとたえずそれが気管支への刺激になってしまうのです。また、やはりフルタイドの効きを阻害する要因にもなります。
>>98年6月よりシマリス、99年4月よりハムスターを飼っています。
発症時期から考えてこれらペットが原因でしょうね。採血しても必ずしも異常が出るとは限りませんし、仮に検査で異常値を示したからと言ってそれがすべての原因であるとも言えません。検査結果によらず、慢性の刺激の原因になるものはやはり極力避けることです。手放すだけがすべてではありません。色々工夫してみて下さい。
>>吸入ステロイド使用の有無:フルタイド100を1日1回。
やはりあまりにも少ないと思います。あれほど他の薬剤を使っているならまずフルタイドを1日800マイクロくらいまで増やすてもらうべきですね。それでも駄目なら他の薬剤を追加するなら話は分かりますが…。
>>鼻づまりについて:
鼻詰まりに、とても悩まされています。鼻詰まりがする時は、呼吸抵抗(?)が強い様に感じるのです。主治医に相談すると、鼻に疾患があると、気管に負担が掛かる場合もあるということで、耳鼻科で診てもらいましたが、大きな所見はないとの事でした。主治医に相談すると、アルデシンを処方してくれましたが、私が不妊治療中であることもあり、「弱い薬を処方します。良くなったら、すぐに止めて下さい」と言われました。私としては、こちらが良くならないと、妊娠も躊躇してしまうのですが…(そういえば、匂いに対して、とても敏感になりました)
これは主治医の話はまったくその通りだと思います。耳鼻科で治療の必要なしと言われたのですね? ならそうひどい状態ではないと思います。アルデシンによる治療は良いと思いますし、またこれは局所的な治療ですから、妊娠に対する影響は気にしなくて良いはずです。(タバコの方がよほど悪影響だと思いますよ…笑)アルデシンを止めるにしても妊娠が判明してからでも遅くはないと思います。やはりおっしゃるように、喘息も鼻も良くしてから妊娠へ突入したいですね。
>>フルタイドについて:
フルタイドが吸入ステロイドだと知りませんでした。(偏見は持っていません)諏訪部先生のホームページを読んでいると、とても良いお薬の様なのですが、私は、あまり効果を感じることが出来ません。吸入方法は間違っていないと思うのですが…。量が少ないのでしょうか? 禁煙できないからなのでしょうか?
フルタイドの効果を判断するのにはあまりにも少ない量ですね。もっと増やしてもらって下さい。処方制限も解除されましたから、十分使えるはずです。
禁煙は前提です。またたしかに喫煙によって喘息の病気自体が、フルタイドが効きにくい方(慢性気管支炎)へ修飾されてしまいます。
>>それと、どんな時に安静にしていれば良いのでしょうか? 喘鳴がするようなら、安静は必要でしょうか?
発作も喘鳴も立派な症状ですから、安静にするのは当然です。今後はピークフローモニターをして、PF値が低下してきた時期(症状が出る前)から安静を心がければ、発作を起こすことはもちろんなくなりますし、すぐに回復するでしょう。
>>冬には、風邪をひいて悪化してしまうのが恐くて、あまり外にも出ませんでした。すっかり体力もなくなり、自分の体に自信がなくなってしまいました。
風邪を引きやすいのは体力がなくなったからではなくて、気管支に炎症が残って風邪のウイルスなどに無防備になっているからです。吸入ステロイドを効かせてあげれば、炎症が静まり外敵の侵入にも強くなれます。
>>現在は、咳は全くでませんが、大きく息を吸って、思い切り吐くと最後に軽くヒューという音がします。なんとか、薬を減らしていって、前からの趣味であるダイビングを楽しみたいと思っています。
ヒューと耳で聞けるとすれば聴診ではもっと確かな音が入るでしょう。咳は出なくてもまだまだ良くして行かないといけませんね。
ダイビングに関しては、私のホームページの「ガイド」からたどって下さい。似たような内容が紹介されています。
では禁煙と治療を頑張って下さいね。
<追加メール1>
(平成12年4月24日)
諏訪部先生、こんにちは。
早速のお返事、有り難う御座いました。お礼が遅くなりまして、大変申し訳ありませんでした。
>>明らかにテオドールの副作用ですね。現在も服用しているようですが、この副作用はないのですか?
苦しさに耐えかねて再び飲んだ時には、それほど副作用がなかったのです。その後は、胃薬も処方してもらっていました。今は、胃薬なしでも大丈夫です。たまに軽い頭痛がする事がありますが…。
>>しっくりこない回答とお感じでしょうけれど、明かな喘息に進展してしまうと診断ははっきりしますが、今度は結構治療も大変になってきます。ですから、喘息かどうかはっきりしない今くらいのうちに良くしておくことですね。
呼吸器専門の主治医の前に診て頂いていた先生は、「この点滴をして劇的に良くなれば喘息です」とおっしゃったのですが、私の場合は良くならず(喘鳴が消えませんでした)、「純粋な喘息ではないかもしれない」という言葉が、とても気になっています。私は、薬の反応が鈍いのでしょうか? 点滴は、ソリタT-3で、注射器でいくつかのお薬を注入していました。そして、安静=回復とは思えない節があって、不安に感じています。
先日、病院に行ってきました。
私の状態は、深呼吸をすると最後に軽くヒューという状態でした。主治医に診察をしてもらうと、「点滴をしましょう」とのことでした。軽い発作を起こしている状態だそうです。点滴終了後、再び診察して頂きましたが、喘鳴は消えません。プレドニゾロン錠5mgが処方されました。1日1回4錠を3日です。上記の治療は、年末に風邪を引いた時と同じなのですが、その時も喘鳴は完全には消えませんでした。
>>やはりピークフローメーターが必要ですね。ぜひ入手して下さい。
ピークフローメーターを入手しました!
主治医に、「私、ちょっと喘息の勉強をしてみたんですけれど、ピークフローメーターを付けてみたいのです」と切り出してみました。すると、主治医はとても嬉しそうな顔をして下さいました。諏訪部先生のお話しでは、貸与してもらえるとの事でしたが、売店で購入して下さい、とのことでした。1日も早く入手したかったので、自分としては満足しています。機種はパーソナルベストです。初めて吹いたピークフローメーターは、430を記録しました。点滴終了後です。(私の標準予測値は、390と書いてありました)その日は、何度か測定してみましたが、その後は380〜400くらいでした。喘鳴はとれないものの、点滴で効果がでているということですよね? 喘鳴がありますが、階段を駆け上がっても苦しくないですし、この違いはピークフローメーターでしか解りません…。
ちなみに、
4/21 朝 380 昼 380 夜 390
4/22 朝 380 昼 370 夜 380
4/23 朝 370 昼 370 夜 390
説明書には、2〜3回吹いてみて、一番良い数字を記入するようにとありました。大体、350〜390位の間です。
>>やはりあまりにも少ないと思います。あれほど他の薬剤を使っているならまずフルタイドを1日800マイクロくらいまで増やすてもらうべきですね。それでも駄目なら他の薬剤を追加するなら話は分かりますが…。
今回の診察後に、主治医に「フルタイド、ちゃんとやってるよね? 1日2回!」 と言われました。私は、1日1回と勘違いしてたみたいです。それでも、1日200ですから少ないんですよね…。この様な要望を医師に伝えるのは、勇気が入ります。次回の診察日まで、喘鳴が取れなかったら 「フルタイド」を増やしてもらえませんか? と切り出してみようかと思っています。
前回のメールで、吸入方法は間違っていないと思います…と書きましたが、実は自信がなくなってきました。今までは、吸入口を軽くくわえていましたが、吸入口をすっぽりと唇で覆ってはいなかったのです。唇ですっぽり覆って吸入してみると、思いっきりむせてしまいました。自分なりに研究しているうちに、ますます分からなくなってきてしまいました。せっかくのお薬です、少しでも多く気管に送り込みたいです…。
現在の治療で、喘鳴はするものの、日常生活に支障はありません。でも、もっともっと良くなりたいのです。諏訪部先生には、フルタイドを増量するようにとアドバイス頂きました。フルタイドの増量と同時に、点滴治療も受けた方が効果的でしょうか?
完全に禁煙もしました!まだ、ほんの数日ですが、禁煙できたのが大きな自信になっています。諏訪部先生のホームページに出会えたおかげだと思っています。本当に有り難う御座いました。
何か、アドバイスがありましたら、どうぞ宜しくお願い致します。(勿論、お手すきの時で結構です)
PS. 禁煙、頑張ります!
<追加応答1>
>>呼吸器専門の主治医の前に診て頂いていた先生は、「この点滴をして劇的に良くなれば喘息です」とおっしゃったのですが、私の場合は良くならず(喘鳴が消えませんでした)、「純粋な喘息ではないかもしれない」という言葉が、とても気になっています。私は、薬の反応が鈍いのでしょうか? 点滴は、ソリタT-3で、注射器でいくつかのお薬を注入していました。そして、安静=回復とは思えない節があって、不安に感じています。
確かに喘息治療薬で劇的に良くなれば喘息である可能性は高くなりますが、点滴の中味、点滴を受けるまでの病気のこじれ方、感染の合併の有無、など一概には言えません。
また、タバコを長く吸ってきた方は、純粋に喘息だけではなく、タバコによる影響で慢性気管支炎も合併していることが多く、ステロイドなどの効きが悪くなる可能性はありますね。
>>私の状態は、深呼吸をすると最後に軽くヒューという状態でした。主治医に診察をしてもらうと、「点滴をしましょう」とのことでした。軽い発作を起こしている状態だそうです。点滴終了後、再び診察して頂きましたが、喘鳴は消えません。プレドニゾロン錠5mgが処方されました。1日1回4錠を3日です。上記の治療は、年末に風邪を引いた時と同じなのですが、その時も喘鳴は完全には消えませんでした。
点滴が効かないときは、薬剤の量が少ない可能性もありますが、やはり安静が不十分なことがほとんどです。発作の時は安静が基本です。
>>機種はパーソナルベストです。初めて吹いたピークフローメーターは、430を記録しました。点滴終了後です。(私の標準予測値は、390と書いてありました)その日は、何度か測定してみましたが、その後は380〜400くらいでした。喘鳴はとれないものの、点滴で効果がでているということですよね? 喘鳴がありますが、階段を駆け上がっても苦しくないですし、この違いはピークフローメーターでしか解りません…。
喘鳴があってこの値だとすれば、今後はもっともっと上がるはずです(500以上)。今後も根気よく治療を続けて下さいね。
>>次回の診察日は、5/2ですので、喘鳴が取れなかったら 「フルタイド」を増やしてもらえませんか?と切り出してみようかと思っています。
喘鳴があるうちは、メプチンで気管支を広げ痰をよく切ってからフルタイドを吸ってみて下さい。さらに量が増やせればなお良いですね。
>>今までは、吸入口を軽くくわえていましたが、吸入口をすっぽりと唇で覆ってはいなかったのです。唇ですっぽり覆って吸入してみると、思いっきりむせてしまいました。
吸入器の口を加える部分の根っこの方に両側に小さな穴が空いていますが、そこは塞がないように吸って下さいね。そこを塞ぐともろに粉が口の中に入ってきます。穴から空気が入ると粉が空気と混ざって気管支の奧へ運ばれて行きます。むせたのは、気管支が過敏なこと、吸い方が悪かったこと、などが原因かも知れません。
>>現在の治療で、喘鳴はするものの、日常生活に支障はありません。でも、もっともっと良くなりたいのです。諏訪部先生には、フルタイドを増量するようにとアドバイス頂きました。フルタイドの増量と同時に、点滴治療も受けた方が効果的でしょうか?
喘鳴がするのは決して正常ではありません。自分でもわかるとすれば聴診するともっとひどい音がするはずです。ですから、点滴も何でもしてもらえるならしてもらうべきですね。すべて効率良くフルタイドを効かせるためです。
>>完全に禁煙もしました!まだ、ほんの数日ですが、禁煙できたのが大きな自信になっています。諏訪部先生のホームページに出会えたおかげだと思っています。本当に有り難う御座いました。
まず第一歩を踏み出したという感じですね。でも偉大な一歩だと思います。ぜひ継続して頑張って下さい。
では、お大事に。
<追加メール2>
(平成12年5月4日)
諏訪部先生、こんにちは。
>>喘鳴がするのは決して正常ではありません。自分でもわかるとすれば聴診するともっとひどい音がするはずです。ですから、点滴も何でもしてもらえるならしてもらうべきですね。すべて効率良くフルタイドを効かせるためです。
先日、「喘鳴が続いているのですが…」と病院に行きました。主治医に診察してもらうと、喘鳴はしていないとのことでした。私が耳で聞く音が、必ずしも喘鳴とは限らない様です…。神経質になりすぎていたかもしれません。(聴診器が欲しくなりました) 主治医は、「朝はしていたのかもしれませんね」 とおっしゃり、フルタイドを増やして下さいました。(1日200→1日400)「もっと量を増やせば、良くなりますか?」と質問すると、量を増やせば良いというものではなく、症状に合わせて…と言われてししまいました。(諏訪部先生にアドバイスして戴いた1日800は、無理そうです)
イエローゾーンから抜け出したくて、点滴治療の話しも尋ねてみたのですが、この日は喘鳴が聞こえなかったので、「必要なし」になりました。「点滴は強いお薬なので、症状が出ていない時は使いません」 との事でした。諏訪部先生の“喘息患者さんへ”というページ(「付録・感想」参照)を拝見させて頂き、何とか青色ゾーンへ自分の体調を持っていきたいと思ったのですが…、私は、ちょっと、気合が入りすぎてしまったのかもしれませんね。
ただ、主治医の考えとして、私のピークフロー値が320くらいで、メプチンを吸入しても値が上がらなかった時に、病院へ来るようにとの指示でしたので、ちょっと消極的に感じてしまいました。しょうがないのかもしれませんが…。(その時のピークフロー値は、360でした)
煙草を止めて10日が過ぎました。禁煙をしてフルタイドを増量してから不思議なくらい体調が良く嬉しいです! ピークフロー値も400を下回ることがなくなりました。
4/23 朝 360 夜 390 ←禁煙開始日です。
4/24 朝 360 夜 360
4/25 朝 360 夜 430 ←フルタイド増量
4/26 朝 380 夜 400
4/27 朝 400 夜 400
4/28 朝 400 夜 400
4/29 朝 410 夜 410
4/30 朝 410 夜 410
5/1 朝 410 夜 400
体調がかなり良くなり、気分的にもとても明るくなりました。これからは、積極的に散歩やプールでのウォーキングで、体力をつけていきたいと思っています。実は、去年、入院した頃に、煙草が吸えなかったせいなのか、薬の副作用なのか、1週間くらい異常な食欲がでてしまい、急に太ってしまったのです。
諏訪部先生、本当にたくさんのアドバイスと励ましを有り難う御座いました。私の場合、喘息とストレスは、大きく関係していると思える節があります。諏訪部先生からのメールは、私に元気をたくさん下さいました。感謝の気持ちでいっぱいです。
本当に有り難う御座いました!
それでは、失礼致します。
<追加応答2>
その後調子が良いようですね。
>>私が耳で聞く音が、必ずしも喘鳴とは限らない様です…。神経質になりすぎていたかもしれません。
いえ、やはり喘鳴があるという事実は重要です。喘鳴は喘息症状のひとつですから、それがなくなることがまず大前提です。聴診では、安静では音が入らなくても強制呼出時などに音が入ることがよくあります。
>> 主治医は、「朝はしていたのかもしれませんね」 とおっしゃり、フルタイドを増やして下さいました。(1日200→1日400)「もっと量を増やせば、良くなりますか?」と質問すると、量を増やせば良いというものではなく、症状に合わせて…と言われてししまいました。(諏訪部先生にアドバイスして戴いた1日800は、無理そうです)
この先生は、喘息のことをよくご存知ですね。信頼して良いと思います。
症状に合わせてフルタイドを増加させるやり方は、考え方の違いです。この先生のやり方は、「ステップ・アップ方式」です。これは、最低限の治療で済むというメリットがあるかわり、しばしば中途半端で治療不足に陥り、逆に薬剤が増えて行く欠点があります。逆に私の考えは、まず根底にある炎症をドンと叩き、その後薬剤を減らす、「ステップ・ダウン方式」です。この方法が採れるのは、全身作用の少ない吸入ステロイドだからこそです。
>>「点滴は強いお薬なので、症状が出ていない時は使いません」 との事でした。
これは保険の決まりだからです。発作がないときには点滴をしても保険請求できないのです。しかし、主治医が発作はないが、炎症が強いと判断すれば、発作に準じて点滴をすることはあります。
>>体調がかなり良くなり、気分的にもとても明るくなりました。これからは、積極的に散歩やプールでのウォーキングで、体力をつけていきたいと思っています。
良かったですね。でもひとつだけ注意していただきたいのは、せっかく良くなっているのに体を動かすのはまだ早いという点です。身体がなまったいる、太ってきたから、調子が良いから、…だから運動しよう、と考えるお気持ちはよくわかりますが、もう一つ考えていただきたいのは、良くなっている今だからこそ言えることですが、「ご自身の感覚を信じるな」という点です。今は、単に以前より楽なだけで、決してまだ理想状態ではないのです。PF値はもう少し高くなるはずです。今動いてしまうとまた元に戻る可能性があります。これはメールを頂いた多くの方々の体験から来る私の経験でもあります。
ぜひ私のホームページの「診療日記」の「057:喘息治療中はなぜ動いてはいけないのか?(平成10年4月9日)」を参考にして下さい。その理由がおわかりになれるでしょう。
せっかく良くなったのに、水を差すようで申しわけありませんが、調子の悪かった時よりも、良くなった今こそが、実は喘息治療において最も重要である点をわかって欲しかったからです。
どうか500を目指して頑張って下さい。達成できない値かも知れませんが、近づくことは可能です。そして、このくらいになればダイビングも可能になるでしょう。
では、お大事に。