<編集後記>

 16人の患者さんからご協力を頂いて、『ぜんそく患者さんからの寄稿集―まだ良くなっていない患者さんへ伝えたいこと―』を公開するに至りました。初めてのホームページ公開につき、誤字や脱字はたくさんあると思いますが、第1回目の公開ということでご容赦頂きたいと思います。
 私自身、その都度意見を述べて来ましたが、最後に感想をまとめると以下の6点に集約できると思いました。
 <1>喘息は特に既往がない場合でも風邪を長くこじらせたことで発症しうること。
 <2>喘息が良くならない大きな原因に医師および医療従事者、患者およびその家族の喘息に関しての情報不足が挙げられること。
 <3>適切な初期治療がなされればそんなに重症化しなくて済んだと思われる患者さんが多いこと。
 <4>患者さんには医師に言えない症状がたくさんあること。
 <5>難治化している喘息のほとんどは性格的・社会的原因からきていること。
 <6>喘息は良く知れば怖い病気ではなくなること。

 また、喘息治療はピークフローメーターを記録するなど、各人の努力によって以下の3つの状態を順にステップアップできる病気であると思います。

発作のない生活 → 日常生活制限のない生活 → 薬物に依存しない生活

 これからの喘息治療の正しいあり方は、その病態およびステロイドを始めとした薬剤の効能と副作用を十分理解した上で、自分は上記のどの状態でいたいのかを自分自身で判断することだと思います。
 最初に述べましたように、この16人の方の寄稿集から少しでも多くの喘息克服のヒントをつかんでもらえればと願って止みません。また、この寄稿集を読んだ感想やさらなる体験談を随時募集しておりますので、是非下記までご郵送下さい。
 最後になりましたが、この度貴重な体験談をお寄せ下さった方々には心よりお礼を申し上げまして、編集後記とさせて頂きます。

平成9年4月18日

〒990―23
山形市飯田西2―2―2
山形大学医学部臨床検査医学
諏訪部章
E-mail: asuwabe@med.id.yamagata-u.ac.jp

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