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臨床検査医学・三浦 吉範 |
栄養管理はすべての疾患治療のうえで共通する基本的医療のひとつです。栄養管理をおろそかにすればいかなる治療も効果を発揮できません。この栄養管理を症例個々に応じて適切に実施することを栄養サポートといい、これを医師や看護師、薬剤師、栄養士、そして検査技師らがそれぞれの分野の専門的な知識と技術を生かしながら実施しる集団がNST(Nutrition
Support Team:栄養サポートチーム)です。本院でも2004年 11月よりNSTが稼働しております。臨床検査部からも、現在2名の技師がNSTのスタッフとして参加しております(検査部便り第6号に掲載)。 |
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分子量(DA) |
(mg/dl) |
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女 2.2〜5.3 |
【役割】レチノール(ビタミンA)の輸送 【過剰症】腎不全、過栄養性脂肪肝 【欠乏症】ビタミンA欠乏症、低蛋白栄養状態、肝疾患、炎症 |
(プレアルブミン) |
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女 22〜34 |
【役割】サイロキシンの輸送、 RBPと結合しRBPの腎からの漏出を防ぐ 【過剰症】甲状腺機能亢進症、ネフローゼ症候群 【欠乏症】低蛋白栄養状態、肝疾患、炎症、感染症、FAP I,2型 |
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女 200〜340 |
【役割】鉄の輸送 【過剰症】鉄欠乏性貧血 【欠乏症】低蛋白栄養状態、肝疾患、炎症、感染症 |
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(g/dl) |
【役割】血漿の膠質浸透圧維持、物質運搬機能、酸化還元緩衝機 能、生体へのアミノ酸供給 【過剰症】下痢、嘔吐、熱射病 【欠乏症】低蛋白血症、低アルブミン血症 |
RTPは体内で代謝亢進や炎症があると低くなるので、栄養障害による低下か蛋白異化による低下かを鑑別する必用があります。また、すべてのRTPは肝臓で合成されるため、肝機能障害でも低値になります。 本院の臨床検査部でも、NST対象患者についてRTPのうちトランスサイレチンの測定(免疫比朧法)を開始しており、栄養管理の面でより有用な情報の提供が行えるようになりました。検査部はNSTの中で、とくに栄養アセスメントにおいて重要な箇所を担っています。RTPのみならず日々の検査データにも注意を払い、データの変化をいち早く提供することでNSTおよび医療の向上に努めて行きたいと思っています。 |
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