岩手医科大学臨床検査医学講座

中央臨床検査部便り

第9号 〜



トピックス ◇

岩手医大人間ドック受診者における糖代謝異常の現状

臨床検査医学 小野 幹子 


 受診者の生活習慣病予防にお役に立ちたいと考え、現状を把握するために、生活習慣病に関連した血液検査データの解析をはじめました。

岩手医大人間ドック受診者はどんな方々?


受診者の年齢分布

 平成14年度のデータで見ると、
 1. 年齢は、全国の傾向と比べて年齢の高い受診者の割合が大きく(上図)、
 2. 職業は、男性では、事務職(55%)、専門的、管理的、
     女性では、専門的(40%)、事務職、の順に多く、
 3. 受診回数からは、多数回受診が多いこと、
などの特徴が捉えられました。

受診者の何%に糖代謝異常が認められるの?
 糖負荷試験を行い、空腹時血糖値と負荷後2時間値から判定をした結果です。



比較のために、山形県舟形町の住民検診のデータを載せました。
  医大人間ドック受診者では、
  1. 女性の糖尿病型はどの年度でも、受診者の5%以下と小さい割合を、
     男性では、10%(H14)から5%(H16)へと減少傾向を、示しました。
  2. 境界型と判定された受診者の割合は、男女ともH14が最も大きく、その後は減少傾向でした。
  3. H14のデータを舟形町データと比較すると、糖尿病型の割合は大きくないものの、境界型は男女ともより大きな割合で     あることが示されました。

境界型は、糖尿病発症のリスクが高いだけではなく、脳心血管系疾患発症のリスクも高いとされています。境界型判定を受けた受診者に対しては、このような情報(境界型の危険性)のフィードバックなどが必要ではないかと考えています。     

                                                 (内線 3249)



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