(1)喘息と診断されないのです。
【009】33歳女性(主婦)から
<質問>
私は33歳になる主婦ですが、去年の秋から喘息のような症状がひどくなりました。小さいときに喘息がありましたので、今、また喘息が出てきたのかなと思っていますが、病院に行くと「喘息ではありません」と診断されます。
症状は、咳が続くこと、夜中や明け方に呼吸が苦しくなって喉がヒューヒューいうこと、ひどいときは昼間に歩いただけで息切れがすることもある、ということです。
夜中の呼吸困難は、毎日ではありません。症状の出始めに2〜3日続いて、病院に行き出すと1週間に1回程度あるかないかぐらいで、1時間ぐらいすると落ち着いて再び寝ることができます。
そういう状態ですが、病院では「喘息ではありません」と言われます。
去年の秋は内科・循環器科で診て貰い、血液検査のアレルギー検査や肺活量などを調べる呼吸機能の検査をしてもらいましたが、アレルギーもなく、呼吸機能も特に異常は見られないとのことで、また聴診器による診察も喘鳴はありません。とのことで、喘息ではなく、風邪でしょうと言われました。
そのときは、それで納得して夜中の呼吸困難もなくなったので良しとしました。ただ咳は1ケ月ぐらいは続いてなかなか良くなりませんでした。
今年の5月にまた、同様の症状が出て、今度は呼吸器科も掲げている病院に行きましたが、呼吸が苦しいのは気管支が炎症を起こしているからでしょうと言われたもののやはり喘鳴がないので喘息ではありませんとのこと。細菌を調べる血液検査はされましたが、「血沈が少しありますが、大丈夫でしょう」と言われただけで、咳止めや去痰剤をもらって終わりました。この時も夜中の呼吸困難が続かなかったのですが、咳だけはなかなか良くなりませんでした。
今は9月の半ばくらいから症状が出て、少し鼻が詰まったりもしたので耳鼻咽喉科に行ってみましたらアレルギー性鼻炎と診断されましたが、やはり喘鳴は聞かれないので喘息までいっていないでしょうと言われました。気管支が敏感になっているところに風邪が入ってひどくなっているのでしょうとのこと。
それでも鼻炎や咳止め、去痰剤の他にテオロングも出して貰いました。3週間ほど飲みましたが、気管支の炎症が治まらないので数日前からテオロングは中止して抗生剤(バナン)を出されました。
気のせいか咳がひどくなったような、胸の圧迫感も少し感じるような気がします。夕べも夜中に咳が出て軽い息苦しさがあって、しばらく眠れませんでした。
どこの病院に行っても「喘息ではなく風邪」ぐらいに言われますが、季節の変わり目になると繰り返し同じ様な症状が出るので気になっています。
「喘息性気管支炎から喘息に。この2つはどう違うのですか? 」という質問のところを読みましたが、一度検査を受けてみるべきでしょうか? 気管支喘息の検査というのはどういう検査でしょうか?
去年の秋に内科で血液検査と呼吸機能の検査をされて異常なしと言われましたし、呼吸器科を掲げている病院では、特に喘鳴がないので喘息ではありませんと言われ、特に喘息の検査はされませんでしたし、今、どうしていいかわからない状態でいます。
呼吸器科を掲げている病院もあまり近くにないようですし、総合病院に行くしかないかなと思っていますが迷っています。
それから、そろそろ赤ちゃんを作りたいという希望もあるのです。でも、度々、症状が出て薬を飲んでいる現在、なかなか薬のことが気になるのでタイミングがなくて…。本当は去年の秋に喘息のような発作が出始めた頃に同時に妊娠していたのですが残念ながら流産してしまったのです。
もちろん原因はわかりませんが、妊娠を知らずに薬を飲んでいたこともあってのちのち気になって仕方ありませんでしたし、そうこうしていたら流産してしまったので、これからの妊娠に対しても不安があります。
長くなりましたが、本当に今、このままの治療でいいのかどうかと自分で不安です。
<応答>
>>私は33歳になる主婦ですが、去年の秋から喘息のような症状がひどくなりました。小さいときに喘息がありましたので、今、また喘息が出てきたのかなと思っていますが、病院に行くと「喘息ではありません」と診断されます。
症状は、咳が続くこと、夜中や明け方に呼吸が苦しくなって喉がヒューヒューいうこと、ひどいときは昼間に歩いただけで息切れがすることもある、ということです。
夜中の呼吸困難は、毎日ではありません。症状の出始めに2〜3日続いて、病院に行き出すと1週間に1回程度あるかないかぐらいで、1時間ぐらいすると落ち着いて再び寝ることができます。
そういう状態ですが、病院では「喘息ではありません」と言われます。
→小児喘息の既往があって、ヒューヒューという症状があり、しかもそれがいつか治まる(医学的には可逆性と言います)のであれば、それだけで喘息であると診断してもよいと思います。
>>去年の秋は内科.循環器科で診て貰い、血液検査のアレルギー検査や肺活量などを調べる呼吸機能の検査をしてもらいましたが、アレルギーもなく、呼吸機能も特に異常は見られないとのことで、また聴診器による診察も喘鳴はありません。とのことで、喘息ではなく、風邪でしょうと言われました。
→喘息の診断にとって一番重要なのは、発作性可逆性の呼吸困難という自覚症状があるという点です。血液やアレルギーの検査、呼吸機能検査はあくまでそれを裏付ける検査なのです。逆に、何の症状もないのに、検査で何か異常が見つかっても、喘息の気はあると言ってはいいかもしれませんが、喘息であると診断するする事はできません。しかし、あなたのように症状があっても、喘息の初期の場合は、非発作時には何も検査で異常がでないことは良くあります。残念ながら、この点は、喘息に精通した呼吸器専門医でなくては、なかなか理解してもらえないかもしれません。循環器科の先生では診断は難しいでしょう。
>>そのときは、それで納得して夜中の呼吸困難もなくなったので良しとしました。ただ咳は1ケ月ぐらいは続いてなかなか良くなりませんでした。
今年の5月にまた、同様の症状が出て、今度は呼吸器科も掲げている病院に行きましたが、呼吸が苦しいのは気管支が炎症を起こしているからでしょうと言われたもののやはり喘鳴がないので喘息ではありませんとのこと。細菌を調べる血液検査はされましたが、「血沈が少しありますが、大丈夫でしょう」と言われただけで、咳止めや去痰剤をもらって終わりました。この時も夜中の呼吸困難が続かなかったのですが、咳だけはなかなか良くなりませんでした。
→呼吸器科を標榜しているとは言え、その先生が喘息に精通しているか否かは難しい問題ですね。私のホームページでも専門医の問題は触れていますが、呼吸器の看板を掲げるのに法的規制は何もないのです。私は、内科学会と呼吸器関係の学会の認定医ですが、外科を標榜して開業しても罰せられません。その先生が本当に呼吸器科医だとしたら、“喘鳴がないので喘息ではありません”というのは、同じ医師としては悲しい診断ですね。
呼吸困難が治まっても、咳が続くのは、“咳異型喘息(cough variant asthma)”といって喘息の一種であると考えられます。咳だけでも立派に生活や睡眠が障害されますので、きちんと喘息として加療すべきであると思います。
>>今は9月の半ばくらいから症状が出て、少し鼻が詰まったりもしたので耳鼻咽喉科に行ってみましたらアレルギー性鼻炎と診断されましたが、やはり喘鳴は聞かれないので喘息までいっていないでしょうと言われました。気管支が敏感になっているところに風邪が入ってひどくなっているのでしょうとのこと。
それでも鼻炎や咳止め、去痰剤の他にテオロングも出して貰いました。3週間ほど飲みましたが、気管支の炎症が治まらないので数日前からテオロングは中止して抗生剤(バナン)を出されました。
→テオロングは代表的な気管支拡張剤です。3週間も服用して症状が取れないとすれば、やはり気管支の炎症がひどくなっていると考えられます。ここで言う炎症とは、実は抗生物質が効く細菌性の炎症ではなく、インタールやステロイドなどの抗炎症剤によって抑制される炎症のことを指します。ただし、細菌感染がその増悪因子であることがあるので、抗生物質を投与することはあります。
このホームページの他の方からの質問で喘息様気管支炎と喘息の違いについて取り上げていますが、あなたの場合は、喘息様気管支炎として治療されていると考えられます。それはそれで間違いではありませんが、通常は風邪などの原因が治まれば喘息様症状は治まります。あなたの場合は、喘息様気管支炎としては長すぎるような気がします。早目に、きちんと喘息として気管支炎症を抑えるような治療を導入すべきと考えられます。
>>気のせいか咳がひどくなったような、胸の圧迫感も少し感じるような気がします。夕べも夜中に咳が出て軽い息苦しさがあって、しばらく眠れませんでした。
どこの病院に行っても「喘息ではなく風邪」ぐらいに言われますが、季節の変わり目になると繰り返し同じ様な症状が出るので気になっています。
→困りましたね。早目に呼吸器専門科医のいる大きな病院を受診することをお勧めします。
>>「喘息性気管支炎から喘息に。この2つはどう違うのですか?」という質問のところを読みましたが、一度検査を受けてみるべきでしょうか?
気管支喘息の検査というのは、どういう検査でしょうか?
去年の秋に内科で血液検査と呼吸機能の検査をされて異常なしと言われましたし、呼吸器科を掲げている病院では、特に喘鳴がないので喘息ではありませんと言われ、特に喘息の検査はされませんでしたし、今、どうしていいかわからない状態でいます。
→呼吸機能検査を受けたのは昨年ですよね。今年は、血液検査だけですから、私の推測では、今呼吸機能検査を受けると気管支が炎症を起こして細くなっている異常所見がでるのではないかと思います。
喘息診断の難しさは、症状が発作的であるということです。もちろん喘息がある程度重症化・慢性化すれば、非発作時にも気管支が細くなる異常な値がでてきますが、あなたのように初期の場合は、夜あれほど苦しいのに昼は何ともなく、検査をしても異常がでないことはよくあります。これは、不整脈や狭心症などの心臓発作でも同じ様な問題があります。心臓に関しては、24時間心電図というのがあり、このようないつ起きるかわからない症状や異常所見を拾うことができ、診断上の有用な助けになります。しかし、喘息にはこのような診断方法はまだありません。
そこで、可能なら、ピークフローメーターを入手されては如何でしょうか? これに関しては、私のホームページでも随所に紹介しております。3,500円前後で購入できます。近くの調剤薬局かどこかへ行って、注文で取り寄せてみて下さい。これにはあなたの場合2つの意味があります。一つは、診断をつける意味です。つまり、毎日記録して、普段の平均値を知っておき、発作がでてきたときにどれだけ下がるかを記録しておくのです。そして、いずれ大きな病院を受診したときにそれを見せれば、その時発作がなくても喘息診断の有力な根拠になるからです。ただ、総合病院に初診するのにいきなりピークフローメーターの記録を持参しますと、担当先生にびっくりされるかもしれませんが…。もう一つは、後で触れます妊娠との関連です。喘息の患者さんが妊娠を安全に乗り切るにはピークフローメーターがとても頼りになるからです。症状を頼りに妊娠には薬剤が危険だと薬剤を減量するととても危険なことがあるからです。
>>呼吸器科を掲げている病院もあまり近くにないようですし、総合病院に行くしかないかなと思っていますが迷っています。
→是非総合病院に行くことをお勧めします。最初は通院など不便かもしれませんが、一度きちんと検査や診断を受けて治療方針が決まり、的確な治療によって病状が安定すれば、通院に不便という理由を担当の先生にきちんと述べれば、しかるべき近くの先生を紹介してくれるのではないかと思います。
>>それから、そろそろ赤ちゃんを作りたいという希望もあるのです。でも、度々、症状が出て薬を飲んでいる現在、なかなか薬のことが気になるのでタイミングがなくて…。本当は去年の秋に喘息のような発作が出始めた頃に同時に妊娠していたのですが残念ながら流産してしまったのです。
もちろん原因はわかりませんが、妊娠を知らずに薬を飲んでいたこともあってのちのち気になって仕方ありませんでしたし、そうこうしていたら流産してしまったので、これからの妊娠に対しても不安があります。
→せっかくできた赤ちゃんなのに本当に残念でしたね。
妊娠に関しても私のホームページで紹介しています。今後も妊娠希望のようですから、今の症状の軽いうちからきちんと喘息をコントロールしておくべきであると思います。あなたの場合コントロールしたくてもいい医師に巡り会えないという不運があるのですが、良い医師に巡り会えば、きっと安全に妊娠はうまく行くことでしょう。
妊娠の場合、内服薬はやはり全身に行き渡りますので、肺局所にしか作用しない吸入ステロイドのみで維持できれば最も良いと思います。また、それが世界的な流れになっています。
以上が私からのアドバイスです。早く良い医師に巡り会い、喘息を早目にコントロールし、元気な赤ちゃんを生んで下さい。
また、足りない点があればいつでもメールを下さい。
【009】33歳女性(主婦)から
<追加メール1>
先日は詳しいメールを頂いてありがとうございました。
今日やっと喘息として治療していただける病院がみつかりました。
個人医院ではありますが、問診も丁寧に色々聞いてくださり、簡単な血液検査と肺気量検査とレントゲンも撮ってもらい「間違いなく喘息でしょう」ということで、「きちんと喘息の治療をしましょう」と言っていただきました。
喘鳴も普通に聞いたらわからないそうですが、大きく息を吸って勢いよく吐くと、かすかに聞こえるそうです。
喘息日誌やパンフレットも頂いて、さっそくベコタイドの吸入も開始します。病院で実際に看護婦さんから吸入の仕方も指導して貰いましたが、「もう少し早くてもいいですよ」とか「いや…もう少しゆっくりね」とかけっこう慣れるまで難しそうですね。
で、次回にもう一度、吸入の仕方を見て貰うことになってます。
ベコタイドもこのホームページから情報を頂いていたので治療する上での抵抗もありませんし、とにかく喘息としてきちんとした治療を受けられるという安心感が持てたので、今までの「本当に喘息じゃないの? 今の治療で良いの?」という疑問から解放されてほっとしています。
ということで、ご報告でした(笑)。
治療は始まったばかりで、まだまだこれからですけど根気よく頑張ります。
それでは、また。
<追加応答1>
メールいただきました。
よかったですね。吸入指導をしてくれる個人医院なんてめったにあるものではないですよ。ラッキーでしたね。
うまく吸えば効果が1週間以内に出ると思います。もし、でなければ、私のホームページの「特集・吸入療法」を参考にして下さい。新しく作りましたので。
では。
※どこの病院へ行っても、喘息と診断されない場合は、この方のように、聴診器を当てられたとき、是非荒い大きな呼吸を何度か繰り返してみるのもひとつの方法です。何回もやると苦しくなりますが、この方のようにかすかに喘息の音(気管支が痙攣を起こして細くなっている音)が聞こえることがあります。ただこれは喘息様気管支炎も同じことが起きるので、これで喘息の診断がつくわけではありませんが、医師にアピールする上では重要です。
【009】33歳女性(主婦)から
<追加質問2>
こんにちは。
ベコタイドを吸い出してから1週間になります。
あれほど止まらなかった咳が吸入しはじめて4日ほどで止まりました。もちろん夜中に咳で起きたり呼吸困難になったりすることもありません。
病院の先生からも「すぐに良くなると思いますけど、勝手に吸入をやめないでください」と初診の時に念を押されましたけど、本当に元気になったと思ってしまうほど自覚症状がなくなりました。
最初のメールで私は小児喘息があって去年の秋に再発したと書きましたが、いろいろ思い起こせば、病院に行こうと思うほどの発作が出なかっただけで一応、小児喘息が治ったとされてからも夜、少し苦しいかな? と思うことは1年に一度あるかないか、という感じでしたし、秋口になると、なんとなくおかしくなることが多かったです。学校の授業で長距離を走ったりすると「喘息の発作みたいだなぁ」と感じるような息苦しさだったり、成人してからでも坂道で他の人のペースで歩くと息が切れたり、とりわけ5年くらい前からは、咳だけが続くようなことが春や秋にあったり、そんなとき自分でも「どうも気管支が変な感じがするなぁ」と思っていました。
そして、去年の秋に発作が出て、そのときは風邪と言うことでしか治療しなかったのですが、以来、症状がなくなってからも気管支が変だなぁと時々思ったのですムズムズするというか、ある一点がガサガサしているような感じがして、かえって変な病気ではないか? という不安も持っていましたただ、ずっとそういう違和感があるわけではなく、たまに感じるだけでしたので普段は忘れていましたが…。
今年の秋に耳鼻咽喉科でファイバーで気管支を診て貰ったところ「気管支が赤いですね」と言われましたので、やっぱりあの違和感は気管支の炎症のせいかな? と自分では思っていました。
ちょうど、そう思っていたときに喘息のこのホームページを見ましたので非常に納得して、炎症を抑えていかなければ喘息は良くならない、そのためには吸入ステロイド治療をしてもらえる病院を探さなければと強く思ったのです。
吸入ステロイドに対してはホームページの説明を読んで不安はありませんでした。多分、読まれてもすんなり受け入れられない人もいると思いますが、私はごく普通に喘息治療に処方されている気管支拡張剤(テオドールやテオロング)を服用して2〜3日すると気分が悪くなるのです。今も飲むように言われていますが、病院の先生の指示で半分に割って半分だけ飲んでいます。
こんなに普通に処方されている薬で副作用が出ますので、普通に処方されていても薬の血中濃度を一定にして全身に回るような薬の方が、かえって怖いと感じます。
「特集・小児喘息」のコーナーを読ませていただきましたが、「ステロイド」と名の付くものを処方するのは抵抗がある小児科の先生も多いようですね。
他のホームページで、「決して安易なステロイドの治療によってステロイド依存者を作ることがあってはいけません」と書かれていたところもありました。そこでは「気管支拡張剤や抗アレルギー剤を併用しても喘息のコントロールができない人では副作用が少ない吸入ステロイドを使う」とありましたので、どちらかというと消極的な印象を持ちました。
確かに成長過程の子供に対してホルモンに影響するステロイドを使うのは抵抗があるのはわかります。でも素人の無責任さから言わせてもらうと、気管支拡張剤でも副作用が出る私のような人間がいるのに、気管支拡張剤は抵抗なく簡単に処方して、副作用が少ないとわかっている吸入ステロイドに消極的なのは何故でしょうか。
もちろん副作用の程度や内容が違うのでしょうが、薬を使う患者の側にしてみればどんな副作用でも副作用は副作用、不安なものには何ら違いはありません。
小児科の先生は子供の将来まで本当に副作用がないといえるかどうかを疑問に思っていらっしゃるということでしょうか? もうひとつ素人の疑問ですが、吸入ステロイドの将来への副作用が疑問だとして、では気管支拡張剤や抗アレルギー剤などは、全く将来への影響はないものだと言い切れるのでしょうか?
素人のくせに生意気なことを書きましたが、知人のお子さんで喘息だというお子さんが2人いらっしゃるのですが、一人は吸入ステロイドを吸っているお子さんで、もう一人の方はどうも話を聞くとまだ発作が出たときだけ病院で吸入をして貰っている程度の治療しか受けていらっしゃらないようです。
私自身も小児喘息でしたが、喘息の専門医師に診て貰ったことはありませんでしたし、そんなにひどくなかったということもあって、発作が出たときだけ吸入してもらった程度の治療でした。今思えばそれでは不十分だったのだと思います。でも夜中に発作が出て、泣きながら苦しいと訴えていた自分や眠たいだろうに発作が治まるまで自分の体を起こして私をすがらせていてくれた母親の姿を思い出すと今でも大変だったなぁとしみじみ思います。
ですから喘息の治療について大変関心を持っています。
<追加応答2>
メールありがとうございました。1週間以内に効果が出たそうで、これはまさしく適切に吸入している証しだと思いました。是非このまま続けて下さいね。
あなたに限って言えば、喘息を良くしてからが本当の戦いかもしれませんね。無事に元気な赤ちゃんを生むまでは気が抜けません。もちろんその後もですが…。
小児喘息に関する貴重なご意見ありがとうございます。小児喘息を経験された方の意見は何より説得力があります。発作のない時でも人並みに運動できない様子、お母さんに抱っこされて苦しさに耐えた様子、大変興味深く拝見させていただきました。
私は、もっと吸入ステロイドが広まってくれたらと願っておりますが、こればかりは押しつけるものではありませんので、少しづつ受け入れられるようになってくれたらいいなと、常々考えております。ただ、その恩恵が受けられず、喘息死に至っている子供達のことを思いますと、あまりそう悠長に構えていてはいけないかなと、お尻を叩かれる思いです。
また、時々、近況ならびにご意見をお聞かせ下さい。
お大事に。
【009】33歳女性(主婦)から
<追加メール3>
●近況報告:
12月が近くなりましたが、今年はまだ比較的暖かいようです。でも、先週ちょっと冷え込んだと思ったら不覚にもすぐに風邪をひいてしまいました。
喘息の発作は出ませんでしたが、病院での聴診器の診察で「少し音が悪くなってます」と言われました。鼻がよく出るし痰も少し黄色い痰が出るようになって、やれやれといった感じです。
その症状もほとんど良くなってきましたが、どうも風邪を引きやすくなっているような気がします。
去年も秋に喘息の発作が出て、症状が治まってしばらくして年末にインフルエンザで39度の熱を出しました。しかも3月の初めに二度目のインフルエンザでまたもや高熱で1週間ほど寝込みました。こんなこと初めてです。
ただ、子供の時からそうでしたが、冬にはいくら風邪を引いても自覚できる喘息の発作は出ません。
●検査結果について:
先週、血液検査でアレルギー検査をしてもらいました。
カモガヤ、ブタクサ、スギに関しては測定値=0、UA=0.34以下。
ヤケヒョウダニが測定値=4、UA=26.80。
非特異IgE=134.9。
カビ・マルチが測定値=0、UA=0.34以下。
という結果でした。
また、初診の時の血液検査では、貧血なし、白血球の数正常、好酸球が8%。
(耳鼻咽喉科で今年の秋に鼻水の検査をしたときは「好酸球+2」という結果を頂きました。鼻水からの検査と血液検査による好酸球は、何か違いがあるのでしょうか? 喘息のような発作があると訴えても鼻水からの好酸球だから単にアレルギー性鼻炎だけの診断しかされなかったのかしら? とちょっと疑問に思っています。喘息の診断をするには、血液による好酸球を調べないと判断の対象にならないものなのですか? )
肺気量検査は77%。
(去年、内科・循環器科で検査したときにもおそらくこの程度だったのでは? と思います。「少し低いですけど、正常範囲内ですし風邪をひいていれば、このくらいの数値になることもありますから」とお医者さんに言われたのを思い出しました。)
●服用している薬:
◎11月4日〜11月18日
テオドール
アイピーディーカプセルTC441
ベラチン
◎11月18日〜11月26日
テオドール
アイピーディーカプセルTC441
風邪薬(総合感冒約) 3日間
抗生剤 3日間
◎11月26日〜現在
テオドール
アイピーディーカプセルTC441
ムコダイン
→風邪を引いてから黄色い痰が出るようになったと言ったので出されました。
もちろん吸入ステロイドは、ずっと吸っています。
11月18日までは、6吸入を一日2回、現在は4吸入を一日2回です。
内服のテオドールなどは、耳鼻科のときから飲んでいますのでかれこれ2ケ月になります。やはり薬を内服しているうちは妊娠は控えた方がベターなのでしょうね? 内服薬がなくなってからは、どのくらいたてば妊娠OKになるのでしょうか?
ピークフローメーターは、今のところ主治医からは指示がありませんが、しばらく様子を見て、このまま指示がなくてもそのうち自分で購入して測定してみるつもりです。
いつも思いつくままのメールですみません。
どうでもよい内容も多いと思いますが、とりあえず感じたこと自分の病状で分かることは詳しく書いておきたいと思います。それによって同じ喘息の方の少しでも参考になることが有れば幸いですし、また私にもアドバイスしていただけることがあれば嬉しく思います。
ちなみに現在、夫に私の風邪が移ったようで鼻水を垂らしています(笑)。
それでは、また。
<追加応答3>
メールありがとうございます。
>>先週ちょっと冷え込んだと思ったら不覚にもすぐに風邪をひいてしまいました。喘息の発作は出ませんでしたが、病院での聴診器の診察で「少し音が悪くなってます」と言われました。鼻がよく出るし痰も少し黄色い痰が出るようになって、やれやれといった感じです。その症状もほとんど良くなってきましたが、どうも風邪を引きやすくなっているような気がします。
→風邪を引いても発作にいたらないのは良い兆候だと思いますが、風邪を引きやすいのはまだ気道炎症が残っている証しです。また一般的に痰が黄色くなるのは、細菌感染と考えられがちですが、喘息自体の悪化でも痰が黄色くなります。痰を検査(好酸球が多いか? など)すればどちらが原因か分かりますが、通常は両方が原因と考えて、抗生物質投与や吸入ステロイド増加を行います。どちらにしても痰が多くなると吸入ステロイドの効果が悪くなりますので、早めに出なくした方がいいと思います。
>>カモガヤ、ブタクサ、スギに関しては測定値=0、UA=0.34以下。
ヤケヒョウダニが測定値=4、UA=26.80。
非特異IgE=134.9。
カビ・マルチが測定値=0、UA=0.34以下。
また、初診の時の血液検査では、貧血なし、白血球の数正常、好酸球が8%。
→正常値範囲が施設によって多少異なりますが、IgEと好酸球がやや高めです。でも、思ったよりはアレルギー関係はひどい値ではありませんね。感染型あるいはアレルギーとの混合型とのようですね。
>>(耳鼻咽喉科で今年の秋に鼻水の検査をしたときは「好酸球+2」という結果を頂きました。鼻水からの検査と血液検査による好酸球は、何か違いがあるのでしょうか? 喘息のような発作があると訴えても鼻水からの好酸球だから単にアレルギー性鼻炎だけの診断しかされなかったのかしら? とちょっと疑問に思っています。喘息の診断をするには、血液による好酸球を調べないと判断の対象にならないものなのですか? )
→単に鼻炎で耳鼻科へ通院されたので鼻水の検査をされただけと思います。喘息専門施設へ行けば痰の好酸球なども調べられたでしょう。
何のアレルギー症状のない方でも、血液の好酸球が多い方は結構いるものです。しかし、それだけでは「あなたはアレルギーの気がある」とは言えても「あなたはアレルギーだ」とは言えません。従って、鼻水とかゼイゼイとか何かしら症状があって、その中に好酸球が混じって入れば、アレルギー性鼻炎とか気管支喘息とかの診断根拠になります。このような方の場合多くは血液中の好酸球は高い方が多いようです。
何か抗原に長期的に暴露されると、骨髄が刺激されて、アレルギー反応の主役である好酸球が多く作られ、全身をパトロールするようになる。そして、皮膚、結膜、鼻、気管支などに多量に抗原が暴露されるようになると、なだれ込むようにそれぞれの場所に好酸球が出現し、アレルギー反応が起こるのかもしれません。
ただ、このホームページで強調していることですが、アレルギーがあるからと抗原を除去するのはもちろん大切ですが、それだけではなかなか気道炎症は取ることがでないものです。吸入ステロイドでいったん炎症を鎮めること、また、無理をしない、風邪を引かないようにする、などの生活上の注意が必要です。
>>肺気量検査は77%。
(去年、内科・循環器科で検査したときにもおそらくこの程度だったのでは? と思います。「少し低いですけど、正常範囲内ですし風邪をひいていれば、このくらいの数値になることもありますから」とお医者さんに言われたのを思い出しました。)
→これは肺活量(80%以上正常)でしょうか? それとも1秒率(70%以上正常)でしょうか? 喘息の気道炎症で気管支が細くなっている指標となるのは1秒率です。正常範囲と言われたようですから1秒率かもしれませんね。だとしますと確かに正常範囲ですがやはり低めであると思います。通常は、この後ベロテックなどの気管支拡張剤を吸ってもう一度検査をします。そしてこの値が、例えば85%程度まで改善するとしたら、これはまだ気道に炎症が残っているという証になります。ピークフローメーターでもほぼ同じようなことが言えます。
>>内服薬:
◎11月18日〜11月26日
テオドール
アイピーディーカプセルTC441
風邪薬(総合感冒約) 3日間
抗生剤 3日間
◎11月26日〜現在
テオドール
アイピーディーカプセルTC441
ムコダイン
→アイピーディーはIgEの産生を抑制する抗アレルギー剤の一種です。症状に応じて薬を変更してくれるようですから、とても良い先生であることがうかがえます。
>>もちろん吸入ステロイドは、ずっと吸っています。
11月18日までは、6吸入を一日2回、現在は4吸入を一日2回です。
→吸入ステロイドはよく痰を切ってから行って下さいね。もしこの量を維持しているにもかかわらず、ゼイゼイしたり咳がひどくなったり症状が起きてくるようであれば、それは薬が効かなくなったのではなく、薬が気管支粘膜に到達しなくなっているのだと判断して下さい。痰をよく切る、吸入方法をチェックするなど色々試みて下さい(→「特集・吸入療法」参照)。
>>内服のテオドールなどは、耳鼻科のときから飲んでいますのでかれこれ2ケ月になります。やはり薬を内服しているうちは妊娠は控えた方がベターなのでしょうね? 内服薬がなくなってからは、どのくらいたてば妊娠OKになるのでしょうか?
→なぜ薬剤を毎日飲むかというと、尿や肝臓などから体外へ放出されてなくなるからです。このような薬は、腎臓や肝臓の悪い方でなければ、基本的に体の中に蓄積することはありません。体の中に蓄積するような薬剤を毎日飲み続けたら大量の薬剤が体の中に溜まって大変なことになります。従って、薬にもよりますが、中止して1週間もすればほとんど体内から薬はなくなるものです。
テオドールは古い薬剤ですから、妊娠に関しては危険の少ない薬剤と言われています。アイピーディーは発売されて日が浅い薬剤ですから、妊娠想定時期には服用しない方がいいと思います。動物実験では奇形を誘発する可能性は低いと思いますが、動物と人間では状況が違いますから、時間をかけて様子を見るしか人間に関してはどうかを判断する材料はありません。
吸入ステロイドは、気管支局所にしか作用しないですから、妊娠にはもってこいの薬剤でしょう。
>>ピークフローメーターは、今のところ主治医からは指示がありませんが、しばらく様子を見て、このまま指示がなくてもそのうち自分で購入して測定してみるつもりです。
→ピークフローメーターは主治医の指示がなくても始めて構わないと思いますよ。血圧計も一般家庭に出回っていますし…。
ちなみに現在、夫に私の風邪が移ったようで鼻水を垂らしています(笑)。
→ご主人の風邪よくなると良いですね。
では。
【009】33歳女性(主婦)から
<追加メール4>
年末が近づいてきて気分も慌ただしくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
その後の近況です。
12月3日よりベコタイドの吸入が、朝1回につき2吸入。夜1回につき2吸入になりました。(現在まで同様の吸入を続けています)
内服薬のほうは12月11日よりテオドール(朝・夜、各1錠)からユニフィル錠200mg(夜1錠)に変わりました。
(主治医の先生が、「少し弱い薬に変えますので」と言われたので薬の本を開いてみましたが、テオドールもユニフィルも同じテオフィリンの欄に書いてありました。他にも各社から色々な名前で同様の薬が出ているようですが、やはり多少、作用の違いがあるのですか? )
12月17日より気管支拡張剤がなくなりアイピーディーカプセルを一日3回1カプセルづつのみになりました。
少しずつ薬が減っていくと嬉しいですね。
ただ、発作はなかったものの今月も11日の夜から38度の熱が出て寝込んでしまいました。熱があった以外は、咳も痰もなく特別に風邪薬も飲まずに翌日一日寝ているだけで良くなりましたけど、あまりにもすぐに熱が出るので自分であきれてしまいます。
年末年始にバテないように気をつけなければ…。
それでは、またメールします。
<追加応答4>
メールありがとうございます。調子が良いようで何よりですね。
ご主人の風邪は治りましたか?
>>年末が近づいてきて気分も慌ただしくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
忘年会の連チャンで、肝臓がパンクしそうです。(←なぜか嬉しそう…)
>>12月3日よりベコタイドの吸入が、朝1回につき2吸入。夜1回につき2吸入になりました。(現在まで同様の吸入を続けています)
吸入回数も順調に減っているようですね。
>>内服薬のほうは、12月11日より、テオドール(朝 夜 各1錠)からユニフィル錠200mg(夜1錠)に変わりました。(主治医の先生が、「少し弱い薬に変えますので」と言われたので薬の本を開いてみましたが、テオドールもユニフィルも同じテオフィリンの欄に書いてありました。他にも各社から色々な名前で同様の薬が出ているようですが、やはり多少、作用の違いがあるのですか?)
ユニフィルは、気管支拡張剤であるテオフィリン製剤でテオドールと同じですが、薬剤の放出がゆっくりとしていて、作用時間が長いのが特徴です。特に、喘息は早朝に発作が起きることが多いので、寝る前に飲むと、早朝に最も血中濃度が高くなり効果が出るように作られた薬剤です。
>>12月17日より気管支拡張剤がなくなりアイピーディーカプセルを一日3回1カプセルづつのみになりました。
発作が治まってきたら、気管支拡張剤は不要になり、予防薬などが中心になります。アイピーディーカプセルも喘息予防薬に分類されます。
>>少しずつ薬が減っていくと嬉しいですね。
その通りですね。ましてや、妊娠想定時期までには、経口剤は減らさねばなりません。私としましては、吸入ステロイドのみでコントロールできれば最も良いと思いますが、これは主治医の先生によって意見が分かれるかもしれません。ただ、はっきり妊娠する予定であることを伝えて、主治医に薬剤減量計画を立ててもらえればいいですね。
>>ただ、発作はなかったものの今月も11日の夜から38度の熱が出て寝込んでしまいました。熱があった以外は、咳も痰もなく特別に風邪薬も飲まずに翌日一日寝ているだけで良くなりましたけど、あまりにもすぐに熱が出るので自分であきれてしまいます。
私も2、3日寝込みました。今年の風邪は胃腸に来るようですね。
ただ、やはり、風邪から発作のような症状が出ないのは、喘息の状態が良くなっていることの証しで非常に良い兆候だと思います。
>>年末年始にバテないように気をつけなければ…。
夜更かしや気の緩み、人混みの中でもらってくる風邪など気をつけなければなりませんね。自分も…。
>>それでは、またメールします。
お待ちしております。