(1)彼女の喘息について。
【013】喘息の28歳女性を彼女に持つ男性から
<質問>
はじめまして。
知人の病気について調べていて、先生のページを見つけました。私自身は喘息ではないのですが、とても興味深く拝見しました。
実は最近になるまで私は喘息という病気がどのようなものか全く興味も知識もなく、大気汚染のひどい地域にある風土病のようなものだろうといった認識しかありませんでした。身近に患者のいない人の認識は誰でもその程度のものだと思います。何年か前に知人(私のガールフレンドです)の喘息の発作のとき居合わせたのが、私にとってはこの病気との初めての出会いになりました。彼女は自分の病気を私には知らせたく無かったようですが、その時は「気管支炎」だと言っておりました。私も知識がなかったのでそれで納得したのですが、背中をかがめて肩で息をするたびにヒューヒューという音がして話すことも困難な様子を見れば、病名は何であれ下手をすれば命にかかわるだろうという想像はつきました。
それ以降も私の知っている範囲で毎年何度か発作があるようなのでインターネットで呼吸器の病気について調べてみたところ、やはり彼女の病気は気管支炎というよりはむしろ喘息だと思いましたので、先生のホームページなどをコピーして渡し、読むように勧めました。その後、彼女は子供のころたびたび発作があったこと、発作のないときも病院に通って注射を受けていたこと、その後いつからか発作が減り最近は小康状態であったことなどを話してくれました。子供のころからの病気なので本人も病名についてはよく知らず、「気管支喘息と診断されたことがあったかもしれない」と記憶はあいまいです。
彼女は現在病院に通っておらず、発作の際は市販の薬を飲んでただ耐えるということを繰り返しています。特に秋から春にかけて、風邪のはやる頃に何度か発作があり、一度発作が始まると一週間くらい睡眠も食事も満足にとれないようになります。早く病院に行ったほうが良いのではないかと勧めても病院ではただ吸入させるだけで病気を治してはくれないと言います。苦しさを和らげるだけでも十分価値があるのでは、と私には思えるのですが、病院にはできるだけ行きたくないというのが彼女の考えなのです。
去年はカゼをひくのと一緒に発作をおこしていつまでも呼吸困難が続いたのでついに夜間診療で吸入をしたそうですが、夜勤の先生に診察を受けるよう言われて翌日病院に行ったところ待合室ではかなりひどかった発作が診察の時には治ってしまい、通院の指示も無かったそうです。結局そこまでで、喘息なら喘息と診断をつけてくれる医者を探す努力(変な言い方ですが)をしないのは、彼女は自分が治療の必要な病気なのだと認めたくない気持がまだどこかにあったのかもしれません。長くつきあった病気に対して、発作が怖いというよりも我慢すればなんとかなるという考えもあるのかもしれません。まだアゴがあがったりチアノーゼが出るような大きな発作を経験したことはないと言いますが、そのようなことになってからでは遅いので私としては心配しています。
今年も残業が続いた後で「打ち上げ」につきあってから発作を起こしました。現在、市販の薬は毎日のように飲んでいるそうですが、スプレー式の吸入薬は(売っていないので)使ったことがないそうです。発作のない時でも、階段や駅のホーム、道路を横断する時などに急がせると息が切れるのが見ていてわかるのですが、不自由は感じていないと本人は言います。「急がない」というのが性格の一部になってしまっているのか…。それ自体はむしろ安全のために良い習慣ですが…。実際に、発作のない時には普通に生活できますし、今のところ、病気の本人が行きたくないという病院に行くよう説得するのはなかなか難しいといった状況なのです。(前回は行っても役にたたなかったわけですが)
ただ、彼女も喘息のホームページを見て初めて自分の病気についてくわしく知ったそうで、急ぐと息が切れるのも「体力がない」のではなく、発作がない時にも喘息は続いていること、発作をくりかえせば病気は重くなるばかりだということは納得してくれたようです。そこでとにかく一度ピークフローを測ってみるように勧めたのですが、先日本人が自分でアセスを入手し、測ってみることができました。それによると発作のない時で240という値だったのですが、これは28歳160cmの女性としてはかなり少ないようなので、彼女も自覚症状がなくても自分の身体に問題があることははっきりと感じたようです。
彼女の現在の考えは、しばらくピークフローを測ってみること、そしてもし発作の兆候が自分でわるようになれば市販の薬を予防的に(用法の範囲内で普段より多めに)飲むことで発作を避けられるのではないかというものなのですが、これについて先生のご意見をお聞かせいただけないでしょうか。私には、どうも彼女の現在の250付近(少し調子が悪いという自覚症状のある時には200を切り、ベストでも300程度)という値が少し低すぎるのではないか、はたして市販の薬で発作が避けられるだろうかという疑問がありますし、その程度の値で満足して生活していること自体が危険であるとか、将来病気の重症化を招くということはないのか、という点も気になります。さらにピークフローの値を専門家のアドバイス無しに利用することにも不安があります。
人生相談のようなメールになってしまい、申し訳ありません。お忙しいところたいへん恐縮ですが、お返事がいただけたら彼女に見せたいと思っております。よろしくおねがいいたします。
<応答>
はじめまして。
この度のメールを拝見させていただいて、喘息の彼女のことを心からご心配されている様子がよく伝わってきまして、心温まるものを感じました。よく、結婚されてから喘息を発症した女性の方から、「この苦しさは主人も分かってくれない」と言って相談されることがあります。喘息を患う者にとって、周囲の人間の冷たい視線ほど治療上の障害になるものがないと考えられる昨今、あなたのメールはまさに仏のような内容でした。
結論から申し上げまして、彼女は必ず吸入ステロイドで見違える程良くなると思います。そして、必ずやホームページその他で色々勉強されたあなたに感謝するようになると確信いたします。
以下、いくつかのコメントをさせて下さい。
>>実は最近になるまで私は喘息という病気がどのようなものか全く興味も知識もなく、大気汚染のひどい地域にある風土病のようなものだろうといった認識しかありませんでした。身近に患者のいない人の認識は誰でもその程度のものだと思います。何年か前に知人(私のガールフレンドです)の喘息の発作のとき居合わせたのが、私にとってはこの病気との初めての出会いになりました。彼女は自分の病気を私には知らせたく無かったようですが、その時は「気管支炎」だと言っておりました。私も知識がなかったのでそれで納得したのですが、背中をかがめて肩で息をするたびにヒューヒューという音がして話すことも困難な様子を見れば、病名は何であれ下手をすれば命にかかわるだろうという想像はつきました。
→次の内容を読みますと、彼女はこれまではっきりと喘息と診断されたことがないようなので、そのような症状があることをあえて言わなかったようですが、喘息であることを隠していたという感じではないですね。まったくひどい話ですが、喘息と診断されると、進学や就職、ひいては結婚などに著しく不利になることがしばしばあるために、喘息であることを隠している方が結構多いのです。喘息治療に光明がなかった何年か前まではある程度仕方のなかったことなのかもしれません。しかし、最近は、これはとんでもない社会的偏見であると思います。喘息の方はきちんと治療すれば、健康人以上の能力を発揮するというのが私の考えです。私は、周囲に喘息の人間がいたら、一目置くことにしています。(なんて自分も少し喘息がありますが…笑い)ですから、彼女が喘息であることは誇りに思って下さい。
>>それ以降も私の知っている範囲で毎年何度か発作があるようなのでインターネットで呼吸器の病気について調べてみたところ、やはり彼女の病気は気管支炎というよりはむしろ喘息だと思いましたので、先生のホームページなどをコピーして渡し、読むように勧めました。その後、彼女は子供のころたびたび発作があったこと、発作のないときも病院に通って注射を受けていたこと、その後いつからか発作が減り最近は小康状態であったことなどを話してくれました。子供のころからの病気なので本人も病名についてはよく知らず、「気管支喘息と診断されたことがあったかもしれない」と記憶はあいまいです。
→はっきりと喘息とは診断されなかったようですが、病状についてはようやく打ち明けてくれたのですね。しかし、彼女は明らかな喘息であると思います。ただ、小児喘息の場合、思春期になると治ってしまったり小康状態になったりするので、よく喘息は治ったと思い込んでしまう方が多いようです。しかし、それが風邪などを契機に再燃して真の成人喘息に進展してしまうことがよくあります。
>>彼女は現在病院に通っておらず、発作の際は市販の薬を飲んでただ耐えるということを繰り返しています。特に秋から春にかけて、風邪のはやる頃に何度か発作があり、一度発作が始まると一週間くらい睡眠も食事も満足にとれないようになります。早く病院に行ったほうが良いのではないかと勧めても病院ではただ吸入させるだけで病気を治してはくれないと言います。苦しさを和らげるだけでも十分価値があるのでは、と私には思えるのですが、病院にはできるだけ行きたくないというのが彼女の考えなのです。
→市販の薬には気管支拡張作用を有する薬剤は売っていても気道炎症を取ってくれる吸入ステロイドなどの抗炎症剤は売っていません。一刻も早く呼吸器科のある専門病院あるいは非専門でも吸入ステロイドを勧めてくれる開業の先生を受診するべきです。一刻も早くという意味は、命が危ないという意味ではなく、一刻も早くこんなに良くなるのだと実感して欲しいからです。彼女は、単に病院が嫌いなのではなさそうですね。「どうせ病院へ行っても発作を取るだけで、また発作が起きるし、もうこれ以上良くならないのだ」とあきらめているのではないでしょうか?だとすれば、これまで専門的な喘息治療を受けたことがないという意味で非常にもったいないと思います。
>>去年はカゼをひくのと一緒に発作をおこしていつまでも呼吸困難が続いたのでついに夜間診療で吸入をしたそうですが、夜勤の先生に診察を受けるよう言われて翌日病院に行ったところ待合室ではかなりひどかった発作が診察の時には直ってしまい、通院の指示も無かったそうです。結局そこまでで、喘息なら喘息と診断をつけてくれる医者を探す努力(変な言い方ですが)をしないのは、彼女は自分が治療の必要な病気なのだと認めたくない気持がまだどこかにあったのかもしれません。長くつきあった病気に対して、発作が怖いというよりも我慢すればなんとかなるという考えもあるのかもしれません。まだアゴがあがったりチアノーゼが出るような大きな発作を経験したことはないと言いますが、そのようなことになってからでは遅いので私としては心配しています。
→発作の既往があったのに翌日発作が治まったからとの理由で喘息の治療必要なしと診断されるとすれば、その医師は喘息の最近の概念を理解していないと判断してかまわないと思います。喘息治療は発作のない時こそ行うべきなのです。
いくつか候補の病院を選び、あらかじめ電話して「喘息治療に吸入ステロイドがあるという話を聞いたのですが、そちらでは使っていますか?」と聞いてみては如何ですか?「何ですか、それは?」などとの返事が来たら、少なくともそこはやめた方がいいでしょう。
また、大きな発作が起きてからでは手遅れ(時に喘息死まで)になることがあります。まさに今が治療のタイミングであると思います。
>>今年も残業が続いた後で「打ち上げ」につきあってから発作を起こしました。現在、市販の薬は毎日のように飲んでいるそうですが、スプレー式の吸入薬は(売っていないので)使ったことがないそうです。発作のない時でも、階段や駅のホーム、道路を横断する時などに急がせると息が切れるのが見ていてわかるのですが、不自由は感じていないと本人は言います。「急がない」というのが性格の一部になってしまっているのか…。それ自体はむしろ安全のために良い習慣ですが… 実際に、発作のない時には普通に生活できますし、今のところ、病気の本人が行きたくないという病院に行くよう説得するのはなかなか難しいといった状況なのです。(前回は行っても役にたたなかったわけですが)
→小さい頃からこの様な症状に慣れさせられているため、自分がどれだけ良くなれるかがわからないし、また良くなる自信もないのだと思います。私の診ている患者さんでも、点滴などで発作から解放されると、「何ともない」と言う方がたくさんいます。しかしそのような方でも、まだ不完全に気道の炎症が残っていると、大人しくしているうちは何ともないのですが、体を動かしたりすると咳が出たり息切れがしたりします。しかし、吸入ステロイドはこの様な症状を取ってくれ、しかも発作からほど遠い状態に導いてくれます。恐らく吸入ステロイドを使えば人生が変わるほど良くなると確信します。
>>ただ、彼女も喘息のホームページを見て初めて自分の病気についてくわしく知ったそうで、急ぐと息が切れるのも「体力がない」のではなく、発作がない時にも喘息は続いていること、発作をくりかえせば病気は重くなるばかりだということは納得してくれたようです。そこでとにかく一度ピークフローを測ってみるように勧めたのですが、先日本人が自分でアセスを入手し、測ってみることができました。それによると発作のない時で240という値だったのですが、これは28歳160cmの女性としてはかなり少ないようなので、彼女も自覚症状がなくても自分の身体に問題があることは、はっきりと感じたようです。
→これは、私にとっては非常に嬉しい内容です。また、よく内容を理解してくれているなと感心しました。おっしゃるとおり、発作のない状態での240では低すぎます。私の経験では、28歳、160 cmでは、少なくとも500は吹けなくては行けません。ましてや病歴の長い方のようですので、もしかしたら600近く吹けても不思議ではありません。と言うことは、発作のない状態でも、気管支の太さが健康人の半分くらいしかないと言えます。その太さで走ったりすれば息が切れるのは当然です。
>>彼女の現在の考えは、しばらくピークフローを測ってみること、そしてもし発作の兆候が自分でわるようになれば市販の薬を予防的に(用法の範囲内で普段より多めに)飲むことで発作を避けられるのではないかというものなのですが、これについて先生のご意見をお聞かせいただけないでしょうか。私には、どうも彼女の現在の250付近(少し調子が悪いという自覚症状のある時には200を切り、ベストでも300程度)という値が少し低すぎるのではないか、はたして市販の薬で発作が避けられるだろうかという疑問がありますし、その程度の値で満足して生活していること自体が危険であるとか、将来病気の重症化を招くということはないのか、という点も気になります。さらにピークフローの値を、専門家のアドバイス無しに利用することにも不安があります。
→ピークフロー値をつけること自体は医者にかかるかからないとは無関係でいいと思いますが、その判断は時に高度な知識と経験が必要になります。
私の経験では、250前後のピークフロー値を維持している場合、確かに風邪などをひいて徐々にピークフロー値が低下し発作を起こすというパターンもあり、発作の兆候を捕らえる意味で役に立つことはありえますが、しばしば何の前触れもなく発作が起きてもおかしくない状態でもあると思います。つまり発作を予知できない場合もあるということです。それは、現在の値が限りなくレッドゾーンに近い状態にあると考えられるからです。
また、ピークフロー値が下がってきたときに市販の内服薬(気管支拡張剤を含む)をいつもより多く内服してもその時はそれでしのげるかもしれませんが、またいつか同じようなことが起こり、しかもそれが一生続く可能性もあり埒があきません。「寄稿集(05)」の女子高生の頁を是非読んでみて下さい。参考になることでしょう。
吸入ステロイドを開始できれば、ピークフロー値は2週間以内に300→400→500?とぐんぐん上昇するはずです。そして、かならずそれに伴う劇的な症状の改善が認められると思います。しかも、その後は最低限で維持すればいいし、場合によってはピークフロー値さえ下がらなければ休止することもできるでしょう。
>>人生相談のようなメールになってしまい、申し訳ありません。お忙しいところたいへん恐縮ですが、お返事がいただけたら彼女に見せたいと思っております。よろしくおねがいいたします。
→人生相談のようだなんてとんでもありません。あなたのように、私のホームページでしっかり喘息を勉強されてから質問をくれた方は珍しいです。また、私の励みになります。こちらからお礼を言わせて下さい。
最後に、いくつかお願いがあります。
<1>まだ先の話ですが、もし彼女が専門病院を受ける気になって吸入ステロイドを処方してもらえたら、まず、スペーサーを購入するかあるいは配布してもらい、ぜひこのホームページの「特集・吸入療法」を読んで下さい。吸入ステロイドを処方された病院でどのような吸入指導を受けるかは分かりませんが、悲しいかな、吸入指導はまだ日本で正しく広がっていないという状況にあります。これが、吸入ステロイドがいい薬でありながら、正しく吸入されず効果が得られないがために、正当な評価が得られていない大きな原因になっているのです。
<2>またまた、先の話ですが、恐らく彼女は吸入ステロイドでびっくりするほど良くなるでしょう。しかし、喘息は良くなってからが実は問題なのです。つまり、すっかり良くなったと自己判断し薬もピークフローメーターもやめてしまうと、しばらくするとまた悪くなることがよくあるのです。従って、良くなったときどうしたらいいか、宜しければまたご相談下さい。その時が私からの最後のアドバイスになることでしょう。
以上です。
彼女の喘息が一刻も早く良くなり、明るい自信に満ちた日々が訪れることを心より祈念致します。
では、彼女にも宜しくお伝え下さい。
<追加質問1>
さっそく丁寧なお返事をいただき、ありがとうございました。
彼女が病院に行くことに抵抗があるのは、もうひとつ「通い続けることの大変さ」というのがあるのだと思います。売薬であれば必要な時に必要なだけ、どこででも買うことができるわけですが、吸入ステロイドの場合はそうはいかないので、少なくとも月に何度か病院に行かなくてはならないと思うのです。仕事があれば半日なり一日を休んで行くことになります。これは会社帰りに薬屋に寄ることに比べればかなり負担でしょう。もし携帯に便利な粉末状の吸入ステロイドが薬屋で買えるなら、彼女はたぶん明日からでも始めると思います。
とりあえず、彼女にもいただいたメールの内容を見せて、できる限り早く治療を始めるように説得してみるつもりです。
先日、私もピークフローを測ってみました。私は550でした…。もし彼女が治療を始めたら、いつか逆転されてしまうかもしれないですね。
<追加応答1>
彼女が通院を嫌がっている理由がわかりました。
定期的に大きな病院に通院できるか否かは、職場の人間が病気に理解があるかどうかが重要ですね。ただやはり1度は大きな病院に行って検査は受けておいた方がいいと思います。
大きな病院は、2週に1度、あるいは月に1度の受診が一般的です。しかし、私の患者さんでも、コントロールが良くなると、吸入ステロイドだけで2カ月に1度という方もおります。内服薬は最大30日までしか出せませんが、吸入ステロイドは1回に3、4本処方してもらえば、回数にもよりますが、2カ月はもたせることができます。それでも、苦しくて急に何度も通院するよりはずっと回数は少ないような気がするのですが…。
まず喘息を良くすることが第一だと思います。そして、コントロールがつくようになったら、正直に定期的な通院が難しい旨を告げ、例えば会社帰りにでも立ち寄れる遅くまでやっている開業の先生に紹介していただくとかしてもらえばいいのではないでしょうか?最初から吸入ステロイドを行っているそのような開業の先生がいれば問題ないのでしょうが、これまでの治療経過を見ていますとそれは難しいそうですね。
どうしても大病院が無理な場合は、以前申し上げましたように、遅くまでやっている通勤可能な範囲の開業の病院に片っ端から電話をかけ、吸入ステロイドを扱っているか聞いてみるしかないでしょう。
では、彼女の足が病院か医院に向いてくれることをお祈りします。
<追加質問2>
お世話になっております。
お返事が遅くなりましたが、先生にいただいたメールを見せていろいろ相談したところ、彼女も治療を始めることに同意してくれました。
病院は、本人の勤務先からあまり遠くないところに、ピークフローメーターと吸入ステロイドを積極的に使用しているという開業のお医者さんを偶然見つけることができました。病院選びで苦労している方も多いようなので、これはとても幸運だったと思います。
来年になったら、とか言っているとまたいつまでも始まらないような気がしますので、善は急げということでさっそく診察をうけ、ベコタイドもスペーサーも手にいれることができました。(想像していたより小さな缶でした)
インターネットは使いかたによってたいへんな力を持つものですね。喘息についても、真剣に調べればかなり専門的で実用的な知識が居ながらにして手に入りますし、こうして専門家のアドバイスまで受けることができるのですから。これは良く考えると夢のようなことです。
まだ最初の一歩を踏みだしたばかりで治療はこれからですが、少なくともこれで発作を耐える「守り」から、喘息を征服する「攻め」に転じることができたわけです。治療を受けるにあたっても、こうすれば良くなるという確信を持って取り組めるのは本人にとってもやりがいのあることだと思います。、本人が自分の状態や薬について基礎的な知識を持っていれば、効果も違ってくるのではないだろうかという気がします。精神的な力で治るという意味ではなく、「なぜ」がわかれば、より真剣に実行できるだろうと思えるからです。
いずれ本人から直接、治療の状況についてご報告のメールをさしあげることになると思います。私も彼女が治療を飽きずに続けてゆけるように、できるだけサポートしたいと思っています。
お忙しいなか、ありがとうございました。
<追加応答2>
メールありがとうございます。
>>病院は、本人の勤務先からあまり遠くないところに、ピークフローメーターと吸入ステロイドを積極的に使用しているという開業のお医者さんを偶然見つけることができました。病院選びで苦労している方も多いようなので、これはとても幸運だったと思います。
→本当に良かったですね。もし差し支えなければ、その先生をどのように見つけたか教えていただけませんか?これは他の方には非常に有用な情報になります。是非お願いします。
>>来年になったら、とか言っているとまたいつまでも始まらないような気がしますので、善は急げということでさっそく診察をうけ、ベコタイドもスペーサーも手にいれることができました。(想像していたより小さな缶でした)
→トントン拍子ですね。吸入ステロイドをはじめて2週間以内に何ら効果がないときは吸入法に問題があると考えられます。「特集・吸入療法」を熟読して下さい。特に、彼女の仕事にもよりますが、年末年始に仕事が休めるなら、じっくりと身体を休めて、吸入ステロイドをたっぷり吸うときっと良い効果が得られ、来年は見違えるような1年になるでしょう。
>>インターネットは使いかたによってたいへんな力を持つものですね。喘息についても、真剣に調べればかなり専門的で実用的な知識が居ながらにして手に入りますし、こうして専門家のアドバイスまで受けることができるのですから。これは良く考えると夢のようなことです。
→とりあえずパソコンを使える年代に限られていますが、逆にこの年代は社会的に働き盛りで生活も不規則であり、まさにインターネットは好都合ですね。今後何らかの制度化がなされればいいとは思っています。
>>まだ最初の一歩を踏みだしたばかりで治療はこれからですが、少なくともこれで発作を耐える「守り」から、喘息を征服する「攻め」に転じることができたわけです。治療を受けるにあたっても、こうすれば良くなるという確信を持って取り組めるのは本人にとってもやりがいのあることだと思います。、本人が自分の状態や薬について基礎的な知識を持っていれば、効果も違ってくるのではないだろうかという気がします。精神的な力で直るという意味ではなく、「なぜ」がわかれば、より真剣に実行できるだろうと思えるからです。
→喘息も含めてほとんどの慢性疾患(糖尿病や高血圧など)は、治療法の確立されていない原因不明の疾患ではなく、患者さんへの情報不足が原因でコントロール不良に陥っていると考えられます。本人が病気を良く知りそれに向かって正しい努力をすれば必ず報われる病気です。頑張って下さい。
>>いずれ本人から直接、治療の状況についてご報告のメールをさしあげることになると思います。私も彼女が治療を飽きずに続けてゆけるように、できるだけサポートしたいと思っています。
→良いお便りをお待ちしております。ピークフロー値などもときどき教えて下さいね。他の方にも励みになるでしょう。
では。
(2)インターネットで吸入ステロイドを導入している先生を見つけました。
【013】喘息の28歳女性を彼女に持つ男性から
<追加メール3>
現在、彼女が通っている病院ですが、ほんとうに偶然だったのですがインターネットでいろいろと調べているうちに見つけたのです。もしかするともっと近い病院にも、吸入ステロイドを使っているお医者さんがおられるかもしれないですが、治療の方針がはっきりと示されており通うのにも比較的都合のよい場所だったので、とにかく診察を受けてみようということになりました。現状ではインターネットで適当な病院が見つかる確率はとても低いと思うので、他の方の参考にはならないかもしれませんが、自由にアクセス可能な人は方法のひとつとして試してみても損はないかと思います。
<追加応答3>
メールありがとうございます。吸入ステロイドはもう始めたのでしょうか?効果は未だあがっていませんか?
>>ほんとうに偶然だったのですがインターネットでいろいろと調べているうちに見つけたのです。
これはよく探し当てましたね。確かにいくつかの開業の先生も宣伝をかねてホームページを開いているようですからね。でも、そのうち厚生省あたりから、インターネットを介する病院宣伝などに規制がかかるのではないかと嫌な予感がします。情報公開の自由と申しますか、そうならないことを願いたいものです。
どうやったら良い医者・専門医を捜せるかという意味では、ひとつの良い方法を提示して下さったと思います。ありがとうございました。