(1)ステロイドだけは使いたくありませんでした。

【049】39歳女性(自営業)の方から

<質問>

こんにちは。

先生のホームページは、半年前から拝見していました。文章を書くのは苦手で、ただ見ているだけでしたが、先生よりアドバイスが頂きたく思い切ります。

私は39歳、女。身長168cm。発病は2年前の7月でした。早朝の咳が続き、1ヶ月後には喘鳴。やがて夜にも症状が出てきました。この頃はかなりのストレスを感じていたので、そのせいだと思っていました。9月頃になると、昼間も咳が出るようになり病院を受診しました。慢性気管支炎とのことで、抗生剤、咳止め、去痰剤、気管支拡張剤を処方されました。そして血液検査をし、2週間後の結果、かなり高いアレルギー値が出てしまい、担当医の先生も「こんなの初めて見た」と驚いていました。そして、生活においての注意をうけ、薬もブロニカとテオドールが増え抗生剤がなくなりました。この時点でも喘息という診断はありませんでした。受診時に咳や喘鳴が出たことはありませんでした。

その後まもなく、夜、布団に入って寝ることができなくなり、座ったまま夜を過ごす日々が続き、万年寝不足状態でした。なるべく発作(この時は発作とは思っていなかった)のないときに眠れるよう、心の落ち着くような音楽を聞いたりしていました。それでも、2人の小さな子供をもち、また自営業の嫁という立場上なかなか休むことはできませんでした。この時に発作も何度かあったため喘息の診断が下りました。しかし、それでも喘息というこがどういうことかは全く考えてもいませんでした。

薬はテオドール、ブロニカ、発作時にベロテックエロゾルを処方されました。それでもなかなかコントロールがつかず、週に2、3回の発作があり、外来でステロイド入りの点滴をうけていました。

この頃の私はかたくなにステロイドを拒否していました。と申しますのも、これまで何人かの友人がステロイドを使いその副作用のすごさを目の当たりにしていたからです。“これでないと死んでしまう。だからこれしかない、と言うのならあきらめられる。でも他にも方法があるのなら、これだけはいや”と思い続けていました。ですから、先生の口からステロイドという言葉が出ると、「いやです。絶対いやです」と、その先の言葉を遮り、ききませんでした。ですから、点滴にステロイドが入っていたことを知ったのはあとからでした。さぞかし先生も、困っていたのでしょう。(とっても愚かな事をしていたと、反省しています)発作でチアノーゼが出ていても気づかず、「たいしたことありません」と受診したりして、本当に困った患者だったようです。この頃は、「苦しい」という感覚が全くありませんでした。1度きちんと検査をしたほうがいいとのアドバイスもあり、検査入院となりました。担当医は、今までの先生がひきつづき診てくれることとなり、安心してお任せしました。

検査の結果、わかる範囲で書きたいと思います。

・アレルギー検査

  総IgE 800くらい
  ハウスダスト、ダニ、犬、猫などで強陽性。

・好酸球

  血液中 16%
  痰   70%

・X線検査では、肺が過膨張していて心臓が小さく滴状になっているそうです。

・心電図では、異常なし。

・アスピリン検査、運動負荷試験はどちらも陰性。

退院時に薬はテオドール、スピロペント、ムコダイン、ビソルボン、オノン、ブロニカ、アルデシン(4吸入X2)、テルシガン、そして2週間でプレドニンを30 mgから5 mgへと減らしました。その後、風邪などで悪化することはありましたが、だいたいメプチンの吸入で治まっています。

しばらく体調が良く、薬も、ムコダイン、オノン、ブロニカ、テルシガンと、徐々に減らしていきましたが、また週に3〜4回ぐらい小発作があり、ピークフローも230〜360を乱降下しています。

現在主治医とアルデシンの増量を考えています。諏訪部先生でしたら、どのくらいの増量が望ましいと思われますか? また私の喘息の重症度はどの程度なのでしょう? また免疫過敏症と言われましたが、アスピリン喘息に移行する可能性はあるのでしょうか?

長々とわかりにくい文で申し訳けありませんが、ご指導よろしくお願いします。

これからも、先生のホームページ楽しみにしています。

<応答>

メール拝見いたしました。期間は短いのに大変な病歴をお持ちなのですね。

薬物治療はほとんどすべての喘息治療薬を網羅しているようですね。失礼ですが、一回の医療費も相当なのではないですか?

>>2人の小さな子供をもち、また自営業の嫁という立場上、なかなか休むことはできませんでした。

→自営業の家へ嫁いだのですね。蛇足ですが、私の生家は代々飴作り(仙台は駄菓子で有名)をやっておりまして、現在でも親父が飴作りを行っています。七五三では、千歳飴を今でも作っており、11月当たりから毎年忙しくしております。

小さいお子さんがいて、自営業のお嫁さんですと、なかなか安静を保つのは難しいかもしれませんね。

>>この頃の私はかたくなにステロイドを拒否していました。と申しますのも、これまで何人かの友人がステロイドを使いその副作用のすごさを目の当たりにしていたからです。

→これだけすさまじい副作用経験者が友人にいれば、ステロイドを毛嫌いするのは当然でしょう。これは医者側にも当てはまります。自分の患者さんにステロイドを使って重篤な副作用を経験すると、どうしても石橋を叩いてわたってしまいます。吸入ステロイドを受け入れてくれない場合もあります。

>>発作でチアノーゼが出ていても気づかず「たいしたことありません」と受診したりして、本当に困った患者だったようです。この頃は、「苦しい」という感覚が全くありませんでした。

→これは、本当に気をつけた方がいいですね。喘息は自覚症状で判断しては危険であるという良い例ですね。これは、呼吸困難に対する感覚が鈍ってきているので、大きな負荷がかかると生命に危険を及ぼしかねないので、十分気をつけて下さい。ぜひピークフローメーターなど客観的な指標を目安に行動して下さい。ピークフロー値が増加してきて、しばらくしますと正常な感覚に戻りますので、何としてもまずその状態から抜け出すことですね。

>>X線検査では、肺が過膨張していて心臓が小さく滴状になっているそうです。

→これは喘息で発作を繰り返し、肺に空気がたまって外に出て行かなくなっている状態です。

>>しばらく体調が良く、薬も、ムコダイン、オノン、ブロニカ、テルシガンと、徐々に減らしていきましたが、また週に3〜4回ぐらい小発作があり、ピークフローも230〜360を乱降下しています。

→これは、ピークフロー値が安定してからの薬剤減量でしたでしょうか? 私は、常々自覚症状に基づいた薬剤減量には反対の立場です。ましてや相当呼吸困難感に対して鈍感になっているとすればなおさらです。もう一度、ピークフロー値を上げてから減量を試みるべきでしょうね。

>>現在主治医とアルデシンの増量を考えています。諏訪部先生でしたらどのくらいの増量が望ましいと思われますか?

→現在、アルデシン4吸入X2ですよね。これは400マイクログラムですから、全然足りないと思います。私なら、3ないし4倍くらいに増やしますね。ただし、増量も大切ですが、(1)吸入操作の確認(2)生活上の安静、がまず大切です。一刻も治したいという焦りも禁物です。生活上の安静を得ることは、今の状況下では実際は無理でしょうね。無理なことはわかるつもりですが、無理だからと諦めてはいけません。安静の時間を自ら見いだして行く姿勢が必要です。また、自分のレベルの安静を安静と思ってもいけません。繰り返しますが、あなたは、呼吸困難に対して鈍感になっているからです。また恐らく、かなり我慢強い頑張り屋さんなのではないですか? あまり身体を酷使しないためにも、一度、家族の方や義理のご両親にこのホームページの内容を読んでいただけると良いですね。冊子「寄稿集」はお送りしましたでしょうか? もし、まだならお送りしますので、皆さんによく読んでもらって下さい。家族の理解や協力があれば、喘息はきっと快方に向かうでしょう。

>>また私の喘息の重症度はどの程度なのでしょう?

→一般的な基準からは、どう考えても重症でしょうね。しかし、これでがっかりすることはありません。いくらでも努力次第で中等症にも軽症にも変化しうるからです。

>>免疫過敏症と言われましたが、アスピリン喘息に移行する可能性はあるのでしょうか?

→アスピリン喘息になるかどうかは予測できません。それよりも、まず喘息を良くすること(ピークフロー値を可能な限り上昇させること)ですね。ピークフロー値が高いレベルで安定するようになれば、風邪も引き難くなるはずですから、アスピリン喘息に対してそんなに過敏になることはありません(安心していいということではありません)。普段から安全な感冒薬を見つけておくことですね。

では。


<追加メール1-1>

早々のお返事ありがとうございます。お忙しいでしょうに本当に感謝感激です。もしかすると、先生はスーパーマンなのではないかと思っています。

早速ですが、寄稿集送って頂けますか? もう無いと思って諦めていました。急いで切手をお送りしますのでよろしくお願いします。

先生のお父様が仙台で飴作りをなさっているとのことで少々驚いています。

話が逸れてしまいましたが、先生からのアドバイス、自分なりに努力して頑張りたいと思います。喘息はかなり自分の性格からきているようにも思います。生活環境的にも良くないとのことで、担当医の先生から主人にも「協力が欲しい。命にかかわる」とお話が2度ほどありました。しかし、義母は我慢することが美徳みたいなところがあるので、なかなか休ませてもらえません。私もそのようなことは、気にせずに「辛い」と言って寝込んでしまえばいいのでしょうが…。発作の時でも、自分の仕事を終わしてから病院に行っていました。自分で苦しさを感じなかったせいもあります。そうすると、だいたい酸素吸入、ボスミンの皮下注、ネオフィリンにサクシゾン300入った点滴とフルコース状態でした。でも今日から止めます。ピークフローで状態をみて、体第一で生活していきます。先生のおっしゃるとうり、医療費も高いですから…。

寄稿集を家族の目のつく所に置いておきたいと思います。

また、ステロイド吸入の増量は、先生から頂いたアドバイスの現在の3〜4倍というのを目安に担当医の先生に相談したいと思います。

また、アドバイス頂くこともあると思います。その時はよろしくお願いします。そして1日も早く「こんなに良くなりました」のメールをお送りできるように自分自身を変えて行きたいと思います。

ありがとうございました。

<追加メール1-2>

こんにちは。お世話になっております。

先日、先生の寄稿集いただきました。ありがとうございました。インターネットですと、自分でチョイスして見ているので、どうしても偏りがちでした。(ごめんなさい。全てを見ていませんでした)しかし、このように小冊子(と言うより本)になると、じっくり何度も読み返したり、全部読むことができて本当に勉強になります。また、家族の協力を得るためにもよく読んでもらおうと思っています。お忙しい中、このような立派な本を創られた先生には頭がさがります。

少しだけ感想を言わせて頂きたいと思います。とっても症状のひどい方にも驚きますが、それ以上に周りの人々の無理解には驚きです。自分自身にもそのような経験はありますが、これが今の世の中なのでしょうか? 一般的に、体の丈夫な人ほど人の痛みに鈍感なような気がします。これがお医者様だったり、看護婦さんだったりしたら本当に救われません。たくさんの重症患者を診てきて、多少のことでは驚かないのでしょうけども…。時には、励ましさえ苦痛に感じます。ですから、健康な周りの人々に喘息を理解してもらい、協力を仰ぐのは至難の技に近いことのように思えてなりません。

前にも言いましたが、私は喘息の本当の苦しみを知りません。痛い、辛いはありますが、息が詰まるような苦しさはわかりません。呼吸困難に鈍感になっている私には、この「寄稿集」の中の皆さんの苦しみも想像の域を越えられないないのかも知れません。

また、良いお医者様との出会いの大切さを痛感しました。ひどい喘息患者が、諏訪部先生とのメールの交換で適切なアドバイスを受けて、(ご自分の努力もあるのでしょう)めざましい回復をしているということです。○○病院では、3時間待ちの3分診療です。先生には、それ以上の時間かけていただき、メールを読んで頂き、お返事を送って頂いています。それも無償で。そんな先生との出会いは、私にとって幸せな事です。という訳で、私も「ステロイドを恐れずに良くなりたい」と思いました。

前回のメールで「次回の受診で、アルデシンの増量を考えることになっている」と申し上げました、その受診が先日ありました。担当医の先生も色々と考えて下さったようです。

「ピークフロー値を標準まで戻したい。経口、吸入は問わずステロイドで可能ならお願いしたい」という主旨を伝えました。そうしましたところ、検査結果からすると、私には「ステロイドを増量するような炎症がない」とのことです。

「ほとんど炎症はないのに抗炎症剤であるステロイドを増量しても有効ではないのではないか。前にプレドニンを使ったが、コントロールを良くした訳でもなく、ピークフロー値の改善もみられなかった。だいたいの薬は使ったけど有効なものが殆どない」担当医の先生も、本当に困り果てているようでした。

それでも道はあるのかと思い、「ステロイドの効かない喘息はないと言いますが、私は喘息ではないのでは…?」と、聞いたところ「発作時の胸の音、可逆性だというところも、喘息の診断でいいと思います」とのことでした。「どんな事にも例外というのがあるから。ちょっと変わった喘息ですね」との返事です。「どんなにいい薬を出しても受け入れる態勢を整えていないと…。アレルゲンの暴露、ストレス、疲労などの負荷があると難しいですね。ご家族の協力は得られていますか?」(2年ほど診て頂いているので、家庭環境や状況は把握してもらっています)ここのところは、諏訪部先生と同じ意見のようです。私の生活環境がいけないのでしょうか…? こうなってくると心身症なのかな等と思えてきます。そんな訳でアルデシンの増量はできませんでした。

これからもこのままコントロールのつかないままなのでしょうか? なんか突き落とされた気分になってしまいました。

長々と申し訳ありません。寄稿集のお礼をと思っていたのですが、グチになってしまいました。うっとうしい時期まだまだ続きますが、お体に気をつけてご活躍ください。

<追加応答1>

>>そんな訳でアルデシンの増量はできませんでした。

→この点ですが、私は主治医の考えとは異なっています。アルデシン増量を諦めるのはまだ早いと思います。それは、以下の理由によります。

(1)検査では好酸球が少なかったようですが、痰には好酸球がたくさん出ています。これは、紛れもなく吸入ステロイドが効くはずの気管支炎症です。従って、アルデシンはもっと増量してみるべきであると思います。増量することが、重篤な副作用を引き起こすなら、決して私は勧めたりはしませんが、私はもう何人もの方に大量の吸入ステロイドを行ってきましたが、正しい吸入操作なら、効果が得られないことはあっても、副作用が出た方は一人もおりません。私も、「経口薬を倍にすべきでしょう」などというアドバイスは絶対にしません。副作用のない吸入ステロイドだからこそインターネットを通じて行えるのだと思います。

(2)経口ステロイドが効かなかったということですが、プレドニンの量と使用期間はどの程度でしたか? 「症例紹介(4)・37歳男性」を是非読んでみて下さい。同じように経口ステロイドを服用しても、安静が保てない方はいくらプレドニンを長期間に服用してもピークフロー値は上がってきません。それが入院して安静にしたら、同じ量のステロイドでも有意にピークフロー値を安定できるようになることがあるのです。あなたは、家柄や性格的なもので安静を保持できることは難しかったのだと思います。ですから、ステロイド無効の判断を下すのはまだまだ早いと思います。

以上、主治医の判断をひっくり返すような内容で申し訳けありません。私は単に励ましているわけではありません。あなたはもっと良くなるはずだと確信するからそう申し上げているのです。

ただし、今の状況だと、アルデシンを増量したくても、主治医の判断では難しいことかもしれませんね。しかし、基本的に現在の主治医は、呼吸器専門であり、吸入ステロイドにしても経口ステロイドにしても、その使用をためらっているわけではないので、あなたが「もう一度吸入ステロイドを増量したい」、「もう一度プレドニンを飲んでみたい」と申し出れば、主治医は駄目だとは言わないのではないでしょうか?

また、仮に主治医が許可してくれても、生活週間や周囲の理解などが以前と同じ環境・状態では、いくらステロイドを増やしても何も改善しないと思います。従って、「寄稿集」の冊子などで周囲の人間をよく教育し、あなた自身も正しい吸入ステロイドの意義や吸い方、ピークフロー値の意義、あるいは治療期間中の安静の意義などを理解することが必要です。それからでも遅くはないと思います。

色々混乱したら申し訳けありませんが、まだまだ希望は捨てないで下さいね。

では。


<追加メール2>

お返事メール、ありがとうございました。

今までは、幸か不幸か、苦しさを感じなかったせいか、健康な人と違うのは病院に通って薬を飲んでいるくらい、としか思いませんでした。でも先生のおっしゃるように、前の状態よりも良いだけで、階段の昇りや走ったり、大笑いしたり、アイスを口に入れた時など喘鳴が出現したりしていました。常に肺の中に砂でも詰め込んでいるような重さがあります。これって普通ではないのですよね!(気づくのが、遅いですね)

これは何とかしなくては…と思い、前々回の受診で担当医の先生から「アルデシンの増量」の話が出ていましたので、思い切って諏訪部先生にアドバイスをお願いしました。

先生からのメールや送って頂いた寄稿集を読んで「自分も良くなれる。後はステロイドと自分の努力次第なのだ」と確信を持ちました。

ところが、今回の受診で思いもよらない話にショックでした。そんなときの、先生からのお返事メール、涙が溢れてしまうぐらい、嬉しくて、ありがたくて…。

私たち患者にとって主治医以外の専門家の意見(それも個々に応じて)を聞くチャンスなどありません。お医者様との信頼関係の問題もあるのかもしれませんが、まだまだインフォームド・コンセントは確立されていないように思います。お医者様は忙しすぎるので、一人一人に充分の時間をかけられないのは理解できます。(そのような中、先生はいつホームページの更新したり、メールを出したりしていらっしゃるのか不思議でなりません。やっぱりスーパーマン?)ですから、先生のアドバイスは、私にとって本当に貴重なのです。担当医の先生を信頼していない訳ではないのですが…。

>>プレドニンの量と使用期間はどの程度でしたか?

との質問ですが、

30 mg-3日間
20 mg-3日間
15 mg-3日間
10 mg-3日間
 5 mg-3日間

この間、安静にはしていませんでした。また、そのような指導もなかったと思います。軽い副作用はありました。口内炎、軽いムーンフェイス。飲み始めて、ピークフロー値が平均290〜350まで上がりましたが、4日目にはまた戻ってしまい、軽い発作が続いてました。

諏訪部先生と担当医の先生、共通のご指摘である、薬の効くような土台作りが今の私には最優先なのですね。幸い、一家の経済を支える働き手ではないので、家族の協力と自分の心構えで、ある程度クリアできるように思います。これから夏にかけて家業のほうも暇になります。ただ、諏訪部先生から「自分のレベルの安静を安静と思ってもいけません」とのお言葉ですが、食事の用意と洗濯程度ならよいでしょうか? その他は主人の協力をえられます。親には目をつぶつてもらえるよう、お願いしてみたいと思います。

恐縮ですが2〜3質問したいのですが、お願いします。

気管支の炎症の事なのですが、担当医の先生に「気管支に炎症がないのに、なぜ痰に好酸球があるのか?」とたずねましたところ、「かなり激しいせきが出ていたから、そのせいで上がることもある」とのことでした。炎症がなくても痰の好酸球は咳だけで上がるのでしょうか?

また、検査でも好酸球はなかったそうです。そのような事から担当医の先生は、「ステロイドを使うような炎症ではない」とおっしゃているようです。こんな喘息ってあるのでしょうか?

「炎症がないならアルデシンも必要ないのではないか?」との問いには、「それは極端すぎる。それに副作用のある薬ではない」とちょっと理解しにくい答えでした。

ここ一ヶ月あきらかに、ピークフロー値も下がっていますが、私にはあまり効く薬がないとのことで様子をみましょうということでした。

今、吸入スペーサーはインスパイアーイースを使っています。先生のホームページにボルマチィックにして良くなった方がいたようですので、私も変えてみたいとおもいます。

いつもつまらない話ですみません。その上読みにくくて…ごめんなさい。

次回の受診の時には「ステロイド下さい」と言いたいのですが…。

どうかご指導ください。


<追加応答3>

>>プレドニンを飲み始めて、ピークフロー値が平均290〜350まで上がりましたが、4日目にはまた戻ってしまい軽い発作が続いてました。

→プレドニンの量は少なくはないと思いますが、安静が保持できなかったとすれば、効果が得られなくても仕方なかったでしょうね。プレドニンを飲んでも、ピークフロー値が350以下であれば、すぐ発作が起きるのは当然ですね。350くらいからプレドニンを飲んで安静にできれば、500は越えれるようになると思います。しかしこれは、よく主治医と相談して下さいね。

>>「かなり激しいせきが出ていたから、そのせいで上がることもある」とのことでした。炎症がなくても痰の好酸球は、咳だけで上がるのでしょうか?

→主治医の先生と考え方が違いますが、咳だけで好酸球が痰中に増えることはあまりないはずです。それとも、その先生がそういう新しいデータを持っているとすれば別ですが…。

>>検査の時に、好酸球はなかったそうです。そのような事から担当医の先生は、ステロイドを使うような炎症ではない。とおっやっているようです。こんな喘息ってあるのでしょうか?

ステロイドが効かなければ私はそれは喘息ではないという考えを抱いています。また以前も申し上げましたが、あなたの場合、吸入ステロイドやプレドニンが効かない喘息であると判断するにはまだ早いような気がします。

>>「炎症がないならアルデシンも必要ないのではないか?」との問いには、「それは極端すぎる。それに副作用のある薬ではない」とちょっと理解しにくい答えでした。

→これは、あなたが「炎症がないならアルデシンも必要ないのではないか?」と言ったので、恐らく先生は「効かないならアルデシンをやめたい」と解釈したので、このような答えが返ってきたのでしょう。今の状態(炎症の証拠がない状態)にでもある程度はアルデシンが効いている、またアルデシンは副作用がない薬だから安全、だからやめるべきではない、という流れがこのような答えになったのではないでしょうか?

>>今、吸入スペーサーは、インスパイアーイースを使っています。先生のホームページにボルマチックにして良くなった方がいたようですので、私も変えてみたいと思います。

→これは1個千円ですから、取り替えてみる価値はあると思います。

では。


<追加メール4>

本日受診がありました。ここ2週間のピークフロー値が200〜370の間を上下しています。小発作も週4、5回あり、あまり良い状態ではありませんでした。

その状態を診てなんと主治医がプレドニンを処方してくれました!

家族にも良く説明して、協力が得られることになり、完全な安静は無理ですが、子供達が夏休みになる前に挑戦できそうです。ゴロゴロと過ごせそうです。

なんか、とんとん拍子できて怖いくらいです。

ボルマチック品切れとのことで、取り寄せてもらうことにしました。

良くなれると思うとワクワクしてきます。一日も早く良い報告をしたいと思います。

<追加応答4>

>>小発作も週4、5回あり、あまり良い状態ではありませんでした。

→プレドニンは処方してもらえて良かったですね。また、もし可能なら吸入ステロイドの前に、発作止めを1吸入して5分後くらいに吸入ステロイドを吸ってみては如何ですか? この状態では吸入ステロイドはさほど効いていないのではないかと思います。とにかく今は発作が出ないようにすることです。そうすれば、ピークフロー値が350くらいで安定するようになるでしょう。そうなれば、吸入ステロイドがより効くようになるでしょう。


<追加メール5>

こんにちは。

少しだけですが近況報告させて下さい。5日よりプレドニンを服用しています。30mgを今日で3日目です。明日から12日間かけて減量していきます。今のところピークフロー値が340〜380の間で落ち着いてきました。(ちょっと自分でも驚きです)幸い家族の協力を得られて、安静も保てています。(1日が長くて持て余し気味です)これから、ピークフロー値がどんどん上がる事を期待しています。これならば、アルデシンも効くでしょう。でも、すべて安心というわけではありません。前回も4日までしかもたなかったので…。(安静にしているので今回は大丈夫だとは思いますが…)また、下痢と湿疹ではないのですが、前回なかった体中の痒みに悩まされています。そのうちに慣れてくるのでしょうか?

まだ始めたばかりです。ゆったりと構えてピークフロー値が500になるように静養したいと思います。思い切り深呼吸がしたい。

まだ、アルデシン前の発作止めの吸入は必要でしょうか?

とりあえず、お返事と近況まで。

<追加応答5>

>>体中の痒みに悩まされています。そのうちに慣れてくるのでしょうか?

→プレドニン服用中は続くかも知れませんが、中止すればそのうち消失するでしょう。

>>まだ、アルデシン前の発作止めの吸入は必要でしょうか?

→アルデシンが十分吸入できるようになれば不要でしょう。

頑張って下さいね。


<追加メール6>

(2)ピークフロー値も350前後で安定しました。

【049】39歳女性(自営業)の方から

こんにちは。いつもお世話になります。

今日は近況を報告したいと思います。

プレドニンを飲みはじめて、2週間がたち、残すところ明日1日です。先生のご指導のよう、極力安静を保ちここまできました。ピークフロー値も350前後で落ち着いています。まず第一段階はクリアと言うところでしょうか? 「発作のない生活」状態です。

先日外来受診がありました。これまで何をしても良くならなかったので、担当医の先生も喜んでくれると思っていたのですが、なぜ良くなったのかわからずに逆に悩んでしまいました。今回も、吸入ステロイド増量をお願いしたのですが、「細い気管支には吸入は届かないよ」とまたもや増量してもらえませんでした。「自己判断で増量してもいい」とのことですが、増量できるほど余分には残っていません。とりあえず明日でプレドニンがなくなるので、吸入を現行の倍まで増やしても2週間までもつかどうか…? こうなると「奥までとどけ!」と念じながら、1吸入づつ丁寧に吸うしかないのかな等と思ったりしています。

このままでステップアップは望めるでしょうか? 「日常生活制限のない生活」ができるでしょうか?

「お医者さまを、変えようかな」と思うときもあります。でもいまの担当医の先生は好きです。諏訪部先生から頂いた「寄稿集」を見せたい衝動に駆られるときもあります。どうも喘息治療の最終目的が、諏訪部先生の考えとは違うようです。「ここまでくればもう十分だと思はなくては…」と考えているようです。う〜。なんとかこの考えを変えさせてみたい。この病院は喘息では有名らしいですが、でも患者教育もないし、待ち合いでの話を聞いていると、「ピークフロー値が250しかいかなうけど、発作はないから…」と満足している人が多いのです。少し前までは、私もその中の一人でしたが…。なぜ、諏訪部先生のような考えのお医者さまがいないのでしょうか?

本当に喘息の治療は難しいのですね。

本題からそれてしまいました、今回はこれくらいで失礼します。

また、ご報告します。

読んで頂いて、ありがとうございました。


(3)何の症状もないのにゆっくりと静養してるのがどうしても理解してもらえません

【049】39歳女性(自営業)の方から

<追加メール7>

こんにちは。

なんとも、うっとうしい日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

私は、プレドニンがなくなり12日が過ぎました。全身の痒みと不眠は先生のおっしゃるとおりなくなりました。とりあえずアルデシンを6吸入x3回に自己判断で増量していましたが、それも今日でなくなります。(たっぷり時間をかけて丁寧にしてきました)吸入回数が増えた分、うがいの回数も増えたせいかうがいのたびに、かなりの痰が出てきます

実はプレドニンがきれてから3日目ぐらいからピークフロー値も下がりはじめてしまい、これまでに4回ほど小発作が出てしまいました。ピークフロー値は400〜240の間を上下しています。前よりも上は高いのですが、日内変動が大きくなっているようです。相変わらず発作の苦しさはありません。(私の場合、発作の判断がよくわかりません。入院時に、聴診器にて発作の時の胸の音を何度も聞かせてもらい「この音がメプチンを吸入して30分たっても消えないときは病院にくるように。この音が発作の音だから」と聴診器を持たされていますが、喘鳴のみと発作の区別がいまいち分かっていません)あと不思議なのですが、今まではピークフロー値が280くらいで発作になっていたのですが、今では300で発作になります。なぜでしょうか?

プレドニンをやめてからは安静を保つのが難しくなりました。15日間甘えさせてもらったのでもうゴロゴロしている訳にはいきません。子供達も夏休みに入ってしまいました。初めの頃は良かったのですが、何の症状もないのにゆっくりと静養してるのが、どうしても理解できないようです。ただ疲れたら休むということと、発作の時の安静は実行します。この程度ではやはり無理なのでしょうか? でもこれ以上の安静は望めないというのが今の我が家の現状です。

今回のプレドニン作戦は成功とは言い難いようですが、<私の喘息にもステロイドが効くということが実証できたことと、ゆっくりと身体を休めることができた>と言う収穫があったようです。

年末に発売になるというフルチカゾンを待ちたいと思います。

ホームページいつも拝見しています。お体を大切にされご活躍下さい。

<追加応答7>

こんにちは。

>>実はプレドニンがきれてから3日目ぐらいからピークフロー値も下がりはじめてしまい、これまでに4回ほど小発作が出てしまいました。

→やはりプレドニン終了後、発作がおきましたね。前回のメールで、350前後のピークフロー値ではまだまだだなあとは思っておりました(が、不十分だとは言えませんでした…)。ここで誤解しないで頂きたいのは、「ではずっとプレドニンが必要なのではないか? ずっと飲んでいたら副作用が出てしまうからそんなことは出来ないのではないか? だから自分の喘息は良くならないのではないか?」という判断は間違いだと言うことです。

今回のプレドニンの量と期間、そして自宅での安静では、気管支の炎症を十分に取ることが出来なかったということです。十分に取ることさえ出来れば、必ずや吸入ステロイドだけでいい状態を維持することが出来るようになります。

そのチャンスはもう少し先に取っておきましょう。また、フルチカゾンが解決してくれるかも知れません。

>>アルデシンを6吸入x3回に自己判断で増量していましたが、それも今日でなくなります。(たっぷり時間をかけて丁寧にしてきました)吸入回数が増えた分、うがいの回数も増えたせいかうがいのたびに、かなりの痰が出てきます。

→アルデシンで18吸入はそれでも未だあなたの喘息を維持するのには足らないと思います。しかし、これは主治医の判断ですからどうしようもありませんね。そこでどうでしょうか。痰が多いようですので、もう一度痰を調べてもらっては如何ですか? 好酸球が多く含まれていれば、主治医ももう少し吸入ステロイドの増量や経口ステロイドに積極的になってくれるかも知れません。アルデシンでなくてベコタイド100に代えてくれるとさらにいいのですが…。

>>私の場合、発作の判断がよくわかりません。

→もっと簡単に、「息苦しい」と感じれば「発作」、ゼーゼーはするが息苦しくなければ「喘鳴」と割り切っては如何ですか? ただし、長年喘息を患っていると、息苦しさに対する感覚が鈍麻していますから、少しでも苦しいと感じれる感覚が本当は正常なのです。

>>今まではピークフロー値が280くらいで発作になっていたのですが、今では300で発作になります。なぜでしょうか?

→基本的に280も300もいずれ500以上という値がふけるようになりますと、同じ様に悪い値と感じられるようになるでしょうから、大きな差はないと考えた方がいいでしょう。ただし、以前は280で息苦しさを感じていたのに、300くらいで息苦しさを感じるようになったと考えれば、それは少しでも呼吸困難に対する感覚が正常化したということで良い兆候ではありますね。(→「診療日記057:喘息治療中はなぜ動いてはいけないのか?・平成10年4月9日」参照)

>>なんの症状もないのにゆっくりと静養してるのがどうしても理解できないようです。

→これはよくわかります。ましてや老舗のお嫁さんではなおさらでしょう。私の亡き母も昔は少しくらい風邪を引いても仕事は休ませてもらえませんでしたから、よく理解できます。

同じ様なことなのに、心臓が悪い方(心臓の血管が細くなる病気)なら大切にしてもらえるだろうに、気管支が細くなる気管支喘息は大切にしてもらえないと言うのは悔しいことですね。喘息の克服には、何よりも健康人を教育しなければならないのだと思います。

恐らく良心が咎めるかと思いますが、何ともなくても具合が悪いように振る舞っておいた方がいいですね。それを逃げだとは思わないで下さい。むしろ逃げだと思う気持ちが治療の大きな妨げになることが多いのですから…。

>>今回のプレドニン作戦は成功とは言い難いようですが、<私の喘息にもステロイドが効くということが実証できたことと、ゆっくりと身体を休めることができた>と言う収穫があったようです。

→そのとおりです。私も今回のトライは主治医の考え方を変えることが出来たので非常に有意義であったと思います。

しばらくは、守りの治療を心がけて下さいね。

では。

続く