ピークフローメーターのすすめ(4)

◇あなたのピークフロー値はもっともっと上がります!(気道炎症・呼吸筋とピークフロー

※ピークフロー値は、その人の気道の太さと呼吸筋力によって決まります。健常人の年齢、性別、身長に応じて“基準値”が設定されています。喘息患者さんは、気道が細くなっているので、呼吸筋力はあってもピークフロー値は健常人より低値を示します。さらにこの状態が慢性に経過すると、細い気道で呼吸をしなくてはならないので、次第に呼吸筋力が増強して行きます。治療によって気道の狭窄が改善してくると、次第にピークフロー値が上昇し正常に近づいてきます。しかし、長く喘息を患った方は完全に気道炎症が取れてなくても、強い筋力で“見かけ上正常”なピークフロー値を出すことができます。このような場合、ピークフロー値は人並みでも、走ると息が切れたり、風邪をひくとすぐピークフロー値が下がったりなど、いわゆる“黄色信号”状態を示すことがあります。これは、気道に炎症が残っている訳ですから、吸入ステロイドの回数を増やしたり、経口ステロイドを一定期間内服したりすることによって完全に気道の炎症を取ってあげると、健常人以上のピークフロー値を記録することがしばしば認められます。従って、喘息患者さんは体力がなくて肺活量が少ないのではなく、むしろ健常人より体力があることが多いのです。

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