気管支喘息の患者さんへ(7)
それから注意する点が他にもいくつかあります。
1つめは、全身性ステロイドは非常に効果があるために、途中で投薬をやめてしまったり、安静が保てなくなったりしては困ることです。
2つめは、全身性ステロイドには食欲を促進する作用があり、ごろごろしながら野放図に食べすぎてしまうと止めどもなく太ってしまいます。従って全身性ステロイド使用中は厳重な食事制限を行って欲しいのです。
3つめは、一般的な注意ですが、胃部痛などの副作用が出現したら即投薬を中止して欲しいのです。
●以上の点を遵守できる方は是非申し出て下さい。通院点滴ができない方には、全身性経口ステロイド剤として、“メドロール”という薬を1日2回、1回3錠、7〜10日分処方します。また、先に述べましたように、これらの時期以外にも各々の職種に応じて7〜10日程度なら仕事を休める方、また仕事をもっていない方でいつでも入院が可能な方は、随時相談に乗りますので申し出て下さい。
●青信号状態に達したら:
1)これまでに体験したことのない日常生活が送れるようになります。
例えば、2階まで一気に登ることができる、走っても何ともない、風邪を引かなくなったなど。
2)黄色信号状態では不十分であった吸入ステロイドが効果を発揮しますが、決して自己判断で中止してはいけません。
吸入ステロイドは予防薬ですから、“調子のよい時”にこそ病気を悪くしないために行うものなのです。しかし、いくら青信号状態でも吸入ステロイドを中止すると2〜3ヶ月は何ともないのですが、次第にピークフロー値が低下し再び黄色信号状態に戻ってしまいます。
調子がいいからといって自己中止したために、また発作を引き起こした患者さんは何人もいます。吸入ステロイドは、まさに青信号状態を維持するために行うものだと考えて下さい。悲しいかな、現代医学では喘息は“抑えておくこと”はできても、“完全に治すこと”はできないのです。
3)ピークフローメーターを継続し青信号状態が維持できれば、今後不要な他の薬剤を中止することも可能です。
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