現代医学では喘息の完治は望めないとしますと、小児喘息(の体質)は大人になっても治らないというのがこの答えになってしまいます。しかし、小さいときにあれほど発作を繰り返していたのに高校生になる頃から発作がほとんどなくなったという患者さんは結構多いと思います。“小児喘息は大人になったら治る”と言う医師がいるとすれば、“発作が起きない”ことを指していると考えられます。しかし、こうした方々によく話しを聞きますと、以前のような発作は起きなくなったけれども、風邪を引くと少しヒューヒューするとか、お酒を飲むと咳が出るという方が結構いますし、その中の何人かは成人喘息とまったく同じように、ひどい風邪をこじらせて再発症してしまうのです。また、もちろん小児喘息が軽快せぬまま成人喘息に移行する方もすくなくはありません。自分の子の“小児喘息は大人になったら治る”かどうかは、現在のところはっきり予測する術はありません。大人になれば治ることを盲信し、今現在発作で苦しんでいる我が子に一切の薬剤を拒否し、体質改善や運動療法のみを強いるようなことだけは慎むべきではないでしょうか?
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