(11)56歳、女性(その1)。

 風邪は万病のもとといいますが、私の場合は風邪を1ヵ月もこじらせてしまい、とうとう声も出なくなり、のどがヒューヒューして苦しくて寝ても起きてもいられない、そんな状態になって(42才)入院したのです。  振り替えってみれば農家の仕事が終わるとすぐ(11月末〜)1日も休まず次の日から冬期間の働きにスーパーに行ったのです。私の仕事まじめな性格がいけなかったかもしれません。スーパーに働きに行ってから更年期に入っていたのと風邪が一緒になり、こじれて咳がひどく1回出ると100回も続く状態で、夜も一睡もできない日が2週間以上も続いたのです。もちろん食事ものどを通りません。朝牛乳1杯で働きに出ました。無理をして働いたせいか、風邪が良くならないのでそちこち3ヵ所ほど医者をかえてみました。どこへ行っても風邪だということで薬など治療を受けましたが全然良くならず、ついに気管支喘息と診断され市立病院に入院しました。
 そして昭和62年の1月は1ヵ月、6月には息苦しくなり2週間、8月には高熱とせき、体全体に真っ赤な湿疹が出て2週間位入院しました。8ヵ月で3回もの入院となったのです。その後は体調も良かったのですが、平成7年8月から少しずつ咳が出はじめ、11月には生きている心地がしませんでした。血液検査を受けたところ一般の人の100倍位ものアレルギーが高いとのことで先生も、
「こんな人はみたことない。」
とびっくりしました。内科と耳鼻科に毎日のように通院しました。胸部のCTとレントゲンは異常なしでした。食事は何も味もしません。
 平成8年1月は通院でかなりの点滴をしましたが、2月になってもあまり体の状態は良くならないのです。
「このままでは3月末からの農作業をやれる体ではない。いつになったらもとの健康な体になれるのだろうか?」
と心配でなりませんでした。その時健康ほど有難いものはないと感じました。息苦しい時はこたつに入り顔を伏せているのが一番楽な姿勢でした。困ったことは髪を洗うのがこわいのです。すぐドライヤーで乾かしてもまた喘息がひどくなるようで洗えませんでした。
去年の冬は友達からの夕食の誘いや一泊旅行、いろいろな会合など楽しいことは何もできなかったのです。好きなビールも飲めません。アルコール分が体内にあるうちは咳が止まらなくなるのです。

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