(16)主治医のコメント

 このお子さんは、風邪を引く度に発作をおこし、来院していました。大変だなと思ったのは、車で遠出をする時、発作はないのですが咳が出て止まらなくなると、胃内容物を吐いてしまうので、つねにバケツを持参していたという話しでした。これも、発作で来院しなくてもひどい日常生活制限を受けている1例であると思いましたし、また落ち着いてはいても、いつ発作が起きるかもしれないという不安こそ、小児喘息のお子さんをもつご両親の最大の悩みなのではないでしょうか?「発作がないから落ち着いている」という考えは是非なくして欲しいものだと思います。
 この子のようにピークフローは、小学校低学年でも継続は可能です。それどころか、彼女は「ピークフローを記録するのが楽しくて仕方がない」というのです。この一つの原因に吸入ステロイドを始めたことで値がぐーんと上昇したことが挙げられると思います。ピークフローはただ記録しただけでは無意味であって良い値を記録し維持できて始めてその意味があるのだと思います。

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