岩手医科大学臨床検査医学講座

第3号 〜



患者サービスの向上・およびその他診療支援に関するアンケート結果 ◇

「開かれた検査室」構想に基づきアンケートを実施しました。
アンケートの対象は医師、看護師(外来・病棟)で、本号では多岐にわたる内容のアンケート結果を集約し報告いたします。
 
 〜アンケート実施概要〜
     目的:検査部に今何が求められ何をすべきかを把握する
     対象:医師, 看護師
     方法:無記名・回収式
     調査:2002.11.28〜2002.12.6
     自由記載

【1】 検査室の検査のサポート

検査室のサポートの必要性が97%にものぼり、その内容は検査の方法、 検査の意義で殆どを占めています。


【2】 患者様からの質問とその対応

看護師(外来・病棟)の方は、検査のことを聞かれ、分かる範囲で患者様と向き合っていることが伝わりました。これについても検査室として支援が必要と思われました。


【3】 検査に関する不明な点・疑問点に対応する窓口として「病棟・外来検査110番」の設置を希望しますか?

医師・看護師とも80%以上の方が「設置を望んでいる」ことが分かります。生化学・血液・外注と窓口が分かれていてわずらわしい、 特殊検査や採血容器に関する問い合わせ先にとまどう、 小児の場合の採血量などが一ヶ所で確認出来れば良いなどの理由によるものです。「設置を希望しない」の中には、休日の感染症や凝固検査などもっと他に充実すべきことがあると思うという率直な意見もありました。この意見の重要性を認識し担当部署において検討を重ねている最中です。


【4】「検査部内見学」について

検査部とはどんなところか、どんな仕事をしているのか臨床検査部の役割を知って頂くため、検査部内見学の実施を計画しております。対象は人間ドックの方を考えておりますが、医師・看護師の方々ではどうかお聞きしてみたところ、医師で26.3%、 看護師で40.9%の方が参加を希望しております。


【5】POCT(point of care testing:ベッドサイド検査)について

検査室の自動化・中央化が進むなか、一刻を争う救急医療の場ではPOCTによるリアルタイムな検査データが必要とされており、また医療全体でもその方向へ流れています。

今回のPOCTに関するアンケート結果は、

@
「あなたの部署で、POCTを必要としますか?」に対し、「必要あり」は医師で52%、外来看護師20%、病棟看護師52%と約半数が必要との結果でした。

A
 必要とするPOCTの具体的な項目は、血液ガス、電解質、血算、CRP、血糖、トロンボテストなどでした。

B
 POCTを希望する部署は、高度救命救急センターの救急外来、本学附属病院のICU、CCU、NICU、手術室、循環器医療センターのICU、CCU、手術室などがあげられました。

C
「POCTについての要望・問題点は?」という設問には、
   ・微量検体でPOCTは可能か。
   ・機器の操作は誰が行なうのか。
   ・請求漏れのない対策は。
   ・通常検査とのデータの誤差はどれくらいか。
   ・設置場所の広さはどれくらいか。
   ・検査技師が行なえるものは、積極的に病棟に出向いて欲しい。

     などでした。今後、検査部としてまた病院全体として検討していく必要がありそうです。


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