中央臨床検査部では「開かれた検査室」を目指して、検査部の公開、チーム医療への参加など様々な取り組みを行っています。私達は、平成17年11月より新たに糖尿病教室のスタッフとして参加しています。検査部内のスタッフは、尿検査室、生理機能検査室の臨床検査技師が中心となり糖尿病教室参加チームとして協力体制をとっています。担当内容は、教育入院された患者様へのSMBGの指導が中心です。また糖尿病代謝内科を受診する患者様で希望される方に、SMBGの点検とSMBGの指導を行えるよう体制を整えています。この他に糖尿病教室での糖尿病検査についての講義、さらに糖尿病代謝内科が主催している症例検討会にも参加し、病棟を訪問し患者様から聞き取り調査を行っています。SMBGはSelf
Monitoring Blood Glucoseの略語で、自己血糖測定を意味します。SMBGはインスリン療法の患者様のみに健康保険が適用されますが、インスリン療法以外の患者様でも自費購入されて血糖コントロールに努めています。一般的にSMBGを使用する目的として、インスリン投与量をその時の血糖値によって調節する場合、妊娠により厳格な血糖コントロールが必要な場合、通院がままならない場合、糖尿病の良好な血糖コントロールの動機づけ等が挙げられます。文献からSMBGの効果についての調査結果を見ると、自費購入されてSMBGを行っている患者様の4人に3人が血糖コントロールが改善したと答えています。利点として、「効果が確認できて治療の励みになる。低血糖かどうか分からないとき数値で確認できる。」等が挙げられています。SMBGが糖尿病治療に重要な意味のあることが伺えます。今後、SMBGの利用者数が増えて行くと予想され、適切なSMBGの利用のためにもSMBGの指導が重要であると感じています。
糖尿病教室への参加が出来たことで、患者様の心理状態やチーム医療の一員として責務の重要性を改めて認識できたことが私達にとりまして大きな収穫でした。教育入院患者様に検査について短期間内に理解していただくためにも、講義内容の見直しと専門職としての知識と技術の取得や担当スタッフの充実を計らなければならないと考えています。患者様や糖尿病教室のスタッフの皆様方からご意見をいただき、患者様にとってより良い糖尿病教室にしていきたいと思っておりますので宜しくお願いいたします。
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