(8)50歳、女性。(その6)
入院前のピークフロー日誌の“この一週間で気付いたこと”の欄には400を切れば空気の薄さを感じる。朝は息苦しさで目が覚める等面々と書き記してきました。先生への書面上の会話でもありました。 入院前のピークフロー日誌の“この一週間で気付いたこと”の欄には400を切れば空気の薄さを感じる。朝は息苦しさで目が覚める等面々と書き記してきました。先生への書面上の会話でもありました。
・「ピークフロー値400もあれば健康者と同じだよ。」とおっしゃる専門医。
・「食べ物の臭いで発作が起きることってあるの?」とおっしゃる専門医。
・「喘鳴の無い喘息なんて...。」と首をかしげる専門医。
・「ピークフロー値が平均値を超えているのに、会話や僅な動きでセカセカ苦しくなるなんて...」と不思議がる専門医。
・「喘息にしては酸素が低すぎるから、他に予病があるのでは?」と心配して下さる病棟の先生方。
核医学検査、MRIとCT検査、超音波検査、その他数種類の検査を受けさせていただきましたが、結果はすべて異常なし。他の喘息患者さんと症状は違っていても主治医の診断通り、私は喘息患者でした。諸先生方も患者は選べないと思いますが、患者も主治医の先生を選ぶ事は出来ません。ですから、せめて患者の叫ぶ声に耳を傾けて聞いてほしいとお願いしたいのです。
発作の症状も、喘鳴が無くとも、ピークフロー値が平均値にあったとしても、それらにはすべて個人差があることを認識してほしいとお願いしたいのです。また専門ドクターである先生方の何気ないその一言が患者の心神を破壊させてしまう事、それはステロイドの副作用の数倍にも匹敵する恐れがあることを知ってほしいとお願いしたいのです。今はいろんな場面にて“インフォームドコンセント”の言葉が使われ、重要視されています。手作りのミニブックが無かったら、今回の私の治療も快復も無かったと思います。何故なら、そのミニブックには“インフォームドコンセント”を成立させる説明が書いてあったからこそ、ステロイドの副作用の恐ろしさが乗り越えることが出来、治療が受けられたのです。患者の私たちも薬の副作用を恐れているだけでなく、確かな認識を持ち、主治医の先生を信頼し、治療を受ける事が、自分の病気と共存しあえること、それが「生きて行ける」証しであることを身に持って実感した私です。
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