(9)主治医のコメント(その1)

 この方は小児喘息の既往がある方でしたが、平成3年よりやはり風邪が原因で発作がひどくなり、2回の入院歴がありました。私が診るようになった時点では、吸入ステロイドの他に、テオドール(100mg)8錠、メプチン2錠、ロメット2錠、プレドニン(5mg)1錠を服用していました。しかし、症状が安定していたので、まずプレドニンを止めテオドールを段階的に減らし、平成6年中頃より本人と十分話し合った結果、すべての内服を中止し、吸入ステロイドのみで喘息をコントロールすることにしたのです(経過の図)。
 その後の経過は順調で、吸入ステロイドも1日12吸入から8吸入→6吸入→4吸入と減量に成功しました。さらに、平成8年からはピークフロー記録を開始し、ピークフローが低下したら適宜吸入ステロイドを増減する完全な“自己管理体制”に移行したのです。毎日その夜のピークフロー値を参考に吸入ステロイドの量を決定するという方法は非常にユニークであり、是非他の方も参考にして欲しいと思いました。以下にその一部を紹介しておきます。

日付   天候     朝     夕     夜    吸入回数 
12月1日     576 4吸入
   2日   588   4吸入
   3日 519   540 4吸入
   4日 曇/雨   605   2吸入
   5日     測定せず 吸入せず
   6日 曇/雨     620 2吸入
   7日     測定せず 吸入せず
   8日 曇/雨   607   2吸入
   9日 521   581 4吸入

本人の手紙へ 主治医のコメント 目次へ