岩手医科大学臨床検査医学講座

第25回 日本臨床検査医学会東北支部例会


シンポジウム 『患者に開かれた検査室』  
岩手医科大学医学部臨床検査医学 教授

諏訪部 章

 
 昨今の病院検査部を巡る情勢は、医療のIT化, 検査の自動化, EMS/ブランチラボ構想, DRG/PPSなど大変厳しいものがあります。これらを背景とした医療効率化の波は病院検査部にとって大変な脅威ですが、医療効率だけを考えた時、病める患者としての国民は果たして満足してくれるのでしょうか?
 今後の検査部のあり方を考えた時、まず重要なことは患者としての国民が検査を含めた医療に対して何を望んでおり、何を満たせば満足してもらえるかを我々医療従事者が知ることではないでしょうか?
 そのためには、まず検査部の存在を広く国民(患者)に知ってもらうこと、国民(患者)の検査に関する要望を聞く窓口を設け幅広く意見を吸い上げることが必要であると考えます。その意味でこれからの検査室は患者に開かれなければならないと思います。「患者志向の検査室」という意味を込めて「Patient-Oriented Laboratory Medicine (POLM)」が提案できないかと考え、本シンポジウムを企画しました。
 本シンポジウムでは、まず、(1)我々がこれまでインターネットを介して患者の検査に対する要望を調査した結果を紹介します。その後、(2)患者自身の立場から、(3)患者と最も身近に接し患者の要望を把握している看護婦の立場から、(4)これまで患者に目を向けた臨床検査技師のあり方を目指してきた検査技師の立場から、最後に(5)患者サービスと経営の観点で経営コンサルタントの立場から、それぞれお話を頂き、POLMのあるべき姿を模索したいと思います。

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