岩手医科大学臨床検査医学講座

第1号 〜


情けは人の為ならず

自動分析室 石川 譲

 

 
 生化学自動分析室として、今のところは「検査部便り」に載せるほどの目新しい事はないのですが、オーダーリングシステムが始まれば、予想もつかない問題が次々に起こるような気がしてなりません。しかしこのシステムが順調に動くことになれば仕事の効率化に大きく貢献することは疑いの余地はありませんが…。
 今回は、オーダーリングを抜きにして今までのありきたりの疑問を臨床側にお尋ねしてみたいと思います。まず、なぜ月曜日に検体が集中するのか。またその6 割が緊急検査なのはなぜだろうか。理由はなんとなく分かる気はしますが、もう少し検体の出し方に工夫はできないものでしょうか。
 一方、臨床側から検査室に対する不満と思われるものを挙げてみますと、なぜもっと迅速な検査ができないのか。また変則的な検査依頼をすると高飛車に断られてしまう。電話をするとたらい回しにされる…。などが思い浮かぶのですが、いかがでしょうか。
 われわれはいつも不平不満を持っているのですが、しかしお互いにその現場に行って実情を分かろうとする具体的行動を起こしてはいない。実情が分かれば納得もし、改革にも道が開かれることは分かっているはずですが…。
 中検部長である諏訪部先生が「開かれた検査室構想」を提案されたのもお互いの交流や理解、また研鑚により質の高い医療を患者に提供することが目的と思われますが、「検査部便り」もその構想の一環であり今回創刊されたわけです。他にも「外来検査相談室」「病棟担当技師配置」「病棟、手術場の出張検査」など合わせて8 項目があり、それぞれ準備委員会が設けられ可能なものから実行に移されています。項目のひとつである「検査部内研究発表会」はすでに1 月に実行されています。
 薄ぼんやりすごしてきた私にとって項目を見たときはとても荷が重く感じられ、ひそかに役目から外れることを願ってはいましたが、部長はそれを許してはくれないようです。だれもが必ず何かの役目についてもらうと言っています。
 現在の医療の実情は厳しく次第にわれわれ職員にもその波が押し寄せてきているのが感じられます。寝言なんか言っていられません。ここは奮起して部長の構想に全面的に協力し、それにより病院が本来のあるべき姿に近づき、ひいては患者のためになるのであれば、結構な話ではないでしょうか。

 


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