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感染症情報は、近年大きく変わりました。
平成11 年4 月に感染症新法が施行され、結核菌検査指針においては20 年ぶりの改訂となりました。細菌検査業務も大きく変わり、従来の検査に加えて院内感染防止を目的とした耐性菌の検出状況や統計報告・環境検査等が増えました。
平成12 年9 月に導入されたバクトシステムは、検査の効率化と疫学的統計を備えており、耐性菌の自動チェックにより臨床への報告が容易となりました。また、一般細菌検査の感受性検査も液体微量希釈法による最小発育阻止濃度(MIC値)の報告になりました。
院内感染対策委員会へ毎月今話題の耐性菌(MRSA, BLNAR, PRSP, VRE, ESBLなど)、日和見感染を起こしやすく多くの薬剤に耐性を示す菌(Stenotrophomonas
maltophilia,Burkholderia cepacia など)、時々院内感染で世の中を騒がす菌(Serratia
marcescens, 緑膿菌など)の分離状況や、MRSAの薬剤感受性率、累積百分率も報告しています。その他に週報としてはMRSA
の新規患者の一覧表、病棟ごとのMRSA, MSSA、緑膿菌、Serratia marcescens の検出状況、血液培養からは菌の検出状況なども報告しています。
他に諸検査の迅速化を図るため4 月から血液培養の自動化を導入しました。また、抗酸菌検査についても従来の固形培地から液体培地に向けて検討中です。
オーダリングについては次回から組み込まれる予定です。
まだまだ改善することの少なくない細菌検査室ですが、室長の諏訪部教授以下7 名のスタッフは、付加価値をつけた検査結果の提供、院内感染情報の提供など臨床に直結した検査室でありたいと願ってがんばっているところです。
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