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血液製剤は人体の一部であり、かつ有限な資源でもある血液から作られていることから、その取り扱いには倫理的観点から・・・・・
これは厚生労働省から出された「血液製剤の使用指針」の冒頭に書かれた一文である。輸血検査がなぜ必要かはこの一文の通り、血液は小さな臓器であり輸血を受ければ当然拒絶反応が起こるわけで輸血検査室はそれを監視する役目を担っている。赤血球不規則抗体スクリーニングはその代表的な検査であり、当検査室では93年より反応増強剤を低イオン強度溶液からポリエチレングリコールに切り替え使用しているが、過去11
年間の統計を見ると47,445 人中617 人の患者から不規則抗体が検出された。これらの患者は過去の輸血、妊娠によるもの、また当院での輸血により産生されたものであり約1.3%の確率で検出されている。抗体別で見るとRh系とLewis系で大半を占め、Duffy系、Kidd系とつづく。また、これらの抗体は長期にわたり持続するもの、逆に減弱・消失していくものがありこれらは人間の記憶では限界があるため、90
年からはコンピュータ入力を行い情報の把握、過誤防止につとめている。製剤管理は「より安全にかつ効率よく行う」ことを目的に88年3月より開始した。製剤単位数で見ると88年では42,000単位くらいであったものが昨年74,000単位くらいまで増加し、県内使用量の約4
〜5割を占めるまでになりました。また、当初夜間休日は製剤出庫のみであったが高次救命救急センターを併設する施設であること、臨床からの強い要望により93年12月検査を含めた24時間化を開始しました。依頼件数は循環器医療センターが97
年に開設されたこともあり現在では1 日平均2.7件8本の交差試験を、FFPや血小板を含めると5件弱の依頼を2名の勤務者が行っており輸血全依頼数の3割位を占めるまでになりました。
当検査室は現在6名のスタッフで輸血業務を行っていますが、95年に制定された認定輸血検査技師制度により特例2 名、一般3名が認定を取得しました。残り1名は規定年数に達しないため現在準備中ですが、日々変貌進歩する輸血医療情勢に対応するため6名が室長である田崎先生の指導を受けつつ日々努力しています。
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