(5)17歳、女子(高校2年生)。
<1>これまで喘息で苦しかったこと・嫌だったこと:
・ちょっとした温度差でも発作が起きた。冬は明け方になると冷え込むため、よく明け方苦しくなっていた。眠いのに苦しくて、目をつぶりながら母から背中をさすられて、発作止めを飲んで発作が治るまで待っていた。ようやく治まって眠りについた頃には朝だったという時は度々。また冷たいジュースやアイスを食べると咳込んで発作が起きた。暖かい部屋から寒い外へ出て行っただけでも苦しくなる。
・これはかなり昔のことだが、...確か小学1、2年の頃、楽しみだった休み時間は友人たちと鬼ごっこをして遊んでいたが、私はいつも具合が悪くなって体育館のすみで1人で必死になって呼吸をしていた。気が付いた友人の1人が私を見て遊びから抜け出して私の背中をさすってくれた。この時は小さいなりに、この友人に迷惑をかけてしまったなと思い本当は苦しいのに「大丈夫。」とやせ我慢をしていた思い出がある。
・コンプレッサーという鉄のかたまりのような重たい機械で朝・晩の定期吸入をした。どこへ行くにも一緒だったものだから、学校行事の時も(社会見学など)持って行かねばならなかった。いろんな友人から「それ何?」と聞かれ、それぞれに同じように答えていたが、あの時はとても恥ずかしかったしいやだった。
・風邪を引きやすい。風邪の咳と喘息の発作が一緒になった時程苦しいものはない。喘息の発作だから、と臨時吸入をする。完璧治まったと思われ、一時的に楽になるが、今度は風邪の咳で何度も咳をすると喘息の発作が始まる。こういう時はどうしようもないので点滴。
・発作が起きた次の日は筋肉痛に苦しめられる。腹、胸。咳をするだけでも辛い。
<2>発作がない時でも不自由したこと:
・どんなに調子の良い時でもテオドールは私にとってなくてはならないもの。命と同じくらい大切?!1度飲み忘れると決まった時間に発作。飲み忘れたことに気付かないけれど、決まった時間に苦しくなって始めて“飲み忘れた!!”と気付く。テオドールなしでは生きていけないのかと一時期とても不安になった。
・“喘息”ということで甘く見られるのが嫌だった。これも幼き頃の思い出です。小6の頃のマラソン大会の時みんなと同じように走って完走できた。みんなと同じように走って完走できたのに、私だけがみんなの前に立たせられて誉められた。自分自身では頑張ったと自分を誉めていたが、別にみんなの前に立たせられて誉められなくてもいいと思ったのだが...。中学に入ってみんなと対等に扱ってくれた体育の教師はとても良かった。
<3>ステロイド治療をしてみて:
・絶対テオドール5錠からは逃げられないと思った。1錠でも飲み忘れては、必ず発作。しかし、今ではテオドールは1錠しか飲んでいない。この1錠のテオドールをたまに飲み忘れる時があるが、発作は起きない。
・どんな寒いところで激しい運動をしても全然平気。例えばスキー。猛吹雪の中、重たいスキーをかついで山へ登る時、息は切れたりするが咳こむこともなし。発作は起きない。スキーを楽しめます。確か1度だけ、朝1錠のテオドールを飲み忘れてスキーへ行った記憶があるが...。もちろん発作なし。
・スプレー(吸入剤)をすると風邪を引きにくいと思う。めったに熱は出さない。年に1、2度あるかないか。昔風邪と喘息で、風邪の恐さを思い知った。風邪は引かない→点滴をする様な発作は起きなくなった。
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