(1)の喘息児のお母様のお手紙を拝読させて頂きました。私は成人喘息患者で小児喘息を全く経験したことがありませんが、一喘息患者としての考えをこの手紙上の先生、婦長さん、看護婦さんに理解して頂きたく筆を取らせて頂きました。
喘息教室まで開き病気に対して理解を得てもらうとする体制はよくわかりますが、私が拝読させて頂いた限りではこの喘息児に対する治療・処置は不十分ではないかと考えられます。なぜならば、喘息児という意思表示が不十分な弱者に対して、あまりにも微熱・食欲不振等の病状に対して軽視し、根拠もなしに病状判断をされ、発作頻回発生でも退院させるのは大変恐ろしいことではないでしょうか。また、もっと恐ろしいことに発作が発生しているのに看護婦さんが母親に対して、
「もう少し我慢させて下さい。」
という対応には驚愕致しました。それは私、喘息患者として言わせて頂きますが、
「あなたの喘息には対処できません。死んで下さい。」
と言われていると同じことなのです。
喘息は我慢できないのです。我慢すれば病状が悪化するという最低限度のことは覚えておいてほしいのです。現在、喘息治療技術が進歩してきている中で、このような喘息児がいるかと思うとかわいそうでなりません。
私の喘息は1984年発症し、今は主治医の先生のもとで難治性慢性型気管支喘息として治療をさせて頂いております。先生が私に施して下さった全ての治療(自己管理・ステロイド療法)が有効し、全く動くことすらできなかった私を社会復帰まで実現させて下さいました。もう3年間も発作、喘息に係る症状は全く発生しておりません。PF値ベスト610を測定しております。
どうかもう一度喘息に対する治療方針を考え直し、改めて頂きたいのです。このような手紙上の喘息児に対する治療方法が続く限り、喘息患者死亡率は低下しないのではないでしょうか。喘息教室で死亡例を上げ説明するより、最先端の治療方法について教室を開いてみてはいかがでしょうか。
最後になりますが、手紙上の先生、婦長さん、看護婦さんに喘息治療技術のレベルアップと医療看護の温情性をご期待申し上げます。以上が死直前まで経験した私の意見です。
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