喘息で死ぬ人がいるって本当?

 本当です。毎年人口10万人に対し約5人の割合で喘息の患者さんが亡くなっていります。日本全体で見ると年間6,000人の方が亡くなっているのです。喘息死は必ずしも重症な患者さんにのみみられる現象ではなく軽症患者さんにも起こるとされています。発作が単純にひどくなって死に至るよりも、硬い痰が気管を閉塞し窒息してしまうことが原因と考えられています。また、長年の低酸素状態への慣れから、苦しくても苦しいと感じなくなっており、ぎりぎりの状態で忙しい日常生活を送ることもその原因と考えられています。“喘息死”という言葉を聞くことは多いと思いますが、ほとんどの喘息の患者さんは自分と無縁のことと考えているのではないでしょうか?この寄稿集でも(2)(4)(10)のようにあわや“喘息死”の状態を経験した方を紹介しております。決して脅かしているわけではありませんが、“喘息死”はいつも隣り合せであることを胆に命じて頂きたいと思います。

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