(2)36歳、女性(その2)。
このような治療を進めて行く過程で、1994年3月、先生は勇断をもって私に内服ステロイドの“メドロール”投与という画期的な治療を施して下さいました。そのメドロール投与により、今日まで“全く一度も”喘息発作は発症しておりません。かかる状態は先生の下記の綿密な治療方針の賜物と確信しております。これはすなわち私の喘息管理法ともなっております。
1)全身性ステロイド治療:気道の浮腫解除。
2)吸入ステロイドの正確な吸入:誤った吸入方法では症状が悪化する。
3)ピークフロー測定:喘息患者の常識→発作予知可能。症状悪化時最も大切なデータ。
4)経口ステロイド自己管理:自己ベスト20%低下時には投与量16mgまで増量。いつでも内服できる状態にしておく。
5)水分補給(去痰作用、乾燥予防のため必須)。
最後になりましたが、私が喘息という病と闘ってきて思うことは、喘息は“病は気から”などという考えではいつまでたっても治らないということです。私論になりますが、自分にあった適切な治療を施して頂く必要があるということです。一度浮腫に陥った気道はステロイドを使用しなければ何度でも発作を起こす。私は実証済みです。
先生方へもの申す立場のものではありませんが、これだけは喘息患者として言わせて頂きます。喘息の治療には数多くあると思いますが、その患者に一番有効な治療があるはずです。私のように頻回に起こす喘息に対しては、一つだけの治療方法(対症療法)にこだわらず、他の治療方法(ステロイド療法等)ではどうかと検討して頂きたいのです。現に私のように副作用全くなく好機を転じているということを忘れないで下さい。
また、現在喘息で苦しんでいる方、苦しんでいるのはあなただけではありません。あなたを取り巻く全ての人間(主治医・家族)があなた以上に苦しんでいるということを忘れないで下さい。これは全快してわかりました。根気よく、正確なデータを主治医に伝えることが好機をつかむ一番の早道です。
私は今、13年前、重症で歩くことすらできなかった病院前の坂道を、今は息切れ一つせず“ダッシュ”することができるようになりました。私のような重度の喘息を治療して下さいました主治医の先生、いつもやさしい言葉で力づけて下さいました看護婦さん方に深く深く感謝申し上げます。
1996年12月31日、メドロール増量しピークフロー値610測定。自己ベストを知る。
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